TS憑依堀北さん   作:larana

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サブタイってどのくらいネタに走っていいのか悩む時がありますね


龍園さんからの誠意でバーベキューをサービスしてもらいました

んー……暑い………って何処だここ……?

 

……段々意識が覚醒してきた。そうだ、今私達は無人島試験の最中でここはテントの中……

 

腕時計を確認すると今ちょうど2日目の早朝であった。

昨夜はありとあらゆる私物が持ち込み禁止なのと周りに灯りもない自然の中なおかげで思ってたよりだいぶ早めに眠りについていたらしい。

普段自分の部屋にいるとつい夜更かししちゃうもんなあ、高育に居るとこういった特別試験を除いては自分の部屋で生活する事になるから久々のアウトドアも環境の変化が味わえるって点では悪くないかもな。

 

 

折角だし(転生前)キャンプに行ったらよくやってたように早朝の散歩でもするか、と思って外に出ようとすると外から何やら物音がしている。

 

2日目の朝……まだ誰も起きていない状況……これは()()イベントだな、と思って静かにテントから出るとそこには───

 

 

「おはよう綾小路君、伊吹さんの鞄を片手に何をしてるのかしら」

 

「……いや、堀北、違うんだこれは」

 

 

 

我らが主人公(綾小路君)がテントの外に積んであった鞄の山の中から伊吹の鞄を取り出している所だった。

 

 

 

「他の男子ならともかく、綾小路君が()()()()事をするとは思ってないから安心して。察するに伊吹さんが何かCクラスに仕掛けようとしているかどうか調べていたんでしょう?」

 

「あ、ああ……実は昨日伊吹を森の中で見つけた時、気になる事があってな」

 

「それで?何か怪しいものは見つかったかしら」

 

「何かやけに固い物が入ってるような音がしていたからおそらく何かの機械が入っているんだろうと思うが……あった、これだな」

 

 

そう言って綾小路が取り出したものは───デジタルカメラだった。

 

 

 

「これは……カメラ?思い出作りに使う訳では無さそうね」

 

「おそらくオレ達のクラスのキーカードを撮影して自分のクラスに報告する為だろうな」

 

「となると伊吹さんがクラスメイトと対立して追い出された、というのも嘘ね。殴られていた跡自体はあったから、おそらく信憑性を持たせる為にわざと痕跡を作ってきたんでしょうけど」

 

「そこまでするとなると、伊吹は相当Dから上のクラスに上がりたいか……」

 

「もしくはDクラスに絶対的なリーダーが居て逆らえないか、ね」

 

 

 

まあ私はここまでの流れを元々知ってた(原作で見た)んだけどね。

ただここで2人でこれを確認した、というのが大事なのだ。

あとちょっといけないことしてるみたいで楽しい。いや女子の鞄漁るの端的に言って変態以外の何者でもないけど。

 

 

 

「他には何か───あっ」

 

 

鞄を漁っていた綾小路が鞄から何かを引っ張り出した。それは……

 

 

 

「……流石に()()()()()()()()工作に使う事は無いと思うのだけれど」

 

 

伊吹の着替え……それも下着だった。

何してんの綾小路君。

 

「……」

 

「早く鞄に戻しましょう、流石にもうそろそろ他の皆が起きてくるわ」

 

慌てて伊吹の鞄を片付ける羽目になった。

 

 

 

 

「おはよう綾小路君、それに堀北さん。2人共随分早起きなんだね」

 

 

あの後すぐ、誰かが起きた気配がして急いで荷物を片付けたら出てきたのは平田だった。

びっくりさせやがって……

 

 

「ええ、おはよう平田君。私達2人共アウトドア経験がないから、よく眠れなくて」

 

アウトドアどころか綾小路に至ってはそもそもホワイトルームの外に出たのが1~2年前だからな。

そりゃ眠れんわ。

 

「そうなんだ……僕も似たようなものでね。それに残りポイントの事を考えてたせいか、目が覚めちゃって」

 

「残りポイントに関してはあまり心配しなくてもいいと思うわ、どのみちこの試験で全部使い切ってもクラスポイントがマイナスになるわけではないもの」

 

「そうかな?結構大胆なんだね堀北さんは……昨日高円寺くんがリタイアしたこともあって想定外のロスがあったし、もっと慌ててるかと思ったけど心配無さそうだ」

 

この辺は原作知識様々である。知らなかったら普通にキレてた。

というか私自身も()()()()()()()()()()()だしね、あんまり他人のこと強く言えないのもある。

 

 

 

そんな話をしながら川に顔を洗いに出かけると、1人の男子生徒が近づいてきた。

 

「あら、貴方は……Bクラスの神崎君?こんな所で会うなんて、奇遇ね」

 

「そういう君は堀北さんか。噂は聞いている」

 

 

Bクラスのイケメンなんだけどあんまり作中良い所のない神崎君である。

見た目は好きなんだけど劇中目立って活躍してないよねこの子……

 

