転生ライダーinキヴォトス   作:KIARU

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怒り、暴風を呼ぶ

 Q.完走した感想は?

 A.なんだこのクソゲー。

 

「いや、なんていうの...こう...間違いなく全力で作ったのは感じられるんだが、どうしてこんな間違った方向に頑張ってしまったのか。これがわからない」

 

「うぅ...」

 

「ただ...」

 

「ただ?」

 

「間違いなく『愛』はあったよ」

 

「!」

 

「多分モモイとミドリが好きになったのはそこなんだろうなって」

「まあ色々ツッコミどころはあったよ?初見殺しとして入れたかったんだろうなっていうノーヒントでチュートリアルで違うボタン押さないとゲームオーバーとか、敵の火力が序盤から明らかにおかしいとか...シナリオが脳を破壊しに来ているとかは確かにある。でもバグとかは一切無いし、バグかと思ったら全部仕様だったし、無理ゲーかと思ったらしっかり攻略法があった。まあ禿げるけど。はっきり言って、このゲームはクソゲーの類に分類されるだろう。でも、俺からすればただのクソゲーじゃないよ。愛があって、面白く作ろうとされたクソゲーだ。こういうゲームは昨今では中々お目にかかれないんだぜ?キヴォトスでは評価されなかったみたいだけど、俺の故郷だったらRTA走者が何人もいただろうな。まあ評価って言っても『面白いクソゲー』として、だろうけど」

 

「レクト先輩...」

 

「ほらね!レクト先輩なら皆とは違う評価をしてくれるって!」

 

「うん...!ありがとう...!」

 

 そう言ってユズは今日初めて笑顔を見せた。それは目の端に涙を浮かべながらも、満面の笑みだった。

 

「さて、TSCクリアまでやったから結構遅くなっちまったな。そろそろ帰るわ」

 

「はい、今日はありがとうございました、レクト先輩」

 

「レクト先輩ならいつでも大歓迎だから!また来てね!」

 

「あ!待って!2人とも、聞いておきたい事が聞けてない」

 

「あ!そっか!」

 

「そう言えばそうだった」

 

「なんかあるのか??」

 

「あのさ!レクト先輩って【ライダーズストーリー】の開発関係者なの!?」

 

「あー...」

 

 そういえばナビルーが出してたわそんなゲーム。まんまモンスターハンターストーリーズみたいな感じだから、疑われて当然か。

 まあいっか。言っても。

 

「ここだけの話だからな?広めんなよ?あれは俺の相棒が作ったゲームで、俺が体験した事をゲームとして作り出した作品だ」

 

「「「...えぇ!?」」」

 

「じゃあモンスターを無理矢理操る悪い博士をやっつけたのも!?」

 

「闇堕ちした幼馴染と戦ったのも?」

 

「伝承にあった世界を滅ぼす最凶の黒をやっつけて、白の奇跡を起こしたのも全部本当で、レクト先輩がやったんですか!?」

 

「ん、まあな(ゲームの中で)」

 

 3人とも目を輝かせてこちらを見ているのでゲームの中でやってきたことだ、なんて言えない。同じ能力を今は持ってるしいいだろ!(罪重ね)

 

「俺にヘイローが無くて、キヴォトスの外のルーツってのはそういうわけだ」

 

「へぇー。いつも連れてるレウスにはそう言う理由があったんだねえ」

 

「色々納得しました」

 

「よ、よかったんですか?こんな重要な事会ったばかりの私にも教えて...」

 

「大丈夫だろ、モモイとミドリが信頼してるんだし。それに、ユズとはもう一緒に狩した仲だしな」

 

「そうですか...」

 

 ユズがはにかむように笑うのを見て一瞬幼女趣味に目覚めそうになったところで携帯が鳴った。

 取り出して見てみるとそこには先生から「“銀行を襲ったよ!”」とグッドマークのハンドサインの絵文字付きで書かれていた。

 先生ェ!?

 

 「“詳しい事はまた明日ね!”」と言われたので今日はシャーレに帰ることにした。

 

 ユウカが頑張ったのか、書類はずいぶん減っていた。

 

 翌日。

 

 アビドスにレウスで飛んで行った俺は、対策委員会の教室に来ていた。

 

 まだホシノとノノミと先生しかおらず、ホシノはノノミに膝枕されていた。

 

「...先生、この状況は?」

 

「“ノノミの膝枕はホシノ専用なんだって”」

 

「なるほどな...俺の膝で良ければ貸すが?先生」

 

「ダメっ!!!」

 

 俺の膝を貸す発言の瞬間ホシノがガバっと起き上がり大声で叫んだ。なんだこいつ...

