「それはどうかな?」って言いたくなるよね 作:アウグスティン
いやまあ原作通りのおつかい会話なんてしてても、なので
「フィールド魔法『ワールド・ダイナ・レスリング』の効果によりモンスター一体でしか攻撃できず『ダイナレスラー・キング・Tレッスル』の効果により、攻撃モンスターはオレが選ぶ!」
「ストームアクセス! 融合召喚『サイバース・クロック・ドラゴン』!」
「誰がどう見てもオレ達の場にいるのは一体だけ! 攻撃するのは当然!」
「サイバース・クロック・ドラゴンでキング・Tレッスルを攻撃!」
■◆■
「永続罠『ドローン・コードン』の効果によりドローンリンクモンスターは効果の対象にならず、お前のリンクモンスターは攻撃できない」
「儀式召喚『転生炎獣エメラルド・イーグル』モンスターをリリースして効果発動! こいつがバトルを行うダメージ計算前に相手モンスターを破壊し、その攻撃力分のダメージを与える!」
「エメラルド・イーグルは儀式モンスター! よって攻撃が可能!」
「エメラルド・イーグルでバトルドローン・ジェネラルを攻撃! エメラルドオーバーロード!」
■◆■
「二人とも無事に勝てたみたいだな」
先にデュエルを終えて、動向を見守っていた俺は合流してきたPlaymaker達に声をかける。
「ああ、そっちも無事だったみたいでよかったよ」
「よし。先に進むか」
領域の地図を開いてPlaymaker先導のもと、深部へと進んでいく。
しばらくして件の謎のゲートまでたどり着いた。
空中にぽつんと浮かぶ光の輪へと俺達は突っ込む。
長い長いゲートをくぐり抜けた先は、強風吹き荒れる荒野だった。
「ヤバいぞこの風ぇ!」
「怖いのか?」
「平気!」
デュエルディスクから顔を出しておちゃらけたことをいうイグニス組とは異なり、ボードを操る俺達は神経を操縦に集中する。
「このままじゃ落っこちるのも時間の問題だぜ! 不霊夢! オレ達の出番だ!」
「そのようだな!」
Aiと不霊夢が両手を前に突き出し、データストームを発生させる。
「う、踏ん張りすぎておならが出ちゃいそう」
「我々にそんな機能はない」
う〜ん、のんき。
「そっちは大丈夫か?」
「ああ!」
風切り音に掻き消されないようにPlaymakerに、真後ろで答える。
「って、うぉぉい! 何しれっとオレ達を盾にしてんの?!」
「なるほど。その手があったか。Soulburner、我々もAiの後ろにつくぞ」
「ちょっとちょっと! そっちも楽しようとしないで!」
「この領域がどこまで続いているか不明な以上、消耗は少ない方がいいだろう。なに、先頭は交互にやればいいさ」
そんなことを言いながら不霊夢がSoulburnerに移動を促す。
疲れたから交代交代〜、とすぐに言うAiと、なんか一言残しながら不霊夢が交互に風を受けつつ荒野を飛んでゆく。
そしてひときわ強い風を突き抜けた。
先程まで吹き荒れていた風が止む。
しぃんと静かに広がる空間の奥には、宙に浮かぶ神殿があった。
俺達はボードを神殿につけて降り立つ。
カツンカツン、と石の階段を登る音だけが鳴る。
神殿の最上階は庭園のようになっていた。
「何かいる」
と、Playmakerが言う。
皆が警戒して周囲を見渡すと、神殿の草木の影からのっそりと巨大な影が現れた。
一つ目の黒い怪物だ。
「こ、この怪物は……サイバース世界を破壊したモンスターだ!」
その姿を唯一見たことのある不霊夢が狼狽える。
怪物は大きく口を広げ、そこへ光を蓄える。
「にゃはははは! あはははは! 騙された〜騙された〜。愉快愉快〜」
いかにもゲロビを吐きます、と言わんばかりだった怪物の前に、心底楽しそうにしながら緑色のイグニスが現れる。
ここからの流れはさしてアニメと変わることなく話が進んだ。
色からも分かる通りに風属性のイグニスである彼は、ウィンディを名乗り、この空間についての説明を行う。
曰く、仲間に見つけてもらうため、そして敵を誘き出すために分かりやすくこんな空間を用意して待っていた、と。
そしてこの進入禁止エリアへと逃げ込んだボーマンについては、詳細は不明だがそれらしき物ならこの空間の端に感知したことがある、とも。
しかしそれはそれとして俺達が提示できる情報は不確定。
ウィンディにこの空間を出てまで手を貸すほどの理由はない。
Aiと不霊夢による要請をウィンディは蹴る。
「お前達が無事だって分かっただけでも嬉しいよ。だから少しだけ協力してやる」
ただそう言ってウィンディは、ボーマンが逃げた方角への風を緩めてくれた。
「ただし一つ条件がある」
■◆■
俺達はウィンディの神殿を飛び立ち、風の止んだ荒野を再び飛翔する。
ウィンディが提示した条件とは、俺達同様に侵入した二人組、ゴーストガールと謎の青色の女を排除することだった。
何者なんだ、青色の女!
