転生ライダーinキヴォトス   作:KIARU

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カーナの正体が判明すると思ったか?
また次回だ。
まあ大体ご想像の通りです。


大人の戦い、残されたものの戦い

「こんにちは。先生。まず、誤解しないで頂きたいのですが、我々は貴方達と敵対するつもりはありません。...いえ、正確に言えば、貴方と龍塚レクト、でしょうか」

 

「“...何故そこでレクトが?”」

 

 私は大事な生徒の1人の名前が突然出された事で、目の前の黒尽くめの人物に対しての警戒をさらに一段階上げる。

 

「貴方も見て、実感しているでしょう?龍塚レクトという人物の異質さが。このキヴォトスという箱庭において、神秘を用いない理外の超常の力を持つ化け物を操り、彼自身もまた高い戦闘能力有している...一度見たはずです。たった一体の生物から起こされる天災とも呼べる現象を、その中心で、身を持って体感したはずです」

 

「“...”」

 

「あんな化け物を恐らくですが...彼は複数持っています。我々の技術でも、彼に対抗し得るものは少ないでしょう」

 

「“あなた達は一体何者?”」

 

「おっと、そういえば自己紹介をしていませんでしたか?」

「私達はあなたと同じ、キヴォトス外部の存在、ですがあなたとはまた違った領域の者です。今は適切な名前がありましたので、それを拝借して使っております。私たちの事は『ゲマトリア』とお呼びください。そして私の事は『黒服』とでも。この名前が気に入ってましてね」

「一応お聞きしますが、私たち(ゲマトリア)と協力する気はありませんか?」

 

「“断る”」

 

「...左様ですか。真理と秘儀を手に入れられるこの提案を断ってまで、あなたはキヴォトスで何を追求するおつもりなのですか?」

 

「“私はただ、ホシノを返しに来てもらいに来ただけ”」

 

「クックック」

「あなたの行動に正当性が無いことにお気付きですか?先生。ホシノはもうアビドスの生徒ではありません。届出を確認されていないのですか?」

 

「“...まだだよ”」

 

「...ほう?」

 

「“顧問である私が、まだサインをしていない”」

「“だから、ホシノはまだアビドスの対策委員会だし、副生徒会長だし、私の生徒だから”」

 

「...なるほど。あなた『先生』である以上、担当生徒の去就にはサインが必要、そういうことですか。学校の生徒、そして先生...中々に厄介な概念ですね...ですが先生。よろしいので?」

 

「“...”」

 

「もうご存知かもしれませんが、龍塚レクトは()()()()()()()()。あの謎のオーパーツのネックレスによって、小鳥遊ホシノの神秘による擬似的な魂が宿っているに過ぎません。いつ、その魂に綻びが生じ、壊れるか。ネックレスが壊れた時どうなるか。誰にもわからないのですよ?その点、そういった神秘などの研究において、我々の右に出るものは現在キヴォトスにいないでしょう。だからこそ、小鳥遊ホシノは自ら実験体へと志願したのです」

「つまりは、これは小鳥遊ホシノの望むことであり、龍塚レクトのためでもあるのです。先生の望む結果ではありませんか?」

 

「“そこに、対策委員会の皆が入ってないよね”」

「“それに、ホシノの居場所はアビドスだから”」

「“あなた達はあの子達の心の苦しみを利用し、踏み躙った”」

 

「ええ、確かに私は心の弱みに漬け込み、それを利用して利益を得ようとしました。それを否定はしません。善か悪かと問われればきっと悪でしょう。」

「ですが、ルールの範疇です」

 

「カイザーコーポーレーションがかつてアビドスにそうしたように、水一滴ない砂漠に水を売りつける...ただし一生払いきれない金額で」

「さして珍しくもない、世の中にありふれた話でしょう。ましてや私が最初でも、最後でもない」

「ですから先生、アビドスから手を引いていただけませんか?」

 

「“断る”」

 

