【試走】ブルーアーカイブRTA 称号『特異現象消失』獲得 エイミチャート…? 作:和泉 元エイミ
ヒマリが全力で妨害をしてくるRTAのPart9、はーじまーるよー
前回はウタハと絶交して厄介なイベントが起こらないようにしたりゲーム開発部を襲撃したらヒマリに妨害されたところまででしたね。
エンジニア部とゲーム開発部は好感度稼ぎの必要性がないので「威圧」コマンドで撃退できますけど、ヒマリの場合はそうもいかないのでそこがめんどくさい~
ちなみにですが、この後リカバリー可能なので再走はしません。だからガバではない。いいな?
どういうことをしようが開発部が「鏡」を取り返すイベントは発生する*1ので全員が離れているタイミングで開発部には悪いですがGGAごと「Key」を木っ端微塵にします。
Keyが簡単に破壊できる機械に引きこもってる状態が最大のチャンスなので逃すわけにはいきません。
それでは作戦をお話しします。
まず、ヒマリの隙をついて脱走。アリスを見るのに夢中になっているので簡単です。
そして、GGAを探して破壊。大抵の場合開発部部室かヴェリタスのところにあります。
以上です。
問題点としてはヒマリのあのドローンで無理やり連れ戻されるか探しに来たチヒロ(極まれにトキ)とエンカウントしてしまうと失敗してしまいます。遭遇しないよう祈っておきましょう。
(心を)折るね☆(23敗)ホワァァァァァ!!
ま、遭遇しても無理やり突破できるんですけどね初見さん。
――
バレないよう各所に仕掛けたカメラからC&Cとセミナー相手に奮闘するゲーム開発部とヴェリタス、エンジニア部、そして先生の映像が様々な視点で送られてくる。
その闘いはまるで一本の映画のように美しく、スポーツの試合を観戦している時のように興奮する。まさに友情・努力・勝利といった感じだ。
まったく、こんなにいい子が世界を滅ぼすだなんてリオもおかしなことを言うものです
「いや~すごい良い子ですねアリスちゃんは、エイミもそう思うでしょう?」
部屋はコンピューターの稼働音が聞こえるのみで返事はない。
……無視ですか。やっぱりあなたはリオ側の…いえ、さっきから不貞腐れて寝ていましたね。
「エイミ、そろそろ起きてください。今いいところなんで……」
居ない。
布団をかぶっているエイミだと思っていたのは抱き枕であり、本人の姿はいつの間にか消えていた。
それを脳が理解した瞬間、全身の血液が一瞬で凍ったかのような感覚をヒマリは味わった。背筋が凍るとはこういう時のことを言うのだろう。
「……エイミ?」
興奮でバクバクしていた心臓の鼓動はさらに速くなり、嫌な汗が額から流れてくる。
「まさか直接アリスを……!!」
エイミなら“やりかねない” いや、確実に“やる”
何回か特異現象捜査部の活動を通じてヒマリは“エイミ”の行動理念を分析していた。
『最善ではなく常に最短』それがエイミの行動理念であり、自分が傷つくことも厭わず目的を達成するためにはいかなる手段も用いる。
アリスが世界を滅ぼすかもしれない存在と分かったのなら……
次々思い浮かぶ嫌な想像を振り払うようにアリスたちが戦いを繰り広げている場所周辺に仕掛けたカメラでしらみつぶしに探す。
(死角ができないようにカメラを設置しておいてよかった……)
今のところは見当たらない。
「もしもし!?チーちゃん!?今すぐエイミを探してください!!早くしないと……」
『あー、それなら大丈夫』
「目の前にいるから」
「…………」
チーちゃんことチヒロの目線の先ではゲーム開発部の部室を荒らしていたエイミがその手を止めてジッとこちらを見つめていた。
――
ああああああああああああああああなんでだよおおおおおおおおお
見つかっちゃったぁ……
「活動停止になったから暇でゲームでもしたくなった?……そんな風には見えないけど」
『ちょっとエイミ!そこにいるんですか⁉︎』
とりあえずヒマリに騒がれると困るのでチヒロの携帯を撃ち抜いて破壊します。えいっ!!(AKRNG)
「ほら、“部長”が探してるから早く戻ったほうがいいよ」
『リオに見つかる前に戻って……』
▶射撃
『…………』
「……正気?」
ヨシ!(適当)
正気だったらRTAなんてやるわけ無いじゃん。何言ってんの
ということでタイムのために無理矢理突破します。
やり方は簡単、「チヒロを倒す」以上!!
