未知なる島の歩き方 〜そっと規格外を添えて〜   作:ライムミント

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新天地に危険はつきもの

 さて、どうしたもんか。

 

「ここはウルリア地方というんですか!? 聞いたこともない場所ですよ! やっぱり情報は正しかっ……そうだ! 私一人しかいないけど皆さん無事なのかな!? いきなり見たこともない触手に襲われて……いやあぁぁぁぁぁぁ! 本当に何だったんですかアレはぁぁぁぁ!?」

 

 

 このうるせえ女を何とかしなきゃいけないし、何故この島に入ってこれたのかの確認もしなきゃならねぇし、いろいろ用事も済まさなきゃいけねぇし、めんどくせぇしうるせぇし。

 

 

「で? アルマは何でこんな場所にいるんだ? ウルリア島……あっ、今いるこの島の名前ね? ウルリア島には普通入ってこれないはずなんだが」

 

 マジで何故入ってこれたんだ? 

 もし密入国者なら()()()が黙って見過ごす訳がないだろうし。

 

 

 少し説明をしよう。

 ウルリア地方は島国だ。周囲を海に囲われただだっ広い島国だ。

 

 まず、この島に入島するためには特殊な手続きが必要となる。

 理由としては大昔は大陸との交流が盛んだったのだが、ウルリアが少々特殊な環境ゆえ一部の専門家や研究者、ハンターによく狙われたらしい。

 

 また島で取れるきのみや道具でさえ他所地方にとっては珍しい代物であったため勝手な森林伐採や汚染が広がった。

 

 

 

 その結果、外部入国者の行方不明者が相次いだ。

 

 そう、外部入国者の行方不明者が相次いだのだ。

 

 

 

 ポケモンが大量に密猟されて行方不明ではないのかって? 

 平和な大陸暮らしの人間たちにウルリア固有種達が負けるはずないだろう。この地方のポケモンたちは元気が有り余ってるぐらいなのだから。

 

 

 それはもう大惨事であったらしい。

 

 

 島中がまさに阿鼻叫喚。

 島には現地民達でさえ手に負えないようなポケモンがゴロゴロいる。だが他所者はどのポケモンが危険なのか、危険ではないのかを知らない。

 

 現地民であれば決して近づかないようなポケモンたちの縄張りに気付かず、弱者である人間が我が物顔で環境を荒らすものだからそれはもう怒り狂ったポケモンたちで溢れかえった。

 

 その影響で不届者達は一斉に粛清され、噂が噂を呼びウルリアは裏界隈で危険地域と認定されたため島に来る人口は少なくなった。というかほぼ0になったらしい。

 

 だが失った資源は戻らない。一部の切り開かれた森は再生せず、水も汚れたまま。

 

 

 しかしこの問題は早急に解決する事となる。

 

 怒り狂っていたのは只のポケモン達だけではない。

 

 

 ポケモンを超越したポケモン達、この島特有の存在、()()()()である。

 

 

 彼ら彼女らは島の現状を憂いた。

 

 彼ら彼女らは島民ではない人間達に失望した。

 

 故に彼ら彼女らは島の環境を()()()()()

 

 

 

 

 

 環境の被害を省みず、自己の利益のみを優先するような者達の末路は破滅であると決まっている。

 

 だが一部の阿呆達のせいで島を取り巻く環境がより強固なものになったのも事実だ。

 

 

 

 島のポケモン達は他所者に対してより好戦的となり、

 

 木々が生い茂り山脈が増え、火山が活性し氷河が生まれ、

 

 海が荒れ電波さえ通さぬ脱出不可能の海域となった。

 

 

 

 今のウルリア地方はそんな魔境だ。

 欲に塗れた人のエゴによって破壊されかけ、環境を守りたいポケモンのエゴによって再生した島。

 

 世界の中心と云われるこの島は、今もなお謎に満ちている。

 

 そんな大昔の悲劇を繰り返さないため、他所の地方では禁忌の島として伝わっており、なんと絵本にまでなっているとか。新たな世代に情報を伝えることは重要だもんね。

 

 

 それよりもアルマが何故ここにいるのかだ。

 

 

「それは……カントー地方に位置するナナシマの、更に南の海域にて見たこともないポケモンを見たという報告が研究所に寄せられて、それがテレビ局に伝わり……

 

 そこからとんとん拍子にレンジャー10名と研究者8名、スタッフ8名、カメラマン5人とリポーター1名が新種のポケモンが発見されたという海域に派遣する計画が決まり、その女性リポーターが私という訳です……」

 

 

 成る程ね。

 …………成る程ね? 

