私が来月のポイント支給額について質問したせいで大騒ぎが起きたりしたが、まあそんな事があっても予定通り進むのが学校行事である。
入学式には1年A~Dクラスまでの全員が出席し、私は他クラスの主要登場人物の様子や
さて、高育入学後初の自由時間である。まあやることは1つだが。
───綾小路君とお昼休みのウキウキショッピング!
人生初コンビニらしい綾小路清隆君15歳とのお買い物である。
偶然を装って綾小路と同じ方向に向かおうとすると、綾小路がこちらを振り向いてきた。
「堀北か。オレはこれからコンビニに行こうかと思うんだが……」
「あら奇遇ね綾小路君、私も少し必要なものを買いに行こうと思ってたのよ。」
「なら一緒に行かないか?ここのコンビニにどんな商品があるか気になってな」
「ええ、そうさせてもらうわ」
よしよし。これで
ここの敷地内の店舗だし、歩けばすぐに到着した。
うーんまあなんというか普通のコンビニって感じだな。学校の敷地内の店舗だけどお酒が置いてあるのも原作通りか、神室が盗むシーンが印象的だが、本来は教職員とかショッピングモールで働く人が買う用だろうな。
適当に必要なものを───堀北鈴音の記憶を遡ってみたが、シャンプーとかは本当にあまりこだわりがないらしい……逆に何買ったら良いか悩むなこれ。とりあえず安めのこれでいいか。
「女子はこういうの、もっと熟考して買うものだと思ってた」
「私は元々あまりこだわりがないもの。それに……」
「支給ポイントが来月以降も10万ポイントとは限らない、か?」
「ええ。その可能性がある以上。あまりここで散財するのもどうかと思って」
「入学してからあの短時間でああいう発想が出てくるのは凄いな。さっきは何が理由であの質問をしたんだ?」
実は私原作知識が有るんです!あっ原作っていうのですはね……等と解説するわけにも行かないので、とりあえずでっち上げておいた理由を話す。
「仮に10万ポイントの振込がずっと続くとして、新1年生40人学級が4つに月10万×36ヶ月よ?学費、光熱費一切無料でその上6億ポイント近くのポイントを無償でくれる……なんて話、あり得ないと思って。」
ここが少年工科学校などみたいに厳しい訓練があってその給料として出てる、ってのならともかくな。原作知識がなくてもこの辺はなんか怪しいと思う人は正直いるだろう。
「それに『私達に対する評価』って発言があったのと敷地内に無数に監視カメラがあったのも気になって……そこから推測したのよ」
「そこまで見てたとはな。驚きだ」
「それに美味い話には裏がある、なんてことはよくある話じゃない?」
「確かにな……そう考えると、ポイントは節約したほうが良さそうだな。」
綾小路の方に視線を向けると、綾小路はカップ麺の棚の前でなにか思案しているようだった。これはもしや……
「ところで堀北、このカップ麺の値段設定ってどうなんだ?なにか特別な価格設定になってたりしてると思うか?」
「1ポイント1円だと考えると外のコンビニと全く変わらない値段設定ね。どうしてそんな質問を?」
「オレはあまりコンビニを利用したことがないからな……さっきの堀北の話を聞いて、この値段設定にも意味があるのかと思ってな」
「そう……特定の商品だけ著しく高価だったり安価だったりすればそういう可能性もあるでしょうけど、そういうことはなさそうね」
「安価……といえば」
徐ろに綾小路が大きめのサイズのカップ麺を掴む。
「このGカップって商品、値段の割に凄いサイズだと思わないか?GカップだぞGカップ」
おおっと。ここでこの展開になるのか。つかこっちに目線をやった後にGカップ強調すな。
ここはどう反応してあげるべきなんだろう……①ツンツン√、②やんわりと忠告√、③多少乗ってあげる√……今後を考えると②だろうが、①と③も捨て難い……ううむ。
「綾小路君……」呆れたような口調で私はこう言った。
「異性の友人を作りたいなら、その手のユーモアはやめておくべきね」
「そ、そういうものなのか……」
あっヤベ想像以上に深く刺さってしまったみたいだこれ。フォローせねば。
「私は気にしないけど、そういうのを気にする人も居るってだけの話よ」
実際問題、特に大きいのを気にしてる長谷部辺りはさっきの発言したら好感度マイナス100点くらい行きそう。
