Blue Kenshi【旧作】   作:外道カヤノ

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 ほんへの更新が来てから投稿すると言ったな?

 あれは嘘だ。


 アニメ最高や。


第三話:先生、来た。

 この世界は色々と充実している。

 スマートフォンなる携帯端末。そこから閲覧できる、インターネットなるもの。仮想掲示板や、今のひと時を写真や文字で共有するSNS、アニメやゲーム、漫画……初めて知った文化や、これほどまでに超越した文明があったのかと、未だに驚きが隠せない。

 スマートフォン──"スマホ"と略すのがセオリーらしい──で漫画を読み漁りながら、コンビニで買ったカップ麺を頂く。シーフード味と名をうっている通り、海鮮特有のまろやかでサッパリとしたスープと、ビロビロだがスパッと簡単にほぐれる麺が美味い。

 

「……うっま」

 

 私こと、荒砂トウハが【アビドス高等学校】の『対策委員会』の一員にもなってから数日が経つ。あの日から様々なことを教わり、様々なことを知った。

 この世界、"キヴォトス"という名の学園都市は、不思議な世界だ。今の私のように、頭に不思議な輪っか──ヘイローと呼ばれる個性豊かな光輪──を浮かべた少女たちが住まう世界。彼女らは銃を、まるで衣服の一部かのように持ち合わせている。そして、そんな武器が当たり前に手元に存在する世界なためか、抗争が絶えないらしい。

 

 例えば、道端で不良の学生がアサルトライフル片手に一般人*1にカツアゲしたり。

 例えば、店の飯が不味いという理由で、その店が爆発四散されたり。

 例えば、古くから仲の悪い学園の生徒同士が、主義主張と銃弾をまき散らしたり。

 例えば、廃校を撤回すべく公共施設のど真ん中で本気の徹底抗戦を仕掛けていたり。

 

 例を挙げれば、その数は数百にも渡る。それくらい、この世界は薬莢と土煙が舞う。ハチャメチャ混沌の世界だ。こんなにも、空は青く澄み渡っているというのに、不思議だ。治安の悪さは、姿は違えどかつての世界に似ている。いや、血や手足が飛んでいないだけかなり有情か……?

 それはともかく、今私のいるアビドス高等学校に至っては、例の四つ目にも似た事情がある。対策委員会に入った以上、その事情を手助けすべく色々なことを教えて貰っているのだが……

 

「はふ、はー……っ、じゅるるっ……」

 

 ズルズルと麺を啜る。ふわふわの卵の具。スープに包まれたカニカマ。歯ごたえのいいタコっぽい何か。全てが美味い。小エビ……小エビは?おかしいな。小エビの触感が確かにあったと思ったのだが、このカップ麺の中には入っていない……?

 

「んく、ふぅ。うっまぁ……」

 

 この世界の食べ物うんまぁ〜〜〜〜〜〜〜っ♡

 

 そんな感じで、私は学生生活ならぬ、この世界そのものを堪能していた。

 特に食文化。全体的に技術が底上げされているためか、普通の料理からこうした保存食に至るまで、こだわりというものを感じる。マズいことで評判が悪かったブロック食には味の種類があり、野菜サンドイッチはシャキシャキで新鮮な味がする。ダストウィッチ*2などもう二度と食えないだろう。

 

 カップ麺の次はカップうどんにしてみるか。いや、最近耳にした“柴関ラーメン”なる店にも行ってみたいな……おっと。

 視界の隅に、チラリと見えた鉄の輝き。即座に双眼鏡を手にし、確認する。……なるほどな。まだ来るつもりか。もう片方の手で、スマホで連絡を入れる。連絡先はアヤネだ。

 

「もしもし、アヤネ。襲撃予兆を捉えた。場所は校門正面から2時の方角、1.8か.7キロくらいか。交戦距離まで割と近い」

『はい、もしもし。……確認できました!トウハさんは、可能であれば遠距離からの威力偵察をお願いします。私は皆さんを呼んできます!』

「先にセリカとノノミを部室に呼んできて欲しい。ホシノは絶対寝ているからな。シロコは……まだ来てないか」

『普段はこの時間に来るはずなんですけど、今日はちょっと遅いですね。何も無ければいいんですけど』

「GPSを見るに、まだ通学路だな。何かトラブルに巻き込まれたか?とにかく、頼めるか。私は準備をしておく」

『わかりました、トウハさんもお気をつけて!』

「あぁ」

 

 通話を切ると、傍に置いてあった長方形の白いケースを開く。純白(メイトウカラー)に染めた、ストック部分にところどころ隙間が広がっている、独特なボルトアクション式狙撃銃(スナイパーライフル)。元々、アビドスの面々が売り捌こうとしたスナイパーライフルなのだが、私が加入したことで譲り受け、カスタマイズしたものだ。

