はるかぜをおいて   作:ういんなー

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16話

「...........カービィ?」

 

突然時間が止まったかのように動かなくなった。どうかしたのか。

 

「カービィ様?どうなさいましたか?」

 

「..............カービィ?」

 

おかしい。人形のように動かない。フェルンが体をゆさろうとする。

 

「..........ハンマーたたき」

 

「........え?」

 

突然ハンマーを掲げフェルンに向かって........危ない!

 

「フェルンっ避けて!」

 

「!!」

 

間一髪でハンマーを避ける。ハンマーは地面に当たり地面にヒビが入る。

 

「カービィ、どうしたの」

 

声を掛けても返事が返ってこない。目も虚だ。まるで誰かに操られているような......。

 

「ふ、フリーレン様。これは一体.....」

 

「おそらく誰かに操られてるんだろうね。しかも結構厄介そうだ」

 

魔力探知に反応がある。形状は..........糸?

話している間にもカービィはこっちに向かって歩みを進める。こっちは後退りをして距離を保つ。

 

「フリーレン様、一体どうしたら.......」

 

「操っている元凶を叩くか、カービィを正気に戻すか。けど元凶の方よりはカービィをなんとかする方が現実的だね」

 

口で言うのは簡単だが正直厳しいだろう。操り手の技量にもよるがカービィ相手に勝てるか怪しい。

 

「あぁ............『ああ!』

 

爆裂ハンマー投げ

 

浮遊魔法で咄嗟に避ける。ハンマーは柱に直撃し爆発する。

 

「ゾルトラーク」

 

『ぅぅぁぅあ』

 

ジャンプで避けられる。ジャンプ先にもう1発打つも、移動回避でまた避けられる。

 

『こピーのう力 トルネイド』

 

『トルネイドアタック』

 

高速でカービィが回り始め、風が吹き荒れる。周りの石も巻き込むせいで無傷では済まない。

 

「くっ......ゾルトラーク!」

 

飛んできた石を防御魔法で防いでカービィにゾルトラークを放つ。カービィに真っ直ぐ進んでいき、当たっているように見えるが、

 

「無傷.......?」

 

「だね。回っている間はいくら攻撃しても無駄ってことか」

 

無敵判定。トルネイドの強みであり、回っている間ずっと無敵となる。一応終わりの後隙を狩れないこともないが.......。

 

「風のせいで狙いづらい........!」

 

室内ではあり得ない風が巻き起こっている。しかも石なども一緒に飛んでくるオマケ付きだ。またカービィが回り始め、今度こそ後隙を狙おうとする。

 

「..............ここ!」

 

完璧なタイミングで魔法を打ち込む。流石に無傷では済まないと思っていた。が、結果は無傷。

隙だらけのフリーレンに大技が叩き込まれる。

 

『しゅんかんさいだいふうそく』

 

強大な竜巻が発生し、フリーレンを巻き込みながら部屋の壁が壊れる。大きめの空洞となり、フリーレンは剥き出しとなった通路に着地する。

 

「おい、大丈夫か?」

 

声がした方を見ればリヒターがいた。周りにはデンケンなどもいる。複製がいなくなったので最奥へ進んでいたのだろう。

 

「あまり大丈夫ではないかな」

 

「だろうな。あんな力は見たことがない」

 

どうなっているんだ.....と呟くデンケン。

 

「一体カービィはどうしちゃったの?」

 

「操られている。私はカービィを正気に戻しているところ」

 

「戻せるのか?フリーレンが勝てないのだとしたらこちらに勝ち目はないぞ」

 

「勝てないね。1対1なら。でも人数で押し切れるかもしれない」

 

「そうか。ならば協力しよう」

 

「いいのか?デンケン」

 

「カービィをどうにかしない限り第二次試験は突破出来ん。これしか方法はない」

 

『ビッグトルネイド』

 

話していたらカービィがまたも大技を放つ。

 

「.........とにかく隙を作って」

 

皆が頷き、それぞればらける。まずリヒターが地面を唸らせながらカービィに一撃を入れまいとする。

 

『コぴーのウリョく ファイター』

 

『バルカンジャブ』

 

迫り来る地面を叩き割る。周りに破片が飛び散り、カービィはすぐさまそれを掴む。

 

『かたてなげ』

 

破片をリヒターに向かって投げ飛ばす。

 

「マジかよっ!」

 

ギリギリ避けて、壁に着弾するのを横目に見る。壁は貫通しており、その威力を伺える。カービィは地面に着地し、力を溜める。青い光が手から溢れ出すのと同時に、デンケンに向けて技を出す。

 

『メガはどうショット』

 

デンケンは防御魔法を斜めに設置し、受け流そうとする。カービィと同じ大きさの青い波動が防御魔法に当たり、そのまま貫通する。

 

「受け流すのもダメか」

 

「危ないことすんなよジイさん」

 

「分かっとる」

 

ラヴィーネが咎めるも、効果は無さそうだ。

 

(あの能力の遠距離は今のしかない......溜めるのに時間がかかる。やるなら今だ!)

 

フェルンはカービィから一定の距離離れ、ゾルトラークを構える。その数15。カービィはそれを見てまたはどうショットの構えをとる。

 

(今からだともう間に合わない。勝てる!)

 

ゾルトラークを打ち込む。前に

 

 

 

『そっこうメガはどうショット』

 

先程と変わりない波動が、フェルンを撃ち抜いた。フェルンは波動に直撃し、後ろの壁に激突する。幸い打撲だけで済んでいるが、痛みと脳を揺らされたせいで全く動けない。

 

「.......な、なんっで...........」

 

カービィはフェルンが戦闘不能になるのを見届けると、周りに向かってメガはどうショットを乱射し始める。各々は避けていくが、もしこれが複数人ではなく1人だけの狙い撃ちだったらと思うとゾッとする。5人程度に分散されてギリギリ当たらないくらいだ。1人になったら......考えたくもない。

 

フリーレンは徐々に慣れ始め、カービィに魔法を放ち始める。カービィもこのままでは分が悪いと判断したのか、能力を変える。

 

『こぴいのうりよく メタル』

 

カービィが鉄の塊となる。これで並の攻撃ではダメージを受けなくなる。

 

「ゾルトラーク」

 

『ブゴハッ..........」

 

普通に食らった。

衝撃でコピー能力が外れ、カービィも倒れたまま動かなくなる。

 

「.........カービィ?」

 

フリーレンが生存確認しようと近づき.........。

 

 

 

 

 

人間には五感があるが、中には第六感というものがある。虫の知らせ、勘など、超常現象だが案外馬鹿にならない。これが無ければおそらくフリーレンは危険な状態となっていただろう。

 

フリーレンはカービィに触れる直前、勘なのかは分からないが、とにかく逃げろと伝えられた。咄嗟に後ろにバックステップし、その判断が正しかったと知る。

 

「あれぇ、避けられたのね」

 

先程までフリーレンがいた場所には紫色の丸い網があった。上空には紫色のおかっぱがこちらを見下ろしていて、網と一本の糸で結ばれている。見た感じ敵だろう。

 

「.....誰なの?」

 

「おっと自己紹介が遅れたのね。私はタラ..........いや、ダークタランザなのね」

 

「お前がカービィを操っていたのか?」

 

「そうね。まさかこんなに簡単に操れるなんて思ってなかったのね」

 

怒りがふつふつと湧き出る。

 

「そうか、なら殺す」

 

「ほう?別にいいのね。出来るのだったら」

 

いつのまにか後ろにいる。一筋縄では行かなそうだ。




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