もしもキュアプリズムがプリズムシャインを会得できなかったら?   作:ayano27

3 / 10
第二話『想いだけでも、力だけでも。』

-----side ソラ

 

 

 私は大切な人を失った。友達を失った。

 もう払拭したはずのトラウマを呼び起こすには十分で、ましろさんが消えてしまった後も、私はへたり込んだまま動くことができなかった。

 

「キュアスカイ……」

 

 隣には同じようにへたり込むカイゼリン。

 

「貴女も、こんな気持ちだったのでしょうか」

「え……」

「大切な人を失う絶望。それが貴女を変えたのでしょう」

 

 結局のところ、私は本当の意味でカイゼリンのことを理解できていたわけではなかったのだ。こんなにも心が痛い、こんなにも心が苦しい。それを耐え忍んで、彼女は今に至るのだと、心から理解できた。例えそれが誰かに仕込まれたものであっても。

 

「それは……」

「ごめんなさい。貴女を救えたというのに私、素直に喜べそうにありません。……ヒーロー失格です」

 

 助けたことを後悔してるなとどは口が裂けても言えなかった。いや、そんなこと思いたくはない。それこそましろさんの覚悟を侮辱してしまう。そんな思考に至ってしまったら、ヒーローどうこう以前に人間として大事なものが欠けてしまうと頭では理解していた。

 

「キュアスカイ……」

「貴女と一緒に話したい。友達になりたい。そう思ってここまで来ました」

 

 その言葉に嘘はない。でも今は……。

 

「でも今は……そんな気分になれそうにない。また機会があればきっと、会いにきます。その時は改めて、友達になってください」

 

 そう言い、カイゼリンの手を握って約束を交わす。

 カイゼリンはすまないとだけ言葉にする。多くの言葉は交わさなかったが、きっと私たちはお互いの良き理解者になれると感じた。

 程なくして仲間たちが到着し、私たちはここから脱出した。

 ダークヘッドの意思が宿った邪悪なアンダーグエナジーはもうない。それを生み出していたダークヘッド本人もいない。暗雲立ち込めていたスカイランドも、戻ってみればすっかりと晴天の空に包まれており、その様は平和そのものだった。

 城下町に入り、青の護衛隊と王城に報告する。もうスカイランドの平和が脅かされることはないと、人々の安穏が妨げられることももうないと。この町で、この世界で、人々は安心して眠ることができるその事実に国中の人間が歓喜した。

 

 

-----side out

 

 

 プリキュアは英雄として祭り上げられ、王城前にで凱旋が行われる。一方のソラの顔は暗かった。

 それもそのはず。ましろの最後の言葉が、やりとりがソラの耳から消えなかった。この凱旋に、一番の英雄であるはずのましろがいないことが悲しくて。

 待ち望んでいた平和が訪れた。人々は歓喜している。それはその通りで、喜ばしいことで、だとしても素直に受け入れることができない。それはそう、それと同じくらい大きなものを犠牲にしてしまったから。

 凱旋が終わり、場内で解放された後も、仲間から心配されるも、生返事。その後、八方手を尽くしたがましろの消息は全く掴めなかった事実に、ソラは完全に意気消沈していた。

 時刻は夕方前。陽が傾きつつあった。

 スカイランド周辺の捜索後、プリキュア一行は王城内の一室に揃って憩いの時を過ごしていた。

 

「ましろさんは、どこに行ってしまったのでしょう……」

 

 ツバサが皆に投げかけるも、その答えを知るものは当然いない。

 

「どうして私たちを置いていっちゃったのかな……? 何か他に方法は無かったのかな……」

 

 少女姿のままのエルが、独り言ちる。それは誰に問うまでもなく、前者に関しては他でもない自分たちのためにやったことであることは明白で、後者はただの結果論の模索であることは発言した本人が一番よく理解していた。

 

「ましろんの中で、それが最善だって思ったんだろうね」

 