「どうして?どうあっても私達と敵対するおつもりですか?」

「あなたは無力です。戦う手段などないでしょうに!」

 

 私は大人のカードを取り出した。

 

「...先生。確かにそれは、あなただけの武器です。ですが、私はそのリスクも薄っすらとですが知っています。使えば使うほど削られていくはずです。あなたの生が、時間が。...そうでしょう?」

 

「“...”」

 

「ですから、そのカードはしまっておいてください。あなたの生を、時間を、あの子達よりもっと大事なことに使ってください。元より、あなたの与り知るところではないのですから」

 

「“断る”」

 

「なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?」

「理解できません。何故断るのですか?」

「どうして?一体何のためですか?」

 

「“あの子達の苦しみに対して、責任を取る大人が誰もいなかった”」

 

「あなたはあの子達の保護者でも親でもありません。どうして取る必要のない責任を取ろうとするのですか?」

 

「“それが、大人のやるべき事だから”」

 

「...ああ。大人とは責任を負うべき者。そう言いたいのですか?先生。その考えは間違っています」

 

「...あなたは、このキヴォトスの支配者にもなり得ました。この学園都市における莫大な権力と権限。そしてこの学園都市にある神秘。その全てが一時的にとはいえあなたの手の上にありました。ですが、それをあなたは迷わず手放した」

「理解できません。一体その選択に何の意味があるのですか...!?」

 

 一度その命を落としたにも関わらず、気にした様子も無くまた大切な者のために命をかける少年(乗り人)

 

 そんな少年を想ってその身を差し出した少女(ホシノ)

 

 そんな先輩達の帰りを待って居場所を守り続ける少女達(対策委員会)

 

 そんな自分の生徒達を思い浮かべながら、口を開く。

 

「“言ってもきっと、理解できないと思うよ”」

 

「...良いでしょう。交渉は決裂です。先生。私は貴方のことを気に入っていたのですが...仕方ありませんね。...ホシノはアビドス砂漠のPMC基地の中央にある、実験室にいます。もしレクトさんがまたやられてしまった場合は、精々頑張ってこちらに救出に行くといいでしょう」

 

「先生。私達(ゲマトリア)はあなたのことを見ていますよ」

 

 クックック、という笑い声を後に、私は対策委員会の皆が待ってるアビドスへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 時は少し遡り。

 

 対策委員会・教室

 

「留守番って、意気込んだはいいものの、何もないわね...」

 

「何もないのが一番ですよ⭐︎セリカちゃん」

 

「ん...」

 

「なんでちょっと悲しそうなんですかシロコ先輩...」

 

 ドゴォォォオオオン!!!

 

「とか言ってたらなんか起きたじゃない!」

 

「アヤネ、状況は?」

 

「今確認を...!そんな...なんで...!?カイザーPMCが数百の兵力を連れてこちらに進行中です!同時に市街地に無差別攻撃も!」

 

「先生もレクト先輩もいない時に限って...いえ、お留守番を頼まれたんです!皆、行きますよ!市民の皆さんの避難を最優先で!」

 

「「はい!!」」「ん!」

 

 市街地まで行くと、そこにはカイザーPMCの兵力が隊列を成してズラリと並んでいた。

 

『奥から何者かの接近を確認...PMCの理事です!』

 

 アヤネの無線による通信から程なくして、先日会ったオートマタと再び相対する。

 

「学校まで出向こうかと思っていたが、お出迎えとは感心だな」

 

「これは何の真似ですか?企業が街を攻撃するなんて...いくらあなた達の所有地でも、そんな権利は無いはずです!」

 

『それに学校はまだ私達アビドスのものです!進攻は明確な不法行為!連邦生徒会に通報しますよ!』

 

「連邦生徒会に通報?面白いことを言うな。今すぐにでもやってみるといい。今までもそうやって嘆願してきたのだろう?助けて欲しいと。...だが、無駄だった」

 

