人の幻想   作:空想卓遊戯

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第六話「Signal」

 

 

「じゃぁ始めよっヵ♪」

 

 白い部屋の中、九音寺院の声が響く。

 

「よろしくお願いします。」

 

「ん~?礼儀正しい仔は好印象だヨ~♪

 じゃあ、始めに剣を想像してミテ♪」

 

「剣?」

 

「そーだョ♪

 あ、剣道やってたなら“日本刀”(ポントー)?の方がわかりやすいカナ?」

 

「ポントーって…」

 

「あれ?違かったカナ?」

 

「……」

 

 二人の少女はお互いに向かい合ったまま、

 顔を見合わせて固まって(フリーズ)しまった。

 

「ま、まあ大丈夫。大丈夫。」

 

 場の空気を入れ換えるため、九音寺院は口を開き、

 意味を持たない“大丈夫”を繰り返した。

 

「じゃぁ始めて。」

 

 九音寺院はそれだけ言うと目を閉じた。

 それを合図に祝音も瞼を落とし音を紡いだ。

 

「現具ー。」

 

 少女が紡ぐと変化はスグに現れた。

 少女の眼前、ほんの10数cmの所にモザイクが架かり、

 鋼色の刀身が創られた。

 

「掴んでっ!!」

 

 祝音は九音寺院の声に瞼を上げ、

 自身の胸元、両の肘ほどの高さにある(つか)を掴んだ。

 

「あれ?軽い…」

 

「うん。上出来、上出来♪

 あ、軽いのは君が自分で“持てる”って

 思った重さに設定されてるからダョ♪」

 

「ただ、」と一息置き、九音寺院が続きを話す。

 

「切れ味はモノホンだから気を付けてね♪」

 

「……。」

 

“切れ味は本物だから”、その何気ない一言に祝音は体を(こわ)ばらせた。

 

「そ、そんなに固まらなくても平気だヨ?

 私も君も、“人間で在ることを拒絶した人間(バケモノ)”なんだから。」

 

「……。」

 

「ほ、ほら先に進もっ!

 次はツバサだネ♪背中に力の塊が生えるのをイメージして。」

 

「背中…」

 

 祝音はそう言うと瞼を落とし背中に意識を集中させた。

 

「現具ー。」

 

 祝音は紡ぐ、それに呼応する様に祝音の背後が揺らぐ。

 しかし、それは形成を終える前に四散したかのように消えて無くなった。

 

「ありゃりゃ。やっぱりイキナリは無理かナ?」

 

「…道筋(Process)

 

「ん。わかったかナ?

 力は必ず循環する。その道さえ見えれば君は翔べルョ♪」

 

「道筋…循環…道筋…循環…タイミング・・・瞬間・・・---(Signal)………。」

 

 祝音は言葉を紡ぎゆっくりと目を閉じる。

 そして、はっきりとした声で唱える。

 

 

 

      「現具――。」

 

 

 祝音は光に包まれる。

 唯々白く、そして暗い光に呑まれる。

 光は波と成り祝音を呑み込む。

 そして、波は退く。

 白く暗い光が祝音の背面に密集する。

 

 

       ハジケル。

 

 

 弾けた力はまた形を造り祝音に押し寄せる。

 過剰な力は力を呑み込み徐々に形を縮めて行く。

 幾らかの時が経ち、祝音のマワリの力は形をカエル。

 

 祝音を中心に6対12翼。

 

 白い、そして暗いツバサが展開される。

 

 九音寺院は口角を吊り上げてワライ、イウ。

 

 

 

 

 

「うん。やっばり天使はコウじゃなくっちゃ♪」

 

 

 

 

 

 祝音はゆっくりと瞼を上げ自らの背に(眼球)を向けた。

 

「これは?」

 

「“ツバサ”だよ。

 人のヨクの像倶だょ♪

 あなたがツバサを欲シタから、

 あなたはツバサを手に入れた。

 人の欲は無限大で、

 行き過ぎたょくは質量を持ツ。」

 

 少女はカタル。

 タダ、淡々とソコにアル事実だけを語る。

 

「質量を持ったヨくは個の世界を蝕ム。

 蝕まレタ世界は時に崩レ、人はコワレてしマう。

 だからワタシタチは人をヤメタ。」

 

 九音寺院はソコまで言うとイチドくちを噤ンだ。

 

「ごめんね。

 少し喋り過ぎちゃったカナ。

 本題に入ろっヵ♪」

 

 九音寺院はそう言うと虚空から双刃の西洋剣をトリダシタ。

 

 刃渡り90cm程度

 横幅30cm程。

 

 140cmの身体には不釣り合いに大きすぎる(ツルギ)

 それを「よいしょっ♪」と言うかけ声とトモに両手で持ち上げる。

 

「じゃぁ行っくよー♪

 あ、ツバサはもう消しちゃってもイイヨ♪」

 

「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 白い部屋の中、“キュインッ”と、鉄のぶつかり合う音が響く。

_____________________________________________________to be continued...

 

【次回予告】

 

「欲シテ。心ヲサラケダシテ。

 ソレガ貴方ノチカラニ生ルカラ♪」

 

「ハァ、ハァ、ッ!!」

 

---欲スルハ人ノ(サガ)

 

「ダメダョ♪ダメダメダョぉ♪

 もっと、もっっと、もっと、もっと、もっと、もっと、モっト、もッと、もット、

 もっと、もっっト、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっっと、もっと、

 モット、もっト、もっッっト、モッっと、もっと、もっッッっッと、ヨクさなきゃ♪」

 

「……汚い。」

 

---ソレヲ嫌悪スルモ人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「駄目ダョぉ♪

 自分から“眼”逸らしちゃぁ♪」

 

 

 

次回「Ugly」

 

 






みなさんどーも。

駄主です。皆様の声の代弁はやめます。

ので、変わりに皆様の声を下さい。

マジお願いします。

オネシャスです。

さて、こんな所まで読んでいただきありがとうございます。

次回もがんばりますので、どうか見放さないで下さい。

お願いします。のしのし



good night~祝福と救済を~
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