ナ「さーて、だんだん日も傾きかけてまいりました!! それでは魔法大会準決勝、第一試合を開始したいと思います!!!」
主「第一試合は、フリック選手対アビズボア選手です!!」
ナ「カミュー選手の強烈な魔法をかわし勝利を手にした影の実力者、フリック選手と、不利な条件の中で偶然相手の自滅により準決勝進出の切符ををもぎ取ったラッキータコ、アビズボア選手の対戦!!! 一体どちらに軍配が上がるのか!!??」
主「しかしフリック選手もまさか、タコと対決することになるとは、予想もしていなかったでしょうね」
ナ「そうですね。何しろリーチの差が圧倒的に不利ですものね」
主「いや、むしろ不利なのはアビズボア選手の方では……? って、魔法対決にリーチの差って関係ないじゃない」
ナ「ふーん、そんなこというなら、あんたが5歳のときの恥ずかしい思い出を、今この場で暴露してやりましょうか?」
主「わーーーっ!! それだけは!!! それだけは勘弁!!!」
ナ「あれはある夏の日の午後……」
主「わーーーっ!!! わーーーーっ!!!」
ミ「実況席の方はとりあえず無視して、さくっと話を進めましょう!! でわ早速第一試合開始!!!」
どわわわわ~~~んん!!!
フ「まさか……タコと対決する羽目になるとはな……(ため息)」
ア「……………………」
ミ「なんだかフリック選手の独り言のように聞こえますが、アビズボア選手もなにやら言いたげな様子でうごめいておりますっ」
フ(何しろ言葉がわからないからな……。何を繰り出してくるかわからない……)
ア「(ぬめぬめぬめぬめぬめぬめ)」
ミ「双方、ともに攻撃に出ません! お互い相手を牽制しあっているのか!? しかしこのままでは先に進めない!! 一体どちらが先に動くのか!!」
フ(このままじゃ埒があかない……。ならば……!!)
ナ「をおおぉぉぅぅっっと!! 先に動いたのはフリック選手だ!!! 何を繰り出すのでしょうか!!」
主「いきなり復活するなよ……」
フ「手っ取り早く決着をつけてやる!! 『天雷』!!!」
がらがらがらぴしゃーーーーん!!!
ナ「フリック選手、しょっぱなから強力な雷撃を放ちました!! さすがのアビズボア選手も、この攻撃はかわせないか!!??」
主「いや……あれを見てください!」
わぁっ!!(歓声)
ナ「なっ、なんと!! アビズボア選手、一体どこから用意してきたのか、避雷針を使ってフリック選手の雷撃をかわしました!!!」
主「それにしても何でアビズボア選手は、雷撃が来ることを知っていたんだろう? 他の選手のデータは戦った相手にしかわからないはずなのに」
ナ「それはですね、アビズボア選手が例の忍者班にスパイを依頼したのが原因ではないかと思われます」
主「な……! なぜそんなことがわかるんですか!?」
ナ「あれを見てください」
主「あれって、忍者班の人たち……わっ!! たこ焼き食べてる!!」
ナ「そうです、忍者班の人たちは、アビズボア選手にたこ焼きを買収させられたんだと思います。あんなでっかいタコ、屋台には売っておりませんでしたから」
主「身を削ってまで勝ちを望むとは……。まさに言葉どおりですね。しかし一体アビズボア選手の目的は!?」
ナ「さぁ……。そこまではバドさんとかに聞いて見ないとわかりませんが……」
フ「ば、ばかな……。俺の魔法が……」
ア「……………………!!」
ミ「おーっ! アビズボア選手、フリック選手の隙を突いて、いま静かに反撃しようとしています!!」
ア「……………………!!!!」
ぶしゅーーーーっっ!!!
ナ「アビズボア選手の攻撃!!! といっても先ほどの墨吐き攻撃とたいして変わりはありませんが!! やはりフリック選手、その攻撃がたいしたことないのだと悟ったのか、余裕でこれをかわす!!」
ア「……………………!!!!(怒)」
ナ「おおおっっと!!! アビズボア選手、ナメられていると知って、戦闘不能キャラがいないのにもかかわらず、キレてます!!! マジモードに入りました!!」
ぶしゅうっ!! ぶしゅっ!! ぶしゅしゅっ!!!
フ「うわ、どわっ!! あぶねっ!!! ……わっ!!!」
ばしゅっ!!!!
ナ「フリック選手、アビズボア選手のいきなりの連続攻撃にかわし切れなかったのか、一撃を与えられてしまいました!!!」
フ「な、なんの……まだまだ……」
ぶしゅしゅしゅーーーっっ!! びしゅっ!! ばしゅばしゅっ!!!
ナ「アビズボア選手の容赦ない攻撃に、フリック選手、なかなか立ち上がることができない!!! しかしただの水鉄砲程度の威力で、なぜこんなにダメージが与えられるのでしょうか!!??」
主「あ……!! そういえばフリック選手は、予選のときに火封じの紋章を宿していたんだっけ……。もしかして今も……!!」
ナ「へ? それがどしたの?」
主「ナナミは魔法オンチだからわかんないんだね。火封じの紋章は、火属性の攻撃は無効化するけれど、水属性の攻撃を受けると2倍のダメージを受けてしまうんだ」
ナ「なるほど~。火封じの紋章を宿したのが、逆に仇となったわけね。それとリト、あんた後で覚えておきなさいよ」
主「……」
フ「くっ、俺は……こんな所で負けるわけには……」
(そういって、がくりと膝をつくフリック)
ア「…………!」
ばしゅ、ばしゅ、ばしゅばしゅっ!!!
フ「だ~~~~~~っ!!! 少しは手加減しろよ!!!!」
ア「…………!」
ばしゅ、びしゅ、ぶしゅしゅっ!! びぶしゅぅっ!!!
フ「……オデッサ……今から君の元に……」
ばたっ。
ア「…………♪」
ミ「勝者!! アビズボア選手!!!」
どおおおぉぉっっ!!!(再び歓声)
ナ「フリック選手、アビズボア選手の連続攻撃にとうとうダウン!!! フリック選手の抗議もむなしく、容赦なく攻めるアビズボア選手の前に、なすすべもなく敗れ去りました!! やはり言葉の障害は大きいですね!!!」
主「やはりバリアフリーは大切ですね」
ナ「さて次回は、開始早々2秒で勝利をモノにした自意識過剰オヤジ、メイザース選手と、愛と実力と妄想で勝ちを手に入れた吸血鬼の親分、シエラ選手の対決です!!! お楽しみに!!」
主「どうでもいいけど、回を増すごとにどんどん言葉のボキャブラリーが乱暴になってきてるよね……」
続く。