TS憑依堀北さん   作:larana

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書きたい話全部書いてる+1話1話の文字数がかなり少ないせいでまだ1巻が終わらない……


衝突!CクラスとDクラス

テストを残り2週間ほど後に控えた金曜日、ホームルームの時間に茶柱先生が突然こんな事を言いだした。

 

「お前達に連絡事項がある。中間テストの範囲が変更になった。範囲は───」

 

え、それ教えてくれるの?

 

原作だとこの事実を伝えなかった上に1週間位経ってから一之瀬と龍園のクラスのモブに教えてもらえるまで気付かなくてかなりの時間をロスするんだが……

高育初のDクラスからの成り上がりを見せた私達現Cクラスに茶柱先生も期待していると見て良いのかな、これは?

 

「以上だ。テストに向けて勉強しておくように」

 

 

放課後を迎えたので図書館に場所を移して勉強会を行うことにする。

範囲が急に変更になって須藤達は文句たらたらだが、こちらとしては元々予想していてそれに合わせてあえて基礎学力の向上や苦手の根本からの対策に重点を置いて勉強会を行っていたので試験範囲全振り+1週間期間が短かった原作での状況よりもだいぶマシ……なはずだ。そうだと思いたい。

 

「いや~にしても俺達結構出来るようになってきたんじゃない?」

「今度のテスト楽勝だな!」

「まだ油断は出来ないわよ山内君に池君、例えばここの問題───」

 

 

「さっきからうるせえなお前ら、静かに勉強できねえのか?」

 

と、近くの席の男子生徒が勢いよく立ち上がってこちらに声を上げてきた。

 

「ああ?なんだお前」

「だからお前らがうるさくて集中出来ねえっつってんだろバカ野郎、耳ついてんのか?」

「んだとオイ!」

 

まずい、間に入った須藤が売り言葉に買い言葉でキレてる。止めなければ……

 

「てめえどこの誰だよオイ、舐めてんのか!」

「俺か?俺はDクラスの山脇だ」

「D~?ああ!4月で510ポイントも失ってCからDクラスに落ちた『あの』Dクラスさんですか~、勉強大変ですね~」

「バカはお前じゃねえか、バーカ」

 

池と山内まで乗っかって色々言い出した。いや確かにバカがバカって呼んでくるの腹立つのは分かるけれども。

 

「ああ!?てめえらちょっとポイントが高くてうちらと入れ替わりでCクラスになったからって調子乗ってんじゃねえぞ!」

「やるかコラこのDクラス野郎が!」

 

 

 

「両者そこまで!喧嘩はダメだよ!」

 

一触即発の雰囲気になったその時、横から女子生徒が1人割り込んできた。

 

「Cクラスの人もDクラスの人も落ち着いて!お互い言い過ぎ!」

「なんだお前、関係ないやつは引っ込んでろよ」

「私もこの図書館の利用者の1人だから無関係じゃないよ」

 

 

「けっ、やる気が失せたわ。こんな所で勉強出来っかよ」

 

横から入ってきた女子生徒が須藤を制止していると、Dクラスの山脇と名乗る男子生徒は帰っていった。

 

「須藤君、落ち着いて……元々騒がしくしていたのはこちらだし、もう既にあのDクラスの男子もここを出ていったし」

「……そうだな堀北、すまねえ」

 

「これで良し!図書館では静かに勉強しようね」

 

そう言うとその女子生徒はこの場を立ち去ろうとしていった。私はその女子生徒に声を掛ける。

 

「先程は私のクラスの男子達を止めてくれてありがとう、貴女は……」

「私?私は一之瀬帆波、1年Bクラスだよ!そっちは?」

「私はCクラスの堀北鈴音よ。よろしく」

 

ここで間に入ってきたことやその特徴的な声(東山ボイス)容姿(ストロベリーブロンドの長髪)で私は予想はついていたが……

改めてこの世界で対面してみると美人だなあ……髪とかつやつやしてるしスタイルも良いし……

雰囲気も正統派美少女って感じだしこれは作中でも人気出るわけだ。

 

「ああ、貴女が堀北さん!あのDクラスをCクラスにした立役者って噂の!」

「そう言われると照れるわね……私だけの功績でもないし」

「それでも凄いよ!初日に全部クラスポイントのこととか当てちゃったんでしょ?星之宮先生──私達の担任の先生が凄い生徒がいるって話してたよ」

 

星之宮のやつBクラスに私の話してたのか……これ他クラスでも知れ渡ってると考えて良さそうだな。

 

「噂になってるなんてね……私はあまり人の注目を浴びるのは好きではないのだけど」

 

必要だったから仕方なくやったけど転生前の『俺』はただの陰キャオタクだしな。正直さっきの喧嘩の時もビビって止めに入れなかったくらいだし。

 

「え~、そうなの?Cクラスのリーダー的な人かと思ってた」

「その役割は私ではないわね、平田君とか櫛田さんじゃないかしら」

「あ~、イケメンランキング2位の平田君に友達多い櫛田さん?あの2人も人気あるよね」

「リーダーシップや社交性という点ではあの2人の方が私よりずっと上だから……」

 

実際問題、初期は大きな欠点を抱えていたとは言え元々ポテンシャルは高く作中でどんどん成長していく堀北鈴音はともかく今憑依してる『俺』は原作知識が無ければただのカスだ。この世界だと凡人以下だろうという自覚はある。

 

