キヴォトスの連邦公用語とか分からんし   作:十文字マトン

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主人公視点の話で初めて原作キャラ登場のマ?


8 飲食店

 自販機イベントからおそらく一時間以上経った、あれから街を歩きながら自販機を探したが、他のは発見できなかった。

 

 とはいえ、別の収穫もあった。

 

 まず、この国には男性が一人もいない。

 

 私が遭遇できなかっただけなら、短期的にみんなが戦場に送られた可能性もあるが、どうやらそうでもないらしい。

 

 服屋を覗いてみれば、一応男物の服もあるが、なぜかマネキンとサンプルは全部ロボットが着てる。それ以外に成人男性用の服らしいデザインの服はあるが、サイズは明らかにおかしい。おそらくあの二足歩行の動物用のもの。

 

 それだけじゃない、ポスターなどにある写真には女性の人間と獣とロボットだけが写ってるというかなり謎の現象。仮に男性が短期間で全員死滅したとしても、ここまで徹底的に痕跡を排除するのは不自然すぎる。だから、おそらく最初から存在しなかったと考えるのが妥当だ。

 

 一応男性全員が機械加工でサイボーグになって、私が見たあのロボットがその成れ果てである可能性もなくはないが、そこまで考慮したら全員が遺伝子改造で獣にされたとか、私のような子供にされた可能性も同時に考慮しないといけない──正直私という実例があるからこっちの方が可能性が高い。とはいえそこまで仮定し始めたらきりがないので、とりあえず男性はいなかったという前提で。

 

 じゃあどうやって繁殖してるのかと言われたら私も分からないが、卵生の動物から見て胎生の動物の繁殖は不思議に見えるのと同じように、この世界には私が知らない生殖方法が存在してるのだろう。

 

 次は、マークやジェスチャーはおそらく私がよく知ってる物とほぼ同じと思われる。

 

 多分なんか禁止することを喚起するポスターには、右手で前に出して塞ぐようにしたやつや、両腕を交差してバツの形にするとか、よく知ってるやつ。それと禁止マークとか、現金のマークとかもおそらくそのままの意味と思われる。これならマップとか手に入れたらアイコンでどんな建物があるのかを推測できるかもしれない。

 

 駐車場にある戦車のマークの意味はちょっと理解できなかったけど。

 

 追跡される可能性あるのでずっと移動してるため、昨日泊まったミニバンにはもう戻れないから寝る場所も一応サブ目標だが、激しい運動しないなら何日寝なくても多分大丈夫。

 

 それと緊急じゃないけど、鞄のような物も欲しい。ポケットには弾倉が入らないので今は銃に付けたまま歩いてるけど、やっぱり安全面では外したい。

 

 まあそれでも水と食料優先だね。水は半分残ってるけど、これ以上入手する手段が分からない。子供の体になったからなのか、普段なら我慢できるはずの空腹がちょっと苦しくなってきたので、食べ物もできれば欲しい。

 

 正規の手段でいえば、店から購入するのが理想だが、今は無一文ではなくなったものの、文字通り一文しか持っていない。このコインは飲み物ですら買えないのだから食べ物を買えるとは思えない。

 

 今、私が持っている中で価値があり、かつある程度手放せるものは「銃弾」しかない。

 

 銃弾は、ある意味国に依存してる硬貨よりも価値がなくならない物。自販機で銃弾を売ってる以上希少性は低いだろうけど、代わりに使用率が高いと思われるので、少しでも安く確保したい人はいるはずだから、ちょっと売ってお金をもらうのも手......が、まずどこでやってるのわからないし、言葉という壁で運よく見つかっても利用できない。

 

 働いてもいいから、今は深刻にお金が欲しい。

 

 ふっと壁に貼ってある紙を見た。文字は分からないが、何かのロボットの写真の下に「~~円」と書いてる。おそらく報酬付きの人を探してる告知だと思う、割と定番のやつ。でも私が達成したとしても報告する方法がわかってないので断念。

 

 とはいえ紙自体がなんか役に立つかもしれないと思って、何枚も同じのを貼ってるから一枚くらいを貰っても支障がないと判断し、一枚だけ壁から剥がしてから、折り畳んでポケットに入れた。

 

 購入という手段が使えないなら......窃盗と強盗は最終手段として、やっぱりゴミ漁りか...?