『ッ...!』

 

「そしてアビドスの生徒会副会長、小鳥遊ホシノは退学、最後の生徒会の龍塚レクトも死地に向かい、生還することはないだろう。事を進めるには些か性急かとも思ったが、奴が死んでいれさえすればどうにでもなる」

 

「なんであんたにそんな事がわかんのよ!レクト先輩は帰ってくるわよ!ホシノ先輩を連れてね!」

 

「はははは!奴が生還することはないさ。何せ相手は奴が2年前に敗れた相手なのだからな」

 

「え...!?」「あのレクト先輩が...!?」「...」『信じられません...』

 

「...それでも、帰ってくるよ」

 

「シロコ先輩!?」

 

「レクト先輩は、負ける気はしないって言ってた。だから、帰ってくる。だったら、私達はここを、先輩達が帰ってくる場所を守るだけ」

 

『...そうですね。どちらにせよ、今この場であなた達を見過ごすわけにはいきません!』

 

「この数を相手にしてもか?」

 

「それでも負けないわよ!だってここが、私たちの居場所だから!」

 

 覚悟を決めた対策委員会達に銃口を向ける兵士達。あまりにも無慈悲な数の鉄の筒から今鉛弾が発射されようとしたその時、

 

 ドカァァァアアアアン!!!

 

 四方で爆発音が鳴り響いた。

 

「よく言ったわ!それでこそ私の認めたアウトローね!」

 

『便利屋の皆さん!?』

 

「埋めておいた爆弾で敵の増援を遮断。その間に指揮官を無力化させて、指揮体系を崩壊させる...風紀委員会相手に使うはずだった戦術だったけど。ま、予行演習ってことにしようか」

 

「ラーメン食べに来ただけだったんだけどね〜。ま、アルちゃんこういうところあるし、共同戦線張っとこうよ!」

 

「ん、願ってもない話」

 

「よくわかんないけど、味方してくれるってことね!」

 

「ありがとうございます〜♧」

 

「それじゃあ、行くわよ。覆面水着団、我が社員達」

 

「私達の認識、アビドスじゃなくてそっちなんだ...」

 

 一部の面々が少し変な顔をしつつも、戦いの火蓋は切って落とされ...

 

「理事...!傷が!」

「くっ...!部隊を再編成だ。一度退却しろ!」

 

 対策委員会と便利屋達は先生という最大の変数が不在にも関わらず、PMCに大打撃を与え、退却させるに至った。

 

「なによ、レクト先輩にボコボコにされてばっかだと思ったら全然やるじゃない、便利屋!」

 

「ん、見直した」

 

「とっても助かりました〜⭐︎」

 

「いや、ボコボコにされてばっかだったのはあの人がおかしいだけだと思う...」

 

『レクト先輩が連れてる生物は非常識ですから...』

 

「それじゃ、帰ろっか」

 

「またね!便利屋!」

 

 そうして校舎に戻った対策委員会メンバーは、戦闘の疲れを癒しながら、レクト達の帰りを待っていた。

 しばらくして先生が戻ってきてすぐ、先生に一件の連絡が来た。

 

 レクトからだ。

 

 

 

 

 

 『ホシノ確保。連れて行く』

 

 

 

 

 簡潔ながらも欲しい言葉が、そこに書いてあった。




次回ホシノ視点ちょろっと挟んでレクト対ビナーっす。ほんとっすよ!多分。
てかこれで先生のイオリ足舐めとか、ティーパーティーへの支援懇願とか消えましたね
まあレクト君が原作壊しちゃったんで...
パヴァーヌ編で頑張ります...

番外編どれがいい?(いつになるか予定は未定)

  • レクトがいるブルアカの先生達の掲示板回
  • ミカ回(曇らせ確定)
  • 2年間のレウスと対策委員会
  • キヴォトスの敵ルートレクト君
  • 送還中のオトモン達の様子
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