激闘! レックナート杯争奪城内魔法大会   作:星海月

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決勝戦

 

シロ「アオオォォーーーン……」

 

ナ「さて、日もすっかり沈み、青白い上弦の月がこの試合を仄かな光で包んでいる今宵、観客席は決勝を楽しみに見にきている人々で大変にぎわっております!!」

 

主「最初に言った三流小説以下の表現はともかく、いよいよ決勝ですね~」

 

ナ「決勝の試合は、ここぞというときに相手の隙をつき、土壇場の逆転で勝ちを拾った無敵のタコ、アビズボア選手と、予選から今まで一度もまともに戦ったことのない無戦連勝の男、メイザース選手の一戦です!!」

 

主「ナナミ……。さりげなく正拳突きの構えをするのやめてくれない?」

 

ナ「あんたが余計なこと言わなきゃ何もしないわよ」

 

主「よ、予想としては、誰が勝つと思われますかね?」

 

ナ「いやー、やはり歴戦の数を考えると、アビズボアさんに3000点でしょうねぇ」

 

主「いきなり前回のギャグ、パクらないでよ……。かえって恥ずかしいんだけど……」

 

(といって急に赤くなる主人公)

 

ジョ「やぁ、二人とも。あれ? どうしたんだ? 顔が赤いぞ」

 

主「ジョウイ!?」

 

ナ「まーた奥さんのところから逃げてきたの? あ、ニンジン弁当おいしかったよ♪」

 

ジョ「それって僕に対する嫌味かい……? それに、僕は別にジルのところから逃げてきたわけじゃないんだ」

 

主「え? じゃあ何しにきたの?」

 

ジョ「決まってるじゃないか。この試合を見にきたのさ」

 

しーん……。

 

ジョ「ど、どうして静かになるんだよ?」

 

ナ「へー、ジョウイって首に食事用のナプキンつけて試合を見に行くんだ。初めて知った」

 

ジョ「い、いやこれは……」

 

主「あっ!! あっちからジルさんの人影が……」

 

ジョ「う、うわああぁぁっっ!!! ご、ごごごめんなさいっ!!!」

 

ずだだだだだだだだっ。

 

ナ「リトぉ。ジョウイも嫁舅問題でいろいろ大変なんだから、おちょくるのはほどほどにした方がいいよ」

 

主「いやぁ。どういう反応を示すのか興味あって」

 

ナ「そんなことより、早く決勝の試合を始めましょ!」

 

ミ「でわでわ、長らくお待たせいたしました!! これより、レックナート杯争奪城内大魔法大会、決勝を始めたいと思います!! ではお二方、前へ!!!」

 

わああああっっ!! (大歓声)

 

ビクトール「がんばれよー!! あ、レオナ、酒もう一本くんねぇか?」

 

シーナ「あ、ねぇねぇ君。ちょうど、良い席が2つ空いてるんだけど、よかったら一緒に座らない?」

 

メ「大魔法大会と聞いて、この機会に私の華麗なる魔法を、無知な者どもに知らしめてやろうと思って出場したが、何もせずに決勝に上がってしまった挙句、タコと戦うことになるとは……一体どういうことなんだ? ……ぶつぶつ」

 

ア「………………………………」

 

ミ「両者出揃った所で、それでは、試合開始!!!」

 

どわわわわ~~~んん!!!

 

メ「……まぁ、ここで文句をいっていてもしょうがない。今ここで見せてやればいいのだからな!! ゆくぞ、タコ!!!」

 

ア「……………………!!」

 

ナ「おっ! アビズボア選手、言葉は通じずとも、なんとなく雰囲気で馬鹿にされたと感じたのでしょうか、早速怒りモードに入っております!!」

 

主「またフリック選手のときのように、容赦ない攻撃が続くのでしょうか!?」

 

ぶしゅぅっ!! ばしゅぅっ!!!

 

ナ「出ました!! アビズボア選手お得意(かどうかは知らんけど)の水鉄砲攻撃!!! さぁメイザース選手、この攻撃をよけきることができるのか!!??」

 

メ「ふっ、所詮タコはタコ。その程度の攻撃で私が臆するとでも思ったか!!!」

 

ばいんっ!!! 

 

ア「……………………!」

 

ナ「なんとっ! メイザース選手、アビズボア選手の攻撃をバリアーでかわした!! おそらく『バリアーの紋章』を宿しておいていたのでしょうが、さすがじいさん、用意がいい!!!」

 

主「それ、どういう理屈……?」

 

メ「ふふふ、どうした、もう終わりか? ならばこちらから行くぞ!!! 必殺、『雷のあらし』!!!」

 

ア「!!!」

 

ズドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!