 あげはが落ち着いて答える。事実、年長者である彼女がこの場において誰よりも落ち着いていた。一見薄情ともとれるその態度は、彼女の痩せ我慢であり、年長者としての意地であり、その目尻には泣き跡があることは誰もが気づいてはいたが、指摘できないでいた。

 

「だとしても、そう思ったのだとしても、そう思いついたのだとしても、一歩引いて、僕たちを頼って欲しかったです」

 

 ツバサは厳然たる態度でそう言い切った。それは決してましろの覚悟を蔑ろにする発言ではなく、むしろチームとして彼女を支えたいと考える彼なりの優しさだった。いつだって自分たちがチームであることを意識し、それぞれがそれぞれを支えられたらと、自分が皆んなの支えになりたいと主張してきたツバサ。そんな彼にとって、誰を頼ることもなく自分一人が犠牲となり全てを抱え込んだまま去っていった彼女の姿は、独善的で、愚かで、身勝手に思えた。それが彼の優しさの裏返しだということは皆理解しているところである。

 

「状況が状況だったし、なんとも言えないところだとは思うけど。でも、最近のましろんの利他的な態度や行動が目立ってきたのが、原因の一つなのかもね……」

 

 そうあげはが返す。

 利他的といえば、最近になってのましろは自己を抑えて他人を立てようとするところが目立っていた。それは誰も目にも明らかで、その原因となったのが何なのかについても、はっきり全員が理解していた。

 

「バッタモンダーのこと、だよね」

 

 すぐさまエルが返す。

 その時のことは皆の記憶に新しい。絶対助けたいと、珍しく強く意見を出したましろの姿。協力して欲しいと強い意志を見せたましろの姿は皆の中では印象的だった。

 だからこそ、それが成し得なかった、果たされなかった後のましろの姿も印象的で、そしてその変化も顕著だった。本人は必死に隠して、いつも通りに振る舞おうとしていたが、それが空元気であることは誰が見ても理解できた。だとしても、誰も指摘できず、改めることができないでいた。

 

「ずっと引き摺ってたんだと思う。後悔してたんだと思う。みんなボロボロで戦って、なのにバッタモンダーは助けられなくて。あの時、浄化の光みたいなの、使おうとしてたじゃない? でも上手く発現できてなかった。そういうのも全部、自分のせいだと、私たちに対して負い目を感じてたんじゃないかな」

 

「そんなの! そんなの、全然ましろさんのせいじゃないのに!」

 

 あげはの言葉にツバサが憤慨する。

 

「その通り。だけど、私たちの前では精一杯元気に振る舞うましろんの手前、私たちは結局、誰もそんなましろんの心を解してあげることはできなかったよね。なのに、ましろんはずっと私たちのことを想い続けてくれてたんだよ」

 

 ましろの優しさ。自らの負い目をひた隠す、その行為に気づく者と気づかない者。どちらも想いは同じで、だからこそお互いの傷は深く抉られた。

 あげはは全てを何となくではあっても勘づいていたが、ツバサは違和感程度の感じ方で、全てを察することはできていなかった。これは、だからこその温度差なのかもしれない。

 

「そんなの! 言ってくれないと、何も分からないじゃないですか! 言ってくれなきゃ……! 勝手に想ってるだけの想いなんて、伝わるわけがないでしょう!?」

 

 若干の癇癪を起こすように言葉を吐くツバサ。あげははツバサの優しさは十分理解していたが、それでもそれを全肯定するわけにはいかなかった。

 

「そうだね。でも、だからと言って相手の想いを否定するのは違うと思う。お互いがさ、歩み寄れなかったことが問題なんだよね。だから、これは誰が悪いって話じゃない。私たち全員の罪だと思う」

 

 そう締めるあげはの言葉に、皆何も返せずにいる。

 

「友達失格です」

 

「ソラ……?」

 

 ソラがぽつりと溢し、エルがそれに反応した。

 

「私、違和感には気づいていたんです。でも、あげはさんのいう通り、いつも通り元気に振る舞うましろさんの前で、その傷を癒すことができなかった」

 

