TS憑依堀北さん   作:larana

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他の事してると中々書くのに手が回らないですが、書き始めると文章浮かんでくるの自分でも不思議です
でも先の展開とか書きたいシーンのアイデアは他の事してる時の方が浮かぶんですよね


バカンスだと思った?残念、1週間無人島生活でした~!

船から無人島に降り立った私達は、各クラス毎に整列させられていた。

 

「早くビーチに行きてえな~、櫛田ちゃんの水着姿……うへへ」

 

池達三馬鹿を中心に男子はもう海に行って遊ぶ事……と言うよりは女子の水着姿を目に焼き付けることしかもう頭に無いようだ。

たしかに無人島のペンションでバカンス!って言われたらそりゃ色々期待するよな……

 

前世では陰キャだったせいでアウトドアといえば1人か家族や親戚と、同世代の友人とは殆ど行ったこと無いから新鮮な気分だ。

外でバーベキューとかするの楽しいし好きなんだよな、グリルで焼いた肉や野菜とビールが合うのなんの。

……尤も今は15歳*1なのでビールとか飲んだら未成年飲酒で一発退学だろうが。

 

 

そんな事を考えていると、生徒たちの前の目立つ位置にある壇上に男性教諭───Aクラス担任の真嶋先生───が上がった。

 

 

「ひとまず皆無事にこの場所についたようだな。1名病欠している生徒がいるのは残念だが」

 

 

あ、坂柳は原作通り参加してないんだな。さっき船のデッキに行った時見なかったしまあそうだろうとは思っていたが。

 

まあ坂柳は身体的事情があるからなあ……いくら管理されてる島とはいえ無人島1週間はキツいだろう。

 

 

「それではこれより───本年度最初の特別試験を開始する」

 

 

はい出ました不意打ち特別試験~~~!!

事前に(原作知識として)知っていた私以外の殆どの生徒が困惑しており、砂浜は1年生のざわめきで満ちていた。

私だって知らなかったらわざわざ恥ずかしい思いしてまで佐倉と水着買ったのに!と怒っていただろう。尤もその水着は今は船内の客室に置いてあるわけだが。

 

「1年生の諸君には今日から1週間、この島で集団生活をしてもらう。試験中は船に戻ることは原則禁止で、生活に必要なことは全て生徒自身が行うことになる」

 

「各クラスにテントと懐中電灯が2つずつ、マッチ1箱、歯ブラシは1人1点支給される。日焼け止めと女子の生理用品は制限なく支給されるので、必要があれば担任の先生に申請するように」

 

……これ担任が男性のAとDクラスの女子生徒地味に辛くない?

言い出しづらいだろ、と前世では男だったのであまり考えてなかった点がふと気になった。

 

「はあ!?それじゃこれから俺達、無人島でサバイバル生活するって事っすか!?無茶苦茶ですよこんなの!」

 

池が早速ブチギレている。まあ折角夏休みに旅行って聞かされてたのにこんなテレビの企画みたいな無人島生活させられるのやってられんわな、とは私も思う。

 

「これは実際にある企業の研修などを参考にしたものだ……それに試験中はいくつかのルールさえ守れば自由に行動して良いことになっている。それこそ、キャンプファイヤーやバーベキューをしたり海で泳いだりしても良いんだぞ?」

 

「え、でも支給品の中にはそんな事するための物が入ってないんじゃ……」

 

すると、真嶋先生が一冊の冊子を持ち出した。

 

「試験期間中は各クラス毎に試験専用のポイントが300ポイント支給される……そのポイントでこの冊子に載っている物、例えば食料品や調理器具に遊び道具等を購入すれば前述したような事も可能だ。なおこのポイントの残額は試験終了後、夏休み明けにクラスポイントに加算される。ただしAクラスは病欠している生徒が1名居る為、その分30ポイントがマイナスされて270ポイントから開始することになる」

 

「ってことは学校側の用意したポイントで遊び放題ってことか!?やりぃ!」

「待てよ、ポイントの残額がクラスポイントに足されるってことは1週間我慢すれば300ポイント増えるのか!?そっちも良いな……俺達夏休み明けからBクラスになれるかもしれねえぞ!」

