「それはどうかな?」って言いたくなるよね 作:アウグスティン
「では私のターン。早速行きますよ、現れよ私達の道を照らす未来回路!」
聖天樹の幼精と聖蔓の癒し手がリンクマーカーにセットされる。癒し手を取り込み、聖天樹は更に成長していく。
「リンク召喚! リンク2『
聖天樹の精霊
リンク2 ATK0
苗木のようだった聖天樹が成木になる。
相変わらず攻撃力は0のまま。そして聖天樹モンスターはダメージリセット効果をマーカーの数まで使える。
これで二回まで戦闘・効果ダメージが無効にされてしまうわけだ。
「魔法カード『
それアニメに出てたっけ。OCG化で追加されたカードじゃない?
アホみたいに都合の良い展開札である播種によって二体目の聖種の地霊がデッキから特殊召喚され、代償としてスペクターにダメージが入る。
「ダメージを受けたことにより『聖天樹の精霊』の効果発動。受けたダメージを回復してリンク先に『
三度輝いた回路に地霊がセットされる。召喚されるのは
か、勝てるかこれ。ヤバい、カード取られる。
「バトルです。『聖蔓の剣士』の攻撃力はリンクしている聖天樹モンスターのマーカーの数×800ポイントアップする」
聖蔓の剣士
リンク1 ATK800→2400
これは……仕方ない。無駄だとわかってはいるが撃つしかない。
「お望み通りくれてやるぜ! 敵の攻撃を四方に跳ね返すミラーバリア『聖なるバリア -ミラーフォース-』発動!」
「無駄ですよ! 墓地の『聖蔓の播種』の効果。植物族リンクモンスターが破壊される場合、墓地のこのカードを代わりに除外できる! フフフフ、残念でしたねぇ」
青緑色の剣士が刃を振り上げる。
聖なるバリアをものともせず突っ込んできた聖蔓は、主の命に従い刃を振るった。
「ぐぁあ!」
ソリッドビジョンの衝撃に吹き飛ばされる。
いったぁ。向こうでデータストーム濃くしてる影響か、いつもより衝撃が強い気するな。
ユウギ(仮)
LP2500→100
「これで終わりです。『聖蔓の守護者』でダイレクトアタック! 息巻いたわりには呆気なかったですねぇ」
「手札から『マジクリボー』を捨てて効果発動! 来いッ! 『ブラック・マジシャン』」
膝を突きながらカード効果を発動する。
くっそ。しっかり攻撃力高い方から殴ってきやがってさぁ。
いいのかおい。俺がゴーズを持っていたらどうするつもりだったんだ! 遊戯のカードだから入っててもおかしくないんだぞ!
聖蔓の守護者
リンク1 ATK600
ともあれ枝葉の守護者は動きを止める。
「俺の……ターン!」
──カンコーン☆
よし。これならコストが足りる。
ぶっ飛ばしてやるぜスペクター!
「『電磁石の戦士α』を召喚。その効果でレベル8の磁石の戦士を手札に加える。そして魔法カード『マグネット・インダクション』を発動!」
辛そうな振りをしながら、今引いた魔法カードを使用する。
「このカードは俺の場にマグネット・ウォリアーが存在する場合に発動できる。デッキより『磁石の戦士ε』を特殊召喚。場に出たεはデッキから磁石の戦士を墓地に送り、その名称をコピーする」
磁石の戦士ε(電磁石の戦士γ)
レベル4 ATK1300
「これで三体の電磁石の戦士が揃った! α、β、そしてγの三体を除外する。見えない未来掴むなら! 不屈の勇気に勝るものなし! 爆発する勇気!」
場の電磁石の戦士α、γの名称をコピーしたε、それから墓地のβの三体を除外。
「電磁合体!! 『電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン』!!」
電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン
レベル8 ATK3000
ガシャンガシャンと戦士達がパーツごとに分かれ、電磁石の力で一体の強力な戦士へと合体する。
海馬のXYZと違って微妙に扱い辛い切り札を呼び出す。
「ベルセリオンの効果発動! 墓地のγを除外することで『聖天樹の精霊』を破壊する! マグネティック・クラッシュ!」
播種の墓地効果はさっき使わせた。
γが変形し、弾丸のような形へと変わる。電磁石の力でベルセリオンが精霊に向けてそれを撃ち出す。
最後の伏せは破壊無効ではなかったらしく、レールガンは聖天樹を貫いた。
「あ、ぁぁあああっ! よ、よくも我が母なる聖天樹を!」
聖天樹とリンクしていない聖蔓の守護者は破壊される。これで後は剣士だけだ。
「『団結の力』を『ブラック・マジシャン』に装備、バトルだ。いけっ、黒・魔・導!」
ブラック・マジシャン
レベル7 ATK2500→4100
おら。そっちに合わせて攻撃力高い方から殴ってやるわ。
これが勝利せんがための結束の力だ!
