激闘! レックナート杯争奪城内魔法大会   作:星海月

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予選第4試合

 

ナ「さーて、残す所予選もあと一試合となってまいりました、第四試合の始まりです!!」

 

主「今回は恋する乙女同士の対決ですね。ある意味とても見ごたえのある試合だと思います」

 

ナ「さて、前回、前々回と、さして盛り上がりのない試合を続けてきましたが、今回はよりいっそう試合を盛り上げようと、ある作戦を思いついた次第でございます」

 

主「何でいきなり丁重な言葉遣いに……?」

 

ナ「まず、あちらに見えます左側! つまりテンガアール側の席ですね。そこの最前列には、彼女の恋人であり付き人でもある、戦士の村の勇者、ヒックスさんが応援に駆けつけております!!」

 

ヒックス(以下ヒ)「が、がんばれー、テンガ~……」

 

主「さすがヒックスさん、応援まで頼りないですね」

 

ナ「そしてこちらシエラさんこと右側にいらっしゃいますのは、元ハイランド帝国軍軍師、いつも寝ているような顔をしていますが、その聡明なる頭脳を用いて軍を纏め上げる、インテリジェンスな19歳、クラウスさんです!!!」

 

クラウス(以下ク)「え、えーと、一体これは何の集まりなんですか?」

 

ナ「うーん、策士ともあろうものが、周りの状況を把握できていないとは……。なかなか天然な人ですね~」

 

主「この作戦が一体、どう展開を盛り上げていくのでしょうか!?」

 

ミ「そんじゃ始めるよ~。では試合開始っ!!」

 

 

どわわわわわ~~~ん!!

 

 

シエラ(以下シ)「ほう、おんしがわらわの相手か? まぁ、せいぜいおんしらの言う『カミサマ』とやらにでも祈っておくのじゃな」

 

テンガアール(以下テ)「吸血鬼だか何だか知らないけど、僕は負けないからね! 優勝して、ヒックスと二人で豪華温泉めぐりグルメツアーに旅行するんだっ!!!」

 

シ「わらわだって、グルメツアーの招待券をゲットして、クラウスと二人でペア旅行に行くんじゃっ!!!」

 

ナ「う~ん、どうやら早速双方とも白熱した試合展開を見せている模様です」

 

主「まだ戦ってないんだけど……」

 

シ「では早速わらわから参らせてもらうぞ!! 『死の指先』!!!」

 

ナ「おおっ、先に先制攻撃を仕掛けたのは、シエラ選手だ!! この魔法は打ち所が悪ければ死に至るという、かなり恐ろしい魔法ですが、テンガアール選手はどう対応するでしょうか!?」

 

テ「甘いよっ! 『土の守護神』!!!」

 

ばしゅっ!!!

 

ナ「テンガ選手(長いので略)、余裕で防御魔法を唱えた!! シエラ選手の思いもむなしく、『死の指先』はあっさりとはじき返されました!!」

 

シ「ふ……人間にしてはなかなかやるな……。おんし……」

 

テ「人間を、そう簡単に甘く見てもらっちゃ困るね! 次はこっちの番だよ!! 『震える大地』!!!」

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!

 

 

ごとっ。びしゃあっ。(ナナミの持っていた湯のみが落ちてお茶がこぼれた音)

 

 

ナ「あっ!! 茶柱がっ!!!」

 

主「立ってたの?」

 

ナ「うぅ……。9本も立ってたのに……」

 

主「というかこの白熱した試合にお茶なんか飲むなよ……」

 

ナ「はっ!! そんなことより、シエラ選手は大丈夫なのでしょうか!!??」

 

主「あれ? シエラ選手がいない……」

 

 

(きょろきょろと見回す一同)

 

 

ミ「あっ!! あそこあそこ!!」

 

 

ぱたぱたぱたぱた。

 

 

シ「ふぅ……。危ない所じゃった……。もう一歩コウモリに変身するのが遅かったら、やられていたかも知れぬな……」

 

ナ「なんとシエラ選手!! とっさに自分の姿をコウモリに変えて、地上から離れていました!! 当然地面から浮いているので魔法の効果は全くのゼロ!!! シエラ選手、とっさの機転で難を逃れました!!」

 

テ「えーっ? それってズルくない? いいんですか? 審判さん!」

 

ミ「え、えーと……どうなんでしょうか、大会責任者さん?」

 

ル「……別にいいんじゃない? どうせ僕には関係ないし」

 

 

一同《一番の関係者だろーが!!!》(一同:心のツッコミ)

 

 

ミ「……というわけで、有効でーす。なので引き続き試合を続行します」

 

テ「えぇ~っ。なんか納得いかないなぁ。……ま、いっか。僕が勝てばいい話だもんね」

 

シ「そう簡単に勝ちは譲れぬぞ。娘よ」

 

ナ「そんなわけで、試合を続行しました! をぉっ!!! シエラさん、変身を解いて、とうとう大技を繰り出す体勢に入っております!! この技を決められると後がない!! どうする、テンガアール選手!!」

 

シ「小娘。ここで決着をつけてやるわ!! ゆくぞ、『黒い影』!!!」

 

テ「うわぁっ!! ま、『守りの天蓋』!!!」

 

 

ばしいぃっっ!!!