私?私はまあ綾小路清隆の出自も知識として知ってるし、この身体になってまだ数十時間しか経ってないのもあるしね。
それに流石にGはないが、かと言って悩む程の大きさでもない……と思う。
この大きさで悩むのはそれこそ昨今サイズのインフレが激しい海外製ソシャゲの世界にでも転生した場合くらいだろう。
「ところであっちの方に無料商品って棚があるわね。あれもやっぱり───」
「うるせえな今探してるんだよ!待てよ!」
お、期待してた通りのイベント発生だ。待ってました。
綾小路と2人で大きな声が聞こえてきた方向に向かうと、予想通りDクラス所属の彼が立っていた。
須藤健。短く切った赤い髪が特徴的で、バスケの腕前は中学時代全国レベルで推薦も貰う程なのだが、連立方程式や円周率を知らないレベルで勉強が出来ず高度育成高校の入試で歴代最低点をとった、また非常に短気でそれが原因で本来進学予定だった高校の推薦を取り消された……そんなDクラス所属の男子生徒が、後ろに並んでいる客とモメていた。
やっぱり学生証カード忘れたのか……
「何かあったのか?須藤」
「あ?お前はたしか……」
「同じクラスの綾小路清隆だ。さっき自己紹介しただろ?」
「ああ、あの時の……すまん、学生証忘れちまってな。アレがないと支払い出来ないの忘れてたんだ」
「良ければオレが払おうか?」
「わりいな綾小路」「綾小路君、私も半分出すわよ」
更にもう一人会話に割り込んできたことで、須藤の視線がこちらに向く。
正直ちょっと威圧感あって怖ひ……ついさっきまでキレてた奴の会話に割り込むのは陰キャには辛いんじゃ。
「堀北鈴音よ、同じDクラスの。流石に綾小路君だけに全額払わせるのもどうかと思って……ね。綾小路君がお会計したら、その半分のポイントを後で送っておくわ」
「すまねえな堀北も。さっき寮に戻った時にカード置いてきちまったみたいでよ。後で返すわ」
「いいわよこのくらい」
「そうか……なあ、綾小路も一緒に食わねえか?これ。 お前らもカップ麺買ってるみたいだしよ」
よしよし、ちゃんと誘ってくれたか。原作だとここで断る上に結構な言い方するもんだから怒りゲージ一瞬で跳ね上がるんだよな……
「外でか?」
「当たり前だろ」
「せっかくだし私も御一緒させてもらおうかしら」
「おう! あ、お湯あっちだぜ」
まあ無理に断る理由もないし、それに……
「おい、お前ら1年か?そこをどけよ」
お湯を入れて戻ってくると、これまた予想通り……原作通りのイベントが発生していた。モブ2年不良の登場である。
「ああ?」
さっき須藤と
「ここは俺等の場所なんだよ1年共。さっさと失せろ」
「何だと!?こっちが先に「ちょっと須藤君、抑えて!」「何すんだよ堀北ァ!」
床に叩きつけようとしてたので思わず腕ひっ掴んでやめさせてしまった。
というか至近距離で怒鳴られるのマジ怖い……
「あそこの上を見て」
「ああ……?」
近くにあった監視カメラを指差して須藤の説得を試みる。
「あれは監視カメラよ。ここで喧嘩したりしたら、すぐに学校側にバレるわよ」
「だからどうしたってんだよ」
「さっき私がクラスでした話……覚えてるかしら?この学校は生活態度で生徒を評価しているかもしれない、という話よ」
まだ確証は出てない話だけどな、なにせ私の原作知識ありきの話だし。
まあ須藤ならそこツッコんできたりはしないだろう。
「それが何だよ」
「つまり、ここで喧嘩してそれが学校に判明したら……何らかの罰があると思うわ。それこそ須藤君が自己紹介の時に言っていた、この学校のバスケ部に入部する……というのにも影響してくるんじゃないかしら」
「……っ」
「それに折角私と綾小路くんがおごってあげたものを粗末にされるのは、正直気分が良くないわ」
暴力沙汰で推薦を取り消されてここに来てる須藤にさらにおごってやった恩を着せる、これで上手くいくか……?
「わーったよやめりゃいいんだろ、いこうぜ堀北、綾小路」
ふう、なんとか上手く行ったな……
その後3人で近くのベンチでさっきのコンビニで買ったものを食べながら話をしていた。
カップ麺初体験の綾小路くんは可愛かった……
麺は伸び切ってしまっていたが、こういうのも悪くないだろう。
Gカップの行はTS憑依物として絶対入れたかったので入れました。
TSして男の感覚がわかってるやつが男子とこういう会話するの良いよね