人の幻想   作:空想卓遊戯

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 ごめんなさい。

 長くなってしまったので、
 今回は三篇構成になっています。


第七話「Ugly」《一篇》

 

 

 

 白い。ただ白が広がる部屋の中。

 

 二人の少女は向き合って立っていた。

 

 方や、緑髪長髪。

 手には全長1mにもナル細身の日本刀(エモノ)を持った少女。

 大の大人でも持ち上げることの困難な細身の刀を、片手で軽く振るう。

 

 方や、茶髪短髪。

 全長90cm横幅30cmのその身に不釣合いな西洋両刃剣(ツルギ)を担いだ少女。

 肩に刃が喰い込み、白い刀身を赤く染め上げている。

 

 少女たちは瞬きもせずにお互いを見つめ、呼吸を合わせる。

 

「    ッ。」

 

 先に動いたのは九音寺院だった。

 

 大振に祝音の頭上に剣をフリオロス。

 祝音は最低限の動きで後ろに避る。

 剣の地面にぶつかった衝撃で、体制が崩れる。

 しかし、臆さずに攻撃によって無防備になった九音寺院の首を突く。

 

 九音寺院は体を右にズラシ祝音の刃を避け、

 そのまま”回れ左"の要領で、体を捻り、右の手で剣を振り上げる。

 

 

 振り上げられた剣は祝音の振り下ろした刃とぶつかり、

 そのまま刀をヒキズリ祝音の体と反対の方向に流れた。

 

 九音寺院は回転のスピードを殺さぬまま祝音の脳天に切りカカッタ。

 祝音は半身を翻して避けるが、剣は鼻先を掠めて祝音の前髪を切り揃えた。

 

「うぉっ!危ないですねー

 ちゃんと避けてくださいヨ。」

 

「ハァッ、ハァッ、ッ!」

 

目の前を剣が掠めて息も絶え絶えな祝音に九音寺院は続ける。

 

「そんなんじゃ駄目ですよ。

 モット綺麗に、モット醜く、モットょくしてくださいョ♪」

 

 九音寺院は剣を自身の足元に突き刺し。

 柄に両手を重ねその上に顎を置いて体からチカラを抜いた。

 

  欲。ヨク。よく。ョク。よク。

 

「欲する事だけが私たちに残された人間性。

 人で在ることを拒絶して、 (なぉ) 生きようとするワタシ達の証明。」

 

「ッ、私はそんなこと望んでないっ!!」

 

 祝音は叫び体重を乗セ九音寺院に切りかかる。

 九音寺院は虚空から刃渡り20cm程の短刀を取り出し、左の逆手で掴み、刃を受け止めた。

 

「駄目だョ。

 それじゃぁ詰まらないもン。

 欲してョ。欲がチカラを創る。

 チカラがカタチを創る。

 カタチと成ったヨクはそれだけで殺セる。」

 

 九音寺院は時に振り降ろされ、時に突かれるその刃を、

 時に受け止め、時に受け流し笑ぅ様に紡ぐ。

 

「もう気づいてるでショ♪

 自分自身の醜さに、

 自分自身の欲望に、

 自分自身の本質に、

 自分自身の本懐に、

 自分自身の汚さに♪」

 

「五月蠅いッ!!」

 

 祝音は九音寺院の頭上に視点をずらし、

 100にも200にも見える無数の銃剣を創造した。

 

「落チロっ!!」

 

 祝音は叫ぶ、全身の力を使って叫ぶ。

 その声に併せるように銃剣は重力以外の何かに引かれて落ちる。

 

 それらは九音寺院の肉を裂き、殺ぎ落とし、赤と白の混ざった挽肉(ミンチ)にスルハズダッタ。

 

 しかし、祝音が視線を戻した時には九音寺院はソコニイナカッタ。

 

「ッ、どこにっ」

 

 祝音は辺りを見回すが、ソレラシイ影は捕らえられなかった。

 

「       。」

 

「ッ!!」

 

 祝音は言葉として捉えられない”何か”を感じ後方2m程 飛び退いた。

 すると、祝音がその場を動いたすぐ後、時間にして0.8秒ほどして、

 半径1m弱の陥没地帯(クレーター)が出来上がった。

 

 祝音はそれに恐怖し、その場から動き続けるように左右前後に動いた。

 

「欲シテ。心ヲサラケダシテ。

 ソレガ貴方ノチカラニ生ルカラ♪」

 

 姿の無い音が空間を裂き、祝音の動いた道を舐める様に砕いて行く。

 

「ハァ、ハァ、ッ!!」

 

「・・・。

 やっぱりコレじゃぁ詰まんないね。

 もっと面白くしなくっちャ・・・」

 

 ツマラナソウナ声とともに九音寺院が虚空から姿を表した。

 

「ダメダョ・・・ダメダメダョぉ♪

 もっと、もっっと、もっと、もっと、もっと、もっと、モっト、もッと、もット、

 もっと、もっっト、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっっと、もっと、

 モット、もっト、もっッっト、モッっと、もっと、もっッッっッと、ヨクさなきゃ♪」

 

「……汚い。」

 

 九音寺院が言い、祝音が呟く。それを合図に(カタナ)(ツルギ)がぶつかった。

 

 

 

 

 

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