第1話は同年の6月22日に「魔力」を「霊力」に、「魔法」を「霊術」に改訂しました。
無印編 第1話
★注意
・自己満足作品
・作者は素人で駄文です。
・オリジナル展開あり
・自己解釈やオリジナル設定が強め
・文章は短い
・駄文すぎる為、不快になるかもしれません。
・これらが許せる方々は不快になるかと思いますが楽しんで頂ければと思います。
第1話
ハッピーエンドを目指す少年と龍神の名を冠する刀
「ンノォォォォォォォォォォッ!」
自分の部屋で断末魔にも似た絶叫を上げ、頭を抱えている少年は、[桜刀 エンド]。
この小説のオリジナル主人公であり、私立聖祥大付属小学校に通う9歳の3年生である。
彼が近所迷惑を考えず夜中に叫んでいるのは、エンドを溺愛している両親が完全防音の部屋にしたのもあるが、一番は彼が大が付くほど気に入っているゲーム、[Over Watch2]のオンライン対戦で絶賛30連敗を記録しているからだ。
対戦で負け続けたことによって憔悴したエンドは、窓を開けてベランダに出たところ、ライトグリーンに輝く流れ星を見つけた。
「天が我に与えたもうた奇跡じゃあッ!!」とテンションをあげて大声で叫び、「不幸の中に囚われし我に勝利の美酒を与えたまえ!!」と小学生らしからぬ言葉遣いで願うのも束の間、流れ星は一瞬のうちに消えることを知っていたので、目を開けると先ほどよりも大きくなった流れ星を捉える。
「えッ!?何で大きくなってんの!?
て言うか、あの流れ星俺の方に来てない!?
今日・・・・俺死ぬの?
嫌だァァァァァァァァァ!!
まだ夢も叶えるどころか、その第一歩も踏み出せずに死ぬとか嫌なんですけどォォォ!」
情けない声を上げ、自生の句・・・・・でも何でも無く、今現在現実で起こった理不尽に絶望(?)の声を上げる。
《・・・・・・・・おい》
「クソッたれがァアアアアアアアアア!!」
《おい!》
流れ星だと思われた光の球体は、エンドの目と鼻の先で急停止して語りかけるも、完全に流れ星であると誤認しているエンドの耳には届きはしない。
それでも光の球体はエンドに声をかけ続ける。
「遠くの地より私めを見守りし母様、父様、今までありがとうございました。
私めは先に天に昇り、あなた方を見守ります。」
《おいッ!》
「でもやっぱりい---」
《いい加減にせぬか!!》
「ウィッシュゥウウウ!」
早々に我慢の限界を越えた球体の体当たりは、エンドは球体に激突された為、変な掛け声を上げて後ろに吹き飛び、頭を強打した。
幸いなことに何の影響も無い。
痛みのある左頬と後頭部を左手で抑えてつけて立ち上がって初めて、自分の前でフヨフヨと浮かぶ、光の球体に気づいた。
「えと・・・・アンタ誰?」
《我が名は[龍神丸]。
誇り高き[龍華]のアームドデバイスである!》
答えてからないだろうと思いながらも質問してみると、少し偉そうな口調だが親切にも相手は名乗り、球体から現れたその姿は、どこか見覚えと言うか既視感のありまくるデザインの脇差しを現した。
「アームド・・・・デバイスゥ?」
既視感のあるデザインについたは置いておき、エンドはアームドデバイスと言う単語を復唱する形で質問した。
《まずは、[霊術]のことを知らないであろう主に懇切丁寧に説明してやろうではないか!》
「霊術ってなに?」
《読んで字の如く、霊力を用いて使用する術だ。》
龍神丸からの説明を聞いたエンドは「俺は陰陽師になって、世界の平和を守る運命にあったのか!?」と、とんでも推測したエンドは何度か変なポーズをとったあと、龍神丸に勢いよく迫った。
「面白そう!ぜひ教えてちょうだいな!!」
《元より、そのつもりだ》
「わーい!」
《じゃあさっ---ッ、何だ!?この異常な霊力の波は!?》
少しお馬鹿な雰囲気を漂わせながらも優しく丁寧な口調であったが、異常だと言う魔力を感じた瞬間、口調や雰囲気が180度反転し、歴戦の猛者なのだと感じさせるものへと変わった。
今よりも小さい時より修行したエンドは、「氣」を感じることが出来る為か、漠然とだが霊力を感じ取ることが出来た。
それ故に、変わらず口角は上がってはいるが、目つきは戦士のように鋭い目つきとなっている。
「その霊力はどんだけ大きいんだよ?」
《そうだな・・・・この町いったいが更地になるレベルだ》
「それ・・・・超絶ヤバくね?」
表情はあまり変わっていないが、冷や汗が頬を伝った。
少しの間、考える素振りを見せたが、町が消えると知らせれて冷静でいられるはずも無く、焦った様子でドアノブを握ったその時、龍神丸から「冷静になるのだ!ことを急いても良い結果にはならん!」とお叱りを受けた。
それによりエンドは落ち着きを取り戻した。
「おっと・・・・確かに落ち着かないとな。
戦いは冷静さを欠いた方が負けるわけだし」
《話が分かり、そして戦いに理解のある主で我は嬉しいぞ!》
「んなことより!呼び止めたってことは何とか出来る策があるんだろう?」
《策では無く、何とかする手段だがな。
説明する時間は無い故、黙って我の言う通りに動け!