 

 

「船で来たんだよな?」

「はい」

「触手に襲われたんだよな?」

「びゃあぁぁぁぁぁぁ!? みんなぁぁぁぁ!?」

「うるせぇ」

「あぁぁぁひゃめひぇぇぇ(やめてぇぇぇ)! ひっひゃらないひぇぇぇぇ(ひっぱらないでぇぇぇ)!?」

 

 まるで話が進まねぇな。

 情緒が0か100しかないんか? アクセル踏んだらいきなり100キロでるとかどんなマシンよ? 

 

 

「で? そこからどうなったんだ?」

「まだほっぺた痛い……えぇと、その後四方八方から触手が飛び出してきて……足を滑らせて海に落ちて……気づいたらここに……」

 

 

 やっと成る程。

 流れ的にはこんな感じか? 

 

 

・新種のポケモン発見!?えらいこっちゃ!? 

      ↓

・せや!テレビ局巻き込んだろ! 

      ↓

・リポーターアルマ!発進! 

      ↓

・触手登場!アルマびゃあぁぁぁ!? 

      ↓

・足ツルっ!海ぽちゃ! 

      ↓

・アルマ漂着、今ここ

 

 

 うん、ありえないわ。

 アイツに見つかっている時点でここにいることがありえないのに、海に落ちたにも関わらずアイツが船に帰すことなくここまで流れ着いているのがよりありえん。

 

「とりあえず理解した。その上で言うことがあるとすれば……まず一つ目、アルマを除いた残り31名の乗客は全員無事だ」

「無事ですか!? よかったぁぁぁぁ……」

「乗客の誰かが邪な考えを持っていなければアイツも海の中に引き摺り込んだりはしないからな。ちょろっと記憶を弄って元の場所に帰すだけさ」

「引き摺りこまれる!? 記憶弄られてる!? 大丈夫なんですか!?」

「自分を見た記憶を消すだけだから大丈夫……多分」

「多分じゃないですか!?」

 

 生きていれば全部かすり傷、この島の教訓だよ。

 アイツはこの島を悪意から守る守護神、いや守護触手だ。研究者たちが馬鹿げたことを考えてなければ無害な生物さ。

 

「そして二つ目、現状アルマを元の場所に戻す術がない」

「えっ!? 私帰れないんですか!?」

「言い方が悪かったな。今すぐ帰したいが帰すことができない理由がある」

 

 帰す方法はいくらでもある。

 空からでも海からでも俺がいれば今すぐにでも戻ることができる。だがそれをすればとんでもない事になる。

 

 

「この島は特殊でな? 現状アルマは不測の事態とはいえ、正規手続きでなく無許可で島に入った不法入国者になる。ここまではいいか?」

「まぁ……、はい……」

「だからこそ伝記霊獣たちに許可取りをしなくちゃならない」

「伝記……? 聞いた事ないですね」

「だろうな。伝記霊獣はとんでもなく偉いポケモン、まぁ伝説のポケモンみたいなものが存在するんだが、この島全域がテリトリーだ。しかも独自の方法で俺たち島民と外部の民の区別付けをしている」

「凄いですね……!」

 

 そう、よく分からん原理で伝記霊獣たちは区別付けしている。親が子を絶対に間違えないようにな。だからこそヤバいんだ。

 

「今は俺がいるから大丈夫だろうが、もしここで許可無しで帰った場合……」

「帰った場合……?」

 

 

 

 

 

 

「地の果てまで追いかけて存在自体を消しに来るぞ」

「びゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 うん、自分で言っててよく分からんレベルでヤバいわ。

