主人公、結構の狂犬かもしれない
映画やアニメなどのフィクションでは、銃を奪って逆転するシーンがよく見るが、所詮はフィクション。
リアルだと、銃が奪える距離まで近づける自体がそもそも稀。捕虜を確保するために接近する場合でも、周りがそれをカバーする動きをするのが当然なこと。
──まさに、私の今の状況だ。
一人は私に頭を銃で突き付けていて。
もう二人は直接銃で向けてないが、両手をしっかり銃を握ってる状態。練度にもよるけど、私が変なことしたら1秒もない間撃ってくると想定した方がいい。
有意なのかたまたまなのか、二人の位置はそれなりに離れてる。ここで運よく私の頭に突き付けてる銃を奪うの成功しても、その拳銃で先制攻撃で一人を無力化できるとしても、位置関係上私が二人目に銃を向けるより先に撃たれる。
相手が素人なら賭ける価値はあるが、銃の持ち方からして、専門の訓練を受けてなくてもかなり慣れてるに見える。
ここは、拳銃の人が撃つ気がなく、あくまで威嚇であるのを祈って、抵抗しない方が合理的な判断......
......分かってる、分かってるつもりだけど。
数センチ離れた先に、金属の銃口がすぐそこに。恐怖なのか別の感情なのか、額には痒いに近いへんな感覚を錯覚した。
何もせずに死ぬなら、せめて暴れてから死のう。
私は、跪いた姿勢のまま、全力で前に飛び込んだ。
「~~!!」
銃を叩き落すや奪う行動しても、引き金を引く速度の方が速い場合がある。ここは銃を相手から離す行動より先に、自分が撃たれないようにする。
拳銃の人がいきなりの突進を受け、体勢を崩してた。倒れてる最中に慌てて発砲したが、あの状態では当然当たらない。
ほぼ耳の隣に爆裂音を受けても不思議と耳鳴りは起きてない。もちろんそれを気にする余裕もなく、私はそのまま彼女の手を掴んで、銃を奪い取ろうとした。
が、いきなり攻撃を受けたとしても、彼女は銃から手を放さなかった。
そのまま二人でもつれ合い、地面に倒れ込む。
単純の格闘なら、上の方が有利ではあるが、周りにも敵がいる場合はそうとも限らない。相手が上ならそのまま盾になってくれるけど、私の方が上ならすぐにもう二人に撃たれる。
映画通りに彼女を掴まて盾にするのはある程度有効ではあるが、この場合は体格差からして逆に制圧されるだろう。
今は、すぐにも銃を奪って、早めに離れるべき。
だから、私は人間が生まれ持つ、最強の武器を使う事にした。
──全力で、彼女の手首を嚙みついた。
訓練を受けた成人男性でも果物を握りつぶすのは至難の業、対して子供でも簡単に果物を嚙み切れる。もちろんリスクのある行動ではあるが、この場合においてかなり有効であるはず。
「~~!!??」
言葉が分からなくても、それは意味のない悲鳴であることがわかる。
口の中に鉄のような匂いが拡散してくる。
かなり全力で嚙みついたため、そのまま肉を千切れる覚悟してるが、なぜか歯が彼女の皮膚を破っただけで、あんまり深く噛めてなかった。
とはいえ、反応からしたらかなり痛いであろう。彼女は反射的に拳銃を放して、私の頭を押し退けようとした。
もちろん、それが私の目的であった。
口を離し、落ちかけた拳銃を素早く拾い上げる。
さらに、すぐに反撃を受けないために膝で下の彼女の腹を力一杯の蹴りを入れた。彼女は呻き声を上げ、体をよじった。これでしばらくは動けないはず。
そのまま体勢を低くして、アサルトライフルを持ってる
この距離なら拳銃もライフルも、一発で致命傷になりえるが、ライフルならどこ当たっても即死になり可能性が高いので、そっちを優先に排除しないといけない。
