「それはどうかな?」って言いたくなるよね 作:アウグスティン
愛されてるなぁ、葵ちゃん。
輝光のデュエリスト編で青眼にも強化を! カイバーマンのテーマ化を!
今日はとうとう入学式。デンシティにあったそれっぽい高校に通うことを決めた俺は、制服に着替えて学校に来ていた。
そうあの黒い制服だ。遊作が着ていた奴。遊戯王とは思えないシンプルなデザインである。
さてはてPlaymakerはいるかなぁ、と辺りを見渡してみるものの、まあまあ人数が多いし、変わった格好の人も多いで何がなんだか。
ともあれ先生方に案内を受けるがままクラス替えとして別の部屋に案内される。
「さあ生徒諸君! クラス分けの時間です……あ、ナノーネ」
流石は遊戯王世界。ここまで前世の学校みたいに進行していたから油断していたが、入学後にデュエルさせられるとは。
某教頭の物真似については俺も人のことを言えないので放って置くとして、どうしようか。
これ勝ったほうがいいのかな。負けたほうがいいのかな。
Playmakerなら勝ってそうだけど、親友の島君は絶対負けてるだろうし、これ勝ち負けでクラス決まるわけではないのかも。
うぅむ、と頭を悩ませている内に俺の名前が呼ばれる。
まあいいか。
「では四番、工藤勇気君前へ」
「はい」
「準備はよろしいです……ええと」
「ええもちろん。さあ始めましょう!」
デュエルディスクを起動。ガチャンガチャンと二つに分かれて格納されていたボードが展開される。
腰のポーチから素早く取り出したデッキをディスクにセットした。
「あの……それは?」
「祖父の形見です(嘘)」
「そ、そうかい。ところで随分と古いようだけれど、デュエルはできるかな?」
「流石にちゃんと動きますよ」
皮取っ付けてるだけで中身は市販のデュエルディスクだし。
「分かりました。では始めましょうか……あ、ナノーネ」
「それいちいち付けるんです?」
先行は譲られたので早速メインフェイズ。
こんなこともあろうかと遊戯デッキは置いてきている。あれはリンクヴレインズでコスプレしている時、限定だ。
「俺のターン。『トリオンの蟲惑魔』を召喚。効果発動、デッキから『奈落の落とし穴』を手札に加える。そしてトリオン一体をリンクマーカーにセット!」
ソリッドビジョンによって空中に九つの矢印で囲まれた青色の模様が投影される。
「魔界の花園に潜みし可憐なる姫君よ、甘美なる誘い以て踏み入る者へと餞別を! リンク召喚! いでよ人気投票一位『セラの蟲惑魔』」
セラの蟲惑魔
リンク1 ATK800
貼り付けたような愛くるしい笑顔、虚無った瞳、子供っぽいおさげの緑髪。
ちょっとアウト気味な格好をした幼女のモンスターが現れる。
「カードを一枚伏せてターンエンド」
「では私のターンですね。あ、私のターンナノーネ。では手札から速攻魔法『サイクロン』を発動。その伏せカードは厄介なので破壊させてもらいます」
「おっと、罠発動『強制脱出装置』!」
「む。落とし穴ではなかったのですか」
「セラを対象に手札に戻すが、セラはこの効果を受けないため不発に終わる」
危ない危ない。いやこの世界でデュエルしてるとよくあることなんだけど、みんな都合よくメタカード引いてくるんだよな。
「へぇ、リンクモンスターは手札に戻らないのか!」という声が後ろから聞こえてきたがそれは置いておいて効果処理を進める。
「セラは獲物が罠にかかった時、一ターンに一度、仲間に知らせる。今回は誤報だが、みんな仲間思いだからしっかり来てくれるのさ。おいで『アトラの蟲惑魔』」
アトラの蟲惑魔
レベル4 ATK1800
デッキより黒髪の少女が姿を現す。これまた危ない格好に、昆虫の甲殻みたいなテラテラしたパーツを付けている。
「アトラの永続効果により俺は手札からホール、落とし穴罠カードを発動できる。当然さっき持ってきた奈落も発動可能!」
「仕方ありませんね。では手札より『
某教頭の物真似してるから予想はついてたけど、やっぱりアンティーク・ギアだったか。
「──
「それはクロノス先生ブチギレカード!」
「? では召喚成功時、猟犬の効果により600のダメージを与えルーノ」
「ぐはぁっ!」
勇気
LP4000→3400
なんでそこでオベリスク・フォースのカードなんだ。
くっ、仕方ない。手札の罠であいつを……あー。
えー、奈落の落とし穴は攻撃力1500以上のモンスターを破壊するカード。つまり使えない、と。
「バトル。『古代の機械猟犬』で『セラの蟲惑魔』を攻撃!」
「くぅ、破壊される」
勇気
LP3400→3200
あー、人気投票一位が破壊されてしまった。無念。
ただ殴ってくるだけが一番キツいんだよなぁ。
というかまたピンポイントに奈落の発動条件をすり抜けてきやがって。
「メイン2、『融合』を発動……するノーネ。手札とフィールドの二体の猟犬で融合召喚。『
「またそっちのカード……!」
「古代の機械魔神の効果。1000ポイントのダメージを与える」
勇気
LP3200→2200
携えた砲門からビームをぶっ放してくる。
また痛いのを食らった。ブルーエンジェルといいライフ4000の世界でバーン飛ばしてくるのズルくない。
「それではこれでターンエンド」
あの魔神は効果を受けず、戦闘破壊されると後続を呼ぶ効果を持っている。
蟲惑魔だと打点が低くて突破に困るが、カステル出して殴って、メイン2で後続をデッキバウンスすればいいか。
リンク以外は出さずに行きたかったんだけど仕方ない。攻撃力足りないんだ。
「俺のターン。……あ」
危ない危ない。カンコーン☆って鳴らすところだった。
「じゃあ魔神をリリースして『怪粉壊獣ガダーラ』を特殊召喚」
よーし! 面倒な奴もいなくなったし、やっぱリンクだけで戦うかー!
ガダーラいつもありがとう。
そうして新規実装前の蟲惑魔の動きでデュエルを進める。
すなわちセラを中心として少しずつアドを稼いでいく罠ビートの動きだ。そうして。
「喰らえ蟲惑魔の必殺技! 『激流葬』!」
荒れ狂う大波がフィールドのモンスターをすべて飲みこんでいく。
しかしリンクの蟲惑魔は罠の効果を受けないため、何事もなく生き残る。
「破壊された
「それはどうかな? 今まで散々バーンを与えてくれたな! これはそのお礼だ! 超動せよ、二千種くらいある内の究極の罠カード! 『墓穴ホール』!」
そう言って伏せカードをひっくり返す。
この究極の罠、その恐るべき効果とは!
「手札、墓地で発動したモンスター効果を無効にし──2000ポイントのダメージを与えるぜ!」
「……、は!?」
ドカーン。
やっぱりバーンは駄目だって。