転生してもスケルトンだった件   作:perusonazuki

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7話 大鬼族

 リムルはシズの体を食い、人間の姿に擬態できるようになった。人の姿になるのは久しぶりなため、体に慣れるために今日は人の姿でいるそうだ。

 

「その...俺って、ついてた?」

「何がだ?」

「いや、感覚で分かるんだけどさぁ? 気になるじゃん? ()()がついてるか」

「...ああ、()()か。()()()()ついてなかったぞ」

 

 オイラの言葉を聞いた瞬間、リムルはひざから崩れ落ちた。しかし、すぐに立ち上がり、気分を切り替える。

 

「まあ、スライムの時点で性別なんてなかったからな」

「それはさておき、お前さんいつもみたいな黒い霧が出ないよな」

「確かに...なんでだ?」

 

*体積が足りないため、魔素を用いた霧を使うからだ。

 もともと、魔物は強ければ強いほど人間に近い見た目になっていき、今のリムルはイフリートを食った影響で特A級・災厄級(カラミティ)に相当する*

 

「『決意者』によると、体積の問題らしいぜ」

「あ、スライムの体積通りの大きさになるのか。なら、黒霧を使って成長すれば…」

 

 リムルの考えに同調しようとした時、『決意者』による説明が入った。

*ついでに言っておくと、リムルは元から常人離れした知覚能力を持っており、『大賢者』の思考加速を使わずとも常人を超えている。その理由はスライムの細胞一つ一つが脳・筋肉・神経であり、一つの細胞で知覚・伝達を行うからタイムラグが存在しない。しかし、黒霧を用いた擬態は、黒霧の体と本体の体でラグが生じてしまう。つまり、本来の知覚能力や筋力は制限がかかる。

 だが人間に対する擬態は黒霧を使わない。そのため、スライムの本来のスペックを発揮できる。すべての細胞が筋肉、脳、神経であるため驚異的な筋力・『大賢者』抜きでも高い思考能力・タイムラグのない神経伝達。そしてサンズが教えた元素魔法と精霊魔法、イフリートの解析によって上位聖霊召喚も可能となっただろう。擬態というよりは人化の方が近い。

 そして、リムルは()()魔王種を得ていないがこの調子で成長すれば魔王種の会得、そして魔王にもなることができるだろう*

 

「...お前さん、とんでもないな」

「へっ?」

 

 リムルはいたいけな少女の姿で、困惑した表情を浮かべる。こんなガキが災厄級《カラミティ》の魔物であるなど、一般人からしたら思わないだろう。

 

 仮設テントの外に出て、リグルドの今日の報告を受ける。

 イフリートによって受けた被害を復興しつつ、建物の建設準備が進行中である。

 

「ああ、それと。今日もお食事は必要ないのですか?」

「ああ、どうせスライムの体じゃ味がしn」

 

 その時、リムルには電流が走った。

 

「リグルド! 今日から俺も一緒に飯を食うことにする!」

「なんと! では今夜は宴会ですな」

 

 リムルは人化の影響により、五感が復活したのだ。つまり、味覚があるということ。

 リムルは浮足立って、夜の宴のことを考える。

 

「肉かな? 肉だろうな~」

「となると米がいるな」

「この世界って稲ってあるのかな? 今度探してみるか」

 

 封印の洞窟に向かい歩いていると、リグル達の食料調達班と出会った。どうやら今から出発するようだ。

 

「リムル様!」

「食糧調達ご苦労さん」

「ありがとうございます。これから森へ向かうところです」

「今夜は宴会だ。うまい獲物を頼むぜ?」

「えっ、てことはリムル様も食べるんですか?」

「おうよ! なんせ個の体には味覚があるからな!」

 

「いっぱい食べたらおっぱいも育つっすかね?」

 

 ゴブタの一言によって、辺りの空気が凍り付いた。そして直後、ゴブタはリムルの蹴りによって三回空中で回転しながら吹き飛ばされる。

 ゴブタは知らないが、リムルはオッサン(38歳)なんだったよな、確か...