じゃ、スタンガンでちょっと眠ってろ!!
あっ避けられた
「ちょっ……!!」
こら逃げるな!!……仕方がないので背中を撃って姿勢を崩して転ばせます。
▶射撃
余計な銃弾を使わせやがって……!!
逃しても結局GGA壊せるから良いじゃん!って思うかもしれませんが鏡奪還イベントに乱入されると後々の展開が変わってしまうので逃してはいけません。チヒロ様逃げてはいけませんよ?
しかしこの前回のC&Cとの任務の時に手に入れた「威圧」は便利ですねぇ
交戦的な生徒やイベント戦を除いた一定以上のレベル差がある格下相手なら戦闘を終了させたり逃走成功確率を下げられてすっごくYee。
ランダム入手枠なのでチャートには加えてませんが再走するなら加えても良いかもしれません。
「来ないで‼︎」
チヒロがその辺に落ちていたものを片っ端からぶん投げて抵抗してきますがちゃんとタイミング良く防御していきましょう。頭部にクリティカルヒットしたら数秒の隙が生まれて逃げられてしまいます。(2敗)
……当然ですが好感度がかなり下がってしまうので稼ぎ直さないといけないのが大変ですが、Key破壊を短縮するほうが優先なのでここは苦渋の決断です。
じゃ、スタンガンでちょっと眠ってろ!!(二回目)
あとで贈り物漬けにしてやるから許してくれよな~
――
正直、エイミのことは前々から危険だと思っていた。マキと時々話しているのは知っていたが、どうも利用しようとして近づいている気がしてならなかった。いや、セミナーもシャーレに対してだってそう。“印象を良くするための言葉”をただただ並べているようにしか感じられない。
これはリオ会長にあまり良い感情を持っていない自分のひねくれた考えだと思っていたけど……
目の前のエイミが明らかに当たったらタダでは済まなそうな音を発しているスタンガンを持ってこちらに近づいてくる。
最初の一振りを躱せたのはほぼ運だろう。自分は他のヴェリタスのメンバーよりは動けると思っているけど流石にC&Cとほぼ同格のフィジカル持ちとは張り合えない。
一縷の望みにかけて逃走を選ぶも容赦なく背中を撃たれて転ばされた。
間違っていなかった。こいつは危険だ。
邪魔だと判断したら迷うことなく排除しに来る。
「来ないで!!」
必死に手に触れたものを片っ端から投げつけても止まらない。何なら正確にガードしてみせる余裕すら見せている。
目の前にあるのは「恐怖」のみ。キヴォトスの生徒とも外から来た先生とも根本的なところから全く異なっている“何か”が“和泉元エイミ”という生徒の形をしているに過ぎない。
足がすくんで動けない私を見下ろすエイミの瞳は光が一切届かない深い闇のようで、私を見ているようで見ていなくて……
エイミが振り下ろすスタンガンがゆっくりに見える。思考が今までにないくらいの速さで脳内を駆け巡る。
ミレニアムに入学して、ヒマリと出会って、後輩たちと出会って……数々の思い出がスライドショーのように浮かんでは消えていく。
ああ、これが走馬灯か。こんな終わり方をするなら無理やりにでもヒマリを特異現象捜査部から引きはがすべきだった。
後悔はたくさんあるけれど、せめて一瞬で終わることを祈って目を閉じて……
「……なぁ、思わず割り込んだけどこれどういう状況だ?なんでアンタらがこんなところで争ってるんだ?」
寿命が尽きるのはもう少し先らしい。スタンガンは小さなスカジャンメイドが受け止めていた。
――
な〜んでここで「ネル乱入イベント」が発生しちゃうかなぁ‼︎‼︎
ちなみに「ネル乱入イベント」ってのはミレニアム校内で戦闘行為をしているとその時によって理由は様々ですが超低確率でネルが戦闘に乱入してきます。
この戦闘狂が……‼︎ あぁ〜もう気が狂う(限界土方)
「しかもあたしがちょっと歯を食いしばらねーと耐えられねえスタンガンまで持ち出して……」
う〜ん、どうしましょうか。別にネルはもう倒せない相手ではないんですが無駄に耐久が高いので時間を稼がれてしまいます。先生たちが戻ってきて異変に気が付かれると今後のストーリーというかチャートがズレてしまうんですよね……
つーか、しれっとスタンガンに耐性付けてんじゃねーよ
その辺の生徒だったら一撃で沈められるように違法改造してるんだぞ?お前は化け物か?化け物だったわ
「本当に何してたんだ?……おい、聞いてんのかよ」
まさか……再走⁉︎
い、いやだ!ここまで良い感じのタイムだったのに……‼︎
何か…何かないのか⁉︎
「返答次第じゃあ…」
あ、チヒロが投げてきたものの中に「モモイのGGA」があるジャーン
……ここでオリチャー発動!
