決して忘れていたわけではありません。
書かなきゃなあと常々思ってはいました。
筆が乗ったのが今日になったっていうだけなんです。
メインストーリーなぞるだけなのがつまらなくなってきたのでサクッとオリチャー行きます。
なお、独自解釈や設定を多分に含みます。
よろしくお願いします。
美食研究会を捕縛し引き渡した翌朝。第三次補習授業部模試が行われることになり、準備をしていると不意に普段あまり鳴らないモモトークの通知音が来た。決して友達が少ないわけではない。いつも暇ができたときに見るようにしているため基本通知はオフなのだ。なんかやってるときにピコピコ鳴ってもうるさいしな。だから緊急の時はメンションしてくれ、というのはプロフィールにも書いてあることだ。つまり、誰かが緊急の用事で俺に連絡をよこしたということ。急いで携帯を見ると、そこには【聖園 ミカ】の隣に通知がついていた。
『ごめん、もう私一人の力じゃどうにもならなくなっちゃった。いや、もうずっと前から手遅れだったのかも。私に今更こんなこと言う資格はないのはわかってる。でもお願いレクト君。
助けて』
そのメッセージを見た瞬間、俺は動き出した。
「ごめん皆、急用ができた。俺に気にせず模試は続けてくれ」
「レクトさん…?」
洞察に優れているハナコはすぐに俺の異常に気付いたようだが、今は見逃してほしい。
「先生、友人が助けを求めているのでちょっと行ってきます」
「”私も行くよ”」
「ダメです。先生まで抜けたら誰が彼女達の模試を見るんですか。先生は俺の私用より彼女達を教え導く方が重要です。…それに、どんなことが起こるかわかりません。俺はキヴォトスにおいて限りなく最強に近い存在である自負はありますが、それでも何時いかなる状況でも先生を守ることはお約束できません。なので、せめてトリニティの持つセキュリティがあるここにいてください」
「”…わかったよ”」
何処かまだ納得してなさそうな表情で了承をする先生。でも、今はそれでいい。キヴォトスにおいても超上澄みの実力を持つミカが助けを求めている。となれば、相手はミカでも処理しきれない大群か、もしくはそれより上の大物か。いずれにせよ、先生をそんなところに連れて行くのは危険すぎる。
窓を開けてレウスを呼び飛び乗り、ナビルーにミカの通信端末の場所をマークしてもらう。
「地図にない場所…しかも地下か」
『ああ。辿り着けるルートは不明、そんな場所があるなんてどこにも載ってない。正真正銘未知の場所だ。でも、レクトは多種多様なモンスターと絆を結ぶライダーだ。場所さえわかってれば行くのなんて簡単だろ?』
「そうだな!」
レウスから降りて、地中を潜れるオトモンに来てもらう。魔王。鏖魔ディアブロスに付けたその存在に見劣りしない名だ。
地中から魔王が出てくるなり背中に飛び乗り、再び地中を進んでいく。しばらくすると、銃声が聞こえてきた。魔王にできるだけ急ぐように伝え、数秒。視界が開ける
視界に真っ先に入ったのは、ボロボロのミカ。それを囲む大量の見慣れない制服の生徒。
今、決めた。手加減はしない。
「俺のお姫様に何してやがる!!!!」
インベントリから輝王剣リオレウスを取り出し、着地した瞬間ミカの前方にいる生徒達を薙ぎ払う。それだけで炎の斬撃が広範囲に広がり前方の生徒は全員気絶する。
魔王は咆哮を上げパンプアップ。圧倒的な力による突進だけで後方にいる生徒達を全員なぎ倒した。
ほんの数秒。怒りに任せた制圧はあっという間に終わった。
「レクト、君…?」
オトモンとライダーは一心同体。ライダーが怒っていれば、オトモンも呼応する。魔王は再度怒りの咆哮をあげた。俺がミカの声で冷静になったからか、咆哮だけでそれ以上の追撃しなかった。参った、これじゃオトモンより俺の方が幼稚だな。
「ミカ、助けに来たぞ」
「あはは…敵わないな、レクト君には。まだ連絡入れて30分もたってないのに…。私、もうだめかと思った。レクト君に連絡を入れたとしても、そんなすぐ来れるわけないって、思ってたのに…悪いこといっぱいした私にはお似合いの結末なのかなって諦めかけてたのに。でも、本当に…来てくれて…ぅぇ、ひっぐ」