まず左脚を前に体全体を逸らし、膝と肘を曲げて左の拳を顔の前に、我を持った右手を腰付近に移せ。
そして最後に、『セットアップ』と言って脚と腰、そして右腕を天に翳すように伸ばせ!》
「召喚!変身!セットアップ!」
余計な2言を追加して「セットアップ!」と叫ぶと、エンドの頭上と足下から頂点に1つずつ、ライトグリーンに輝く五芒星を模した魔法陣が現れ、1つは上から下へもう1つは下から上へとすり抜ける。
移動し終わると、体の周りに半透明な機械の部品が現れ、装着されていった。
「スンゲェ既視感あるっつうか、これ!ゲンジじゃね!何で!何で俺憧れにして大好きなゲンジになれてるの♪♪」
変身したエンドの姿は、OverWatch2に登場するキャラ[ゲンジ(OverWatch1 )]になっており、驚きよりも歓喜の気持ちが声から感じ取れた。
《これは術者のイメージを元に魔力でつくった鎧。
我々はこれを[兜鎧]と読んでいる》
「うへへ〜♪」
《ちゃんと話を聞いておるのか!?》
エンドは「にへら」と気持ち悪い浮かべ(ているだろう)、龍神丸をドン引きし、人間の姿をしていれば間違いなく、態度に表していたであろう。
なんせ、9歳の子供がしていい顔では無く、見れば誰もが引く面構えだ。
だが龍神丸の姿はあくまでも脇差し(ゲンジの刀に激似というか瓜二つ)であるので、態度に出るほど引いていようとエンド本人に気づかれることは無い。
「------っと、感動してる場合じゃ無かった!」
やっと正気に戻ったエンドはベランダから飛び降り、全速力で戦場へ駆け出した。
帰りのことを考えずに・・・・・・・・・・。
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外と同様の高層ビルが立ち並ぶ結界内では、2人の少女が空中で激戦を繰り広げている。
栗色のチョコんとしたツインテールの少女[高町 なのは]。
エンドと同じく私立聖祥大付属小学校に通う9歳の3年生であり、現在では魔法を扱い、協力者の[ユーノ・スクライア]と一緒に[ジュエルシード]と呼ばれる危険な宝石を集めている。
金髪ツインテールの少女[フェイト・テスタロッサ]。
目的は不明だが、なのは達とは別の理由で集めているのは間違いなく、その証拠としてフェイトはなのはと過去に2度、戦闘を行っている。
なのはと空中戦を繰り広げていたフェイトは、自身の使い魔である[アルフ]の言葉で自分の成すべきことを思い出し、戦闘を一時中断してジュエルシードの回収を優先する。
回収を阻止しようと、なのはが自身のデバイス[RH(レイジングハート)]を突き出したところ、ジュエルシードが間に挟まる形で両者のデバイスが衝突し、ジュエルシードが再び暴走を始めた。
「なのは!」
「フェイト!」
ジュエルシードが暴走した際に発生した強力な衝撃波によって、なのはとフェイトのデバイスにヒビが入り、なのははRHを心配そうに見つめ、フェイトは[BD(バルディッシュ)]を待機状態に戻す。
悲壮感漂わせながも、決意に満ちた目で自身の手を見たあと、フェイトが脚に力を入れた次の瞬間。
「龍神の剣を喰らえェ!!」
叫び声と一緒に龍を形取ったライトグリーンの魔力光が、ジュエルシードを飲み込み、周囲に先ほどとは比べものにはならない衝撃波が4人を襲い、吹っ飛ばした。
「mission complete!ありがとう龍神丸!
