TS憑依堀北さん   作:larana

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ま~だ無人島試験の序盤も序盤なので早く進めたいけど色々書きたいシーンも多くて悩む


アウトドア生活はじめました

リーダーを決めてテントの設営を終えた私達は、いくつかの他に必要そうな物品を購入した上で薪と魚や自生している果実などの食料を探すために再度少人数のグループに分かれてスポットを後にした。

 

まず購入した物の1つは追加のテントだ。支給品のテントは8人用が2つでどう考えても詰めてクラスの半分が寝るのが限界だったので、早速もう2つポイントで購入した。

ここ、原作だと男女がモメてるせいで最初女子がテント全部占領してる上に男子は草木を使って野宿しようとするんだよな……尤もその後結局全員分テントを購入することになるが。

そんな手間挟むくらいなら最初に買った方がテント設営の手間とか余計なことする時間を省けるのでそうさせてもらった。

 

それとシャワーも購入した。流石に1週間入浴無しは衛生面でも精神面でも論外だしな。何よりこれがないと発生し得ないイベントとかもあるし、買わない手はない。

 

お次は水のろ過装置だ。池の提案に従って川の水を活用する事で飲み水の購入に当てるポイントを節約するためにどうしても欲しかった。

女子を中心に川の水を飲むのに抵抗のある生徒にもこういう装置があれば納得してもらいやすいだろうと思ったのと、いくらなんでも川の水を煮沸だけで飲むのはちょっと怖かった。

原作知識でここの川の水は安全だと知っていても流石に抵抗感があった、というのもある。ましてや(堀北鈴音)は本来の流れだと無人島で(腹痛ではないとはいえ)体調を崩すわけだし。

 

ちなみに池が女子の目の前で川の水を飲んだ時は私も一緒に飲んだ。女子はともかく池まで目を丸くして驚いていた。

「優等生の良い子ちゃんだと思ってたけどワイルドな所もあるんだな……」と、ちょっと感心したような声で言われた。流石に生水を飲むのは人生初だったが、ここまで驚いてもらえたならその甲斐はあったな。

 

最後は釣り竿だ。1本たかだか2ポイントだし、どうせ後で使うなら初日から持っておいて損はない。

それに、釣り道具の中に入ってる()()()()を調達する必要があったからどうしても購入しなくてはいけなかった、というのもある。尤もこれは()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

「うおおおお!!!薪薪薪ぃぃぃぃぃ!!!」

 

 

 

……そんなこんなで現在私は、やけに暑苦しく全速力で動き回っている須藤と薪を集めていたのだった。

 

いや、綾小路と佐倉、それに山内達から離れて原作通りにDクラスからスパイとして放出されてくる伊吹を拾ってきてほしかったから暇つぶしの為に須藤に声をかけただけだったんだが……

 

 

「須藤君、あまり取り過ぎると自然を荒らしたとみなされてペナルティがつくかもしれないわよ」

 

「すまねえ堀北、あんまキャンプとかしたことねえからとりあえず量集めりゃ良いかと思って」

 

「……冗談よ」

 

 

漫画みたいに須藤がずっこけていたが、実際横で雄叫びあげながら大量に薪集めてんだもん。怖いよ。

私に良い所見せたかったんだろうってのは分かるが……

 

 

 

 

 

そうして須藤と2人で薪を抱えてテントに戻ると、予想通りDクラスの伊吹が山内達と一緒に戻って来ていた。

 

 

 

「山内君?その人は───」

 

「ああ堀北、聞いてくれよ!この子Dクラスの伊吹っていうんだけどさ、クラスで他の女子と喧嘩して追い出されたらしくて」

 

「……女子じゃない。男。そいつと揉めて、叩かれて、その辺ふらついてた」

 

 

 

「伊吹さん、その男子って……」

 

「ッ……!あんた……!!」

 

 

 

私が伊吹に声をかけると、かなり警戒した様子で睨まれた。

私がDクラスの企みを叩き潰して実行犯4人を停学に追い込み、危うくこの無人島試験にも参加できなくなりかけたんだから当然の反応か。

龍園も警戒してるだろうし。

 

 

「もしかして石崎君かしら?夏休み前に私のクラスの須藤君と()()()()()()()()()()()

 

とはいえ、ここはちょっと嫌味を言いつつDクラスの王である龍園に関してはすっとぼけさせてもらう。本人には会ってるけど名乗ってもらってないしな。ギリセーフだろう。

 

 

「石崎の野郎、女子に手上げやがったのか!今度会ったらぶっ飛ばしてやる」

 

「落ち着いて須藤君、まだ彼と決まったわけじゃないし……それに今回の試験中の暴力沙汰は重いペナルティがあるわ」

 

「あ、ああ、堀北がそう言うなら……」

 

 

須藤が私のボケのせいで勝手にヒートアップしていたので宥める事にする。

流石にこの状況でいきなり大喧嘩は勘弁してほしい。

 

 

「それで……伊吹さんだったわね、Dクラスの。自分のクラスに居られない事情があるなら、私達のクラスに居てもいいわよ。食料にも余裕はあるし」

 

これは実際事実であり、池が張り切ってクラス中に助言したり釣りや料理の経験がある生徒を探して食料集めに勤しんでいたので、支給された食料以外にも食べ物は山程あるのだ。

池様々である。

 

 

「正気なの? 私はDクラスだぞ、アンタこの前の審議に参加してたんだからうちのクラスとの間に何があったかは知ってるでしょ」

 

「それでも、よ。困っている人を知りながら放置するような真似、私には出来ないもの」

 

 