まあどっからどう見てもブルーエンジェルだろ、って思うのは俺がアニメ見て知ってるからであって、変装じゃなくてゲーム内の別アバターなんだからPlaymaker達が見てもわかるわけはないんだが。
「久しぶりね、Playmaker」
「久しぶり?」
「ユウギの方は……別にそうでもないか」
「言い草だな、ブルーエンジェル」
まあ事実なんだけれど。
「お! そうなのか。ずいぶん感じが変わったなぁ……でも新しいアバターもカッコいいよ! オレもアバター変えようかなぁ」
「大して名も知られていないのに変える意味あるのか?」
なんて言い合うSoulburnerコンビに、ゴーストガールが声をかける。
「あなたがSoulburnerね」
「おい、意外とオレ達有名みたいだぜ」
「私こそが炎のイグニス、不霊夢だ」
知名度あるとわかった途端にこの調子、不霊夢も大概おとぼけな性格である。
イグニスを持つ二人、すなわちロスト事件の被害者であるPlaymaker達がこうして集まって事を起こしていることにゴーストガールは疑問を抱いたようで、何をしているのかと尋ねてくる。
「オレ達は奪われた意識データを取り返したいだけだ」
「意識データ……それじゃあの男が」
Playmakerの端的な説明。それでも頭のいい彼女には通じたらしく、先日のボーマンとのデュエルを思い出したのだろう。あの男、と言った。
今度は逆にPlaymakerがゴーストガールらの目的を問いただす。
「隠してもしょうがないから言っちゃうけれど、私達はイグニスを探しに来たの」
ブルーエンジェル改め、このアバターの時はブルーガールだったかな。
ブルーガールがボードの速度をあげ、対話する三人のところへ交ざる。
「SOL……いえ、兄ならきっとあなた達の力になれるわ」
「わかってないなぁ」
遠回しに投降を呼びかけるブルーガールにSoulburnerが答える。
「ロスト事件に長い間苦しめられてきたオレ達だ。その責任はSOLテクノロジーにもある。そこにオレ達の未来を預けるなんて」
「ないない」
「好意はありがたいがオレ達の問題は自分達で解決する」
ゴーストガールが自分達をSOLテクノロジー側だと誤認させるような言い回ししなけりゃここで話ついてたかもしんないのに。
アニメだと確かこいつら、別にSOL側じゃなくて、お兄様の指示で動いてるだけだったよなぁ。
「ならそのイグニス達は元々SOLテクノロジーの管理下にあったものよ。返したらどう?」
お兄様を信じてもらえなくて激おこブルーガール。
「私達の協力を受け入れられないのなら」
「デュエルで決着を着けるってのか」
「そうよ!」
「そういうことになったPlaymaker! ユウギ!」
「ん……ああ!」
イグニスを持つ者が〜、とかやり始めたから黙っていたが名前を呼ばれたので返事をする。
びっくりした。
「Soulburner、ユウギ。ここは任せる」
「待て、Playmaker!」
「おっと」
Playmakerを追おうとするゴーストガールの前に出て、進行を妨げる。
「悪いな。通行止めだ」
「へぇ。こっちもデュエルでケリをつけようってわけ」
「え……いやぁそれは。話し合おうぜ☆」
「なんでそんな嫌そうなのよ」
オルターガイストの相手とかしたくなさすぎる。
アニメ基準とかじゃなくてOCG基準で強テーマなんだよなぁ。
VRAINS出身テーマは軒並み強いけど、特にオルターガイストは……。
仕方ない。ボコられないよう頑張ろう。
「行くぜ、ゴーストガール!」
『スピードデュエル!』
「私の先行ね!」
嫌だぁぁ。
「『オルターガイスト・マリオネッター』を召喚。召喚に成功したマリオネッターの効果発動。デッキからオルターガイスト罠カードをセットできる。私は『オルターガイスト・プロトコル』をセットするわ」
オルターガイスト・マリオネッター
レベル4 ATK1600
説明しよう。オルターガイスト・プロトコルとは、オルターガイストカードをコストに、モンスター効果の発動を無効に破壊できる──永続罠である。
つまり毎ターン使える。
「カードを二枚セット。これで私はターンエンドよ」
「俺のターン」
三伏せに手札が一枚。
この手札なら、まだ何とかなるか。
見えてない伏せカードが汎用の除去罠とか無限泡影なら爆発しよう。
「魔法カード『黒の魔導陣』を発動! デッキから『黒・魔・導』を手に入れる」
「永続罠オルターガイスト・プロトコルを発動! このカードがある限り私のオルターガイストカードの効果とその発動は無効にならないわ。そして私が罠を発動したことにより手札の『オルターガイスト・マルチフェイカー』の効果を発動。このカードを特殊召喚する」
オルターガイスト・マルチフェイカー
レベル3 DEF800
「特殊召喚したマルチフェイカーの効果で、デッキからオルターガイストモンスター、『オルターガイスト・シルキタス』を守備表示で特殊召喚するわ」
オルターガイスト・シルキタス
レベル2 DEF1500
うわぁ、やっぱ持ってたか。
まあここまでは予想の範囲内。
「儀式魔法『高等儀式術』を発動!」
「儀式召喚……っ」
「降臨せよ!