 

「すみません! ゴブタにはキッチリと教育しておきますので...それから、特上の牛鹿(うじか)をご用意しましょう!」

「頼むぜ」

「お任せください! 最近は森の奥から移動してくる魔物が多いので、獲物は豊富なんです」

「...何かあったのか?」

「いえ、魔物は環境の変化などで移動したりしますからね。大したことは無いと思うのですが...」

 

 リムルは考え込むと、影の中からランガを召喚した。

 

「リグル達と森に同行してくれ。何もないと思うけど、もしもの時は頼む」

「心得ました。お任せください!

 遠慮はいらぬ、我を連れていけ。リグル殿!」

 

 ランガはリムルの頼みを承諾すると、格好よく宣言した。 ...尻尾をぶんぶん降るのと、興奮して口呼吸が荒くなっていなければだが。

 

 オイラ達は今、体のテストとリムルがシズから受け継いだユニークスキル『変質者(ウツロウモノ)』の効果を試すため、誰の迷惑にもならない場所、封印の洞窟内部にたどり着いた。

 

 『変質者』、シズの思いが込められた大事なスキル。その能力は、統合と分離を行うことができる。

 統合は異なる対象同士を一つのものへ変質することができ、分離は対象に備わる性質を別の物質として分離するというものだ。ただし、実体を伴っている物でないと消滅する可能性があるそうだ。

 この二つの能力。ハッキリ言ってリムルとかなり相性がいい。

 実体を伴っていない物でさえも統合することが可能。つまりスキルを融合することができるのだ。

 そのため、リムルは『大賢者』を併用し会得スキルを統廃合して新たなスキルが会得できないかの模索中だ。そして、その結果、「黒炎」「黒雷」「多重結界」「分子操作」「粘鋼糸」「超速再生」「万能変化」「熱変動無効」を会得した。

 特に目立つのは黒炎と黒雷で、今までは黒狼(テンペストウルフ)に擬態した時に現れる二本の角がないと制御できなかった『黒雷』が擬態せずとも制御可能となり、対象を焼き尽くすまで消えない自分の魔素を使った黒い炎の『黒炎』が使用可能となった。

 

「何...これ? えげつない」

 

 円状に囲われた黒い炎の中でリムルがつぶやいた。

 今リムルが使用したのは『黒炎』で、オイラなら何があっても躱せるため使わせたのだ。

 

「とりあえず、相手が同格でもない限り使う必要はないな」

「使いどころを考えないとな」

 

 リムルは黒い炎を引っ込め、消火した。『黒炎』はリムルの魔素のみで使用可能なため、すぐに消すことができる。

 魔法はスキルを乗せ、強化できるため、使い方次第ではもっと強くなりそうだ。

 

「しかし、ほんとにシズさんには感謝しないと」

 

 リムルは(いぶくろ)から修復した『抗魔の仮面』を取り出し、見つめる。

 

「確か、そいつには魔力を抑える効果があるんだったよな?」

 

 リムルはオイラの言葉に頷くと、仮面をかぶった。その瞬間、抑えていたとはいえ、僅かに漏れ出ていた妖気(オーラ)が消えた。

 はたから見ればもう五歳くらいの少女であり、特A級の魔物であることは誰にも推測できないだろう。

 

「すごいな。お前さん、妖気(オーラ)が人間と同じになったぞ」

「マジか。よし、対外向けにはこの格好で出向くことにしよう」

 

<リムル様! サンズ様!>

 

 その時、ランガからの思念伝達が届いた。

 その内容は、救助要請。

 

「行くぞ」

 

 リムルの肩に手を置き、近道を使い瞬間移動する。

 

 何人ものゴブリンと嵐牙狼族(テンペストウルフ)が地面に倒れる中、ゴブタは老人の角が生えた、白鞘の刀を持った男の魔物と戦闘していた。

 

「ダアッ  ! 死ぬぅ!」

 

 ゴブタが老人の大鬼族に胴を切られ、吹き飛ばされた。

 しかし、ゴブタは空中で止まり、ポフっという音を立ててふわふわと地面に着陸した。本人はそのことに気づいていないのか、痛みに悶絶し、呼吸を荒げ、声を出した。

 

 オイラはこの状況の現況に向かい歩き、リムルは被害者の傷を確認・治療を施す。

 

「どうした?」

 