 

「Cクラスは上手くキャンプを設営できたみたいだな、流石に()()堀北がいるクラスなだけはあるか」

 

「褒め言葉と受け取っておくわ」

 

 

星之宮といい坂上といい、私のことどんな風に触れ回ってるんだ?どこ行ってもこんな反応されてんだが……

 

「神崎、そういえばBクラスはどこにテントを設置したんだ?オレ達も見学したいんだが」

 

「ここから南西の、折れた大木のところから道なりに進んだ奥にある。俺はそろそろ朝の点呼だから戻らないといけないが、後で時間があったらぜひ来てくれ」

 

そう言うと神崎は去っていった。あとで見に行ってやらねば。

 

 

 

 

「何なんだお前ら、また健にぶっ飛ばされに来たのか!」

 

朝の点呼を終えてCクラスの生徒が各々自由行動に移る頃、突然池の怒号が聞こえてきた。

()()ということはおそらくDクラスの面々なんだろうな、と思い見に行くと予想通り小宮と近藤が来ていた。

龍園の命令だとはいえ1回こてんぱんにやられたCクラスにのこのこ顔を出すとはいい度胸をしている。

 

「へっ、Cクラス様がどんな様子か見に来たら、なんともまあけちくさい暮らしをしてるもんだ」

 

手にスナック菓子や炭酸飲料を持ってこちらを挑発する2人。

別にうちのクラスも龍園の0ポイント作戦をやろうと思えば出来たんだが、そうした場合私の唯一の武器である原作知識が使えなくなってしまうのが……

龍園だってバカじゃない、他のクラスが自分がやろうと思ってた作戦を丸パクリしてきたら何か対策してくるだろう。

そういう理由もあって、ポイント全部使って贅沢三昧をしているDクラスは正直ちょっと羨ましかった。

 

「呆れた、貴重なポイントを無駄遣いするなんて。7()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()なら喉から手が出る程欲しい300ポイントでしょうに」

 

「てめえ、言わせておけば……!!」

「あいつ、あの時の……!!」

 

「ポイントを一時の快楽に費やすような貴方達でも、どうやら多少の記憶力はあるみたいね」

 

「んだとコラァ!」

「おい、落ち着けって!龍園さんに言われたこと忘れたのか!?」

 

龍園の命令で来てんだしおつかいも果たせず暴力沙汰起こしたらキツい制裁受けるだろうからな、ちょっと煽ってからかう位では暴発しないのは目に見えてる。

それにこのくらいの毒舌なら正直(堀北鈴音)のキャラ的にも許容範囲だろう。

 

「龍園……?」

「聞いたことがあるな、Dクラスの無茶苦茶やる野郎だって話だが」

「あいつはめちゃくちゃよ」

 

龍園にわざと殴られて他クラスにスパイに行くなんて事やってる伊吹が言うと説得力が違うな。

 

 

「お前ら、そんなに言うなら俺達Dクラスの居る浜辺に来てみやがれ!貧乏臭い生活をしてるCクラスとは違って俺達は夏休みを満喫してるからな、龍園さんからの伝言だ!」

 

そう捨て台詞を吐くと自らのクラスに帰っていく小宮と近藤達。

もっとこっちのクラスを挑発する予定だったんだろうが、あいにく逆にこっちから口撃されたせいでしまりがない感じになっていた。

 

「何だったんだ、Dクラスのやつら……」

「また須藤君に喧嘩売りに来たんでしょどうせ、審議でボロ負けだったし」

 

Cクラスも小宮達に対して口々に悪口を言いながら、それぞれの活動に戻っていった。

 

「堀北……さっきのDクラスの小宮達の発言、気にならないか?」

 

すると、先ほど伊吹達の近くにいた綾小路がこちらに声をかけてきた。

 

「そうね……安っぽい挑発だけど、2人のあの様子からして相当ポイントを消費しているみたいだし、どうなっているか見に行く必要はありそうね」

 

「ああ、オレも丁度一緒に様子を見に行こうと思ってたんだ。時間つぶしにもなるだろうしな」

 

「おい綾小路、堀北を連れてって大丈夫か?今またDクラスの所に行ったらあいつらまたブチ切れんじゃねえのか」

 

 

須藤君、心配してくれるのは良いけど別に(少なくとも今の状況では)直接暴力振るってくるわけじゃないし大丈夫よ───そう言って私達2人もDクラスを見に行くのであった。

 

 

 

 

Dクラスのキャンプ地である浜辺に向かうと、小宮達が言っていたように生徒が思い思いに夏を満喫していた。

バーベキューを楽しんでいる者もいれば泳いだり水上バイクで遊んでいる者もいる。

ほぼ全員───それこそ泳ぐよりは読書派であろう椎名まで───水着に着替えていて、なんというかここが特別試験の会場でなければ普通に学生グループのバカンスと言う雰囲気だ。

 