 

ナ「おぉーっと!! メイザース選手!! 今までの鬱憤がたまっていたのか、いきなり五行の眷属の最強魔法を繰り出してきた!!! まさに私情がこめられた究極の一撃です!!!」

 

メ「見たか!! 愚民ども!!! わしの偉大さを!!!!」

 

ア「……………………」

 

のそ……っ。

 

ナ「おぉっと!! アビズボア選手、何とか生きています!!! しかし、ちゃっかりフリック選手との一戦で大活躍した避雷針を用意していたにもかかわらず、雷撃のあまりのすさまじさに、避雷針さえもぶち壊されてしまい、もはやこれ以上使うことが出来ません!!!!」

 

おおおぉっっ!!! (どよめき)

 

主「さすがメイザース選手、年がら年中自分で大魔法使いだと周囲にほざいているだけあります!!」

 

ナ「……あんたの方が言葉乱暴じゃない」

 

メ「……生きていたか……。まぁ、どのみちその身体じゃあ、私に攻撃を与えるどころか、自分を守るだけで精一杯だろうな」

 

ぱぁぁ……!! 

 

ナ「おっ、なにやらあのじいさ……メイザース選手、とどめの一撃を与えようとしているようです!! 先ほどの雷撃でぼろぼろになっているアビズボア選手、もはやこれまでか!!??」

 

主「どうでもいいけど、メイザースさんって、悪役っぽいセリフ吐くの多いよね」

 

ナ「しかも本人気づいてないみたいね」

 

ミ「しかもメイザースさん、今年87歳なんだってー」

 

ナ「えぇっ!!?? それじゃ結構なお年じゃない。ご老体なのにこの大会に出場するとは、なんて元気なおじいちゃんなのかしら」

 

ミ「あの人年金いくらもらってるのかな~」

 

ナ「医療保険とかお金かかるから、怪我とか病気には十分気をつけないと……」

 

主「なんかあったときのために、身元引受人とかも呼んだ方がいいんじゃ……」

 

メ「だぁ~~~っ!!! 貴様ら、何を考えてるんだっっ!!!」

 

ボゥンッッ!!!!

 

主&ナ&ミ『どわーーーーーーーーーっっ!!!!』

 

ばた。ばた。ばたっ。

 

メ「ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ……」

 

ア「……………………??? (事態が把握できていない)」

 

すたすたすたすた。

 

シーナ(以下シ)「はい。メイザース選手、失格ね」

 

メ「な、い……いや今のはつい勢いで……ちょっと興奮してしまって……」

 

シ「あんたの事情は聞いてないよ。あんたは今確かにこいつら……いや大会関係者3名を攻撃した。大会規定により、『大会関係者ならびにそれに携わる者を試合中に攻撃、若しくは戦闘不能に陥らせた場合、直ちに失格とみなす。』つーわけだから、メイザースさん。ご苦労だけど、あんた失格になったから」

 

ぽんっ。(シーナがメイザースの肩を叩く音)

 

メ「そ……そんな……。じゃぁこの勝負……」

 

シ「アビズボア選手の勝ち。」

 

どおおおおぉぉっっっっ!!!! (どういうわけか大歓声)

 

シ「つーわけで、優勝は、アビズボア選手!!!」

 

わああああぁぁぁぁっっっっ!!! (盛り上がり最高潮)

 

 ぱちぱちぱちぱち!! (惜しみない拍手)

 

メ「な、なぜだ!!?? なぜタコごときに私が……!!」

 

シ「はいはい、どーでもいーからとっとと退場してくれよな」

 

ずるずるずるずる。

 

(わめくじいさんを無理やり押し出すシーナ)

 

ビクトール「おうおう!! よくやったなぁ、アビズボア!!!」

 

メグ「すごいすごーい!! ほら見てみなよからくり丸!!」

 

からくり丸「スベテ私ノ計算ドオリデス」

 

ハイ・ホー「よくやったよー!! 今夜は腕によりをかけてご馳走を作るよー!!」

 

ニナ「フリックさーん!! フリックさん、どこー!!??」

 

ペシュメルガ「ふ……くだらぬ……」

 

ア「……………………♪」

 

(優勝を喜んでいるアビズボアと、その感動に酔いしれる観客。その脇で、ナナミ以下3名が救護テントへと担架で担ぎこまれる)

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

ル「……レックナート様」

 

レ「なんです? ルック」

 

ル「来年からもう中止させませんか?」

 

レ「……………………」

 

 

 

 

☆ 結局のところ、なぜアビズボアがこの大会に参加したのかは、いまだに不明である……。

 

 

 

終わり。




数十年前の遺物、読み返すといろいろ痛々しい……

(こんなのでも)最後までご覧頂き、ありがとうございます!
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