 大昔の粛清以降島民以外をよく思っていないから、もしこのまま帰ったら、「えっ、儂らの許可なく入っとるやんけ。しかも挨拶無し?処す?処す?処しました」の流れで原始レベルで消される。

 

 伝記霊獣はみな遺伝子レベルで頭がおかしい。ついぽろっと本音が溢れた時は三日三晩捕まったら即死のデス鬼ごっこが始まったから、みんなは気をつけよう。

 

 

「どうすればいいんですかシンカイさぁぁぁん!?」

「この島を知ってもらいつつ、伝記さんたちに挨拶しにいくしかないな。頑張れ、応援してる」

「シンカイさん助げでぐだざぁぁぁい!!」

 

 まぁここまで話してしまえばここで見捨ててしまうのは後味が悪い。それとこの島についてももっと知ってもらいたいしな。

 

 今となっては中々島に外部の人が来る機会は無くなってしまったが、正しい情報を外部に伝えていきたい。

 

 毒も取り扱い次第では薬になる。

 そしてこの俺、シンカイには夢がある。

 

 

「聞いてくれアルマ」

「ふぇ……?」

 

「俺はこの島の魅力をもっと伝えていきたい。ウルリア地方についてはアルマの反応を見る限り一般の人々は知らない。知っている人たちも負の面の知識しか持っていない。

 

 

 だからこそ俺はウルリア史上最強のチャンピオンとしてこの島の良い面を広く伝えていきたい。その許可ももう取ってある。だが伝える術がなかった。

 

 

 しかし今日、リポーターのアルマがこの島に流れ着いた。これを運命と言わずして何と言う? そしてアルマはこれから伝記霊獣に絶対に会わなければいけない。

 

 

 そこで提案だ。俺はチャンピオンとして屈強なレンジャーでさえ命を落とすこの魔境から君を守り抜こう。

 

 

 だからアルマはこの島を自分の目でよく見て、良い側面も、悪い側面も、外の人たちに伝えてほしい」

 

 

 

 俺はこのウルリアが好きだ。

 だからこそこの地にマイナスイメージしか持たれていない現状をなんとかしたい。

 

 島は繁栄している。だがこのまま外部と接触が無ければ発展することもなく人口が減少して緩やかに衰退を迎えるだけだ。

 

 人を迎え入れる事は簡単だ。しかしここで何の対策もしていなければ過去の出来事が再び起こり、歴史が繰り返すだけだ。

 

 なのでまずは知ってもらうことから始めよう。

 この地域は危険だ。だからこそ周りに知ってもらい、正の面と負の面、愚かな歴史と現状を理解してもらった上で、それでもなお一度は来てみたいと思えるような、そして人とポケモンが共存し合えるような、そんな国を目指したい。

 

 ウルリアに繁栄を。

 俺の願いはそれだけだ。

 

 あとはアルマの返事を聞くだけだが……

 

 

「わっ……わかりました! ありがとうございます! こちらこそよろしくお願いします! 私、アルマ! 24歳! 職業リポーター! 何でもします!」

「えっ? 俺より3つも年上?」

 

 

 

 この日、秘匿されたこの島に奇妙な同盟が生まれた。

 それは夢へのとても小さく、歴史の転換期へのとても大きな一歩であった。

 

 

 

 

 

 

 ▽

 

 

 

 

 

 

「これから私がこの島にいることを認めてもらわなくてはいけないですが、今から私は何をすればいいですか? 私としてはまず濡れてる服を着替えたいんですけど……」

「そうだな。まずは一番近くの町……に行く前に服を何とかするか。近くに気休め程度の船着場があるから、そこにいる奴から服を借りよう。それに敬語じゃなくて別にいいぞ? 俺よりも歳食ってることが分かったし」

「言い方ァ!? ほんとデリカシー無いですね! 敬語は私の癖みたいなものですっ!」

「まぁ落ち着けよ。ほら、左見てみろ。ずっと花畑だ」

「なんか釈然としないですけど、景色は綺麗です」

 

 

 俺たちはいま砂浜を歩いてる。

 だが横を見れば一面が花が咲き乱れている。花の奥に木が生え始め、

 流れで言えば、海→砂浜→花畑→森 のように区切りができている。

 

