無機質な白い部屋の中。少女は目を覚ました。
否、自身を感覚したといった方が正しいのかもしれない。
少女は、其処に在るが、其処に居るわけではなかった。
それは、この話を
が、あくまで少女は、其処に在るだけだった。
「目は覚めたかい?」
白い部屋の、その虚空から、唯、ただ澄んだ声が聞こえた。
「あなただったの。」
そこに在る少女から発せられた声は、
これもまた澄み渡り、その白い部屋を装飾した。
「君は自身の形を保とうという欲はないのか?」
「ないわ。私の体は私を装飾するけれど、私の本質はいつも変われないもの。」
「その通りだ。人は簡単には変われない。だからこそ、1000年もの間、時間が掛かったのだから。」
白い部屋の中を声だけが木霊する。
「それはそうと、いい加減に形を形成してくれないか?予定が詰まってるんだが...」
「・・・うん。わかったよ。そろそろ形成することにするよ。」
少女が形成すると言った途端、なにもなかった虚空から其の輪郭を顕し、人と呼ばれる形状を作った。
その姿は聖書にでてくる天使を想像させ、
また、同時に酷く儚い少女を思わせた。
「ガブリエルを触媒に天使の形を創ったのか。」
「そう。ガブリエルって言うの?あの仔。」
「その器を使うでも良いが、やはり、人は人の器に収まっている時がもっとも美しい。」
姿のない声と”パチンッ”と言う音が白い、唯白い部屋の中を木霊する。
と同時に、少女だった形は、その姿を変えた。
身長150cm、緑髪、緑眼。
肌の色は白く、とても16歳には、日本人にすら見えないかもしれない。
「君のその体は、どこで構成を間違えれば、そのように異色を放つのだろうか?」
「あら?それも全て知っているからこそ。あなた方は、
「よくわかっている。」
「ところで、この格好は何?何かのギャグ?それとも新ネタ?」
”こんな格好”少女は、自身の格好をそう修飾したが、まさにその通りだった。
身長150cmの緑髪白人女児。
マニアの目に映れば、それだけで十分すぎる、その肢体が、今は、唯々白い部屋の中で、
「すまない。女物の服はよくわからなくてね・・・」
「それならいいけど、どうすれば良いの?」
「そうだ、その話もあって今日はここに来たんだった。」
「?」
「君に力を与えることになった。」
「力?全知全能や不老不死なんかの力?」
「否、そんな安っぽいもんじゃない。その名も・・・
”一から世界を創り上げる能力”
だ。」ドヤッ
姿の無い音は、決して大きくは無い、しかしよく通る声で、そう言った。
少女の頭には、疑問符が浮かび上がった。
「世界を造るって、貴方達と同じ能力ってこと?」
「簡単に言えば、そういうことになる。」
「簡単に言えば。ってことは貴方達も個体によってその性能に誤差があるのね」
「その通りだ。私達の能力は、個々によって誤差が現れる。」
「貴方の能力は何なの?」
「”因果率を視、それを操作する能力”それを本質にした、”世界を創り出す能力”」
「で、私の本質は?」
「それは、今から君が決めることだ。」
「じゃあ、私の本質は”無を有にする”にするわ。」
「本質という物は、その人の向き不向きもある。
簡単には決まらない。私はたまたま因果率について知っていただけだ。」
「そうなの。じゃあ無を有にするにはどうすればいいの?」
「無が有になるように現実を歪めればいい。」
「現実を歪める。」
「あまり深く考えるな。要するに”思いこみ”だ。」
「・・・わかったわ。」
「そうか。この世界は私が君の為に創った物だ、
此処で君は
「・・・少し離れていて。」
少女はそう言うと自らの胸の前で合掌を作った。
少女は目を閉じ、呼吸を落ち着かせ、ゆっくりと口を開いた。
「現具。我が此の身に纏う衣を、我が掌の内に現したまえ。」
すると、少女の手の平が膨張して、内側から
「へ?」
一瞬の戸惑いと困惑の先、次の瞬間には白い部屋が絶叫に包まれた。
「あ、ああ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
「まぁそうなるよね。」
声はそう言うと先と同様に、指を鳴らし少女の手を再構成した。
「物質を創造するだけでは無く、
どの様に出来上がるかも大切なのだが、
この状態ではまともな会話は望めない、かな。」
…時間にしてどのくらいだろうか、10分にも1時間にも感じられる時間の中、
やっと落ち着きを取り戻してきた少女の視界に、白い布のような物が映る。
「? 貴方まで体を創って何をするつもり?」
まだ肩で息をしている少女が白衣を着た2~30歳程度のスーツの男に言う。
「いや何、君の姿を見ていたら懐かしくなっただけさ。」
「その姿は研究員?」
「半分はyes。でも半分はno。
まあ、その話は今度また、時間がある時にしよう。」
「そうね。で、そんな格好になってまで私に何を教えるの?」
「簡単に言うと、
「プロセス。」
「そうだ。
システムに乗っ取って、プロセスを考え、それを扱う。
それが、私の作った世界の法則。」
「…わかった。
少女は先と同様に胸の前に合掌を作り、ゆっくりと息を馴らしていった。
「現具。我が此の身を纏う衣よ、我が掌の内より現れたまえ。」
少女はそう言うとゆっくりと合掌を解き、手の平の内側に衣服を創造した。
創造したと言っても全てを一度に創ったわけではない、
合掌を解いたところから順に、
「上出来だ。」
「ふーん。"コツ"さえ掴めればある程度自由が利きそうね。」
「飲み込みが早くて助かるよ。
今日はもう休んでくれ、その技術は自身の感じるより大きな力を必要とする。」
「…わかったわ。じゃあもう今日はこの力を使わないようにするわね、
唯、ここは寂しすぎるから必要な家具なんかは造ってもいいでしょ?」
「……時期にまた顔を出す。その時まで休んでいてくれ。」
「うん。じゃぁ またね。」
「あぁ。それじゃあな。」
声はそれを境に聞こえなくなり、また少女もその形を崩した。
「“人は人の形が最も美しい”ね、悪いけど私には理解できないわ。」
“それは私が人間だからかもしれないけどね”と付け足し呟き、
少女の気配もまた霧のように四散した。
_____________________________________________________to be continued...
「あぁそうだった。近々、といってもあと900年程あるが、
例の戦乱が起こる。その為に君には今から戦闘に慣れて貰う事になる。」
「・・・。」
---来る戦日。
「まあ、その話は追々するとして、感触を忘れてないようで助かった。」
「まだ二日しか経っていないんだ、そう簡単には忘れはしないさ。」///
「・・・何時まで頬を染めているつもりだ?」
「っ。ちがっこれは違くてっ!!」/////
---そこに在る日常。
次回「Ready」
皆さんこんばんわ?
祝々草です。
皆さんの気持ちを代弁します。
「駄文乙」
そのとおりでございます。
こんな駄文のこんな所まで目を通していただきありがとうございます。
こんな駄主ですが、どうか末長く見守ってください。
では。のしのし