 

Cクラスは現在クラスポイントが5月頭の550ポイントに中間試験での得点が追加されて630ポイントもあるため、ちょっと節約すればBクラスは普通に目指せる域にある為それを狙う生徒と遊びたい生徒の二択に分かれてかなりクラスが騒がしくなっている。

というか、現状Cクラスが学年全体で一番うるさい。

 

「そこ!静かにしろ! それでは後は各クラス毎に集合して担任の先生から追加の説明を受けるように」

 

そして真嶋先生が壇上から降りてAクラスの方に向かった後、私達Cクラスは茶柱先生の元に集まっていた。

 

 

「これからGPS機能と心拍モニター、緊急事態用の通報スイッチなどが搭載された腕時計を各自に支給する。勝手に外したり故意に壊した場合ペナルティがあるから注意するように。なお完全防水仕様のため水に入る際も取り外しは不要だ」

 

 

……これ、1週間腕時計の下の部分洗えないって事だよな……地味に辛い。1日2日ならともかく夏場に1週間ともなるとちょっと気になる。

あといくら日焼け止めあるとはいえ日焼けも気になる。

 

 

「なあ、茶柱先生、話の途中でわりいんだけどトイレ行っても良い……ですか?」

 

と、須藤が茶柱先生にこっそり話しかけていた。トイレくらい行っとけよな。

 

「トイレか?それについて説明しようとしていたところだ……まあ実物を見てもらったほうが早いか」

 

と言うと、折りたたまれた段ボールのような物を取り出す茶柱先生。

 

「これは各クラスに1つ支給される簡易トイレだ。目隠しのためのワンタッチテントが1つ、ビニール袋と汚物を固めるための吸水性ポリマーシートが無制限に支給される」

 

途端に女子を中心に悲鳴が上がる。

 

「これクラスで1つってことは男子と共有なの!!?」

「てか段ボールでトイレとか絶対無理!」

 

個人的にここは女子と同意見なんだよな……キャンプとかバーベキューの経験はあったが、オートキャンプ用のキャンプ場で水洗トイレある所でしか経験ないし現代人の我々には厳しいものがある。

というか40人で1個て。いくらなんでも無理あるわ。

 

女子の悲鳴をよそに説明を続ける茶柱先生。よく考えたら茶柱先生もこれ経験者なんだよな……

 

「なおトイレ以外の場所で用を足した場合、環境を汚したとしてペナルティがつくので注意しておくように」

 

「そして最後に、重要なルールの説明を行う」

 

「まだあんのかよ……」

 

原作読んで知ってる身としては正直池に同意見だ……知ってる内容をこの炎天下ずっと説明されるの、聞いてて飽き飽きしてきた。

 

 

「島の各所にはスポットと呼ばれる場所が設定されている。それらは各クラスが占有して使用することが可能だ。ただし1回8時間で占有効果が切れるので、その際は別クラスが占有権を奪取することも出来る。なお1回占有する事に試験終了後、1ポイントのボーナスが支給される」

 

「そして以下がスポットの占有に関するルールだ」

 

・専用のキーカードが必要

・他クラスの占有中のスポットを使用した場合、マイナス50ポイント

・キーカードはクラスのリーダー(1クラス1人)のみ使用可能

・正当な理由のないリーダーの変更は不可

・7日目の最後の点呼時に他クラスのリーダーを予想して指名可能。成功した場合1クラスにつき50ポイント。失敗した場合マイナス50ポイント。また他クラスにリーダーを当てられた場合、マイナス50ポイントとボーナスポイントを全て失う。

 

「クラスのリーダーに関しては今日の点呼までに決めておくように。もし決まっていなかった場合、学校側がランダムに指名することになる。以上だ」

 

そして一斉に動き出す各クラスの生徒達。早く動いた方がスポットの占有とか有利だからな、そりゃそうなる。

 

 

 