マルチタクティカルをチヒロに向かって投げる‼︎オラァ‼︎
「……っ、おい‼︎」
チヒロは「威圧」を使われて動けないので当然、ネルが受け止めます。
その隙にGGAをメモリーカードごと踏み抜いて破壊‼︎
勝った!時計じかけの花のパヴァーヌ編、完!
じゃ、目的達成したので窓割って逃げます。弁償はリオ会長に請求しといてくれよな!
「待てコラ‼︎」
さらば!メイド諸君、ぬわーっはっはっはっは‼︎
「エイミって悪いやつだなー」なところで今回はここまで。
この後はゲーム開発部がなんやかんやあって廃部を回避したり、リオとヒマリの痴話喧嘩があったりしますが原作とほぼ同じなのでスキップ。エイミには関係、ないです。
ということで次回は予定を変更して今回で下がったヒマリとヴェリタスの好感度を上げる作業です。どうせエデン条約編まで暇だったのでタイムに影響はありません。それでは
【お詫び】
前回の動画で親糞使ったら権利者削除されました。
再編集版を投稿するので次は投稿されるまでに少し間が開きます。
――
「よーし!なんとか鏡も取り返したし、後はヴェリタスに解析してもらうだけだね!!」
ゲーム開発部、エンジニア部、ヴェリタスの見事な連携によってセミナーとC&Cに一泡吹かせることに成功、無事?にセミナーから鏡を取り返したゲーム開発部はG.Bibleの解析を行うため部室で充電しているGGAを取りに戻っていた。
だが、これはゲーム開発部にとってはまだスタートラインに立ったに過ぎない。結局のところゲームを完成させてミレニアムプライズで受賞できるゲームを作らなければここまでの冒険もあっけなくゲームオーバーになってしまうのだ。
……それに気がかりなこともまだ残っている。
「ただいまーっ!!」
「あ?」
「「え?」」
上機嫌で部室のドアを開けたモモイ。中には予想外の人物が待ち構えていた。
そこにいたのはミレニアム最強と謳われる美甘ネル、今回作戦の決行に踏み切ったのも「ネルが居ないから」の部分が大きい。
「なっ、なんでネル先輩がここに―!?」
「そんな…待ち伏せされてたなんて……」
「待てって、今はアンタらに用はない」
予想もしていなかったラスボスの登場に、狼狽えるモモイとミドリ。
「って……部室がめちゃくちゃじゃん!!」
「あ゛ーーっ!!それ私のGGA!!なんで……砕け散って……」
「まさか、私たちを廃部にするために……!!」
「おい」
しかし、そこでいつもの部室が変わり果てた惨状になっていることに気がついた。机や引き出し、収納の中身がひっくり返されて漁られている。まるで暴風雨が荒れ狂ったような荒廃ぶりだった。
その中でも特に目を引いたのは充電していたはずのGGA、それがめちゃくちゃに破壊されていた。この中にダウンロードしたG.Bibleが入っている。こうなってはパスワードの解析どころではない。
「相手がミレニアム最強だろうがなんだろうが、いくらなんでもこれは許せない!!」
何者かが部室に侵入し、破壊の限りを尽くしたらしい。この状況下で、犯人として考えられるのは目の前のネル以外居ない。そう考えたモモイとミドリ、アリスは今にも襲いかかりそうだった。
「モモイ、ミドリも落ち着いて」
「はぁ……、なんでさっきから話を聞かない奴としか会わねーんだよ……」
なんとかモモイとミドリを落ち着かせて状況を確認する。
「え?ネル先輩がやったんじゃ……」
「いや、アンタらの事情もここがこんなことになってる理由も知らねーよ。……怪我人がいるんだ、通してくれ」
ネルが指し示したところに居たのは同じく不在だったはずのヴェリタス部長代理、各務チヒロだった。
「チヒロ先輩……?」
「何があったか多分知ってるんだろうが…… 今は聞かないでやってくれ」
過呼吸気味になっているチヒロを落ち着かせながらネルは部室を出る。出たところで彼女と目が合った。