2400の剣士をぶん殴ってダメージを与える。
スペクター
LP4300→2600
「ぐわぁああ!」
よっしゃ通った。これで俺の勝ちだ、スペクター。
「──罠発動──」
ん?
「『
な、なんだっけ。そのカード。
嘆いていたスペクターの表情が一気に崩壊する。
VRAINSの顔芸枠としての本領を発揮、とんでもないニヤケ面で効果を説明し始めた。
「聖蔓トークンを特殊召喚し、聖天樹モンスターをリンク召喚できる! 再び現れなさい、私達の道を照らす未来回路!!」
回路が輝き、呼び出されるのは聖天樹の幼精。
「その後受けたダメージ分、私のライフポイントを回復する!」
スペクター
LP2600→4300
これでライフも元通り。聖天樹も幼体とはいえ場に戻ってきた。
「『聖天樹の輝常緑』のさらなる効果! 私のライフが回復した場合、その数値分のダメージを貴方に与えます。さあフィナーレといきましょうか!」
「──お前」
全力で煽りにくる顔をしながら、聖天樹から光が放たれた。
ドォォン! と盛大に爆発する。
「ハハハハハ、アーッハハハハハ……ぁあ?」
「罠カード『
電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン
レベル8 ATK3000→4700
みんなバーンしてくるからって採用したけど、入れててよかったぁ!
「そんな、まさか」
「これで終わりだ。マグネット・ベルセリオンの攻撃! ベルセリオン・セイバー!」
ベルセリオンがコイルの剣を手に、スペクター目掛けて飛びかかる。
ダメージ計算が行われ、表示されたスペクターのライフが減っていき、0になる直前で停止した。
なんだ! 場にも墓地にも効果を使えるカードはもうないはず。まさか向こうもクリボーみたいな手札誘発を!?
唐突に起きた現象に狼狽えていると、俺のアバターが揺らいだ。
「通信切断!? クソ、なん──」
■◆■
現実に戻ってきた俺の身体に鈍い痛みが走る。
「いったぁ! 何、何!?」
なんか物でも落ちてきて、デュエルディスクが危険と判断して勝手に切ったのかと思っていたが、どうも違うらしい。
目を覚ました俺の前には顔を隠した不審者が三人。
「ハノイの騎士……の中の人かなんかか? ARC-Vじゃあるまいし、デュエル以外で邪魔しに来んなよ」
「なーに言ってんのかわかんねーが、スペクター様々だな。あの人が調べてたお陰で、こうしてデュエルなんてしなくても直接ぶん殴って」
「俺のターン」
手近にいた不審者の服を掴む。
そしてそのまま、デッキからカードを引く時の要領で、床と水平にぶん投げた。
「ドロー!」
「ぶべらっ!」
「……え、と」
ペンペンと手を払う。人間一人くらいドロー力を鍛えるために磨き上げたデュエルマッスルの前には軽いもの。
「こいつ一般人って話じゃ──」
「カードを二枚伏せてターンエンドォ!」
流石にこれ放置でデュエルには戻れないよなぁ。
本当は超電導戦機インペリオン・マグナムで、聖天樹の効果を止めながら殴って、適当な磁石の戦士を蘇生して直接攻撃
バーサーカー・ソウル!
ってしようとしてたんですけど、インペリオンの無効効果に輝常緑をチェーンされると間に合わないためこっちになりました。