「リーダーに関してはまだ次の点呼まで時間もあるし後で落ち着いてから決めたほうが良いんじゃないかな。とりあえず今はCクラスのベースキャンプをどこにするか決めよう」

 

 

まず平田が動き出した。こういう時頼りになるのはやはり平田だ。

 

「すまねえ、先にトイレだけ使わせてくれ平田!」

 

と、横から須藤が現れて茶柱先生から簡易トイレセット一式を受け取ると、早速先ほど説明された簡易トイレの使用法を()()しだした。

……まあ()()()()()()ペナルティ喰らうよりは良いけどさ……

 

女子がドン引きしている。まあこれをいきなり使えって言われたらそりゃ無理だろう……

個人的にアレを使うのは避けたいし、ここは自分から解決策を提案するか。

 

「ねえ、平田君……ちょっとマニュアルを借りてもいいかしら?」

 

私は平田に声を掛ける。

 

「どうぞ堀北さん、何か気になる事でもあったかな?」

 

「いえ、その……女子を中心にあの簡易トイレを使うのに抵抗感がある人が多いみたいだから、何か代わりになるものはないかと考えてて」

 

「それなら……この仮設トイレならどうだろう?1基20ポイントで設置できるみたいだね」

 

平田にトイレに関しての代替案を探すように誘導した所……やっぱり出てきた、仮設トイレ。

仮設トイレとは言えあの簡易トイレと比べたら雲泥の差だ。

 

「そんなのあったの平田君!?これ買お!」

 

横から顔を突っ込んできた篠原を始めとして、女子は多くが買うのに賛成のようだ。

 

「はあ!?トイレに20ポイント!?簡易トイレで良いだろ!」

 

すると予想通り、男子から反対意見が上がった。

ポイントを最大限節約すればリーダー当てをやらなくてもいっきに900ポイント台にまでクラスポイントが増える状況だから、男子が反対するのも解らないでもないんだが……

 

40人であの簡易トイレ1個は流石に無理があるだろ!朝とか夜の就寝前とかのタイミング大行列になるわ!

 

「私は購入に賛成よ。あの簡易トイレの問題……と言うより、40人で1個のトイレを7日間使用するのは無理があると思うわ」

 

「堀北さんも賛成なのか?堀北さんは他の女子と違って感情論で動かないタイプだと思ってたが、俺の見当違いだったみたいだな」

 

幸村まで会話に混ざってきた。別に頭が悪いわけじゃないんだけど、やや頑固な所があるんだよな……

そこを解消できれば頭脳面で優秀なやつなんだが。

 

「食後や就寝前などのタイミングで複数人が利用することはあるでしょうし……それにあのトイレは自分たちで吸水ポリマーを入れたり一定回数毎にビニール袋を交換しないといけないのよ?7日間という決して短くない期間それを行う事による衛生面のリスクやストレスを考慮したら仮設トイレを購入することはポイントの消費を考慮しても必要だと判断したまでよ」

 

「……たしかに一理ある、な」

 

「あと、その……女子にはどうしても清潔なトイレが必要になることがあるもの」

理論立てて説明してくれたこと、ポイントが原作みたいに100ポイントもない切羽詰まった状態じゃないこともあってか幸村もある程度納得してくれたが……追加でこれだけは説明する必要があると思ったので、幸村に近づいて耳打ちする。

 

「ほ、堀北?何を───」

 

 

()()()()()()()を説明した所、完全に思考の範疇になかったようで最初狐につままれたような顔をしていたが、そこは頭脳明晰な秀才なだけありすぐに理解していただけた。

まあこれは正直男子だとわからない物があると思う。私も以前の私(陰キャオタク男)のままでは色んな意味で解ることは無かっただろう……いや、出来れば解りたくはなかったが。

 

 

 

 

人類にとって避けては通れない重大な問題についてようやく意見がまとまった後、我々Cクラスはベースキャンプとなる場所やスポットを探して動き出すのであった。

 

*1
堀北鈴音の誕生日は2月15日




手元に紙の書籍で1年生編全部あるんですがKindleで改めて買おうか悩んでます、Kindleの方がSS書いてて原作の内容の確認しやすい……
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