 

 

ナ「残念、シエラ選手!! テンガ選手、間一髪のところで防御魔法を用い、攻撃を防ぐことができました!! しかしもう魔力も残り少なくなってきたようだ!!! ここで決めることができるか!? テンガアール選手!!!」

 

テ(どうしよう……もう魔力もほとんど残ってない……。でも勝たなきゃ……!!!)

 

シ「どうした? ギブアップするなら今のうちじゃぞ?」

 

主「なんか……シエラさん、思いっきり悪役みたいだね」

 

ナ「しっ!! そういうことは表ざたにして言わないの!!」

 

シ「おんしら……聞こえておるぞ」

 

主&ナ『はうっっ!!!』

 

テ「今だ、隙ありっ!!! これで最後だ『震える大地』!!!!」

 

 

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!

 

 

シ「なっ……!?」

 

ナ「すごいです、テンガ選手!! 意地と根性で先ほどより数段パワーアップしています!! 恐るべし気合!!! 恐るべし恋愛パワー!!! あーっ! また茶柱が……」

 

テ「や、やった……?」

 

シ「『魂の盗人』!!!!」

 

 

ギュイイイイィィィィン!!!

 

 

テ「え? あ・・・うわあぁぁああぁっっ!!!!」

 

ナ「し、シエラ選手、テンガ選手の攻撃をモロに浴びたにもかかわらず、これまた意地と根性で立ち上がり、力尽きる直前にテンガ選手に攻撃を与えました!! しかもこの魔法は、相手に与えたダメージ分、自分が回復するというなんともお得な魔法であるため、当のシエラさんはみるみるうちに元気になっていきます!!! すごいです!! なんという意地と意地のぶつかり合い!! これこそ私が望んでいたモノだったのですよ!!」

 

主「お、落ち着きなよナナミ。お茶がまたこぼれるって……」

 

テ「くっ……。ごめんヒックス……。旅行はまた……今度にしよ……」

 

ばたっ。

 

ミ「テンガアール選手戦闘不能! そんでもってシエラ選手の勝利!!!」

 

 

うおおおおぉぉぉぉっっっ!!!!

 

 

ナ「会場はこの白熱した試合のおかげで大盛り上がりです!!! 勝ったシエラ選手もさることながら、吸血鬼相手にここまで奮闘したテンガアール選手にも、拍手を送りたいと思います!!!」

 

ヒ「テンガアール!!!」

 

 

(テンガアールの傍に駆け寄るヒックス)

 

 

テ「ヒックス……。ごめんね……。僕、行きたかったな……グルメツアー……」

 

ヒ「だったら僕が連れてってあげるよ!! 好きなだけ!!! だから……そんな風に謝らないでよ……テンガ……」

 

テ「ヒックス……」

 

(自主規制)

 

ミ「えー、テンガ選手にコメントを頂こうと思ったんですが、どうやら二人の世界に浸っているようなので、あえて省略させていただきます。では、シエラ選手、コメントをどうぞ!!!」

 

シ「ふふふ……。これでグルメツアーとやらに一歩近づく……うふふふ」

 

ミ「こちらもなんか自分の妄想に酔いしれているようなので、コメントを頂くことができない模様です! では、スタジオ(?)に返しまーす!!」

 

ナ「はーい!! さーて、いかがでしたでしょうか! 今回は今までの中で一番白熱した試合となったと思うのですが、影の薄い主人公さん、どうでしょうか?」

 

主「さりげなくキツいね……。うーん、とりあえず今までで一番まともな試合になったんじゃないでしょうか? やっぱりあの作戦が効いたのではないですかね」

 

ナ「う~ん、ただ観客席が空いてるからとりあえず最前列を埋めてみたんだけど、効果てき面だったみたいね♪」

 

主「え……? そんな理由だったの?」

 

ナ「それ以外にどんな理由があるって言うの?」

 

主「……………………」

 

ナ「それではいよいよ次回は準決勝です!! とりあえずお楽しみに~♪」

 

 

 

 

……続く。

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