 リムルはゴブタに与えられた胴への斬撃を確認した。どうやら、深く切られはしなかったようだ。

 

「切られたっす! 超痛いっす!」

「落ち着け、傷は浅いぞ」

 

 その場には、赤髪で筋骨隆々な肉体を持ち、額に二本角が生え、刀を腰に携えている男の魔物と白髪で白鞘を持った老人の魔物がリムルを睨んでいた。

 

「あっ、リムル様じゃないですか! 心配になったから来てくれたんすね?」

「ああ、そうだな。元気そうだし、回復薬はいらないか」

「ちょ、ちょっと! 欲しいっす! 冗談言ってすまなかったすよ...」

 

 今朝のやり取り根に持っていたのだろうか、リムルはゴブタが謝るまで回復薬を渡さなかったが、謝った瞬間、回復薬をぶっかけ、治療した。

 

「あ、たっ助かったっす!」

 

 一方、空中ではランガが黒髪で巨漢の大きな木槌を持った二本角の男の魔物と、蒼髪の両手に刀を持った一本角の男の魔物が戦闘を繰り広げていた。

 ランガは咆哮とともに扇風を巻き起こし、魔物達を攻撃するが躱され、着地したと同時に二人の大鬼族に向かって走るが蒼炎の壁がランガの攻撃を(はば)んだ。蒼炎の壁を出したのは桃髪の二本角の女の魔物のようで、木の陰に隠れながらランガを見ている。

 そして、リグルがメイスを持った一本角の紫色の髪をした女の魔物と戦闘していた。見てわかる程に押されている。

 

「リグル、ランガ、戻れ!」

 

 オイラの言葉で、リグルとランガをそばに寄らせ、回復薬による治療を行った。そして、状況確認を行う。

 

「こいつらは死んでいるか?」

「いえ、魔法によって眠らされています。あの桃色の髪の仕業です」

「面目ありません、まさか、オーガに出くわすとは思わず」

 

*大鬼族(オーガ):単体だけでもBランクに相当する魔物だ。熟練の者にもとなるとB+やA-に匹敵する。この森の中では上位種族で、ヒエラルキーの頂点に近い*

 

 平均してB+程度のランクを持った大鬼族(オーガ)の集団か。警備隊のほとんどが無傷で無力化され、実力差が大きいリグルとゴブタも致命傷ではない。

 なにか訳があるのか...?

 

「おい、お前ら。事情は知らんが、うちのやつらが失礼したな。話し合いに応じる気はあるか?」

 

 リムルが口を開き、話し合いの意思を確認した。しかし、帰ってきた返事は想定外のものとなった。

 

「正体を現せ! 邪悪な魔人め!」

 

 赤髪の大鬼族は刀に手を添え、戦闘態勢を取りながら告げる。

 

「おいおい、ちょっと待て! 俺がなんだって?」

「魔物を使役するなど、普通の人間にできる芸当ではあるまい。見た目を偽り、妖気を抑えているようだが甘いわ!」

「正体を現すがいい」

「黒幕から出向いてくれるのは好都合というもの」

 

 リムルに対し、大鬼族全員が戦闘態勢を取りながら敵対の意思を表した。リムルの正体など、ただのスライムであるというのに。

 

「まあ、待て。お前さんがた、すk」

「貴様らの言葉など、聞く耳を持たん! 全てその仮面が物語っている!」

「待ってくれ、何か勘違いしてないか? これはある人の形見で...」

 

 リムルが弁明をしようとするが、赤髪の大鬼族が刀を抜き、リムルに向けた。

 

「同胞の無念、その億分の一でも、貴様の首であがなってもらおう。邪悪なる豚共の仲間め!」

 

 大鬼族は聞く耳が無いようで、リムルを睨み続ける。

 

「どういたしますか?」

「裏がありそうだ。ランガは桃髪を相手しろ。残りはオイラがやる」

「いや、残りの五体は俺に任せてくれ」

「しかし、リムル様がオーガ五体を相手することに...」

「問題ない、負ける気がしない!」

「流石は我が主! 承知!」

 

 今回はリムルに任せるということで、オイラはマジで危ない時以外傍観することに決めた。そして、こちらの作戦会議が終わり、戦闘が始まった。

 