 

 私以外のホームレスは見かけないけど、簡単に購入できるとはいえ、やっぱり銃弾の補充は金がかかる。つまり、私のように銃火器は持ってるホームレスがいたとしても、私と同じく銃弾をケチる確率がかなり高い。

 

 飲食店やコンビニといった、食べ物がよく廃棄されるゴミ箱はすでに別のホームレスの縄張りである確率が高いけど、こっちは銃を持ってるなら不満があっても変なことはしないと思う。

 

 これは窃盗ではない、店から直接盗むではなく、廃棄された食料という持ち主が存在しない物を普段から勝手にもらうやつから先にもらう行為。

 

 まあ建前はいいとして、飲食店やコンビニを探して営業時間が終了するまで待つという、おそらく追われてる身としてはちょっとだけリスクのある行為とはいえ、どういう流れになるのかを見るのも価値ある情報になる。

 

 万が一、万が一ね。盗む必要がある場合にも役に立つ。

 


 

 あった。

 

 何を売ってるのかわからないが、食べ物の匂いがする店を見つけた。

 

 少し離れた場所で観察してみると、満席というほどではないが、客はそこそこ来てる。ここの人口密度がわからないので、それが多いほうなのか少ないほうなのかはわからないけど。

 

 パンの類か、それとも揚げ物系の匂いか、とにかくおいしそうな匂いが腹を刺激してくる。なんで自分で自分を拷問してるのか? と今すぐ突入して強盗するシミュレーションを始めたところで、その妄想を頑張って抑えた。

 

 今はおそらく昼間に近い。ファーストフード店じゃないなら午後に一回休憩が挟むはず。売れなかったパンなら普通に夜にまた売るけど、揚げ物ならそうはいかない。量によって店員が自ら消費する可能性もあるが......この店を選ぶ原因は、店員が全員ロボットだった。

 

 つまり、もし売れ残ったら食べることができずに捨てるしかない。それが狙いだ。

 

 そう決めて私は潜伏し、客を観察してみた。

 

 やっぱり男性が存在しなくて、客は制服を着た女性と二足歩行の獣、それとロボット......ロボットは食事しないはずだから、テイクアウトのサービスかな?

 

 武装率として、制服の女性たちは90%近くが銃火器を所持......ほぼ全員だ。持ってないように見えるやつも実は拳銃とかを隠し持ってると前提した方がいい。理由と合理性を考えても無駄なので事実だけを受け止めるとこにした。

 

 次は二足歩行の獣、こっちの武装率はそんなに高くなくて40%くらい。手にグレネードらしい物を持ったまま歩く獣は正直かなりホラー。

 

 最後はロボット、こっちは型式によって明確に分けてるらしい。朝に出会ったスーツ姿のロボットのように、他の体形や頭が違ってもスーツを着てるロボットは基本的に武器を持っていないように見える。ロボットだからなんか内蔵してる可能性もあるけど。

 

 対して、服を着てない型式......この表現は正しいのか分からないけど、とにかく外装には服ではなく装甲板でできてる、どう見ても戦闘用のやつはみんなライフルを持ったまま歩いてる。

 

 あの金属板は並みの銃弾が通らないだろうと。もし制御する部分は頭にあるならやっぱり頭を破壊したら無力化できる? 顔の部分はモニターになるのがおおいからアサルトライフルは簡単に貫通できるはずだが、ロボットである以上大事な部分を頭に置く必要もないから難しいところ。

 

 そんな変なことを考えたら、客が少なくなってきた。おそらく一番忙しい時間が過ぎたかな。

 

 それから四人の女性がドアに入った。かなり特徴的な見た目だから思わず観察した。

 

 先頭にいるのは制服なのかは判断しづらいが、かなり上品な服を着ている灰色の長い髪の女性。それに続いたのは茶色を帯びた灰色、綺麗な金色、そしてまぶしいくらいの赤色の髪の三人。最大の特徴は、前の人以外はみんな頭に角のような装飾をつけてる。

 

 やっぱりというか武器は持ってるけど、まあそこまで気にする必要はなさそう。

 

 


 

所持物:

アサルトライフル*1

銃弾*?

飲みかけの謎のジュース*1

額面不明のコイン*1

ロボットの写真がある貼り紙*1




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