 

「ホシノ??」

 

「い、いや、その...。レクトの膝は硬くて寝心地悪いんじゃないかな〜って思って...」

 

「まあ男の膝だし...」

 

「きゃぁ♡ホシノ先輩、嫉妬ですね⭐︎可愛いです」

 

「“レクトの膝枕は遠慮しておくね”」

 

「もぉー2人してからかって〜。おじさん拗ねちゃったからどっか行っちゃお〜」

 

「あら?そろそろ皆来る頃ですよ?」

 

「今日はオフなんでね、テキトーにサボってるから何かあったら連絡ちょうだい。んじゃ」

 

 うーんこれは。2年前の水族館を思い出すな。

 

「ホシノ」

 

「なぁに、レクト」

 

「俺に言った言葉、自分に返ってくるような真似するなよ」

 

「わかってるよ、心配性だなあ、レクトは」

 

 そう言ってホシノは教室から出て行った。

 

「“レクト、今のは?”」

 

「ちょっと狙われてる奴がいるんだよ。2年前から。俺も、ホシノも」

 

「“何かあれば言ってね”」

 

「俺は大丈夫だ。何かあるとすれば...ホシノだな」

 

 

 

 しばらくして。

 ホシノ抜きのアビドス定例会議の最中、アヤネちゃんが近場で爆発を検知した。場所は...

 

「「「「柴関ラーメン!?」」」」

 

 俺たちは急遽馴染み深い大将の店へと向かったのだった。

 

 

 

「あははははは!当然でしょう!冷徹無比!情け無用!金さえ貰えればなんでもオッケー!それがうちのモットーよ!」

 

 着いた現場には爆発四散した大将の店と、この前襲撃してきた便利屋達がいた。

 

「なるほどな。飽く迄もアビドスへの攻撃を辞めないと言う姿勢か...」

 

「へ...?」

 

「あんたたち...!よくもこんな酷いことを...!」

 

 セリカちゃんもだいぶキレているが、多分一番キレてるのは俺だ。あの気前が良く、腕が一流の大将の店を大将もろとも爆発四散...しかもこいつらは大将に恩まであるのに...到底許されるはずもない。

 

『大将の無事を確認できました!幸い軽傷だったので近くのシェルターに案内済みです!」

 

「ってことは、思いっきり暴れてもいいって事よね...?」

 

「そういうことだ、セリカちゃん」

 

「待って、【青星】もいるの...?」

 

「ああああ【青星】!?そういえばアビドスって言ってたわね!?て言うかめちゃくちゃキレてるわ!?」

 

「あははは!アルちゃーん、過去一ピンチじゃなーい?」

 

「すいませんすいませんすいません!私が早とちりしたばっかりに!」

 

 ブチギレした俺を目の前にし大慌てする便利屋を睨みつけ、今回呼び出すオトモンを決める。

 

「来い!イアン!」

 

 俺が絆石を掲げそう叫ぶと急に天候が変わり、快晴だった空は曇りだし、暗雲が覆う。地上には暴風が吹き荒れ、髪がバサバサと音を立て始めた。

 2(ドス)を起源とし、風を操りし鋼の龍...クシャルダオラ。

 

 暗雲を突き抜け空から舞い降りた鋼龍は、俺の頭上を滞空し、指示を待っている。

 

「な、なんなの...!?いきなり嵐が!」

 

「たぶん、レクト先輩が呼んだあの龍のせい」

 

「はぁ!?あの龍一体で災害が起こせるって事!?」

 

「わぁ〜、そんなのを呼ぶなんて、相当キレてますね、レクト先輩。被害を気にしなくていいとは言え、市街地なのですが...」

 

 恐らく、普通に呼んだだけではこんな災害は起こらない。俺の気持ちに呼応してイアンがこの天候を呼び起こしたのだろう。

 

「社長、一応雇ってる傭兵も呼んだけど、この暴風の中心地に来てくれるかわからない。私達だけでやるしかないよ」

 

「う...わかったわ!」

 