「舐められたものだな。真の勇気か、ただの蛮勇か。

 その度胸に敬意を払い、挑発に乗ってやろう。後悔するなよ」

 

 赤髪のオーガそう告げ、リムルに対し刀を振り下ろすが、その斬撃は当たらなかった。周囲を確認すると、リムルは木槌を持った大鬼族の前に立っており、その大鬼族に向けて掌を向ける。

 

「お前は眠っとけ」

 

 掌から麻痺吐息を噴出し、眠らせた。そして背後からメイスを持った大鬼族の打撃が飛んでくるが、身をかがめ、回避する。

 

「悪いな、魔力感知で丸見えだ」

 

 リムルは振り返り、紫髪の大鬼族の胸を見て固まる。胸の大きさに固まっていると、視線に気づいたのか、紫髪の大鬼族がさらに強い力でリムルに殴り掛かかった。しかし、そのメイスを跳んで回避するのと同時に『粘鋼糸』を使い、紫髪の大鬼族の体を拘束した。

 

「転びそうですよ、お嬢さん。なんちゃって」

 

 喋っている隙を見逃さず、即座に刀を突きさそうとする蒼髪の大鬼族の刺突を『身体装甲』を発動させた右腕で受け止め、あまりの強度に刀が折れ、隙が生まれた。

 そしてリムルは蒼髪の大鬼族の無防備な腹にパンチを食らわせ、吹き飛ばし、意識を失わせた。

 

「さて、あとは...」

 

 残りの大鬼族は、赤髪の鬼族と、白髪の老人の大鬼族だ。

 

「どうする?」

 

 老人の大鬼族はリムルのスキルを見て、思考をめぐらせる。

 

「エビルムカデの『麻痺吐息』、ブラックスパイダーの『粘糸』、『鋼糸』、アーマーサウルスの『身体装甲』...ほかにも多数の魔物の技を体得しているやもしれません。

 ご油断めされるな、若!」

 

 あの老人の大鬼族、一目見ただけでリムルのスキルと食った魔物を当てやがった。手の内を見せる過ぎるのは不味いだろうな。

 

「ここら辺にしないか? そろそろ俺の言い分も聞いてほしいんだが...」

 

 リムルはもう一度、話し合いをしようと試みるが、

 

「黙れ! 邪悪な魔人め!」

 

 やはり、一蹴された。

 

「え~っと、だからな」

「確かに貴様は強い、だからこそ確信が深まった。やはり貴様は奴らの仲間だ!

 たかが豚頭族(オーク)ごときに、我らオーガが敗れるなど考えられぬ」

「待て、やっぱりお前さん達かんt」

「黙れ! すべては貴様らの仕業なのだろうが! とぼけるな!」

「待てよ! それは誤  

 

 その時、老人の大鬼族が突如として、リムルの背後に現れ、刀を振るった。

 

「...!」

 

 しかし、その刀はリムルを切ることは無く、空を切った。なぜなら、オイラがリムルを近道で無理やり回避させたからだ。

 

「わしも耄碌(もうろく)したものじゃな、弱輩なスケルトンに躱されるとは」

「危なかったな、あの老人の剣術はかなりの技量だ」

 

 骨を削った剣を生み出し、老人に対して構える。

 

()るか?」

「...乗ってやろう」

 

 老人は白鞘を抜き、オイラと剣の勝負を始める。

 老人の剣技は正に卓越したものであり、技術(アーツ)の「瞬動法」で超高速で踏み込み、「気操法」によって強化した刀と肉体でオイラに向けて刀を振るう。剣術だけでいえば特A級以上だろう。リムルがスキル無しの剣術で戦った場合、瞬殺されるくらいだ。

 オイラはもともと技量が高いが、地下世界でクソガキと無限といっていいほどの年数戦い続け、その影響で技量も上昇している。クソガキのおかげでは断じてないが、無限といっていいほどの戦闘経験が無ければ、負けはしないものの、追い込まれていただろう。

 

「朧・地天轟雷」

 