「ソラさん……」

 

「それは、触れなくても大丈夫だとか、そんなことではなくて、いたずらに触れて、ましろさんの心を癒すところが、触れてほしくない傷がさらに大きくなったらって、そんなことを考えてしまって……恐れてしまったんです」

 

 懺悔するように言葉を紡ぐソラ。皆静かに聞き入っていた。

 

「私のせいなんです。私のせいで……! だから、私はもう友達でいる資格もなくて、例えこの先ましろさんの行方が分かったとしても、私には会いにいく資格は……」

 

「ちょっとストップ!」

 

 言葉を荒げるソラを制すようにあげはが止める。

 

「さっきも言ったよね。自分が悪い、誰かが悪いってのは無し。これはみんなの罪だって」

 

「あげはさん……」

 

「もちろん忘れちゃいけないけど、でも、あんまし思い詰めないようにしよう。ましろんの捜索は明日にして。今日はさ、もう休もうよ」

 

 そうあげはが締めて、この場は解散となった。世の中が平和となったこの状況で、もうどこかに集まる必要もなく、各々は自分の家に帰っていく。一人の時間が必要なんだと全員が感じていたのだった。

 ツバサはプニバードの家族のいる実家へ。エルは王城内へ。あげはは元いた実家へ。

 そして、ソラも実家へと帰るつもりだったが、ふとましろの言葉を思い出し、行き先を変えた。

 

 

 

-----side ソラ

 

 

 ましろさんからの言葉を思い返す。

 

『ソラちゃんへのお手紙を書いたんだ。私の机の中にしまってる』

 

 ましろさんからの、友達からの手紙。今の自分にそれを受け取る資格があるのかは甚だ疑問ではあるが、無視するという選択肢はもっと無かった。

 ヨヨさんには既に、ことの顛末は伝わっている。ヨヨさんは取り乱すこともなく、行方不明の孫を全力で探すと豪語していた。帰ってこないなんて微塵も思わない。必ず探し出せると信じているその様は私には眩しく、また、その原因の一端を握ってしまっている私にとっては、正直、合わせる顔が無いというのが本当のところ。

 ミラーパッドのワープゲートを潜り、虹ヶ丘邸へと移動する。あげはさんは虹ヶ丘邸にある荷物はそのままに、一旦実家に戻ると言って車に乗って去っていった。

 虹ヶ丘邸の門をくぐり、家の中に入った。ヨヨさんに挨拶をし、ましろさんから私宛ての手紙があることを本人から言われた旨を説明し、私はましろさんの部屋へと直行した。

 ましろさんの部屋に入ると、大好きなましろさんの匂いを全身に感じて、幸せと悲しみを同時に感じた。

 ましろさんの机へと近づき、引き出しを開ける。そこには綺麗な便箋に包まれた可愛らしい手紙が入っていた。

 ソラちゃんへと文字の入った手紙を手にとって、封を開け、中身を読んだ。

 

〈ソラちゃんへ。もし私が帰ってこれないような遠いところへ行ってしまった時のために、この手紙を書いてます。〉

 

 まるでそれは、帰らぬ人となることを暗示するような内容で、私はいきなり読む手を止めそうになった。でも、友達が残してくれた、自分に宛ててくれた手紙を、読まずにおくわけにはいかない。

 

〈ずっと悩んでいたことがあったんだ。それはもうバレてると思うけど、バッタモンダーの件。他人のことを本気の本気で、絶対に助けたいって思えたのは初めてのことで、私もヒーローのように、ソラちゃんみたいにやり遂げてみせるって思ったの。〉

 

 ましろさんは元々、ヒーローになりたいわけでは無かった。困ってる人がいたら助けたいと思う優しい心の持ち主ではあるけど、その在り方は私の言うヒーローとは違って、あくまで一人の女の子で。でも、そんな彼女が、今だけでもヒーローのようになりたいと本気で思ったのだという。バッタモンダーとのやり取りは、そんな出来事だったのだと。

 

