「それはどうかな?」って言いたくなるよね   作:アウグスティン

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11話 対戦よろしくお願いします

 そんなこんなでハノイの騎士を倒し続けて数日。

 とうとうPlaymakerがリンクヴレインズにログインしてきたのだ。うおお、Playmaker様ー! 

 なんだかんだ必要がなければリンクヴレインズにログインしないからな、Playmaker。このアナザー事件の間も姿を見せていなかった。

 

 しかしようやく自ら闘いに来たのかと思いきや、どうも様子がおかしい。

 う〜ん? なんだろう、この違和感。声違う? 

 なんて思いながら遠巻きにPlaymakerを眺める。

 暴れるハノイの騎士達をデュエルではなくファイトでぶっ飛ばしては、カッコつけたセリフを吐いてその場を後にする。

 

 派手に登場したPlaymaker。

 当然ハノイらも目的はPlaymaker狩りなわけだから、倒すために戦力が送り込まれてくる。

 やってきたのは、髪型だけなら遊戯王主人公。ドクター・ゲノムだった。

 

 ということはあれか、あのPlaymakerはGo鬼塚の変装か。

 鬼塚はよく変装するからな。

 

「オレはPlaymakerの正体を突き止めた!」

 

 勢いよく啖呵を切る鬼塚。

 確かここはアニメだと、鬼塚の幼馴染の少年がアナザーの被害に遭い、その人を助けるために闘いに挑んでるシーン! 

 

 うおお、頑張れー! 鬼塚ー! 負けるなー! 

 

 ようし。応援に行くぞー! と、デュエルボードを走らせる。その瞬間、視界の端に白スーツが映った。

 ……。無視無視。

 今度こそ、今度こそ近くでデュエルの観戦を──あ、あ、なんかのプログラムで身体が引っ張られる。

 

「おやおや。決闘王ともあろうかたが敵前逃亡とは頂けませんね」

「……誰だお前」

「初めまして。私はスペクター、ハノイの騎士の一人です」

 

 ニッコリと人の良い笑みを浮かべながら白スーツの男が名乗りを上げた。

 うわ出た。ロスト事件エンジョイ勢。

 コイツの相手したくないんだよなぁ。何が嫌って、俺もVRAINSエンジョイ勢だから若干立ち位置被るのが嫌だ。

 

「ハノイの方から俺のところへ来るとはな。何の用だ?」

「おや? わかりませんか。もちろんデュエルの誘いに来たのですよ。まさか目の前の敵を放っておいたりなんてしませんよね」

「いいだろう。デュエルだ」

 

 嫌がらせか! 嫌がらせなのか! 俺に鬼塚のデュエルを見せないつもりか! 

 速攻で倒してやりたいが、速攻で倒せないんだよなぁ。

 

「おや、受けてくださるのですね。良かった良かった。では私もあちらと同様にこれを賭けましょう」

 

 そう言って光るカードのような物を取り出す。

 

「それは──」

「ウイルス除去プログラムです。ドクター・ゲノムの物とはまた別のバージョンの。ご存知でないかも知れませんが、我々の電脳ウイルスは随時アップデートしております。当然除去プログラムも一種類では全てを解除することができない……おや、どうやらその表情。知っていた、という顔ですね。どなたかから聞いたのですか?」

「さあな。知りたきゃ俺に勝ってみな」

 

 やっぱ怖えよコイツ。好きなキャラだけど、これ以上会話したくない! 

