キヴォトスの連邦公用語とか分からんし   作:十文字マトン

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※前話の銃の描写普通にガバが発生したため修正した。改稿前に読んだ方に向けに簡単にまとめると。
銃の確認する手順修正←ガバ
セーフティの位置が分かったように変更←調べたら確認する方法あったので
薬室の弾は排出されてないとも読み取れる描写修正←アホ



7 自販機

 唯一の所持品であるアサルトライフルを持って、私は昨日よりも慎重に周りを観察しながら歩き出した。アサルトライフルにスリングを付けてるおかげで常に手や肩に持たなくても移動できるのは助かった。

 

 しばらく歩くと、道路の脇にポツンと置かれた自動販売機を見つけた。*1

 

 私がよく知ってる形状だが......ラインナップに関してちょっと目を疑いそうだ。

 

 カラフルな瓶や缶の文字は分からないが、とりあえず何らかの飲料なのは分かる。しかし、問題は下の列のやつ。

 

 まず一番左下にあるのは、丸くて上に十字架が付いてる謎のオブジェクト。どう見ても食べ物や飲み物じゃない。

 

 まあ、これに関してなんか珍妙な装飾品かもしれないので、問題はその横にあるもの。

 

 ──銃弾。

 

 そう、パッケージはなんか妙に見覚えがありそうな舌ぺろしてる少女の絵だが、なぜかお菓子ではなく銃を持ってる。

 

 それだけならまたなんかのゲームとのコラボ商品かもしれないが、誤解されないようにわざわざパッケージから半分出して、その中にある銃弾を見えるようにしてる。さらにその横に単独の銃弾が一個だけ取り出して、下のラベルにおそらく規格の説明とかを書いてると思われる。

 

 この世界で目覚めた当日でも銃を売ってるコンビニを見たが、銃弾は自販機で売ってるのは流石に予想できなかった。

 

 ......まあ、実はアメリカでも銃弾の自販機が設置してるのは聞いたことある。一見危なさそうな販売方法だが、直接店員が対応しない分強盗に遭う確率も逆に減るらしい。店員を武器で脅す方が、自販機を破壊するより何倍も簡単だからだ。

 

 それに自販機と言っても、誰でも買えるわけではなく、身分証明も導入してるから合法に購入できる人だけ使用可能......が、それはアメリカの場合。

 

 この自販機、身分証明できそうな場所や電子決済できる機能が存在していないように見える。右側には硬貨と紙幣を入れるような場所はあるが、もしかして身分証明とかは紙のような形で、ここに入れるかもしれない。

 

 とはいえ、私は今無一文。自販機での買い物は当然できない......しかし、自販機と言えば。

 

 私は地面に伏せ、自販機と床の隙間に小銭が入ってるかを確認した。

 

 ......!

 

 本当にあった! 奥には丸形の金属らしきものが見えた。もしかしてコインかもしれない。

 

 この体の腕が細いから、隙間にも何とか入りそう。必死に腕を伸ばしてみたら、今度は逆に長さが足りない。

 

 何か長い物はないか? ......ライフルで?

 

 変なものに当たって変形する危険もあるけど、なんでも怯えたらなんもできないので。

 

 そう思って私は弾倉を外して、銃の先端で自販機の底に入れて、奥の金属を頑張って取り出そうとした。

 

 動いた! もうちょっと!

 

 よし、この距離なら腕でも行ける!

 

 そう判断した私は銃を外において、もう一度手を伸ばして取り出そうとした。そして遂に手にそのコインを掴めた瞬間──

 

「~~~~?」

 

 後ろから声がした。

 

「うおぉお!?」流石にびっくりしたから、反射的に立とうとしたが手が挟まれたせいで逆に頭が自販機の下部にぶつけた。

 

 痛いーー!! ではなく、誰かに後ろを回された! 今弾倉を外してる上に、銃を手に持っていないという時に。

 

 すぐにコインを持った手を自販機の下から出して、銃に手を取ろうとしたとき、ようやく後ろの人......人型を確認した。

 

 二足歩行のロボットだった、そして隣にいっぱい飲み物を載せてる台車がある。おそらく自販機の補充に来たロボット。

 

 見た感じ銃火器は所持してないから、この国ではロボットを武装しないか、このロボットは戦闘用ではないのどっちか。どのみち危険度は多分低いので少し安心した。

 

「~~~~?」

 

 と、すぐに私の状態に気づいた──まさに自販機の下の小銭を探してる放浪者、しかも位置的に補充するのにめっちゃ邪魔と思われる。

 

 急に恥ずかしくなってきて、急いで銃と弾倉を拾い上げて自販機から退いた。

 

 と思ったらロボットは私のことを見て......たぶん見てる。頭の部分にはモニターで顔文字のような顔を表示してるだけど、もちろん本物の目ではない。といっても目に該当するはずのセンサーのようなものが見かけない、どういう構造なのこれ。

 

 と、ロボットは台車から瓶を手に取って、こちらに差し出した。

 

 ......どっちだ?