〈だけど、その結果はソラちゃんも知っての通り、私には何もできなかった。きっと、ソラちゃんにも失望させちゃったと思う。力が全てではないって信じてアンダーグ帝国と戦ってきたつもりだった。でも、それとは逆で、想いだけじゃ何もできない、優しさだけじゃ何も守れないってその時気づいた。誰かを守るには、誰かを救うには想いと力の両方が、それに"断固たる決意"と"覚悟"が必要なんだって、そう思ったの。〉

 

 誰にも負けない優しさがましろさんの魅力。そう思っていた。誰もがそう信じていた。でも、それだけじゃダメなんだと、彼女は思い、ずっと悩んでいたのだろう。

 

〈だから、もし誰かを救いたいって本気で思うような、そんな場面になったら、私にできることを全力でやり遂げるから、見守って欲しい。見届けて欲しい。私の覚悟でソラちゃんやみんなを救うことができたなら、それはきっと素敵なことで、私は満足だと思う。だから、どういう結果になったとしても、何も気にしないで。〉

 

 何が彼女を追い詰めたのか。それは自分か、他の仲間か、バッタモンダーか、それともアンダーグ帝国か。きっとそのどれがというわけではない。それは、彼女自身もを含めた全部がそうなのだ。全ての出来事が、その環境全てが、彼女を少しずつ追い詰めた。

 

〈私の話はこれくらいかな。あとはね、ソラちゃんの話。〉

 

 ひらりとページを捲る。

 

〈ソラちゃん、青の護衛隊の本入隊の勧誘が来たって喜んでたよね。おめでとう!〉

 

 それは最近の話。青の護衛隊の見習いとして入隊していた私だったが、プリキュアとしての戦いであっちこっちと忙しない生活の中、本入隊は先延ばしとなっていた。それが、アンダーグ帝国との戦いも決着がつく見込みが見えたタイミングで、戦いの後の話、ただの見習い入隊ではない、青の護衛隊の本入隊の勧誘が来ており、それをましろさんにも伝え、私の夢のチケットだと喜びあった。

 それは同時に、拠点をスカイランドに置くこと、つまりはましろさんとの一先ずの別れを意味し、寂しく思った自分がいることも正直なところではあった。でもそれが元々の自分の夢であり、幼い頃から目指していたものだから、そんな話をましろさんとしたのを思い出す。

 

〈これでようやくヒーローになる夢の第一歩目だね。ソラちゃんなら、もしかしたらすぐにでも隊長さんになったり?〉

 

 何でだろう。祝福されているはずなのに。何も悪い話はしていないはずなのに、こんなにも悲しいのは。

 涙が一粒、手紙の上に落ちる。

 

〈前はわたしのヒーローだと言ったけど、ソラちゃんはもうたくさんの人を救うみんなのヒーローになれてるって思う。だから夢を叶えて、大好きな家族といつまでも一緒に過ごして、幸せになって欲しい。〉

 

 また一粒、二粒、手紙に斑点ができる。

 

〈もう一通、そっちはお婆ちゃんと、パパとママ宛てに書いた手紙を引き出しの中に入れてるから、ごめんだけど、渡すのをお願いしたいな。他に頼める人がいないから……。あ、ソラちゃんは中身は見たらダメだよ? 恥ずかしいからね〉

 

 引き出しの中にちらりと目をやると、また違う便箋が確認できた。これのことだろう。

 

〈大好きなヒーローの活躍を、夢を叶える様を、この無限に広がる青い空のもっと上、そのどこかから、きっと私はいつでも見守っています。虹ヶ丘ましろより〉

 

 そう締め括られて手紙は終わっていた。

 と思ったのに、不自然に足されるような形で、何枚かの手紙が便箋から出てきた。

 同じタイミングで書かれたものではなく、どうやら後から足されたもののようだが、続きのようだった。

 

〈とても悩んで、悩んで、悩み続けて、何度も書いては消してを繰り返して、本当に最後まで入れるかどうか悩んだけど、もう会えないと思うから、正直な気持ちを書き綴ります。〉

