キヴォトスの連邦公用語とか分からんし   作:十文字マトン

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ちょっとメインの作品がひと段落なのでこっちを書きます

え!? 前話からもうすぐ2年!?
その間セイアとケイちゃんが実装された!?
デカグラマトン編も完結した!?


2 速攻で詰み

 よし、今の状態を端的に言えば...詰んだ。

 

 言葉が通じない場所に自分じゃない体になって、そして無一文で身分証明できない状態...そこまではいい。いや良くはないがすぐに危険は起きないからなんとかはなる。

 

 問題は目の前の三人組...一応見た目は女性で高校生くらいの年齢......とまあ、この際身体の特徴は正直どうでもいい、問題はこいつらもなぜか当たり前の様に銃火器を持ってる。

 

 サブマシンガンを持ったやつが先ほど威嚇射撃をしたとき、独特な(懐かしい)硝煙の匂いでそれはエアガンではなく本物である事を示した...知ってる銃と同じものかどうかはまだ知らないけど、状況的にそれを気にするところではない──どのみち撃たれたらやばい。

 

 で、なんでこんな状態になるというと、少し時間を遡る。

 


 

 コンビニのある大通りの武装した二人の女性子供は声が荒れて、まさに銃撃戦を始まろうとした寸前。子供が、いや、人が銃で撃ちあう光景は見たくはないが、止める手段もない。

 

 近くにいたらこっちも危ないので、先ほどの市民はこの国の治安維持機構に通報してくれるのを信じてその場を離れた。

 

 離れるといっても、私はこの街を全く分かってないから行き先が存在しない。あんまり急いでいるに見られないような速度で離れながら、今後どうするのを必死に考えた。

 

 ──まず一つ、この国の治安もしくは行政機関に保護を求める。

 

 あの異様に高くて天を貫く光を発射してる塔は発電施設じゃなかったらおそらくこの国の重要施設、アレを目印で進むと半分の確率でこの国の中枢にたどり着けるであろう。そこから警察署、もしくは軍隊に保護を求めるのは一つ目の案。

 

 だが、この案には致命的な欠陥がある。私は身元不明かつ言語が通じないであること。

 

 うまく保護、もしくは確保されるとしたら、最良の結果は私が扱う言語と同じ国がどこかに存在して、そこに送還される。そこが私が知ってる場所じゃなくても、言語が通じていたら何とかなる......しかしこれは希望過ぎた結果といえる。

 

 実際問題、この国は子供にまで武装してる状態だから、おそらく戦時だと推測した。そこで入国許可もなく身元不明の外国人が現れたら、九割以上は外国のスパイ扱いで尋問されるだろう。

 

 私の言語が通じようが通じまいが、状況を説明できない以上、よくても軟禁、最悪は拷問されて殺害される。

 

 ──二つ目は、都市サバイバル。

 

 簡単に言うと、ルールと言語を理解するまで潜伏するという、ぶっちゃけただの時間稼ぎ。状況を把握出来たらまた次のステップを考えないといけないけど、スタート地は多少ましになる。

 

 しかし、現実は甘くない。よくあるゾンビサバイバルゲームと違って、適当にゴミ箱漁るのも食い物を発見できる訳がないし、コンビニとかが廃棄してる場所は大体すでに誰かの縄張りになってる。

 

 間違って争いに発展した場合、流石にホームレスは銃など持ってるはずがないと思うが、こんな子供の体だとどのみち分が悪い。

 

 それに言語を学ぶといっても、まともな教育を受けず自力で学ぶ場合は最低でも数年、下手すると一生かける。そこまで自力で生存できるとは到底思わない。

 

 ──そして最後、三つ目。それはリスクが最も高いし、正直考慮すらしなくていいと思えるくらい。国ではなく個人、あるいは組織の庇護下に入ること。

 

 この国は少年兵が一般的であることを考えたら、子供にも労働力や戦力として扱う組織が存在してるかもしれない。

 

 マフィア、ギャング、ヤグザ...あり方が微妙に違うけど、どちらも十分の価値を示したら処分や通報されないであろう。そこで最低限の生活が確保できれば、ほかのメンバーと一緒に行動したら自然とこの国に関してわかるようになるはず。

 

 ......と、これは正直都合が良すぎの解釈。まず存在してもどう出会うのわからないし、うまく接触できるとしても、普通に奴隷として使い潰されるだろう。なんなら初手で人身売買で売り飛ばされるのもあり得る。若い女性子供というどこにも必要があるだろうの品物なら。

 

 いきなり現地で気のいい組織に拾われて成り上がるのは創作だけの話し......一応私の状況では十分にフィクション(ありえない状況)ではあるが、そういうご都合展開に賭けるほどの勇気を持ってない。

 

 頑張ってこの子供にも銃を持ってる国から離れるって? 国境の位置分からないし、無計画に進むと普通に野垂死に。それに建物が中世レベルじゃない以上、国境には検問があるだろう。それを突破するのは無理。さらに別の国はましという確証もない。

 

 そんなことを考えながら、先ほどの二人が見えなくなるまで離れた。

 

 ......予想通り、背後で銃声が再び響き始めた。

 

 長く続いてる、音的に二種類。

 

 あの距離で撃ち合いしたら防弾チョッキがあっても即死。逆に言うとここまで長く続くとおそらく相手に向かって撃っていない。ちょっとした安堵した同時に、引き金の軽さに恐怖を感じた。

