今回の話で龍園達に誘われる所くらいまでは行きたかったけどとりあえず一区切り書けたので更新。
戸塚の不遠慮な言動でAクラスのリーダーや拠点を探し当てた私達は、勝手に居なくなった高円寺君を置いて平田君達と合流するべく足を進めていた。
「それにしても高円寺君ひどいよね」
「彼が集団行動を好まないのは常日頃のクラス内での様子を見ていればすぐ分かることだったから、今更───」
「そうじゃなくて、
ああ、その事か。
高円寺が私達と別れる直前、はっきりと私の方を見てそう呼んできたのは実を言うと私も気になっていた。
実を言うと高円寺と会話した経験はここまで皆無で、正直どんな印象を持たれているか少し興味もあったのだが……
おそらく、高円寺には
何せ、彼が言ったように私は肉体も知識も自分のものではなく借り物の凡人だからだ。
原作知識もなく、元々文武両道だった堀北鈴音に憑依するのでもなくこの世界に存在していた場合、私はこの世界で何も出来なかっただろうとは自覚している。
だからこそ「本物」である高円寺からしてみたら非常につまらない人間だったんだろう。
自覚してはいたが、こうして「本物の天才」の側の人から言われると……やっぱり辛いものがある。折れそうだ。
「……堀北?」
「気にしなくても大丈夫よ綾小路君、佐倉さん。それより早く平田君達と合流しましょう」
眩しい陽光が照らす太平洋上の島には似つかわしくない陰気な事を考えながら、私は先頭に立って歩き始めた。
平田君達と合流すると、どうやら丁度池達が川沿いのスポットを発見して戻ってきたところだったらしい。
まあ特に変化がない限りはやっぱりこのクラスの拠点はそこに落ち着くよな~、でもAクラスが使ってる洞窟のスポットもちょっと憧れるな~と考えながら歩いていると池が話しかけてきた。
「あれ、堀北達4人で出発してなかったか?高円寺は?」
「申し訳ないのだけど、はぐれてしまって……」
「高円寺君ならさっき僕が会ったよ、海で泳いでくるって」
平田の発言から察するに原作通りそのまま海に直行して船に戻るルートに行ったらしい。島から船までは結構な距離があるだろうに、元気なことだ。
「高円寺の奴、木から木に飛び移って移動してたからな……今頃もう海に着いてるだろ」
「なんだそれ、スタントマンかよ!」
綾小路が見たままを伝えると山内に大ウケであった。
そりゃ私だって事前に知らなかったらこの目で見ないと信じられなかったと思うしな、そう思って私は釣られて笑った。
池達の発見した川に向かうと……あった、スポット専有の為の機械。
岩に埋め込む形で置かれているが、これ無人島という設置環境的に風雨にも耐えられるように設計されてるだろうしこの試験専用の機械だろうしで改めて高育の設備は凝ってるなあ……
地面もスポットの近くにテントを置くことを想定してか元々平らにならしてある所をアウトドア経験のある池が石を取ったり下準備をしていたらしく、既に準備は万端だ。
石取らないでテント置くとゴツゴツして痛くて寝れたもんじゃないからね……私がやっても良かったが、先に来ていた池がやってくれたのは助かる。
この恩に報いて後で絶対助けてやるからな、池。具体的に言うと下着ドロの件。
「さて、僕達Cクラスはここを拠点にするわけだけど……スポットは占有するのかい?」
「占有一択だろ平田~」
「占有するならクラスのリーダーを決めて8時間おきに更新しないといけないわけだけど、その姿を他クラスの人に見られたらリーダーを当てられてしまうリスクがあるよ」
「そんなのこうやって壁作って隠せばいけるって」
平田が言ったようにこの川を占有して使う為にはクラスのリーダーを決めてリーダーがキーカードで定期的に更新する必要がある。そろそろ点呼もあるし、さっさと決めてしまいたいところだ。
「じゃあ、リーダーを決めよう。誰か───」
「私がやるわ」
原作通り
おや?なんかクラス内が奇妙な沈黙に包まれたんだが……
すると、沈黙を破って櫛田が声をかけて来る。
「堀北さんだとその、
「そうだね……僕は今までの功績から堀北さんがリーダーで問題はないと思うけど、逆に言えば他のクラスからも容易に予想がついてしまうとも思ってる」
……しまった! こうなるとは予想してなかった!
クソ、序盤からDクラス(当時)で本気出して動いてたのがまさか裏目に出るとは……
たしかに5月1日の時点で星之宮含め教師陣にも注目されていたみたいだし、さらに直近ではDクラスとの一件もある。
これは失態だ……考えてみれば簡単なことだが、すっかり忘れてた。
この試験で堀北鈴音がリーダーに指名されたのは人気があって友人の多い平田や軽井沢、櫛田と比較すると責任感はあるが友人は綾小路除いて皆無だったからという理由であったことを。
他のクラスと比較してみても、Aクラスは戸塚、Bクラスは白波、Dクラスはリタイアを偽装して無人島に潜伏していた龍園……と、リーダー格の生徒ではないか何らかの形で他の生徒がリーダーだと思わせていたかで馬鹿正直にリーダーがそのまま普段のクラスで目立つ生徒なクラスはなかった。
こうなっては自分でキーカードを管理しておく計画が破綻してしまう、どうすれば……
「平田、逆にこうも考えられないか?
と、綾小路がここに来て突然意見を述べた。
「どういう事だよ綾小路、俺でも分かるように言ってくれ」
「簡単なことだ須藤、他のクラスでもリーダーだとは思われないような生徒をリーダーにする位の対策はしているはずだ。その状況下でオレ達だけ
「い、言われて見るとそうかもしれねえ……」
「なるほど、空城の計みたいな物で御座るな」
あ゛や゛の゛こ゛う゛じ゛~!!(ISZK) お前すげえよ!ナイスアシスト!
「じゃあリーダーは本人が希望した通り堀北さんで行こう」
その後須藤が全速力で茶柱先生の所に向かい、リーダー決定を報告してキーカードを受け取った。
早速クラス全員40人で隠すようにしてスポット占有を行った私達Cクラスは、早速テントの設営などの準備を開始するのだった。