あと個人的にアニメの世界だけあってモブでも美男美女が多いので、水着姿の生徒が周りでキャッキャしているのは、その……目に毒だ。

うわあそこのビーチチェア座ってるやつとかモブ学生とは思えん身体付きしてる……すっご……

 

 

でもうちのクラスにも(性格は難アリだが)櫛田とか長谷部とかプロのグラビアアイドルの佐倉とかいるもん!負けんぞ!などと謎の対抗心を燃やしていると、この中で数少ないジャージの生徒である小宮が声をかけてきた。

 

「おい、お前ら!龍園さんが呼んでるから早く来い」

 

「言われなくても行くわよ」

 

それが目的でここまで来てるわけだしな。

 

 

 

龍園の下に向かうと、彼もまた水着で───男子なので当然上半身裸だ───ビーチチェアに寝そべっていた。

横にアルベルトも立っており、なんというか学生なのにもかかわらず何処となく「王」っぽい雰囲気が漂っている。

なんというかこういうのが似合う奴なんだろうな、と思わざるを得なかった。

 

「よう。来たか、歓迎するぜ」

 

「貴方達、無人島をエンジョイしてるみたいね。これだけの物資を揃えるのに何ポイント使ったのかしら?()()()3()0()0()()()()()()()使()()()()()

 

私がそう言うと龍園は笑みを浮かべた。

 

「ああ、そうさ───俺達はわざわざこんな試験で暑い中我慢してせいぜい100ポイント程度を稼ぐくらいなら、全部使っちまったほうが良いと思ったのさ」

 

「6月の事件の時から思ってたけど貴方達、本当に後先考えずに行動するのね。短慮で無計画、貴方達がDクラスに落ちるのも納得ね」

 

「何だとこのアマ!言わせておけば──ッ」

 

 

と、砂浜に正座させられてた男子の1人がこちらに殴りかかってきた。

本気で殴りかかって来るやつがいるとは思ってなかったので思わず反応が遅れ───

 

 

「You! Bad boy!」

 

しかしその手はアルベルトの巨体に遮られた。

拳を手で受け止め、そのまま地面に押し返すアルベルト。

 

「おい、てめえ……俺が今鈴音と話をしてる最中だろうが。覚えておけよ」

 

「ひ、ひっ……!」

 

龍園に凄まれてへなへなと地面に座り込む男子生徒。いや、焦った……仕込みなのかもしれんが、本気で焦った。

 

「話が逸れちまったな。これが俺達のやり方だ」

 

「龍園君のやり方……ね。伊吹さんに手を上げたのもそうなの?」

 

「ああそうさ、俺のやり方について来れないやつはうちのクラスには必要ないからな。どのみち既に300ポイント使っちまってるから、ペナルティもクソもねえしな」

 

「その見下げ果てた根性には呆れを通り越してある種の感動まで覚えるわね……」

 

「ククッ、なんとでも言えば良い……それに俺はお前みたいな女は嫌いじゃない。どうだ、一緒に遊ばないか?最高の気分にさせてやるよ」

 

 

お、ついに龍園さんから"お誘い"が来た。ここは勿論───

 

 

「そう?じゃあ折角だし、ご馳走になろうかしら」

「おい堀北」

 

 

綾小路が横で引き留めてきたが、それを無視して近くのテーブルの上から小ぶりのりんごを掴んでひと齧りする。

 

 

「ご馳走になったわ、龍園君。最終日にまた会いましょう」

 

 

 

そう言うと私は、綾小路君と共にCクラスの下へと戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~小ネタ;もし選択肢を間違えたら~

 

 

 

ついに龍園さんから"お誘い"が来た。ここは勿論───

 

 

綾小路が横で引き留めてきたが、それを無視してとりあえず龍園の真横にあった水のボトル───ついさっき石崎にでも持ってこさせたのか、キンキンに冷えている───を掴むと、私は蓋を開け一気に飲み始めた。

 

 

───直後、私の口の中にあふれる刺激。これは───!

 

 

「───ぶはっ!!?」

 

 

炭酸水だこれ!!!

盛大にむせた!!!

 

 

「……あ゛?」

 

「「「「………」」」」

 

 

 

クソ、折角だしカッコよく目の前で水飲み干して「世話になったわ」とでも言って軽く挑発して帰ろうとしたら思いっ切り裏目に……

 

龍園やアルベルト、石崎達はおろか周りのDクラスの生徒も「何やってんだこいつ」とでも言いたげな視線でこちらを見ている。

 

 

 

 

「………ご馳走になったわ龍園君。それではまた」

 

「お前、イカれてんのか?」

 

 

 

龍園と真横にいる綾小路の冷たい視線を受けながら私はそそくさとCクラスのキャンプ地に帰還した。つらい。




当初最後の炭酸水飲んで盛大にむせる方を正史にしようかと考えてたんですが、いくらなんでもギャグ感が強過ぎるのでやめました
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