 どうやら相談は終わったようなのでイアンに「古龍の威圧」を指示する。攻撃力と防御力を下げるデバフスキルだが...どう言う効果になるか。

 指示を送った次の瞬間、イアンから見えない波動のようなものが放たれ、便利屋に襲いかかった。

 波動に触れた瞬間、便利屋の面々は力が抜けたようにフラリと膝を曲げる。

 

「なに...これ...力が、抜ける」

 

「古龍のプレッシャーをモロに受けるとそんな感じなのか。勉強になった。それじゃそろそろ、死にはしない程度に...」

 

 お仕置きするか...と言おうとしたところで至近距離に爆撃が飛んできた。

 

『砲撃です!3kmの距離に多数の榴弾兵を確認!標的は私たちではなく便利屋みたいなのですが...もう少し確認を...』

 

 アヤネちゃん有能。この暴風でちっとも通信が乱れないのも有能。

 

『確認取れました!ゲヘナの風紀委員会です!』

 

 ほーん。風紀委員がここまで?

 

「社長!ムツキ!ハルカ!早く隠れよう!奴らが来た!」

 

「やつらって?それとこの状況から逃げ仰るとも思えないけど〜?」

 

「くっ!」

 

 便利屋を捕まえにゲヘナの風紀委員がわざわざこんな辺鄙な場所まで?自治区を出て?そもそもゲヘナとは言えたかが一校の治安維持組織が他校の自治区での戦闘行為を公にしていいのか?

 他校の自治区で制限無く戦闘を行える公的機関はヴァルキューレやシャーレくらいなもんだと思っていたが...。

 それ以外は侵略行為とかと捉えかねられない。

 まあいいか。深く考えんのやーめた(思考放棄)。

 

「風紀委員会は便利屋を追ってここまで来た...ここで俺は便利屋はアビドスの獲物だと思うわけだが...どうする後輩達?」

 

「レクト先輩の言うとおり!便利屋はアビドスの獲物なんだから!渡すつもりなんてないわよ!」

 

「でもゲヘナの風紀委員会は他校の公認武力集団や、便利屋の部活のような集団とは性質が異なります!一歩間違えれば、政治的な紛争の火種になるかもしれません...アヤネちゃん、まだホシノ先輩とは連絡が取れませんか?」

 

『はい...ここまで連絡が取れないなんて普段ないはずなのに...』

 

「あー、ホシノは気にすんな。多分俺も知ってる奴の所に話にいってるはずだ」

 

『そうなんですか?』

 

「ああ、多分な」

 

 そして俺の予想が正しければ、ちゃんと断ってくるだろ...。()()()()()()()()()()()

 

「んで、どうする?先生もいるし、多少無茶な判断もありだろ。先生はいつだって生徒の味方だからな」

 

「“照れるね”」

 

「ん、選択肢は一つ。風紀委員会を阻止する」

 

「...シロコちゃん!?」

 

『...その通りです』

『風紀委員会が既に私達の自治区で戦術的行為を敢行した以上、政治的火種が生じるということ。...きっと、便利屋の皆さんが問題を起こしたのは事実です。ですが、それが私達の自治区でこんな暴挙をしていい理由にはなりません!』

 

「よく言った、アヤネちゃん。これが1年生なら将来のアビドスは安泰だな」

 

『もう、こんな時にからかわないでください!』

 

「とにかく!柴関ラーメンを壊した代償を便利屋に払わせてやるんだから!」

 

 敵はたかだか一個中隊。まあ、アビドスの面々だけでも先生の指揮があれば突破出来るだろう。

 俺は傭兵時代ネギと一緒に大隊規模を殲滅した事があるのでまあ余裕だな。

 

「じゃ、アビドス対策委員会、突撃〜」

 

 

 

 4人の少女が先生の指揮を得て、1人のライダーが鋼の龍を引き連れて、暴風の中、風紀委員会へと牙を剥く。

 

 

 

 場所は変わり、アビドス市街地のとある道路。

 

「急に雲行きが変わったけど...急いだ方がいいかしら。はぁ...アビドスには()()()()()()()()()()()()()()()と言ったはずなんだけど。めんどくさい...」

 




最後の彼女は一体何崎さんなんでしょうね(すっとぼけ)

サクラは本編に出しますか?出した場合ホシノはライダー化します。

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