 

「ふむ……それも気になりますが、貴方には別の物を賭けていただきたい」

「別の物?」

「そう。貴方のカードを」

「なるほどな。ブラック・マジシャンでも奪っておこうって算段か」

「そんなカードは要りません」

「そんなカード!?!?」

 

 そんな馬鹿な。

 ハッ。まさかガールのほうか? 作中ずっとブルーエンジェル虐めてたスペクターだ。

 ガールを欲しがったとしてもおかしくはない。かわいいからな、うん。

 

「賭けていただきたいのはその──ミラーフォースと魔法の筒です」

「うん。うん? ミラフォとマジシリ?」

 

 俺のこの、初期版ミラフォとマジシリが欲しいと抜かすか。

 なんでこれ? いや強いカードだけども。

 インフレしたとはいえアニメ遊戯王。バック警戒なんて誰もしないからめちゃ強いけど。

 実際ハノイのリーダー、リボルバーも。あー。

 

「ここだけ素で聞くけどさ、個人的な理由で取りに来てない?」

「リボルバー様が羨ましが……んん、いかがでしょうか?」

「いや、うん。別にいいぜ。やろっか」

「それでは」

「デュエルッ!」

「よろしくお願いします」

 

 見てたんだリボルバー。俺のデュエル。

 

「私のターン。私は手札から『聖種の地霊(サンシード・ゲニウス・ロキ)』を召喚。現れよ、私達の道を照らす未来回路!」

 

 召喚されたのは種の形をしたバニラモンスター。

 だがバニラと侮ることはできない。奴はおおよそ遊戯王における最強のバニラなのだから。

 

「リンク召喚! リンク1『聖天樹の幼精(サンアバロン・ドリュアス)』リンク召喚した聖天樹の幼精はこのターン、リンク素材にはできません。カードを二枚伏せてターンエンド」

「俺のターン、ドロー!」

 

 聖天樹の幼精

 リンク1 ATK0

 

 そういやアニメだとそんなんだったっけ。

 植物リンクのイメージが強くて忘れてたわ。

 これくらいならなんとかなるかな、と。

 

「貴方のことは調べましたよ、ユウギ(仮)。ですが貴方についてはほとんど何も分からなかった」

「ほう?」

 

 俺は別に、Playmakerみたいなハッカーから情報守れるような技術はないんだけど。変なもん作ってるだけだし。

 

「調べても調べても──大した情報が出てこないのですよ。貴方には背景がない。一般家庭に生まれて、平穏に暮らして、ここで決闘王の真似事をしている。特別な存在にでも憧れました?」

「羨ましいだろう。暇そうで」

 

 辛い過去や重い設定。

 んなもん無いほうがいいに決まってんだろう。

 

「俺は『電磁石の戦士(エレクトロマグネット・ウォリアー)β』を召喚し効果発動! デッキより『電磁石の戦士α』を手札に加える。俺もカードを二枚伏せてターンエンドだ」

 

 電磁石の戦士β

 レベル3 ATK1500

 

「おや? 攻撃しないのですか?」

「じーちゃんが言っていた。攻撃力0のモンスターには気をつけろってな」

「なるほど。残念です。では罠カード発動! 『破壊輪』貴方の電磁石の戦士を破壊し、その攻撃力分のダメージをお互いに受けます」

 

 βの身体に爆弾が巻き付けられ、閃光と共に爆発する。

 爆風が俺とスペクターを飲み込んだ。

 

 ユウギ(仮)

 LP4000→2500

 

 スペクター

 LP4000→2500

 

 この世界基準では大ダメージ。だが涼し気な顔をして、スペクターは効果を宣言する。

 

「この瞬間『聖天樹の幼精』の効果。一ターンに一度、戦闘効果で受けたダメージ分、私のライフを回復し、EXデッキから聖蔓(サンヴァイン)モンスター一体を自身のリンク先に特殊召喚する。来なさい『聖蔓の癒し手(サンヴァイン・ヒーラー)』」

 

 そして癒し手の効果により、幼精のリンクマーカーの数×300のライフが回復する。

 

 スペクター

 LP2500→4300

 

「おや。早くもライフポイントに倍近い差がつき始めましたね。もっと私を楽しませてください。期待していますよ」

 

 やだもう、コイツと闘いたくない。




お目々キラキラさせながらミラーフォースや魔法の筒を見てる了見君

スペクターの真似しながらサンアバロン使ってると、ご友人♡って言いそうになる
スロー♡スロー♡クイッククイックスロー♡
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