お前のおかげで街は救われた!そして俺は龍撃剣を打てて満足満足、大満足ッ!」
煙幕から姿を現したのは、念願叶ってゲンジ(子供サイズ)に瓜二つの兜鎧を身に纏った桜刀 エンド。
「半分は主の明確なイメージと霊力量があってこそだ」
「ふふん♪
もっと主を褒めたまえよ龍神丸くん!気分もいいし、さっさと帰ろ帰ろ」
「「待って下さい!」」
満足感に浸っているエンドが帰ろうとしたところ、なのはとフェイトは息を合わせたかのように声が重ねて呼び止める。
「なに---ってアレ?何処かで見たような・・・・・・・・」
年相応の不機嫌な反応を見せたが、なのはの顔を見たエンドが疑問の声を上げてなのはに近づき、ジーっと顔を見つめる。
相手の正体を知らないなのはは、恋とは違うドキドキに襲われていた。
「あっ!思い出した!お前なのはだろ!
いやー雰囲気と言うか目つきがいつもと違ったし、そもそも話したこと無いに等しかったから、すぐに分かんなかったよ!
アハハハハハァー!」
「ふぇ・・・・・・・・?」
なのはは戸惑いを隠せない。
それも当然だ。
さっきエンドが言った通り、エンドがなのはと話したり顔を合わせたことは無いに等しく、知り合いですら無いと言えるだろう。
別にエンドがコミュ症であるからなのはとの面識が無いわけでは無い。
むしろ真逆の性質の人間だ。
では何故、なのはと面識が無いのか、それはエンドが鍛錬と称して学校を気配を隠す為の練習場としているからであり、学校行事にはちゃんと参加して取り組んではいる。
「まあまあ気にしなくてもだいじぶ大丈夫!
だって俺がわざと影を薄くして行動してただけだから、なのはに落ち度は無いよん♪」
「そう、なんだ・・・・・・・・?」
納得できるようで納得できない、なのは。
なのはとは別に、戦いの場に武器と力を持って現れておきながら、短絡的でお気楽なエンドにアルフは腹立たしく思っていた。
そして最後にフェイトは、エンドの性格を羨ましく思っており、あの性格であれば、今とは違う環境になっていたのでは?と考える。
因みに、ユーノはさっきの衝撃波で気絶中。
「そろそろ帰らない?お前の両親、心配してるんじゃない?」
「えっと、そ---」
「そうは問屋が卸さないよ!」
そう怒号を飛ばし、エンドの行先を遮るようにして立ちはだかるのは、狼形態から人間形態へと姿を変えたアルフであり、彼女の顔は覚悟を持たずに現れたエンドに対する怒りで歪んでいる。
「アンタには悪いけど、アタシはアンタに対する怒りで燃えてるんでね、ボコボコにさせてもらうよ!!」
「戦うってんなら、容赦はしねえよ」
「うおらァアアアアアアアアアアア!!」
猪突猛進が如くの突撃パンチに対し、エンドは左脚を後ろに一歩動かして屈み、突き出されたアルフの右腕を押し上げる形で掴み、勢いを利用して半回転からの背負い投げモドキ。
そしてアルフは地面に背中を衝突してしまう。
「ガッ!」
「何で怒ってんのか知んないけど、直情的な行動で俺を倒せるとは思わんでくれよ。
ワ・ン・コ・ちゃ・ん」
「舐めんなァァァ!」
エンドの挑発にのり、我武者羅に攻撃を仕掛けるが、さっきと同じように自身の攻撃を利用されたり、受け流されたり、掠ることなく躱される。
「それじゃ!コッチからも行くぜェ!」
エンドは全速力でアルフに駆け寄る。
真っ直ぐ、一直線に駆ける。
さっきまでの自分と同じ行動をしているエンドに対してアルフは困惑を隠せず、立ち尽くしていると懐に入ったエンドの、とても子供とは思えない強烈な一撃を喰らい、我に帰ると同時に激痛に襲われる。