「結構謙虚なんだね堀北さんは、ちょっと予想外だったかも」

「……どういうタイプを予想していたのかしら」

「上のクラスに上がることに関して全力な野心家って感じ?」

 

上のクラスに上がることに関しては私も強く意識してはいるが。

 

「そういう貴女は?」

「私?私も勿論Aクラスで卒業したいと思ってるよ!クラス皆でAクラスになるのが目標なんだ」

「そこは私も同じよ、気が合うわね」

「そうみたいだね……ねえ堀北さん、連絡先交換しない?」

「そうね、そうしましょう」

 

一之瀬帆波から連絡先を貰った。美少女に連絡先貰うとか緊張した……

その後私達は勉強会を無事に済ませ、その日は解散した。

 

 

 

勉強会で赤点組の生徒の学力も問題ないレベルにまで上がってきたとは言え、テストに向けて最後にあるものを入手しておく必要がある。

 

───過去問である。

 

このテスト、実は毎年同じ問題が出るので上級生から過去問を貰うなりポイントで買うなり何かしらの交換条件と引き換えに譲り受けるなりすれば赤点回避どころか全教科満点も簡単に取れるのである。

尤もこれ以降のテストではこんな事はできないので、基礎学力の向上は必須なんだが。

 

 

過去問を上級生から買うために上級生……出来れば3年生のDクラスの男子生徒を探して声をかけなければいけない。

それは私一人でもおそらく出来なくはないだろうが、出来れば助太刀が欲しかった。

 

 

 

「と言う訳で櫛田さん、力を貸して欲しいのだけど……」

「うんっ、分かったよ堀北さん!そういうことなら私に任せて」

 

櫛田に協力を求めるのは私達の関係性を考えるとちょっと怖かった───櫛田は過去を知っていると考えて私の退学を望んでいるはずだ───のだが、他にこれからやることの援護を頼める女子生徒が居なかった。

佐倉はまだ全く交流がないしグラビアアイドルであることを明かしても居ないから「あの雫ちゃんがセンパイにお願い」って手は使えないしそれを頼んだら彼女の好感度は地に落ちるだろう。

長谷部も容姿的に候補ではあるのだが、彼女は自身の容姿……具体的に言うとスタイルの良さ(巨乳)で男子が()()()()目線でしか見てこないのをひどく嫌っている節があるのでこれも論外だ。

という訳で櫛田に援護を頼む羽目になったのである。

 

「ありがとう櫛田さん、お礼に今日のお昼は私が奢るわ」

「良いよ堀北さん、クラスの為なんでしょ?わたしにも協力させて!」

「そういう訳には……」

 

表面は良いけど内心何考えてるかわからないから礼だけはしっかりしておかないと怖い……

 

 

そんなこんなで迎えた昼休み、食堂でターゲット───山菜定食を食べている上級生の男子生徒───を探していると、それらしき人物が見つかった。

交友関係の広い櫛田に1年生の生徒じゃないか確認を取ってから2人で話しかける。

 

「あの、すいません……先輩、少しお話よろしいですか?」

「な、何かな君たちは?」

 

クール系美人(堀北)可愛い系巨乳美少女(櫛田)に声をかけられた3年生と思しき男子生徒は明らかに動揺していた。

俺だってこんな美少女2人がいきなり声をかけてきたらこうなる。仕方ない。

 

「先輩にその、お願いがあって……」

「お、お願い?な、何かな?」

 

櫛田の胸に目線が引き寄せられている先輩───この身体になってからこういう目線に敏感になったのは正直面白い変化だった───に、核心をついた頼み事をする。

 

「先輩が1年生の時の1学期の中間テストと小テスト、その問題を譲っていただけないかと思って」

 

私がそう言うと、美少女に囲まれて浮かれていた先輩の顔が緊張に包まれる。

 

「……なんでそんな事を?」

「先輩、失礼ですがその……山菜定食を注文しているということは、ポイントにお困りなんですよね?私達は過去問を頂ければ、それに対価をお支払いする用意がありますよ」

「……たしかにそうだけど」

「10000ポイントで先程お話した中間テストと小テストの過去問を譲って頂けませんか?」

「俺が持ってるわけじゃなくて持ってるやつに声を掛ける形になるから……30000ポイントなら」

「お願いします、先輩!私達クラスメイトの為にこの過去問が必要なんです!」

 

値段交渉を先輩が仕掛けてきたので私が櫛田に目配せをすると、櫛田は身を乗り出して───胸をさり気なく強調するように───先輩に誠心誠意といった体でお願いをする。

 

「私からもお願いします、先輩……私達、ポイントに余裕がなくて」

 

私も頭を下げる。

 

「わ、わかったよ……10000ポイントで良いよ」

「ありがとうございますっ先輩!」

 

と言うと櫛田は満面の笑みで哀れな先輩に近づいてポイントを支払い、過去問を持ってくることを確約させた。

 

先輩が席を立ったのを確認して、櫛田がこちらに話しかけてくる。

 

「上手く行ったね堀北さん」

「いえ、貴女のおかげよ櫛田さん。今日はありがとう。それから……これ、10000ポイントと今日のお昼代」

「ええ~良いのに~!私だってクラスのためならこれくらい払うよ!」

「私から頼んだわけだし、このくらいはしないと……受け取って、櫛田さん」

「じゃあありがたく頂くね堀北さん」

 

 

こうして私達は過去問も入手できた。ついに中間テストがあと2週間後に迫っている……

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