 まぁ砂浜の横が花畑というのも珍しいものだろう。この辺りはあと10kmほど一面がそうだが。

 

「綺麗ですね〜! ここまで一面満開の花畑は見たことないですよ! 前を向けば一面の花畑! 後ろを向けば一面の海! 立っている場所は砂浜! 十分ベスト観光スポットですよ!」

「それは同意だな。あと注意点を一つ言い忘れたが、この花畑はポケモンたちも大好きでな。これを目当てにポケモンが集まったりするから大きな声を出さないようにな。癇に障ると腕を捥がれるぞ」

「びゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 いきなり約束を破るんじゃない。

 あまり大きい声を出すと……ほら、やっぱり来た。

 

 

「ミー」

「ミーミー」

 

 

 アルマの喧しい声に引き寄せられるようにゾロゾロと浜辺に近寄ってくる生物が複数。

 

 それらは体長約が40センチほどの大きさで、短い手足を使いポテポテと歩いている。

 

 アローラ地方やパルデア地方に生息するネッコアラというポケモンに似ているが、人生の大半を寝て過ごしているネッコアラと違い、くりくりした愛らしい目をぱっちりと明けて二足歩行で懸命に歩いている。全身がモコモコとして抱き上げると気持ちよさそうだ。

 

 

「かっ……可愛いぃぃぃ! 何ですかあのポケモンは!? リポートのためあらゆる地方を飛び回りましたが、あんなポケモンは見たことないですよ!」

「あれは『ダッコアラ』だな。ウルリア地方の固有種だ。心配になるぐらい人懐っこいぞ」

 

 

 ある程度他所の地方の情報を仕入れてはいるが、ここ以外で発見された例は聞いたことないな。

 

 ダッコアラは可愛い。それはもう可愛い。撫でくりまわしたくなるぐらい可愛い。ウルリア番付愛玩ポケモン部門で必ずベスト5に入っている殿堂入りの可愛さだ。

 

 必ず群れで行動しているため、1匹見つけると周囲には必ず最低5匹はいる。小さくて可愛いモコモコの化身がミーミー言いながら戯れる様ははかいこうせん級の衝撃が胸を貫いていく。気づけば時間が溶けてる。マジで溶ける。(14敗)

 

 

 

 

 

 

 だが島民の誰もがダッコアラを捕まえたりはしない。

 子供達は決して近づいてはいけないと親から最初に教わるし、大人でさえ1人では決して近づかない。

 

 

 理由は……まぁ、すぐに分かる。

 

 

 

 

 

「きゃわいいぃぃぃ!! 自分から手を広げて私に抱きついてきましたよ!? よしよーし、人懐っこいでちゅね……うわぁ! 手触りもフワフワモコモコ!」

 

 

 

「この子はもう私に懐いているということで、ぜひうちの子に! ……ん? どうしたのかな〜? さっきよりもギュッと抱きついて。もう少しリラックスして力を抜いてもいいんだよ〜!」

 

 

 

「ちょっ……ちょっと力が強くなってきたかな〜? お姉さん痛くなってきたからもう少し力を……」

 

 

 

「痛い痛い痛い! ちょっ……力だんだん強くなってきてるっ!! 力強くなってきてるって!? ぜっ……全然離れてくれないこの子!?」

 

 

 

「痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!? 折れりゅうぅぅぅぅぅぅぅぅ!! たしゅっ……たじゅけでぇぇぇェェェェェェ!!?」

 

 

 

 

 

 案の定予想通りの結果になったな。

 そう、ダッコアラはこんな愛くるしい見た目の割に、力がもの凄く強いのだ。

 

 見た目の愛くるしさと人懐っこさにメロメロになって抱きしめたが最後、力に耐えきれずに骨がへし折れるまでがいつもの一連の流れだ。なんて恐ろしい子。

 

 だから親は必ず子供に言い聞かせる。大人でもへし折れるというのに、子供の骨なんてより簡単に折れてしまうからな。

 

 しかも必ず群れで行動するときた。

 1匹1本、5匹で5本だ。下手しなくても余裕で死ねる。

 

 抱きしめられた当初はふわっと抱きしめているが、時間が経つにつれてだんだんと抱きしめる力が強くなってくる。最大パワーだと木もへし折れるほどになるため、抱きしめられたら早急に引き剥がす必要がある。

 

 自分一人だけだと何匹も引き剥がすのは難しいから、近くで愛でるなら必ず二人以上で行動し、取ってもらうように心がけよう! 