「あんたは……ああ、シャーレの」
「初めまして、だけど挨拶は後にした方が良いかな?」
「……そうだな」
「あ、そうだ」
数歩進んだところで、ネルの口からその言葉が零れた。
「何があったか気になるんだったら、そこの忘れ物届けてくれねーか?」
「忘れ物は……これですね!サブクエストの開始です!!」
「これって……」
アリスが持ってきたのは、数日前に廃墟から出てきたところで向けられたショットガンだった。
ミレニアムでこれを使っているのはエイミしかいない。
――
「副部長…大丈夫……?」
「まあね」
校内の保健室に思わぬ事態に直面したヴェリタスとゲーム開発部のメンバーが駆けつけていた。かすかに薬品の匂いがするベッドに寝かされているチヒロ、容態は安定し、大きな怪我もないらしい。
だが……
「でも、どうしよう……。頑張って鏡を取り返したのに……G.Bibleが……こんなことに……」
「モモ……」
粉々になったGGAを悲しそうに見つめるモモイ。その瞳には、静かなる涙が溢れ出ていた。彼女は深い絶望に包まれ、ヴェリタスとエンジニア部とともに協力して鏡を取り戻した喜びも、ただの幻だったかのように思えた。メモリーカードがこうなってしまっては解析はできない。無駄になった努力と失われた希望に苦しみながら、彼女は茫然としていた。
「安心して、モモイ。G.Bibleは無事だよ」
「先生!?」
「メモリーカードを入れ替えておいたんだ。本体は粉々になっちゃったけど……データは無事だよ」
懐から自分のGGAを取り出してモモイに差し出す。
これはゲーム開発部と一緒に遊ぶために購入したもの。ユズの不穏な言葉を聞いてから何かがおかしいと感じてメモリーカードを入れ替えておいたのが正解だった。
なんとなく、エイミがモモイのGGAに対して何かしらの行動を起こすような予感はあった。……ここまでとは正直予想していなかったけれど。
「ありがとう先生!」
「良かった…これでG.Bibleの解析ができる」
ぱあっと明るい顔に戻ったモモイとミドリ。彼女たちの笑顔は、まるで陽光のように保健室内の暗かった雰囲気を一気に晴れ渡らせた。その爽やかな笑顔に周囲の空気も明るさと活気を取り戻し、新しい希望が湧き上がった。
「じゃあさっそくヴェリタスの部室に戻って解析を……」
「待って」
早速部室に戻って解析を開始しようと意気込むヴェリタス。しかし、その意気込みを打ち砕くかのようにチヒロが静止させた。
「G.Bibleの解析は……許可できない……!!」
「何で!?」
「チヒロ先輩……?」
「あいつは……いや、エイミは明らかにG.Bibleを狙ってる。解析なんてしたら……」
「でっ、でも!G.Bibleが無いと私たちは……」
「私はエイミに殺されかけたのよ!!」
その圧倒的な迫力に、モモイもミドリも全員が口をつぐんでしまった。チヒロが感じた恐怖は想像を絶するものだったのだろう。
「あの時ネルが居なかったら私は……私は……!!」
「チヒロ、落ち着いて……ゆっくり息を吸って……」
また過呼吸気味になってしまったチヒロを落ち着かせるように背中をこすり、呼吸を整えさせる。
「……申し訳ないけど副部長がこんなになってまで拒否するんだから、私はG.Bibleの解析はしない」
「右に同じ」
ハレ、コタマもG.Bibleの解析を拒否。
「私も……やりたくは……ないかな」
「マキ……」
「ごめんね、モモもミドもアリスちゃんもユズも……G.Bibleが必要なのは分かってるんだけど、でも……」
マキも拒否。これで全員だ。
「みんな……」
G.Bibleの解析が不可能となったことで、モモイの顔に再び絶望が浮かんでいた。せっかく手に入れた希望も、また手の中からすり抜けてしまった。
ヴェリタスの気持ちはよく理解できる。身の危険を感じさせてまで解析を強行させることはできない。