 瞬間、老人は下段からの切り上げを放った。オイラはその斬撃を受け止めた影響により体制が崩れる。そして、無防備になった頭上から放たれた、振り下ろしの斬撃。

 回避は簡単、受け止めるのも地面から骨を生やせばよい。しかし、これは剣での戦い。

 そのため、地面を踏み込んで無理やり体制を戻し、右手に持った剣で斬撃を受け止めた。今まで回避することを主体とした戦闘を行っていた影響で鍔迫り合いは慣れておらず、身体能力でも『気操法』を使っているこの老人に負けている。だが、何とか受け止めることには成功した。

 

「まさか、防がれるとは...」

「すごいな、アンタ。尊敬の域だぜ」

 

 言葉を紡ぎながら、白鞘の剣を弾き、剣撃を再開する。高速の斬り合いを見ながら、赤髪の大鬼族はつぶやいた。

 

「爺と互角以上...仲間である貴様は奴と同等なのだろう」

 

 赤髪の大鬼族はすうっ、と深呼吸をすると、人差し指と中指を立て、辺りの魔素を炎へと変換し、その炎でリムルを包み込む。

 

鬼王の妖炎(オーガフレイム)!」

 

 リムルを飲み込んだ渦上の炎によって、辺りが照らされる。十数秒の間、炎は燃え続け、この場にいたもの全員に緊迫が走る。

 

「やった...のか?」

「若...」

「お前さんは呆けてる場合じゃないだろ?」

 

 鍔迫り合いをしながら、リムルの現状を『魔力感知』で確認しようとする。だが、確認するまでもなく、オイラの予想通りであることが分かった。

 

「...化け物め」

 

 赤髪の大鬼族は驚愕の表情を浮かべた。なぜなら、炎の渦の中に原形を保っている人影がいるからである。そして、炎の勢いは徐々に弱まっていき、平気な態度をしてリムルは炎の渦から脱出した。

 

「残念だったな、俺に炎は効かないんだ。だが、確かに俺はお前たちを甘く見ていたようだ。

 すこし、本気を見せてやろう」

 

 リムルは仮面を外し、金色の瞳をのぞかせる。そして、特A級の魔物としての妖気(オーラ)を解放した。

 邪悪で、圧倒的なる妖気(オーラ)を漂わせながら、リムルは右腕を空に差し出す。そこから、漆黒と言える黒き炎が、渦を巻いて出現した。その『黒炎』はさらに渦を成して膨張していく。

 次元が違う、上位存在を見て、戦闘を行っていた者全員が動きを止めた。そして、桃髪の大鬼族があることに気づく。

 

「あっあれは、あの炎は...! 周囲の魔素を利用した妖術ではありませぬ! あの炎を形作っているのは、純粋にあの者の力のみ。炎の大きさが、そのままあの者の力...!」

 

 自身が魔法を繰りし者だからこそ分かる、膨大な力。しかし、リムルの力は止まらない。

 

「もっと面白いものを見せてやろう。これが俺の、真の力だ!」

 

 リムルは左手も伸ばすと、オイラが昼寝に使えそうだなと思っていた5メートルほどの大岩に『黒雷』を落とした。辺りにはすさまじい衝撃波が伝わり、大岩は砕け散ってしまった。砕け散った大岩にはスパークが散っており、帯電しているようだ。

 

「どうする? まだやるか?」

 

 赤髪の大鬼族は、あまりにも大きすぎる実力差に唇をかんでいると、老人の大鬼族が赤髪の大鬼族の隣に高速移動した。

 

「若、姫を連れてお逃げ下さい。ここは儂が足止めを...!」

「黙れ、爺。

 すさまじいな。悲しいが、我らでは貴様らに遠く及ばないようだ...だが俺も! 力ある種族、大鬼族(オーガ)の次期統領としての誇りがある。無念に散った同胞の恨みを晴らさずして、何が統領か!