 

 自販機と分離してるロボットとはいえ、大きい視点からしたらこの物売りのシステムの一部かもしれない。彼...性別があったら、彼の手で商品を売るのと自販機で売るのは自販機を設置した会社からしたら大差はないので。自販機を補充する時に客がいたら直接取引をするようにプログラムされてるかもしれない。

 

 ロボットなら商品数と金額の計算もミスしないであろう。

 

 でもその場合、私は特にどの飲み物が欲しいとは言ってないので、種類まで勝手に選ぶはずはない。

 

 ......先ほどの悲鳴がちょうど商品名と同じ発音でもない限り。

 

 二つ目の可能性は、一応今自分の姿は子供ということになってるので。この姿は一般的には保護対象とみられることが多い──銃をもってる点に目をつぶったら。

 

 先ほどまで床に伏せてるため、服には土まみれだし。見た目だけならまさに「お金に困ってる可哀そうな子供」そのもの、実際も大して間違ってない──銃をもってる点に目をつぶったらね!

 

 だからプログラムになんかの人道支援に入ってたなら、その飲み物は私への施しかもしれない。

 

 施しを受けることは別に恥ではない、今まさに必要ならなおさら。

 

 と、一つ目の可能性のために一応先ほど入手した銀色のコインを渡す素振りをしてみた。

 

「~~~」

 

 ロボットは首を横に振った。これが私が知ってる「否定」という意味と同じなら、おそらく「足りない」なのか「いらない」のどっち。これでただの挨拶なら知らんけど。

 

 半分賭けのような気持ちでそのまま瓶に手を伸ばしてみた。これでなんか抵抗や戻す動作したらやめて逃げる。今の私は銃を持ってるから、こいつから強盗したら大量の物資を貰えるけど、流石にそこまで堕ちてない。それにロボットなら即通報される危険性もある。

 

「~~~」

 

 と、どうやらいらない心配だった。ロボットはあっさり手を放して、その瓶を渡してきた。その後なんか言いながら自販機の補充作業に始めた。

 

 ......この国の子供がやばいだけど、ロボットを作ってる人はそれなりに良心あるかも、と思いながら邪魔にならないように離れて、瓶を開いて飲んでみた。

 

 すっっっぱ!?

 

 おそらくなんかの果物のジュースで、おいしいではあるけど、めっちゃ酸っぱい。子供の味覚は辛味、酸味、苦味に特に敏感して拒否反応するようになったせいなのか、めっちゃ強く感じた。

 

 とはいえ心の準備があれば飲めないものではない、貴重な水分だから飲み切りをせず3割ほど......と計画したけど、気づいたらすでに半分しか残ってない。危ない。

 

 完全に運頼りだけど、とりあえず水の補給は達成してちょっと落ち着いた。ありがとう自販機、ありがとうロボット。この瞬間だけならこいつらを神として崇めてもいい。

 

 とはいえ、またやるべきことはある。

 

 先ほど手にしたコインを見て、片方はだれかの肖像で、もう片方は大きな紋章が数個......もし私がよく知ってるコインなら、これがこの硬貨の価値だと書いてるはず。

 

 最後の紋章だけ覚えて、瓶から同じ紋章がないのを探してみた。希望小売価格とかは大体枠に入ってると思われる......あった。

 

 それで最後の文字は通貨の単位だと仮定したら、その前なのは数字に該当するはず。読みかたが逆順でないなら。

 

 栄養成分表示らしきテーブルも見つかったが、さすがに文字が多すぎでわからない。

 

 あのロボットが補充が完了して離れたのを見て、もう一度自販機の前に戻った。やっぱり各商品の下にあるラベルの一番右には通貨単位らしき文字が書いてる。

 

 では今日からお前は「円」だね。

 

 ようやく文字を判明したという喜びながらも、数字のほうは全くわからないということにちょっとだけ残念。

 

 十字架のオブジェクトと銃弾の値段は飲み物よりも明らかに桁が一つ違うけど、最後尾に重複してるやつが0だと判断するのはちょっと軽率過ぎるため一旦考えない。

 

 と、もう一つ確認したいことある。

 

 手に持ってるコインを入れてみたら、飲み物の誰も光らなかった。どうやらこのコインは小額貨幣のようだ......それもそう、もし500日本円とか落ちたらちょっと頑張って探すはず、100や50の方が放置される可能性がある。

 

 返却らしいレバーを押したら先ほどと同じコインが無事に落ちてきたので、それをポケットにしっかり収めた。

 

 ......離れる前に、念のためにもう一度下を見よう。

 


 

所持物:

アサルトライフル*1

銃弾*?

飲みかけの謎のジュース*1

額面不明のコイン*1

*1
AI未搭載




ゲームでいうとようやく冒頭シーンが終わって、自由行動できるようになった。
でもこいつの名前いつ入力できるんだろうね。


自認神じゃない方の自販機くんの登場です、やったね!(?)


今作のロボ市民の扱い
原作のロボ市民の破損は「怪我」扱いし、食事をしてトイレをして、酒で酔ったりもするので、量産されたオートマタ(例えばデカグラマトン産のやつ)との扱いが明確に違い。
会社の重役なども務めるので、おそらく社会的には人と同等の存在として扱われてる。しかも実は欠損や破壊される描写が一切ない。つまりロボットの見た目をしてるだけの人間と思っていい。
でも超電磁砲コラボの操祈の能力は効かないので、見た目だけでなくしっかり機械だと思われる。
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