 

 よく見ると、何度も消しゴムで消して書き直した跡がある。文章にもあるように、その様からは迷いが見て取れた。

 伝えるかどうか、そんなに迷うような内容。私は読むのが少し億劫になったが、ここで退く選択肢は当然ない。勇気を出して続きを読む。

 

〈私、虹ヶ丘ましろはソラ・ハレワタールを愛しています。〉

 

 唐突すぎる告白に思わず目を見開く。でも、それだけ。私は落ち着いて続きをと目を走らせる。

 

〈いつからこうなったのかは分からない。最初は衝撃の出会いで、私たちは友達になって、一緒に戦って、守って、守られて、同じ屋根の下で暮らして、同じ目的のために頑張ってきた。それだけの関係だったのに。〉

 

 驚かなかったといえば嘘になる。友達だと思っていた。でもそこには友達では表現しないような言葉があった。

 

〈ソラちゃんに、私は私でいいんだって教えてもらってから、ソラちゃんの何事に対しても真っ直ぐな姿を見ていたら、ソラちゃんの何をするにしても一生懸命なところを見ていたら、私はいつの間にか、恋をしてた。〉

 

 そこには赤裸々な想いが詰められていた。

 

〈私ね、ソラちゃんが笑ってると嬉しくて、ソラちゃんが泣いてると悲しくて、ソラちゃんが怒ってると私も一緒に怒っちゃうし、ソラちゃんが不安にしてると私も不安になるんだ。〉

 

 ああ、そうか……。

 そうだったんだ……。

 

〈一度意識したらもう大変。好きで、好きで、好きで仕方なくて、でも、私たちは女の子同士で、許されない恋だから……。だから、ずっと心の奥にしまいこんでた。〉

 

 違和感。そう、違和感だ。

 私はずっと前から違和感を感じていた。

 ましろさんと一緒にいる時に感じてた、他の友達とでは感じ得ないこの感情。

 自分でもどうにも分からなかった、この感情。

 

〈これを伝えちゃうと、きっと私たちは友達ではいられなくなる。でも、もう我慢することもないよね。最後の最後、この手紙の中だけ、私の気持ちを綴ることを許して欲しい〉

 

 ましろさんと一緒にいた時、そばにいた時、私はいつもドキドキしてた。

 そうか。この感情が……この気持ちがーー。

 

〈ソラちゃんの前にはもっと普通の、ちゃんと異性で、素敵な人がそのうち現れると思う。そんな人と一緒になって、本当の本当に幸せになってほしい。夢も恋も、応援してるから。今までよくしてくれてありがとう。バイバイ〉

 

 ――恋なんだ。

 

 私は……、私たちは……。

 恋をしていた。

 

 大粒の涙が絶え間なく流れ、床に落ちる。

 嗚咽が止まらない。止められない。

 

 

〈PS.本当の最後。引き出しの中にお花を入れてます。ソラちゃんへのプレゼント。それを私だと思って、大切にしてくれると嬉しいな〉

 

 引き出しをさらに引っ張ると、奥から一輪の花が出てきた。紫色の花。なんと言う花だろう。

 

「綺麗……」

 

 まるで私の蒼とましろさんのピンクが混ざり合ったような、美しい紫の色彩に、私は瞳を奪われる。

 そして、私はその花を潰してしまわないよう、胸に当てる。まるでましろさんを抱きしめるように。

 

 あぁ、失ってから気づくなんて、あんまりだ……。

 

 ましろさん……。

 貴女にこうやって想いを伝えられるまで、私、貴女の気持ちどころか、自分の気持ちにも気づきませんでした。

 未熟、あまりにも未熟な私ですが、もうこの想いを伝えることも叶いませんが、それでも言わせてください。

 

「ましろさん、私も貴女のことを――」

 

 小さく呟くその言葉は、誰に聞かれることもなく夕暮れの中に溶けて消えていった。

 

 

 

To Be Continued…

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。