 名を、"鉄杖"。

 

「弾丸が残り少ないのが心許ないが……仕方があるまい」

 

 かつての世界では、持ち歩き可能な遠隔武器は、クロスボウが主流だった。銃も確かに存在していたが、弾丸のリソースや生産性もあってか、クロスボウに軍配が上がっていた。*3そんなこともあって、私はクロスボウの生産と運用を担ったことがある。このノウハウは銃でもある程度役に立った。

 例えば、超長距離射撃。

 

「────」

 

 スコープを覗き、一心。タァンッ!!と小気味のいい爆発音と共に、2時の方角から向かってくる傭兵団の、リーダー格らしき者をぶち抜いた。ワンダウン。先手が取れていい感じだ。

 なお、死んではいない。キヴォトスの人々──人類と呼ぶのも難しいので、キヴォトス人──はやけに頑丈なようで、銃弾が全く体を貫通しない。痛いものは痛いが、ダメージがあまりにも低いのだ。なので、拳銃一発程度なら、キヴォトス人にとってはデコピン一発程度に匹敵する。ただし、撃たれれば痛いのは、当然のこと。ましてや狙撃銃の一発は、単純に火力が高い。普通の人間相手であれば、撃たれた箇所が爆発四散するはずだ。

 

 .338ラプア・マグナム弾の一撃は、ヘルメットに守られていようとも、キヴォトスに生きる人々だとしても、頭部にヒットすれば強烈な脳震盪を起こせる。それに加え、ホシノ曰く、私はかなり頑丈らしい。頑丈=強い*4という方式がキヴォトス人の中ではそこそこ有名な話なようで、私はその上位層に匹敵するかもしれないとのことだ。

 

 だが納得はできる。かつての世界で、私は自負できる程度には強く己を鍛え上げた。その成果が女子になっても引き継がれているのだから、当然だろう。

 私に宿るヘイローも、ホシノと同じくらい複雑で個性的なものだからな。……あまり関係なさそう?なさそうか……

 

「効果あり。第二射──む?」

 

 よく集団を観察すると、微妙に列の並びがおかしい。先程リーダー格を撃ったから混乱しているのもあるだろうが、それにしても不自然なくらいの空白が存在している。双眼鏡を見直して凝視してみれば、その正体が分かった。

 不自然な陽炎だ。だが、よく見ればそれは反射光。メタルコートか。光化学迷彩とやらか。原理は不明だが、とても大きな動くものを覆い隠しているのが見えた。

 

「──アヤネ、奴ら戦車を引っ張ってきている。ホシノは起きているか?」

『もしも、えっ!?戦車!?ほ、ホシノ先輩は、っ今起きました!』

『んにゃぁ〜……慌ただしいねぇ。んで、相手は?』

 

 スマホ越しに声色が変わる。ホシノに変わったのだろう。隣では、トントンとアヤネがタブレットを操作する音が聞こえる。おそらく戦況を確認しているのか。

 

「カタカタヘルメット団だ。この間と同じメンツのようだが、戦車を一台、ロケラン持ちが見たところ四名。他、強襲兵集団の二小隊が来ている」

『ふーん、やる気満々だね。トウハくんは偵察から戻ってきて良いよ。でも、迎撃準備だけは済ませておいて」

「承知した……ん、なんだ……?」

『おや、どうしたのかな?』

 

 通学路からシロコの姿が見えたため、そちらに双眼鏡を向ける。そこには、白いシャツを着た男性を背負い、自転車を走らせるシロコの姿があった。

 ……いや誰だその男。

 

「シロコがまた拾い物をしている」

『えっ』

『えぇっ、こんな時に?』

「シロコはまだ位置的に襲撃の予兆を知らないだろう。となれば、いや……それよりも」

 

 人間の男を拾っている。そう告げると、アヤネは酷く驚いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん、拾ってきた」

「つ、ついにシロコちゃんがスカベンジに目覚めちゃった……!」

「わぁ、久しぶりのお客さんですね!いえ、この場合は仏さんでしょうか?」

「速やかにスコップの用意を!バレない内に埋めましょう!」

「いやまだ生きている。今のうちに臓物(モツ)を抜けば安全に物資を頂けるぞ」

 

「なーーーに敵襲が分かってるこの状況で呑気に話してんのよ!!あとトウハはしれっと残虐行為を推奨しないで!!」

 