 

 歩きながら気づいたが、この体、見かけによらず体力は悪くない。

 

 肌は白く、運動習慣があるようには見えないが、少し早めの歩きをしても息が上がらない。腕も細いが、なんとなく筋力が普通の子供よりも高い気がする......まあ、単純に子供特有の元気によるものかも。

 

 これなら銃を撃つ自体は問題にならなさそうだが、銃の入手は流石に難しい......一瞬、先程の女子高生達が本気で撃ち合ったら、死骸から回収出来ないかのを想像したが、流石にその発想を出した自分へ嫌悪感を覚えた。

 

「あ、行き止まりか」

 

 考え事に没頭しすぎたらしい。目の前には、黄色と黒のバリケードが立ち塞がっていた。一応路地裏などの道を避けていたが。

 

 文字は読めないが、色合い的には、おそらく『工事中』か『立ち入り禁止』だとわかる。なぜなら、更に奥にはどうみても爆破された痕跡があった。

 

 銃があれば当然爆破物もあろう、もしかして不発弾とかあったら危ないので。引き返して別の道を探そうとした瞬間──

 

「〜〜〜!!!」

 

 封鎖された先になんか声がして、そこからゾロゾロと女子高生が三人が出てきた。

 

 そこまではいい、問題は二人が拳銃、もう一人がアサルトライフルを持ってる上、銃口がこっちを向かってる......しかも指が既にトリガーに置いてる。

 

 離れようと思ったら、アサルトライフルを持ちがすぐに私の隣の床に撃った。間違いなく威嚇射撃だ。

 

 反射的に両手を挙げたけど、これが攻撃や威嚇の挙動と思われたらどうしようと後悔したが、すぐに撃たれてなくて拳銃持ちの二人も銃を降ろしてくれたので、おそらく正解。

 

 ──そこで冒頭に戻る、間違いなく詰んたよねこれ。

 

「ー〜〜」

 

 銃で下に振るジェスチャーを従って跪けたが、その次の指示は分からない。

 

「ー〜〜!」

 

 意味は分からないが、おそらく先程と同じ内容を重複してた。先ほどと比べて明らかに音量が上げた。単純に聞こえてなかったから音量を上げたのか、少し怒ったのはまだ分からないが、間違いなく私が次の指示を従ってないのが原因であろう。

 

「......撃たないでください」

 

 外国の人に対してどういう態度してるのがまだ分からないが、何も言わずに相手を舐めてるのを勘違いされて怒らせるよりは、言語自体が通じないことを察される方がましだと判断した。

 

「......〜〜〜〜?」

 

 その意図は通じたようで、拳銃の二人が顔を見合わせ、相談し始めた。アサルトライフルを抱えた方は、変な生き物を見るような目で私を観察しているが。

 

 ようやく余裕があったから、ちょっと三人の見た目を観察したら、あることを気づいた。それは、三人とも頭の上に「何か」がある。

 

 見間違いと思って目をぱちぱちしてもそれが消えてなく......違う、目で「視えた」わけではないが、なんかあるのは何となくわかる。自分から言い出して何を言ってるの私もわからない、いよいとストレスで幻覚が発生したのか。

 

「〜〜?」

「〜〜〜!」

 

 なんか結論が出たのか、拳銃の片方がこっちに近付いてきた。どうやらそのまま見逃すつもりはなかったらしい。

 

 言葉が通じないなら、指示が分からなくても出来る対処であろう。例えば物理的な拘束、もしくは気絶させるとか。抵抗する気はない。銃を持つ相手には、おとなしく従うのが最適解だ。

 

 ......しかし、相手は拳銃で私の頭に付きつけた。威嚇としてはよくある行動だが、なんとなく分かる──こいつ、撃つ気だ。




キヴォトス常識だとめっちゃよくある日常だけど、地球人と近い価値観を持つ人からしたらあんまりにも殺伐過ぎる。
主人公の妄想力ちょっとすごいせいもあるけど



生活用品


ヘイロー
知ってる通りに画面向こうのプレイヤーは形を確認できてるが、生徒同士では形までは分からないらしい。
しかし、超電磁砲コラボで間違いなく知覚できてるので、おそらく視覚情報ではない何かで感じてる。

よく勘違いされるが、ロボ市民とケモ市民もキヴォトス特有の頑丈さと死ににくい性質を持ってる。先生はくそ雑魚だと判断された基準はあくまで「キヴォトス外から来た」という点、ヘイローの有無と直接の関係性はない。

キヴォトス人の身体能力
銃を扱う以上、平均的なキヴォトス人は「鍛えられた兵士」と同じ程度と思われる。
ネームドに怪力キャラが割と多いせいで全員そうだと勘違いされるけど、基本的に防御力以外の身体能力がそこまで超人ではない。例えば体操服ユウカは体力が先生に負けてた。
特例だけどゲーム部先生は筋力でも生徒たちに勝てたため、先生、正確に言うと地球人からしたら「鍛えたら追いつける」と思われる。
逆に言うと鍛えてなかった成人男性は余裕で負ける。

アビドス人
↑の話でよく出されるアヤネの短距離走の速度。修羅の国で鍛えたアビドス人はキヴォトス人の平均にならない。
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