エンドは1歩下がり、腹部を抑えて低い位置にあるアルフの頭にハイキック、苦痛に悶えるアルフの後ろに移動し、腹部に腕を回してからのジャーマンスープレックス。
これにて無事、アルフ気絶。
「うるさい奴も片づいたっつうことで!バイビー!」
そそくさと去って行くエンドを見て、3人は“嵐みたいな子”と思い、エンドの姿が見えなくなるまで見つめていたと言う。
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「ハァ”ー・・・・疲れたー・・・・・・・・」
《それもこれも、主の不注意故だがな》
「主対して冷たいッ!」
エンドがベッドに寝転がっている理由は、エンド本人の不注意と言うか自業自得なので挽回の余地など一片も無い為、主(使用者)に忠誠を誓う龍神丸でも擁護はできない。
「まあ良いや。
それよりご飯をつくらな------そういや、もう残りの食料が無いんだった。」
“はぁ”とメンド臭そうに溜め息を吐いてフラフラと立ち上がり、玄関を開けて家を出る。
《そう言えば主よ。
先ほど主は“ご飯をつくらないと”と、言いかけていたようだが、主は料理がつくれるのか?》
「まあね。
料理できなきゃ、ここまで生きれなかったからね。」
エンドの母親[桜刀 時雨]と、父親[桜刀 隆]の料理スキル、料理スキルともに無いに等しいレベルの絶望的な下手クソであり、エンドが自分から料理の練習をしなければ、今頃土の中で永眠しているところだろう。
下手くそレベルがカンストしている2人のつくる料理は手順通りにやっても、完成したもの全てがダークマターとなり、2人が掃除をすれば0から埃を錬成したのでは?と疑いたくなるほどに逆に汚くなる。
《それは大変だったな。》
「分かったくれるか・・・・・・・・・・」
龍神丸の優しい言葉に涙ぐむエンド。
料理が出来なかった頃は、嫌々ながらに両親が生成したダークマターを喉に通して幾度となくエンドは死の淵を彷徨うハメとなり、今ではすっかりダークマター(両親がつくった料理)がトラウマとなってしまった。
料理を習おうにも漢字は読めんしで両親の料理過程を見て覚えようとしたが、料理がダークマターになるタイミングがランダム。
分かりやすく言うと、料理のづくりの序盤で変異したり、料理完成のタイミングで変異したり、食卓に置いた時に変異したりと(エンドが運んでも同じ)、呪われていると言わんばかりにエンドの両親がつくった料理の悉くがダークマターに変異すのだ。
「長く・・・・・苦しい人生でした」
《まだ生きておろうが》
「ナイスツッコミだな!」
《はぁ・・・・・・・・・・》
龍神丸が少し可哀想になってきた。
ただでさえ、主人であるエンドの性格がハチャメチャだと言うのに、その両親もハチャメチャときたもんだ。
料理も、その他家事も。
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エンドがジュエルシードを回収して去った後、なのはと特に争うことをせずに現在住んでいるマンションに帰宅したフェイトは、エンドが家に入るのに悪戦苦闘の末に何とか中に入った頃、食糧が無いことに気づき、買い物に出た。
「買いたい物は全部買ったし、早く帰ろ。
今頃、アルフが待ちくたびれてるだろうしね」
家で「フェイト〜、早く帰って来ておくれ〜!」と寝転んで、力なく叫ぶアルフの姿を思い浮かべて、フェイトは笑みを溢す。
レジに向かう途中で新たに買う物が見つからないとも限らない為、フェイトがキョロキョロと周りを見回しながらゆっくり歩いていると、突然、フェイトの体が後ろに少し傾いた。