行け! ライトニングメタで持ってきた宇宙最強の儀式モンスター!
マジシャン・オブ・カオス
レベル7 ATK2500
カオソルのような青色の鎧を身に着けた最上級魔術師が俺の場に現れる。あんまり使われないが見た目は最高にカッコいいぜ!
「マジシャン・オブ・カオスは場と墓地でブラック・マジシャンとして扱う効果を持っている。よって黒の魔導陣の効果が起動するぜ! お前のオルターガイスト・プロトコルを除外する!」
「プロトコルを手札に戻して、シルキタスの効果を発動! マジシャン・オブ・カオスには手札に戻ってもらうわ!」
よしよし。そうするしかないよな。
魔法によるブラマジ召喚は止められないが、黒・魔・導を使わせないためにはもうここでシルキタスのバウンス効果を切るしかない。
「手札の『イリュージョン・オブ・カオス』を公開する。これによりデッキから『マジシャンズ・ソウルズ』を手に入れる。ただしその代償として俺は手札一枚をデッキに戻さなくてはならない」
「くっ……プロトコルはもう」
「上級魔術師を墓地に送り、マジシャンズ・ソウルズの効果。墓地より『ブラック・マジシャン』を蘇らせる!」
「私はもう一枚の永続罠『パーソナル・スプーフィング』の効果を発動。場のシルキタスをデッキに戻して『オルターガイスト・クンティエリ』を手札に加えるわ」
「魔法カード黒・魔・導でお前の伏せカードを全て破壊する!」
最後の一枚、謎のセットカードごとブラック・マジシャンが全てを魔導で薙ぎ払っていく。
破壊されて墓地へ送られたのはマテリアリゼーション、オルターガイストの蘇生罠だった。
ふー、よかったよかった。
これで残る妨害はサーチされたクンティエリのみ。ただ、クンティエリは攻撃を止める効果は条件付きだから、素直に除去して殴るか。
「『マジシャンズ・ロッド』を召喚、これで俺はデッキからこのカードを手札に加える。そしてそのまま発動『千本ナイフ』!」
対象はマリオネッター。
黒魔術師が大量にナイフを召喚して、それらをぶっ放す。
これでモンスターはマルチフェイカーだけ。こいつを退かせばクンティエリは出てこれない。そしてなんとビックリ、退かす方法があるんだなこれが。
これはスピードデュエル、すなわち。
「スキル発動『セパレートマジック』俺の場に魔法使いが存在する場合、ライフを1000ポイント支払うことで墓地の千本ナイフを回収できる。そして古のカード故こいつにターン1は無いぜ!」
千本ナイフを再び唱え、これでゴーストガールのモンスターは全滅した。
「これは……流石ね、ユウギ(仮)」
「終わりだ! ゆけっ、二体の魔術師でダイレクトアタック!」
ブラック・マジシャン
レベル7 ATK2500
マジシャンズ・ロッド
レベル3 ATK1600
ゴーストガール
LP4000→0
あぁ、まじ怖かった。ライトニング一派なんかよりはるかに怖かったわ、ゴーストガール。
■◆■
おまけ
ユ「(一人でここに来てたら襲いかかってたんだけど、流石に今それやるのはおかしいよな)」
風「(悪寒がする……)」
全人類待望のターミナルワールド2の話を書こうと思ってたんですけど
全宇宙待望の@イグニスター強化が来てしまいましたね!!
くぁぁぁ〜〜〜〜!!
Aiー!!