しかし、その心情と同時にゲームを作らなければならないという使命感が、モモイの内側で激しくせめぎ合い、彼女の心は葛藤に満ちていた。
「じゃあG.Bible無しでゲームを作りましょう!」
「アリス…?」
沈黙を破り、アリスが突如切り出した。
「無理だよそんなの……」
「それは違います!アリスが遊んだ魔王城ドラキュラもゼルナの伝説も英雄神話もファイナル・ファンタジアもアイズ・エターナルも……すべてG.Bibleに頼らないで作られています!」
「……それは、そうだけど」
「テイルズ・サガ・クロニクルも!」
「「!!」」
「そうだよ……そんな簡単なことだったんだよ!ゲームを作るのに必要なのはG.Bibleなんかじゃない!心だよ!情熱だよ!!面白いゲームを作ろうとする思いこそがいっちばん大事なんだ!!」
「ゲーム開発部に行ったのも、ユズのテイルズ・サガ・クロニクルに感動して……それで一緒に面白いゲームが作りたかったから……!!」
「わ、私も、心の通じ合う大事な仲間たちと、一緒にゲームを作って、それを面白いって言ってもらうことが……夢で……それで……」
「よし行こう!時間はあとどれぐらいある!?」
「7日と58分です」
「それだけあれば十分…さあ、ゲーム開発部一同!テイルズ・サガ・クロニクル2の開発、始めようか!!」
「「「おー!!」」」
行ってしまった、あの様子なら大丈夫だろう。
ならば、私はやるべきことをやるのみ。
「じゃあ、このG.Bibleは私が責任を持ってシャーレで厳重に保管しておくよ」
「……うん、それが一番安全だと思う」
「それとG.Bibleが残ってるってことは……ここだけの秘密で」
「そうだね、モモとミドにも後で伝えておく」
後は……
「忘れ物、届けに行かないとね」
特異現象捜査部の部室の前に立つ。そこには小さなホワイトボードが掛けられていた。そのホワイトボードには、「応答不可 用があるなら明日」とフォントをそのまま張り付けたような文字で書かれている。
よく見れば「部長の天才美少女ハッカーは不在です♪用事があればエイミまで!」の文字を消して上から書かれている。
コンコンと軽くノックしてみる。当然、何の反応もない。
「……忘れ物、ドアの前に置いておくね」
ドアの前にエイミの「マルチタクティカル」を置いておいた。今は話したくないのだろう。
__この選択が正しいかどうかは分からない。しかし、このまま無策に突撃したところでどうなるわけでもないことも理解していた。今はただ……待つことしかできない。
少しして後ろでドアが開く音がした。あえて振り返らなかった。
この時、エイミはどんな顔をしていたんだろう。
――
「ええ、分かっていましたとも。エイミに先制攻撃させるようなあなたのことですからね!!」
ミレニアムの生徒会長室で、激しい論争がリオとヒマリの間で交わされている。
「待ちなさい、私はエイミに何も命令していないわ。むしろ事が終わるまで大人しくするよう言っておいたのだけれど……」
「今更嘘をついても無駄ですよ!だいたい……」
ヒマリはいつもの冷静さを失っていた。
「ヒマリ、落ち着きなさい。今私たちがしているのは『王女』が危険であるかどうかの判断よ。G.Bibleはただのゲームの作り方を記しただけの物でしょう?言ってしまえばあんなもの今回はどうでも良いわ」
「……そうですね。同じ廃墟で見つかったというだけで『王女』とは関係ない、作られた年代もおそらく違うはず……」
少し熱くなってしまった頭を冷やすヒマリ。リオに諭されるのは少し癪にさわったが、彼女の言葉は間違いなく正しかった。ヒマリは一旦落ち着いて感情を抑え、深呼吸をした。
__チーちゃんが傷ついて少し冷静さを失ってしまいましたね。私としたことが…
「仮に私が命令するなら直接『王女』を確保させるのはあなたもよく分かっているんじゃなくって?」