警戒心を持って後ろを振り向くと、そこには見ず知らずの少年(エンド)が同じくらいの歳とは思えない強面でフェイトの腕を掴んでいた。
「ねえ君、ちょっといいかな?」
「えっと・・・・何でしょうか?」
「そのカゴの中身ってさ、オカズとかそんな感じ?」
「1週間分のご飯です。」
フェイトがそう答えた瞬間、エンドの顔がさらに強張り、その顔を見たフェイトはさっきまで持っていた警戒心は消え失せ、警戒心は恐怖へと変わっていた。
「あの・・・・・大丈夫ですか?」
顔は怖いが、エンドのことを心配して勇気を出してエンドにたずねると、エンドの顔は優しい笑みへ変わった・・・・・がしかし、さっきの顔とは違って怖さでは無く、不気味さが溢れ出る。
「今からお前の買い物に付き合って、終わったあとはお前の家に上がらせてもらう。」
「それは、そのー・・・・・・・・」
「お前に拒否権があると思うか?」
流石に見ず知らずの者を家に上げるほど、フェイトはお人好しでは無いのだが、エンドの瞳に宿る「絶対に断らせない!」と言う意思と不気味さに負け、フェイトは弱々しく「はい・・・・・」と答えた。
(うう〜、アルフ助けて〜・・・・・・・・・・)
俯いたフェイトの顔には生気や戦場にいた時の凛々しさが感じられず、まさに年相応の情けなく、可愛い顔をしていた。
「どうぞ御入りください」
フェイトは精神面ではエンドに完全に敗北しており、その様は主人の命令に従順に従う従者であり、第三者からしてみれば完全な主従関係だ。
「あっ・・・・・・・・・・」
無意識のうちにフェイトは声を漏らした。
失念していた。
アルフはお腹が空き過ぎるとフェイトに飛び付いて、ご飯を用意するまで決して離れないと言う厄介な性格というか、質なのだ。
ウルトラめんど臭い質のだが、アルフのそんなところも可愛いとフェイトは思っている為、そのことを忘れていた------と言うより当たり前の事として受け入れているのでエンドに伝え忘れてたのだ。
「いったたたたた・・・・・・・・。
ちょっとアンタァ!初対面の人を殴るなんて、何考えてんだい!?」
「子供が連れて来た客に突撃してくる方が正気疑うと思うんだけども・・・・・・・・」
そりゃそうだ。
初対面の人間が突撃かまして来たら迎撃するのが常識だろう。
常識だよね?
っと、そんなことより、はたき落とされてキレているアルフにエンドはジト目で見つめ続ける。
「とりま上がらせてもらおう」
「ちょっと待ちな!
幾らフェイトが連れて来た客でも、見ず知らずのアンタを家に入れる訳にはいかな------「何じゃこりゃ!?」------人の話を聞けい!!」
アルフが主を守る使い魔として100点満点の回答を言い、フェイトは嬉しい気持ちを覚えたのだが、エンドは興味なしと言わんばかりに家に上がり、台所へ行ってゴミ袋を漁る、漁る、漁りまくる。
中からインスタント食品を取り出して顔を渋くするエンドを見て、フェイトとアルフの天然ポンコツ主従コンビは“可笑しい物でも入ってたっけ?”と言う顔をする。
そしてゴミ袋からドッグフードを見つけ出したエンドは渋いを通り越して文字通り目が点になるが、これもフェイトにとっては当たり前のことなのだ。
何故ならアルフは犬(正しくは狼)であるので、アルフがドッグフードを食べていてもフェイトは何も可笑しいとは思わない。
「え、舐めてる?食の大事さとか理解してないの?」
「しつこいようだけどね。
初対面のアンタに------」
「初対面とか関係無えわ!!
俺は食事関係のことを疎かにしてる奴が許せねえんだよ!!
テメェら2人とも台所に来い!