 

 まぁ、引き剥がす方法は簡単なんだけど。

 

 

 

「襟首をつまんでやると大人しくなって手を離すんだ。ほらな」

「ミー」

「なんか知らんけど、ここもってブラブラされるのが落ち着くらしい。何でだろ?」

「たしゅかったぁ……、痛かったぁ……、ありがとうございま……ぎゃあぁぁぁぁァァァ!? シンカイさんがコアラまみれになってるぅぅぅぅ!?」

 

 ほんとに喧しいな。

 確かに今の俺は全身にダッコアラがしがみついてるから、側から見ると軽くホラーかもしれないけど。

 

 だがそうか。アルマは外から来たからダッコアラが人にしがみつく()()()()()を知らないのか。だから今俺が恐ろしい怪力コアラに絞め殺されようとしてるように見えるわけだ。うん、一大事だな。

 

 

「まぁ落ち着け。ダッコアラが抱きつくのは愛情表現だ」

「愛情表現!? 骨が折れかけましたよ!?」

「こいつらは自身の力に耐えきれた生物にめちゃくちゃ懐く。それはもうデロデロに懐く。何たって自信の力に耐え切れるんだからな。逆に耐えきれなかった場合は今後見向きもしない」

「なんてギャップが激しいポケモン!? それよりも身体中からメキメキと音が鳴ってますよ!? 大丈夫ですか!?」

「ん? ダッコアラが抱きついてくる程度で俺の体が怪我するわけないだろ。この程度で怪我してたらチャンピオンを名乗れねぇわ」

「あなた本当に人ですか!?」

 

 

 失礼だな。純度100%の人間に決まってんだろ。

 

 

「それよりもその場に座り込んでていいのか? 後ろからダッコアラが2匹ほど躙り寄って来てるけど」

「いやぁぁぁぁ!? シンカイさぁぁぁん!?」

「おい引っ付くな、俺の服で涙を拭くな、よだれ付けんな、鼻を噛むな!」

 

 この女無敵か? 

 俺はさっきからアルマの泣き喚く様しか見ていない。顔の良さを行動でマイナスに覆していくタイプだ。

 

 アルマは海で濡れ、俺は海で濡れた女の体液で濡れる。最悪の悪循環だ。俺何か悪いことしたか? 

 

 アルマが喧しかったのか俺に張り付いてたダッコアラもペシペシと叩いたり、地面に降りて戯れたりしている。

 

「痛い痛い! やめてぇぇぇ!!」

「ダッコアラは抱きつける相手にだけ懐く。そして俺は力に耐え切れる。迎える結論は全匹懐くだ。テストに出るぞ」

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 聞いちゃいねぇ。あまりの騒音に何匹か離れていったぞ。

 すげぇな、人から中々離れないことで有名なダッコアラが自ら離れていくアルマは稀有な喧しさの持ち主だな。学会で発表できるだろ。

 

「助かった……」

「喧しさ、不憫さ、残念さの三冠王だ。確かにリポーターは天職かもな。取れ高の擬人化だろ」

「全然嬉しくないぃぃ……」

 

 

 まぁ身をもってウルリアのポケモンの素晴らしさを知ってもらったから良しとしよう。

 

 でもまだまだ序の口だぜ? 

 この程度でヒィヒィ言ってたら、これから会うポケモンたち見たら気絶するんじゃない? 

 

 これから行く場所にいる奴はデカくて凶暴なんだが、リポーターなら大丈夫か。いろんな場所でいろんなポケモンを見て来ている訳だし。

 

 

 さぁ目指せ、ヨミ港へ! 

 

 

「コアラっ!? コアラがまた群れで来たっ!? シンカイさぁぁぁん!?」

 

 アルマがいる限り静寂はこねぇな。

 

 

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