座り込んで嗚咽を漏らすボロボロのミカを抱きしめる。
「もう大丈夫だ。早く帰ろう。ミカは可愛いのにそんなボロボロじゃ勿体ない」
「私っ…!ここで死んじゃうのかなって!でも、死ぬ間際に思い出したの!これまでレクト君と過ごしたこととか!ナギちゃんをからかって遊んだりとか!セイアちゃんと口論したりとか!それがっ…!それを全部失っちゃうんだって…!大好きな光景がもう見れないんだって思ったら、耐えられなくて…!」
「それでいい。死ねない理由が一つでもあるなら、俺が何度でも助けてやる。こんなバカなことしたんだ。帰ったらそいつらに謝るんだぞ」
「うん…!」
ミカをしょうがねぇなぁという顔をしてる魔王に乗せる。自分も魔王に乗り込もうとしたその時、銃弾が手にぶつかった。
「そのまま帰られては困るな」
紺色の髪のマスクをした少女が銃口をこちらに向けていた。
「魔王、ミカを連れて帰ってくれ」
「レクト君!?」
「何、すぐ後を追うさ。安心していってくれ」
「待ってレクト君!本当にやばいのがいるの!いくらレクト君でも下手したら…!」
騒ぐミカを強制的に魔王に連れてってもらい、俺は一人になる。この場は地下だからか潜行できるモンスターしか呼び出せない。いつもどこから来てるかわかんないけど、制限はあるみたいだ。
…だが、こっちはlv99のライダーだ。単体でも生徒に負けることはない。
「お前ひとりで私達を相手にすると?」
紺色の髪の少女の言い方的にまだ伏兵がいるっぽいが…
「ああ、お前程度がいくらいようと俺の敵じゃない」
「さっきの一撃は見事だったが、当たらなければいいだけの話だ。無駄な抵抗はやめろ。どうせすべては徒労に終わるのだから」
「全てが徒労に終わるとしたら、そちら側だがな」
「|vanitas vanitatum et omnia vanitas《全ては虚しい。どこまで行こうとも全ては虚しいものだ》…結局、行きつく先は虚無だ」
「そうかよ」
俺は氷妖イヴェリアを取り出し、物陰で隠れている3人に矢をぶつける。
「ヒヨリ!ミサキ!姫!」
「そんなこと言ってる割には、ずいぶんと大事そうなもの抱えてるじゃねえか」
「貴様ッ!っぐぁ!」
喚く少女にも矢をぶつけ、倒れ伏す少女の胸倉を掴む。
「お前はッ!すべてを失ったことがあるのか!?」
「…何をッ」
「生まれ持った姿も変わり、今まで築いてきたモノは全て無に帰し、家族も友人も、昨日まで喋って、会ってた奴ら全員にもう二度と会えなくなったことがあるのかって聞いてんだ!!!」
「それは…」
「便利な言葉を使って全部諦めてるやつが!まだ大事なモンが残ってるやつが!虚しいなんて言ってんじゃねえッ!!!!!」
「…」
唖然とした表情の少女を離し、心を落ち着ける。
まだ魔王が帰ってくるまでは時間があるだろう。どうやって地上に戻るか…いや、魔王が作った穴からオトモンを呼び出せないかと考えてみる。できるだろうが、どちらにせよ降りてくるまでに時間がかかるだろう。
なら、この場所について調べてみるのも悪くない。ミカがここで何をしようしたのかわからないが、おそらく何かを止めようとしていたのであろうことは推測がつく。それが一体何なのかを調べよう。
少女達を置いて行ってしばらく歩き、聖堂のような場所にたどり着く。随分と大きなその建物に吸い寄せられるように、ここに進まなきゃいけないような直感で奥へ奥へと進んでいく。
最奥の大広間、そこにいたのは赤い異形の女と…
「龍塚レクト…ここまでたどり着きましたか」
「白竜の、卵?」
絶対に渡ってはいけないであろう相手に渡ったと直感で分かったそれは、かつて黒の凶気に飲み込まれ、世界を滅ぼさんとした伝説の白竜、その卵だった。
急展開過ぎたかな…杉田かも…
今話からオリジナル展開になりエデン条約編の終わりに入ります。
補習授業部編からいきなり終わりに入る…?まあオリジナル展開なので…
最終編は?
-
伝説の黒龍
-
プレナパテス