国家の体裁を整えたプラントに一応は正規軍のザフトを組み合わせたら、何故かギャグになった件について   作:種再燃祭

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第1話からキャラ崩壊と死亡キャラ生存のコンボですw




第01話 ”ユニウス・セブン”

 

 

 

 それは、ありえたかもしれない……いや、普通は有り得ないことこの上ない歴史。

 

 

 

C.E.70年2月14日、農業コロニー”ユニウス・セブン”近辺

 

「青き清浄なる世界の為に!!」

 

 地球連合のブルーコスモス派の将校”ウィリアム・サザーランド”が持ち込んだMk5戦術熱核反応弾頭ミサイルがアガメムノン級”ルーズベルト”の艦載モビルアーマーより放たれ、後に”血のバレンタイン”という未曾有の惨劇が…………

 

”ごんっ!”

 

「へっ?」

 

 起きるはずだった。

 

”ビュオッ!”

 

 そして、その核を放ったモビルアーマー”メビウス”は、強力な艦砲射撃で貫かれ、めでたくスペースデブリの仲間入りを果たした。

 どうやら、人類史上稀に見る核攻撃は、不発に終わったようだ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 ユニウス・セブンの陰からのっそり姿を現したのは、ナスカ級高速戦闘艦を改装した特装実験艦”ヴェサリウス”。

 そして、そのブリッジでは……

 

「ふははははっ! 見たかねアスラン! 私の開発した”ニュートロンジャマー”は、見事にその効果を発揮したよ! 連合の核弾頭を見事に完封しているっ!!」

 

 ダメな大人がはしゃいでいた。

 顔立ちは整っているのだが……もさっとした長めの金髪、ジーンズにアロハシャツ、スニーカーに白衣と言う出で立ちから、明らかに軍人でないことがよくわかる。

 言うまでもなく、”ヴェサリウス”は、独立宇宙国家”プラント”の国防軍、通称ザフト()に所属する「正規の軍艦」の筈なのだが……

 

「あー、”クルーゼ()()”、せめてブリッジにいる時は”ザラ()()”と呼んでくださいよ」

 

 そう艦長席に座る赤服、白でも黒でもなく赤服を着こなしている少年の名は、”アスラン・ザラ”。

 「プラント・アカデミー始まって以来の秀才」と名高い、「成人前に飛び級してアカデミーを首席で卒業」し、15の時に正規任官し、2月11日の地球連合からの宣戦布告により、戦時特例昇進で中尉へ昇進したばかりの若者だった。

 

「お堅いことを言うなよ、アズラン。君と私の仲じゃないか♪」

 

 なんか色っぽい目つきをする男に、ブリッジクルーの少女たちから黄色い声が上がった。

 さて、この軍艦のブリッジに似つかわしくない出で立ちの金髪の青年の名は、”ラウ・ル・クルーゼ”。

 いくつもの博士号を持つ若き天才、以前は何やらテロメアに関する難病を患ってたらしいが……なんでも、「ロリペド化した科学者が頭からひっかぶった薬品を解析した結果生まれた新薬」のおかげで命を繋ぐことができ、その後は「自分と”弟”の命を繋いでくれた科学」への恩返しを込めて科学者への道を歩んだらしい。

 その結果、ニュートロンジャマーを開発し、結果として何十万人もの命を救ってみせた……

 

 そう、特装実験艦”ヴェサリウス”は、ニュートロンジャマーの「様々な宇宙環境における適応範囲の実証実験」を行っている最中であり、開戦に伴い実験航海は一時的に中断され、数日前からもっとも近い宇宙港であるユニウスセブンに、補給と乗員の休養を兼ねて停泊していたのだ。

 

 ちなみにクルーゼはザラ家、正確には母親のレノアと結婚前からのなじみで、アスランの年上の幼馴染と言えた。

 

「またそういう誤解を受ける発言を……」

 

「安心しろ。私はノーマルだ」

 

 なぜか胸を張るクルーゼに、

 

「奇遇ですね? 俺もですよ」

 

 と慣れた調子で返すアスラン。

 

「ところでクルーゼ博士、あの起爆せずに燃料切らして漂っている核ミサイルはどうなるので?」

 