料理の一つくらいは教えてやる!!」
「「は、はいッ!!」」
その後、エンドに色々と注意されながらもフェイトとアルフは、味噌汁、スクランブルエッグ、野菜炒めをつくり、食卓に並べて3人で美味しく食べた。
因みにエンドは自分用のチャーハンをつくっていた。
「んじゃま、また明日」
「明日も来る気かい!?」
「あたぼうよ!毎日同じ料理だと飽きるし、栄養バランスも悪いから。
それに、料理以外に問題もあるしね。」
エンドの姿が見えなくなっていくにつれてフェイトから元気がなくなっていき、アルフは心配そうに見つめる。
フェイトにとってエンドは戦闘なしで初めて接する同年代の男の子であり、なのはと関わったおかげか、友達と呼べる存在ができるかもしれないと期待するが故に、明日会えるとしても寂しさを拭うことが出来なかった。
「騒がしい奴だったね」
「うん。・・・・・でも、一緒にいると心がポカポカした。」
主の儚げな笑みを見てアルフは、こんな状況で無ければ、フェイトは自分が甘ちゃんと下した少女と、さっきまで一緒にいた少年と並んで笑い合えていたのでは?と思った。
それと同時に、フェイトが暗い顔をしている時に励ますことに出来ない自分に腹を立てた。
「気にしないでアルフ。私は大丈夫だから」
自身の無力さに苛まれているアルフのに気付いたフェイトは、元気つける為に気丈に振る舞うも、逆にアルフを俯かせる。
そんな悪循環を解消させるには、そうなった大元を解決しなければならないのだろう。
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無事、家に帰ることが出来たエンドは、玄関扉が閉まる寸前に見たフェイトの顔が頭から離れなかった。
《あの女子のことが頭から離れぬのか?》
「まぁな」
《確かにあんな所で会うとは思わなんだ。》
「アイツのこと知ってんの!?」
《・・・・・・・・・・・・・・・》
どうやらエンドの視線はフェイトの持つカゴの中身に集中していたらしく、エンドはフェイトが1時間近く前に相対していた相手だとは気付いていなかったようだ。
それを察した龍神丸は呆れからため息を吐く。
もし人型であったなら、きっと片手で頭を抱えてジト目でエンドを見つめる様子だ。
《知っているも何も、あの女子------と言うより、女子の側にいたあの女は例の宝石を賭けて戦っていたであろうが・・・・・・・・・・》
「あ、そうなの。気付かんかったわ・・・・・じゃ無くて、俺はあの子が最後に見せた表情が気になってんの!!」
《表情?》
「そうだよ」
まだ10歳にも満たないにも関わらず、昔を懐かしむ老人のような表情で話し始める。
「あの子の顔さ、今よりもさらに小さい時のなのはの顔にソックリだったんよ。」
《なのは?ああ、もう1人の魔導師のことか?》
「正解! なのはと俺は一応幼稚園からの付き合い。
んでさ、幼稚園生の頃にアイツの父親が仕事中に大怪我を負ったんだ。
ちな父親の職業はSP、所謂ボディーガードさ。」
《要人を守っての負傷と言うわけか。》
エンドは無言で頷く。
「母親は父親に、歳の離れた兄と姉はお店の手伝いに精一杯で、家では1人ぼっちなわけよ。
それで寂しさを紛らわせる為に近くにある公園のブランコにいたのさ。」
《主は何かしてやらなかったのか?》
「人の家庭に口を出すことはダメだって、俺の両親からは出ないと思ってたことを言われてたし、そん時は鍛えて強くなること以外に考えられなかったからな。」
一種の強迫観念に襲われていたのだろうか、エンドは鍛えること以外は考えずに暇な時間があれば鍛え、強くなることに邁進していた。
「さっきも言った通り、そん時のなのはの顔とフェイトの顔がソックリだったんだよ」
《それで、主はどうしたい?》
「そりゃあ誰の犠牲も無く、早くこの事件を終わらせる。
それにはまず、あの青い宝石を集めないとな。」
エンドは今夜の戦いで2人の事情を、大体ではあるが察することが出来た。
なのはは協力者とこの町を救う為に青い宝石(ジュエルシード)を集め、フェイトは何らかの理由でジュエルシードを求める母親か父親、はたまた父母の2人から収集を命じられていると。
つまり、これからエンドがすべきことは、自分もジュエルシードを集め、ジュエルシードを餌にして2人との対談の場をつくることだ。
「龍神丸、観測した魔力を調べて宝石を探すことって出来ない?」
《魔法を使用するには主自身の強いイメージと魔力コントロールがあれば可能だが、細かい場所までは特定できんぞ》
「そこは自力で探すとするよ。」
決意を新たに、エンドは就寝した。