「...........カービィ?」
突然時間が止まったかのように動かなくなった。どうかしたのか。
「カービィ様?どうなさいましたか?」
「..............カービィ?」
おかしい。人形のように動かない。フェルンが体をゆさろうとする。
「..........ハンマーたたき」
「........え?」
突然ハンマーを掲げフェルンに向かって........危ない!
「フェルンっ避けて!」
「!!」
間一髪でハンマーを避ける。ハンマーは地面に当たり地面にヒビが入る。
「カービィ、どうしたの」
声を掛けても返事が返ってこない。目も虚だ。まるで誰かに操られているような......。
「ふ、フリーレン様。これは一体.....」
「おそらく誰かに操られてるんだろうね。しかも結構厄介そうだ」
魔力探知に反応がある。形状は..........糸?
話している間にもカービィはこっちに向かって歩みを進める。こっちは後退りをして距離を保つ。
「フリーレン様、一体どうしたら.......」
「操っている元凶を叩くか、カービィを正気に戻すか。けど元凶の方よりはカービィをなんとかする方が現実的だね」
口で言うのは簡単だが正直厳しいだろう。操り手の技量にもよるがカービィ相手に勝てるか怪しい。
「あぁ............『ああ!』
爆裂ハンマー投げ
浮遊魔法で咄嗟に避ける。ハンマーは柱に直撃し爆発する。
「ゾルトラーク」
『ぅぅぁぅあ』
ジャンプで避けられる。ジャンプ先にもう1発打つも、移動回避でまた避けられる。
『こピーのう力 トルネイド』
『トルネイドアタック』
高速でカービィが回り始め、風が吹き荒れる。周りの石も巻き込むせいで無傷では済まない。
「くっ......ゾルトラーク!」
飛んできた石を防御魔法で防いでカービィにゾルトラークを放つ。カービィに真っ直ぐ進んでいき、当たっているように見えるが、
「無傷.......?」
「だね。回っている間はいくら攻撃しても無駄ってことか」
無敵判定。トルネイドの強みであり、回っている間ずっと無敵となる。一応終わりの後隙を狩れないこともないが.......。
「風のせいで狙いづらい........!」
室内ではあり得ない風が巻き起こっている。しかも石なども一緒に飛んでくるオマケ付きだ。またカービィが回り始め、今度こそ後隙を狙おうとする。
「..............ここ!」
完璧なタイミングで魔法を打ち込む。流石に無傷では済まないと思っていた。が、結果は無傷。
隙だらけのフリーレンに大技が叩き込まれる。
『しゅんかんさいだいふうそく』
強大な竜巻が発生し、フリーレンを巻き込みながら部屋の壁が壊れる。大きめの空洞となり、フリーレンは剥き出しとなった通路に着地する。
「おい、大丈夫か?」
声がした方を見ればリヒターがいた。周りにはデンケンなどもいる。複製がいなくなったので最奥へ進んでいたのだろう。
「あまり大丈夫ではないかな」
「だろうな。あんな力は見たことがない」
どうなっているんだ.....と呟くデンケン。
「一体カービィはどうしちゃったの?」
「操られている。私はカービィを正気に戻しているところ」
「戻せるのか?フリーレンが勝てないのだとしたらこちらに勝ち目はないぞ」
「勝てないね。1対1なら。でも人数で押し切れるかもしれない」
「そうか。ならば協力しよう」
「いいのか?デンケン」
「カービィをどうにかしない限り第二次試験は突破出来ん。これしか方法はない」
『ビッグトルネイド』
話していたらカービィがまたも大技を放つ。
「.........とにかく隙を作って」
皆が頷き、それぞればらける。まずリヒターが地面を唸らせながらカービィに一撃を入れまいとする。
『コぴーのウリョく ファイター』
『バルカンジャブ』
迫り来る地面を叩き割る。周りに破片が飛び散り、カービィはすぐさまそれを掴む。
『かたてなげ』
破片をリヒターに向かって投げ飛ばす。
「マジかよっ!」
ギリギリ避けて、壁に着弾するのを横目に見る。壁は貫通しており、その威力を伺える。カービィは地面に着地し、力を溜める。青い光が手から溢れ出すのと同時に、デンケンに向けて技を出す。
『メガはどうショット』
デンケンは防御魔法を斜めに設置し、受け流そうとする。カービィと同じ大きさの青い波動が防御魔法に当たり、そのまま貫通する。
「受け流すのもダメか」
「危ないことすんなよジイさん」
「分かっとる」
ラヴィーネが咎めるも、効果は無さそうだ。
(あの能力の遠距離は今のしかない......溜めるのに時間がかかる。やるなら今だ!)
フェルンはカービィから一定の距離離れ、ゾルトラークを構える。その数15。カービィはそれを見てまたはどうショットの構えをとる。
(今からだともう間に合わない。勝てる!)
ゾルトラークを打ち込む。前に
『そっこうメガはどうショット』
先程と変わりない波動が、フェルンを撃ち抜いた。フェルンは波動に直撃し、後ろの壁に激突する。幸い打撲だけで済んでいるが、痛みと脳を揺らされたせいで全く動けない。
「.......な、なんっで...........」
カービィはフェルンが戦闘不能になるのを見届けると、周りに向かってメガはどうショットを乱射し始める。各々は避けていくが、もしこれが複数人ではなく1人だけの狙い撃ちだったらと思うとゾッとする。5人程度に分散されてギリギリ当たらないくらいだ。1人になったら......考えたくもない。
フリーレンは徐々に慣れ始め、カービィに魔法を放ち始める。カービィもこのままでは分が悪いと判断したのか、能力を変える。
『こぴいのうりよく メタル』
カービィが鉄の塊となる。これで並の攻撃ではダメージを受けなくなる。
「ゾルトラーク」
『ブゴハッ..........」
普通に食らった。
衝撃でコピー能力が外れ、カービィも倒れたまま動かなくなる。
「.........カービィ?」
フリーレンが生存確認しようと近づき.........。
人間には五感があるが、中には第六感というものがある。虫の知らせ、勘など、超常現象だが案外馬鹿にならない。これが無ければおそらくフリーレンは危険な状態となっていただろう。
フリーレンはカービィに触れる直前、勘なのかは分からないが、とにかく逃げろと伝えられた。咄嗟に後ろにバックステップし、その判断が正しかったと知る。
「あれぇ、避けられたのね」
先程までフリーレンがいた場所には紫色の丸い網があった。上空には紫色のおかっぱがこちらを見下ろしていて、網と一本の糸で結ばれている。見た感じ敵だろう。
「.....誰なの?」
「おっと自己紹介が遅れたのね。私はタラ..........いや、ダークタランザなのね」
「お前がカービィを操っていたのか?」
「そうね。まさかこんなに簡単に操れるなんて思ってなかったのね」
怒りがふつふつと湧き出る。
「そうか、なら殺す」
「ほう?別にいいのね。出来るのだったら」
いつのまにか後ろにいる。一筋縄では行かなそうだ。
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