 対策委員会の部室にて。

 全員が集まった部屋に、明らかに少女の体躯よりも大きな男性が一人。ただでさえ狭い部屋の中が、さらに狭くなってしまった。そんな光景に、昔のことを思い出す。

 確か、最初に建てた拠点*5に、仲間全員詰め込んで雑魚寝した思い出がある。普通に誰も寝れず地獄だった。

 

 とりあえずそれは置いといて。

 シロコが拾ってきた男性は、人間だ。ヘイローは無いし、そもそも性別がちゃんと男だ。肩幅、胸元、腰つき、体つき……少々ヒョロヒョロっぽく思えるが、ちゃんと全部が男である。しかしどこか中性的な顔立ちで、子供っぽく見えるな。*6

 しかし、このキヴォトスには()()()()()()()()()()。元々同じ人間の男性だった私ですら、キヴォトス人たる少女に変わっているのだ。彼は、一体どうやってここに、この世界に訪れたのだろう。

 

 彼の様子だが、どこか脱水症状気味だ。衣服は砂で汚れたままで、立っているのもやっとだろう。そんな状態にも関わらず、彼はにこやかな表情を見せつつ、首から下げた名札を掲げる。

 羅針盤にも似た円にヘイローが描かれたデザインのエンブレム。そして、『S.C.H.A.L.E』の文字。

 

"連邦調査部、シャーレ顧問担当──先生です。よろしくね"

 

 連邦調査部。つまりは、最近何かと話題な【連邦生徒会】が設立したものか。確か、連邦生徒会長が失踪したとかの話で、連邦側の自治区で最近問題があったとかも聞いたような。

 そんな風に何も知らない顔をしていると、アヤネが立ち上がった。

 

「え、えぇっ!連邦調査部の先生!?」

「わぁ☆ということは、申請が受理されたんですね!」

 

 うん、知らん。おそらく私が訪れる前に彼らに何らか申請でもしていたのか。だが、彼女らの様子を見るに、悪いものではなさそうだな。

 本当に何も知らない顔をしていると、こっそりセリカが教えてくれた。……弾薬や補給品の援助を受けられる?マジか!

 

「最高じゃないか先生とやら!今すぐあのヘルメット共を倒しに行くぞ!」

「そういえば、襲撃が来ていたんだっけ。私も向かう」

「トウハくんが先手打ってくれたおかげで、ちょっと時間は稼げてるからね〜。んじゃ、おじさんはゆっくりおやすみに……」

「先輩はこっち、起きて!」

「んにゃぁぁ〜〜引っ張らないでセリカちゃ〜ん……」

 

 私が部屋を出て屋上へ向かう中、シロコは正面玄関へ。セリカは、ホシノを引っ張ってシロコの跡を追って行った。

 そういえば先生が来たはいいものの、彼は手ぶらだったはず。弾薬と補給品は、どこ……ここ……?まあ後で話を聞けばいいか。と思って屋上の扉を開くと、知らない速達ドローンがミニコンテナを持ってやってきた。もしやと思いコンテナを開くと、十分過ぎる量の弾薬が詰まっていた。

 

「ほぉ〜」

 

 いいじゃないか。大人の力とやらは。

 まあ、私もおじさんを自称する少女と違って、本当は大人なはずなんだがな……

 

 

 

 この後、襲撃に来たヘルメット団を全員迎撃した。戦車を持って来られたが、先生の指揮のおかげで、校舎への被害は少なく済んだ。

*1
驚くべきことに、キヴォトスの一般人は全員人外。二足歩行の犬や猫だったり、機械で出来た人型だったりする。人間らしい人種は学生たる少女たちしか見たことがない。

*2
サボテンの果肉をパンで挟んだもの。マズ過ぎて自殺者が出るレベルの激マズ料理。なお、実際に作った猛者もいるらしいので検索してみよう。

*3
Kenshi原作では、遠隔武器はクロスボウのみ。銃はMODで追加できる。

*4
諸説あり。実際は「神秘」の強さが関係している。

*5
物置もしくはコンテナにしか見えないマジの小屋一軒だけの拠点

*6
ビジュアルはアニメ先生




相違点
・追加戦力(狙撃手)が来たことにより、ヘルメット団が既に本気を出している
・ホシノの睡眠時間が増えた。
 ↑に関しては次回説明


 トウハが使用しているスナイパーライフルはちゃんとモデルを決めています。みんなも予測してみよう!

 一時期ですが、日間ランキング33位でした。
 沢山の感想と評価、ありがとうございます。ブルーアーカイブとKenshi、どちらも大好きな作品ですので、これを機にどちらもプレイして頂けたらなと思います。

ブルーアーカイブ、あるいはKenshiをプレイしたことがあるか

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