「ええ、もちろん。あなたはそういう人です。……つまり今回のエイミの行動は」
「“独断”よ。私もあなたも関係ない」
議論は続く……
「もちろん、エイミには事前に『王女』の資料は渡してあるし、あなたが部長になる前にも少し調査をさせているわ。……その上でエイミはG.Bibleを攻撃しているのよ」
「アリスではなく、G.Bible…… 廃墟から出てきたゲーム開発部を襲撃したのは無断侵入への対処ということで理解はできるけれど……」
「その次、ゲーム開発部部室の件は何のために行動を起こしたのか……。エイミがゲーム開発部を廃部にさせたいなら話は別だけど、エイミはそんな理由で行動しないでしょう?」
「話をまとめると、エイミしか知らない情報で『王女』より『G.Bible』が危険だと判断した……ことになりますね」
「こうなったら本人に直接聞きださないと分からない……」
エイミはいつもそうだ。自分しか知らない情報をいくつも抱え込んで独りで行動している。
「同じ部活の仲間なんだからもう少し頼ってくれてもいいのに……」
「………」
「…………とにかく、『王女』よりも『G.Bible』が危険である可能性という不確定要素がある以上、私の判断は『保留』」
「私もそれで」
「そうね。判断するのはエイミに聞いてからでも遅くはないわ。世界を滅ぼしかねない相手への対処を間違えてはいけないもの」
議論は終わった。今回アリスをどうするかの判断は下されず、結論を出すのは先延ばしになった。
リオにしては珍しい判断だと思ったがヒマリは口に出さない。ここで下手に口を挟んで『排除』に踏み切られては困るのだ。何とか手に入れたこの僅かな時間の間にリオを納得させる理由を用意しなければならない。
「では、私がエイミに色々聞いておきますね。……教えてくれるかは分かりませんが」
「何としてでも聞き出して頂戴、その間に私がG.Bibleについて改めて調べるわ」
物語は既に道筋を大きく外れている。その結末はもはや誰にも分からない……
――
『__そういった点を評価して、この作品には今回、ミレニアムプライス“特別賞”を授与します』
……どこかで歓声が聞こえた気がする。
良かった。私のせいであの子たちが廃部にでもなったら、“私”は耐えられなかっただろう。
いや、既にラインは超えている。“和泉元エイミ”という牢獄に閉じ込められていなければ、“私”は迷いなく自死を選んでいるだろう。
あの時、“エイミ”はチヒロ先輩を傷つけようとしていた。“何か”はちょっと痛めつけて黙らせるだけのつもりだったのかもしれないが、あんなスタンガンで思いっきり殴りつければタダでは済まなかっただろう。下手したら後遺症が残っていた可能性すらある。
それに何より、あの時のチヒロ先輩は怖がっていた。怯えていた。信じられないものを見る目で“エイミ”を、“私”を見ていた。体の怪我は大したことないかもしれないが心の傷は深いはずだ。
チヒロ先輩だけじゃない。ウタハ先輩だってあの時同じような目をしていた。モモイと会ったらそんな目をされるかもしれない。大切なものを粉々にしてしまったのだから。
__“私”は、ゲーム開発部が羨ましい。
ちゃんとした大人が生徒一人一人に寄り添い、正しくより良い方向へ導いてくれる。
それに比べて
近い将来、絶対に取り返しのつかないことを“エイミ”はするだろう。
__ダメだ。こんなところで嘆いているだけじゃダメだ。
こいつに気が付いているのは私だけなんだ。私しかできない。
“エイミ”が、“何か”がこのミレニアムを、いやキヴォトスを破壊してしまう前に“私”が……
“エイミ”も “何か”も…殺す
この牢獄ごと身を滅ぼすことになろうが関係ない。“私”ごと殺す……!!
いやだ、助けて