 そう。結局、ニュートロンジャマーの中性子阻害で起爆(臨界)しないまま、コロニーの外壁に弾かれ燃料が切れたミサイルをメインモニターに映したアスランがそう聞けば、

 

「無論、反応する物質が残っていたらニュートロンジャマーの効果範囲から出たら起爆するだろうねぇ」

 

 何を当り前のことをという感じで返すクルーゼ。

 

「そういう大事なことは早く言ってくださいっ!」

 

 

 

 その後、アスランは船外作業機として乗っけていたモビルスーツ”ジン”を駆り、漂う核ミサイルを抱えながらニュートロンジャマー搭載の”ヴェサリウス”を引き連れて安全圏まで行ってから核ミサイルを放り出すというミッションを、味のある表情で行っていたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ザフト軍による周辺警戒が続く中、ユニウス・セブンに再入港した”ヴェサリウス”よりアスランは降り立ち、その足でとあるラボへ向かった。

 

「母上」

 

 そう呼びかけると妙齢の女性は振り返りもせずに、

 

「やり直し」

 

「あーもう、母さん」

 

 今度はくるりと振り返り、

 

「もう一声、”ママ”って♪」

 

 アスランは少々げんなりした表情で、

 

「いや、もう成人してるので流石に……いや、そんな話はどうでも良くて」

 

 コホンと咳払いしながら、

 

「キャベツと戯れるのも良いですが、そろそろ本職へ戻ってくださいませんか? ”レノア・ザラ”ディセンベル市代表最高評議委員閣下」

 

「あのねアスラン、母さん的には農学者(こっち)の方が本職なんじゃないのかな~って」

 

「……ユニウス・セブンに核ミサイルが撃ち込まれました」

 

「ありゃま。その割には蒸気になってないわね?」

 

 ケロッとした表情で言うレノアにアスランは溜息を突き、

 

「そりゃあ防ぎましたからね。クルーゼ博士の発明品で事なきを得ました」

 

「おー、ラウ君もちゃんと科学者やってるわけだ? 感心感心♪」

 

「最近はややマッドなきらいはありますが……それはともかく、真面目に最高評議会(アプリリウス)に戻ってください。母さんが核攻撃受けたなんて聞いたら、父上が卒倒して暴走します。あの人、メンタル弱いから」

 

「うっ……まあ、確かに開戦したのにいつまでも代表()()に投げっぱなしジャーマンはまずいか」

 

「そういうことです」

 

「やりたくないなー。戦争なんて面倒なこと、なんでみんなしたがるんだろうね~」

 

「知りませんよ。そういうのは宣戦布告した地球連合に聞いてください」

 

「アスラン、母さんの代わりに代表議員やらない?」

 

 駄々をこねる母に、何故か幼馴染(♀)の姿が重なるアスラン……

 

”アスラン、おーこーしーてー”

”やだ! 今日は引きこもる”

”知ってた? 今日は勉強しちゃいけない日なんだ♪”

”アスラン、抱っこ♡”

 

 その幼く優しい(?)記憶を振り払い、

 

「いい加減にしないと、俺が投げっぱなしジャーマンかましますよ?」

 

 ちょっと目がマジなアスランである。

 

「や~ん。息子が反抗期~♪ これ、噂の家庭内暴力ってやつ?」

 

「……荷物まとめるの手伝いますから、さっさと準備してください」

 

「は~い」

 

 

 

 

 

 こうして時代は、初っ端から「あるべき歴史」を踏み倒してスタートしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まとめると、

・正規軍(プラントの国軍)ザフト中尉のアスラン
・博士のクルーゼ
・実は本職が最高評議員だったママン

でした。
そして、初っ端から大活躍の”ヴェサリウス”。
血のバレンタインは何とか防ぎましたが、既に連合から宣戦布告されてるので、戦争自体は止まりません。

次回は意外と女傑なアスラン・ママかな?
気のせいか、未だ登場しないキラ(♀)が、すっごいアホの子ならぬアホの娘の気がしてきた……

正直、次話投降がいつになるかわかりませんが、気長にお待ちいただけると幸いです。


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