銃の種類をそこまで詳しくないから、安全装置とかを確認する暇もなく、すぐに両手でに構えた。目と銃の前後にあるサイトを合わせたら三点が線となり、その時に目が見える先が銃口の位置となる。
そして
相手は、子供。
だが、向こうも銃を持ってる。
撃たれたら私が死ぬ。
私は、躊躇なく引き金を引いた。
「死」を意味した爆音と共に、銃弾が彼女に向って発射した。
胴体を狙っていたが、少し逸れて肩に当たってようで。銃弾は
撃たれた彼女の右手は力を失ってアサルトライフルを落とした。撃たれた瞬間は痛みをほとんど感じないはずだが、筋肉や神経が破壊されたら自然と力が入れなくなる。
アサルトライフルを落とした音で彼女がようやく自分が撃たれたことを理解したのか、なぜか
「~~~!!!」
なんか喚いてるが、流石にちょっとした罪悪感はある。しかしそっちが先に銃で脅してくれたから、と自分を説得しながら、動きを止めなかった。
膝で拳銃の人の首を地面に押し付けて、これなら完全に抵抗できなくなるはず。そしてもう一人の拳銃の人を見たら......
「~~!!!」
この距離ならお仲間も当たる危険性あるのに、最後の
アサルトライフルの人の反応からして、戦闘にそこまで慣れてない少年兵と思ったら、どうやら拳銃の人は仲間を切り捨てるのも躊躇しないらしい。
もっとも、人質がとられた場合そうした方が正解であることも多い。少なくとも私は倒れたこいつを起こして盾にする余裕は持ってないから。相手が撃つ意思を見せたら、それが威嚇射撃であっても離れざるをえない。
すぐに床のやつを突き放して離れた。体が若いのおかげか、先ほどそれなりの時間跪いていたが足は痺れることはなかった。
あいつは、片手で撃ってきた。俗にギャング撃ちと呼ばれたやつ。
拳銃では反動と、サイト間の距離が短いからしっかり狙っても命中率が低い銃。特に動いてる相手には、ね。
私も片手で威嚇射撃しながら、床に落ちてたアサルトライフルに向かって走り出した。
右足に、衝撃。
......おそらく撃たれた。命中率が低いと言ってもゼロではないから、こういうことも起きる。
とはいえ、アドレナリンであんまり痛みを感じてないので、そのままダッシュしてアサルトライフルを拾い上げた。
見た目はアメリカ式の小銃と似てる形、扱いも簡単。ストックを肩に付けて、左手を前方をしっかり握って、構えた。
と思ったら、敵も焦っていたのか、弾が切れたのも気付かず、そのままトリガーを引き続けてる。拳銃が虚しく何度も乾いた金属音だけが発した。
──今撃てば確実に行動不能に出来る。
こっちのはライフル、この距離なら四肢に当たったら永久的に後遺症、胴体なら致命傷、頭なら即死。
あいつは子供でも、私を殺す意思を見せた。そして、それを可能にする力も持ってる。ここで撃たないと私が撃たれる。
でも引けなかった。
弾が切れている。リロードしようとしていない。
数秒前までは違ったが、今この瞬間、彼女は私を殺す力を持ってない子供。
「...
その言葉は間抜けな自分に対してのか、子供を武装したこの社会に対してなのか。私もわからない。
私はそのまま背を向け、その場から逃げ出した。今からリロードして撃ってきて、そして動いてる私に当たったらもう私の運が悪いことに。
「〜〜!!」
後ろになんか叫んてるのは聞こえるが、それを理解するのも、振り返る必要もない。
絶対追ってくるなよ、私に引き金を引かせるな。
初手噛みつく(物理)の狂犬ロリ
メイン作品ではこういう銃撃戦の描写する機会ほぼないから、割と新鮮の気持ち
肩を、貫通した?キヴォトス人の?
そのうち説明する
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