 

まあ実際はそんな高尚なこと全く考えて無くてスパイの伊吹に色々動いてもらわないと困るからわざわざ引き留めてるんだけどね。

 

 

「堀北さんの言う通りだ。この森の中で女子1人で野宿するような無茶をするくらいだったら、僕らを頼ってほしい」

 

「平田君がそう言うなら私も賛成かな~。 ……いじめとか好きじゃないし」

 

上手い具合に平田と軽井沢が伊吹を引き留めるのに賛成の意を示してくれた。

尤も、そう動くだろうとは思ってたが。平田は元から人が良いのと過去のトラウマでクラス内で揉め事を作るのが嫌いで、軽井沢は自身の経験から女子のいじめには敏感だからな。

 

 

「……アンタら、底抜けのお人好しだね」

 

「まあ俺等は4対1で喧嘩吹っ掛けるような連中とは違うからな!それにもしDクラスの連中が来てもぶっ飛ばしてやるぜ! ……健が」

 

「俺任せにすんなよ春樹……」

 

 

そんなこんなで談笑しながら各々仲の良い生徒と集まって食事を取ろうとしていると、茶柱先生が近付いてきた。

 

 

 

「Cクラスの生徒全員に1つ報告事項がある。  ……高円寺が体調不良を訴えて試験をリタイアした」

 

 

 

 

 

 

「「「はぁ~!!?」」」

 

 

お、いよいよ正式に高円寺がリタイアした事が通知されたか。1日目の終わりを告げる時報みたいなイベントだ。

(ほぼ)全員リタイアする事をクラス全体で作戦として行った龍園達と違ってこちらはまともに無人島試験やってるからなあ……そりゃクラスの反発も大きくなる。

 

「先生、1人リタイアした時のペナルティって何ポイントでしたっけ……」

 

「30ポイントだ。()調()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、残念だが諦めてくれ」

 

「うっわ高円寺君何考えてんの……てか朝普通に元気だったよね?」

 

 

せっかくポジティブな方向にまとまりかかっていたCクラスは、高円寺の唐突なリタイアが原因で一気に険悪なムードになっていったのであった。

 

 

 

 

 

 

そして現在、日も落ちて時は無人島1日目の夜である。

食事して腹が満ちたことと1日野外活動をした疲れからか皆落ち着いたので就寝準備をして……いたのだが、私にはある問題があった。

熱が出たとか腹を下したとかではない。体調は今のところ良好だ。

では何が問題か?

 

 

 

「あ゛~暑い……やっぱいくらシャワーは浴びれるって言っても冷房もないテントは辛いわ……」

 

「ポイントでエアコンとか買えたりしないかな……」

 

 

 

そう、私はこの試験中、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のである。 この私(元陰キャ憑依男)が。

 

 

当たり前だが皆は私の事情を知らないので、当然同性だけの空間でするように……私の目の前で着替えたり無防備に汗を拭いたりするのだ。

その上、本来8人用のテントを10人で使ってるので狭い。つまり他の女子との距離が近い上に圧迫感もある。

 

 

するとどうなるか? 匂いが! するのだ! 女子の!

 

 

あと衣擦れの音とかもする!

 

 

こんな状況で寝れるか!!!

 

 

 

せめてこっそり靴の中に隠してアイマスクと耳栓でも持ってくればよかった……いやポイントで買えるか?でもこの全員ポイント節約してる状況で1人だけ変な小物買うのも……

 

「眠れないの?堀北さん」

 

と、誰かが声をかけてきた。声のする方を向くと、そこには長谷部が居た。

 

「ええ……その、恥ずかしい話だけど中学時代まで友人がいなくてこういうお泊り的なことはしたことなかったから、慣れて無くて」

 

「あはは、堀北さんでも苦手な事とかあるんだね」

 

「長谷部さんはどうなの?」

 

「私もあんまりこういうのは経験ないかな~……」

 

考えてみれば長谷部とは会話をしたことがなかったな。

原作でもあまり会話がない組み合わせだけにちょっと新鮮な気分だ。

 

「ねえ、佐倉さんはどうなの?」

 

と、長谷部がたまたま寝る位置が真横だった佐倉に話題を振った。

にしても、「佐倉さん」か。まだ綾小路グループも何も無い時期だから名前呼びもあだ名呼びもしてないのが当然ではあるんだが、長谷部といえばそのイメージが強いのでなんだか珍しいものを見た気分だ。

 

「私?私もしごt……家庭の事情であんまり経験ないんだ」

 

「え、佐倉さんも?奇遇だね、私たち3人似た者同士じゃん」

 

「あはは……友達が居ないのが共通点っていうのは変わってると思うけど」

 

確かに変な共通点でまとまったグループだな。

まとまり……と言えばこの3人だと私1人だけ仲間外れでもあるな。何がとは言わんが。

決してうつ伏せに寝転んだ状態で会話してるからパッツンパッツンのジャージが潰れてすごい光景に……なんて思ってないぞ。

 

 

 

「……」

 

「ど、どうかしたの?長谷部さん」

 

「いや、なんか男子のや~な視線を感じたような……でももう夜だし、テントの中女子しか居ないし……」

 

「……誰かが噂してたんじゃないかしら。さっき佐倉さんの事を山内君が話していたのを見た覚えがあるし」

 

 

許せ山内。スケープゴートにして悪かったな。

でも私は君がこの後盗撮事件を起こすのを知ってるしそれで相殺って事で。

 

 

こうして会話してると時間が経つのは早いもので、夜も更けてきてなんとか私は無事眠りにつけたのだった。

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