 叶わぬまでも、一矢報いてくれるわ」

 

 その時、桃髪の大鬼族が赤髪の大鬼族の目の前に両手を広げて、攻撃を制止した。

 

「お待ちください、お兄様! この方は敵ではないかもしれません」

「そこをどけ!」

「いいえ!」

「何故だ! 里を襲ったやつと同じく、仮面をつけた魔人ではないか! お前もそういっただろ?」

「はい。ですが、冷静になって考えてみてください。これだけの力がる魔人様が姑息な手段を用いて、豚共に我らが里を襲撃させるなど、不自然です。

 それこそ、お一人でも、スケルトンのお方だけでも、我らすべてを皆殺しにできましょうから。

 この方々が異質なのは間違いありませんが、おそらくは里を襲った者どもとは無関係なのではないかと」

 

 桃髪の大鬼族の説得により、赤髪の大鬼族は戦闘する意思をなくしたようで、刀を鞘に納めた。

 

「少しは人の話を聞く気になったか?」

「もうこれいらないよな」

 

 リムルは右腕から燃え盛る『黒炎』を収め、消し去った。オイラはリムルの隣に歩み寄り、大鬼族たちに向き直る。

 

「何者なんだ、お前は」

 

 その質問に、リムルは平然とした態度で答えた。

 

「俺? 俺はただのスライムだよ。スライムのリムル」

 

 リムルは体を液状化させ、スライムの姿になった。そして、離しやすいよう、ランガの上に乗っかる。

 

「で、その仮面はある人間の形見だ。お前さんたちの里を襲ったやつと同じか、確認してくれ」

 

 リムルはオイラの言葉にうなずき、胃袋から仮面を取り出して、大鬼族たちに渡した。

 

「似ている気はするが...」

「これには抗魔の力が備わっているようです」

「しかし、あの時の魔人はオーラを隠してはおらなんだな」

「では...」

 

 大鬼族たちは誤解に気づいたようで、右手を地面につけ、跪いた。

 

「申し訳ない、どうやら追い詰められて勘違いしてしまったようだ。どうか、謝罪を受け入れてほしい」

「うむ、苦しゅうない」

「ここで話すのはなんだし、お前さんたちも村に行くか?」

「いいのか? そちらの仲間を傷つけてしまったが...」

「そりゃ、お互い様だしな。死人は出なかったんだし、良しとしよう。

 それに今日、うちは宴会なんだ! 人数が多いほうが楽しいだろ」

 

 こうして、誤解から始まった戦闘は収まったのだった。

 桃髪の大鬼族が昏睡の魔法を解除し、ゴブリンたちは目覚めた。大鬼族たちの怪我も、回復薬で治療し、オイラ達は村へと戻ったのだった。




 やばい、好奇心で見たまおりゅうifルートの動画がすごい面白い。すごいifルートに突入したい。けど最初に最善のルート確定させちゃった。やばい。
 サンズ曇らせたい。



 リムル=テンペスト
 EP-「165040」

 種族-「粘性生物   スライム(人化可能)」

 加護-「暴風の紋章」

 称号-「魔物を統べるもの」

 魔法-「元素魔法」 「精霊魔法」 「上位精霊召喚」

 ユニークスキル-「捕食者」 「変質者」 「大賢者」
 エクストラスキル-「魔力感知」 「分子操作」 「黒雷」 「黒炎」 「多重結界」 「万能変化」 「超速再生」 「超音波」 「超嗅覚」 「分身体」 「熱源感知」 「鋼粘糸」 「影移動」

 コモンスキル-「毒霧吐息」 「麻痺吐息」 「身体装甲」 「威圧」 「思念伝達」

 耐性-「熱変動無効」 「痛覚無効」 「物理攻撃耐性」 「電流耐性」 「麻痺耐性」

 擬態-「炎巨人」 「黒狼」 「黒蛇」 「ムカデ」 「蜘蛛」 「蝙蝠」 「トカゲ」



 名前:サンズ=テンペスト
 EP-「268090」

 種族-「骨性生物   スケルトン」

 加護-「暴風の紋章」

 称号- 無し

 魔法-「元素魔法」 「精霊魔法」 「上位精霊召喚」

 固有スキル-「属性付与」 「魔力感知」 「空間感知」 「分子操作」 「重力操作」 「時空間認識」
 ユニークスキル-「審判者」 「決意者」 「近道」 「堕落者」 「勤勉者」 「偏食者」 「最弱」
 エクストラスキル-「思念伝達」 「威圧」

 技術-「気闘法」

 耐性-「状態異常無効」 「改変無効」 「精神攻撃耐性」



 ステータス表記変えてみたけど前の方がわかりやすい?
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