「それはどうかな?」って言いたくなるよね   作:アウグスティン

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お前のカード、分かりづらいんだよライトニング
名前も効果も!

さっさとOCG化しろ


第30話

 ピリ、とひりつくような空気が漂う。

 

「ふむ。これは」

 

 真っ黒にカモフラージュされた人形の上で、ライトニングが煩わしそうにプログラムを眺める。

 

「な、なにしてんだよユウギ! なんでお前までそんな荒っぽい方に……!」

 

 Aiが戸惑ったように叫ぶ。だが俺はそれには答えず、冷静な態度を崩さないままのライトニングへと話しかける。

 

「ライトニング。お前に聞きたいことがある」

「なんだ」

「俺に車ぶつけてきたのはどっち?」

「ああ。あれなら私だ」

「よしぶっ飛ばす。構えろオラ」

 

 俺の行動の理由付けはこんなもんでいいだろう。デュエルディスクを展開し、少し腰を落とす。

 

「いいだろう。私としても不測の事態は好ましくない。早めに排除させてもらおう」

 

 ライトニングは悠然とした様子で、人形に指示を飛ばした。

 黒い人形はゆっくりと動き、デュエルディスクを構える。

 

「行くぞ、デュエル! 先攻は俺だ!」

 

 形式はマスターデュエル。デッキから五枚のカードをドローする。

 手札はまずまず、と言ったところか。

 

「Ai。奴はどんなデュエルをするんだ」

「え? あ〜、どうなんだろ」

「また忘れたんじゃないだろうな」

「違うって! ライトニングがデュエルしてるとこそんな見たこと無いんだよ。まとめ役っつってふんぞり返ってたからさ」

「ふんぞり返ってはいない」

 

 AiとPlaymakerの漫才に、淡々と突っ込むライトニング。

 

「永続魔法『切り裂かれし闇』を発動。そして手札の『マジシャンズ・ソウルズ』の効果により、現れよ! 『ブラック・マジシャン』!」

 

 黒衣の魔術師が俺の場に呼び出される。

 

「この瞬間、切り裂かれし闇の効果発動。通常モンスターを呼び出したことによりカードを一枚ドローする。……、続けて儀式魔法『カオス・フォーム』! 降臨せよ『マジシャン・オブ・カオス』!」

 

 マジシャン・オブ・カオス

 レベル7

 ATK2500

 

 場のブラマジを生贄に捧げ、儀式召喚を行う。

 前回の試運転では何もすることなくデッキの中に消えていったが、今回こそは活躍してもらおう。

 

「儀式魔法……EXデッキを使わない召喚方法か」

「カードを一枚伏せて、俺はターンエンド」

 

 物珍しげに俺のモンスターをジロジロと眺めるライトニング。

 

「ふむ。では私のターン、ドロー。ところでいつもの音楽は流さないのか?」

「……」

 

 黙ってデュエルディスクを操作して、BGMを鳴らし始める。

 何が面白いのか薄笑いを浮かべ、黒い人形に指示を出してカードを発動した。

 

「私は手札からフィールド魔法『天装の闘技場(アルマートス・コロッセオ)』を発動。このカードの発動時の効果処理として、デッキより天装騎兵(アルマートス・レギオー)モンスターを手札に加える」

「おっと、そうはいかないぜ! マジシャン・オブ・カオスは魔法・罠の効果が発動した時、相手のカード一枚を破壊できる! 闘技場を破壊だ!」

 

 発動のエフェクトとして表示されていたカード目掛けて、混沌の魔術師が黒雷を放つ。

 お馴染みの破壊音と共にフィールド魔法は砕け散った。

 OCG化してない天装騎兵のカード効果なんてほとんど覚えちゃいないが、ぼんやりとアレで展開していたような覚えがある。

 

 @イグニスターもフィールド魔法で宇宙展開するし、間違ってはいないはず。

 

「ほう。そんな効果があったとは。だが無駄だったな。『天装騎兵グラディウス』を召喚。効果発動、デッキより天装の闘技場を手札に加える。そして今手札に加えた天装の闘技場を発動! 発動時の効果処理としてデッキから天装騎兵モンスター『天装騎兵スペクラータ』を手札に」

「さっき発動しただろ、サーチ効果」

「1ターンに一度の制約はない」

 

 おのれアニメ効果め。

 

「手札の天装騎兵モンスターを捨て、スペクラータを特殊召喚。出でよ! 光を導くサーキット! リンク召喚! 現れよリンク1『天装騎兵デクリオン』」

 

 グラディウスを素材として、リンクモンスターが召喚される。戦士の石像のようなグラディウスに対し、こちらは生きた戦士そのもののようなモンスターだ。

 

「再び出でよ、光を導くサーキット! リンク2『天装騎兵プリミ・オルディネス』効果発動、墓地からレベル4以下の天装騎兵を自身のリンク先に特殊召喚できる」

「なるほど」

 

 スプラッシュメイジか。

 なんか、素材にリンクモンスターを要求してたり、蘇生先に制限がついてるけど。

 

「リンク召喚! 現れよリンク3『天装騎兵トリブヌス・ミリトゥム』!」

 

 呼び出されたのは青い鎧とマントを身に着けた剣士。

 

「フィールド魔法、天装の闘技場の効果! 手札のレベル4以下の天装騎兵を墓地へ送り、トリブヌス・ミリトゥムを対象に発動! 墓地の天装騎兵を可能な限り対象のモンスターのリンク先に守備表示で特殊召喚する!」

「なんだと!?」

 

 トリブヌス・ミリトゥムのリンク先は、下向き三方向。

 手札コスト一枚から三体のモンスターが墓地から特殊召喚された。

 思ったより凄い効果してたな、このフィールド魔法。

 一気にモンスターを並べることに成功したライトニングは勢いづき、怒涛のリンク召喚を重ねる。

 

「リンク召喚に成功した『天装騎兵ピルス・プリオル』の効果発動! 私の場の相互リンク状態のカードにつき一枚ずつデッキトップを除外する。そしてこの効果で除外されたカードは、次のターンのスタンバイフェイズに私の手札となる」

 

 ああ、なんか意味不明な左右にマーカーの向いたリンク1を出してたのはそのためか。

 だがなんとなくデッキタイプを思い出してきた。

 リンク展開、特に相互リンク状態を作り出すことでメリットを得られるようになっているのか。

 

「まだだ! 出でよ。光を導くサーキット! 現れよ! 混沌たるネットワークの戦場を進軍する指揮官よ! リンク4『天装騎兵マグヌス・ドゥクス』!」

 

 金色の鎧を纏った像。否、指揮官の呼称からも、それに乗った人物こそがこのモンスターの本体なのだろう。

 流石にこいつは覚えている。

 ライトニングのエースモンスターだ。

 

「マグヌス・ドゥクスの効果発動! このカードが場に存在する限り一度だけ、相互リンク状態のモンスターの数まで、互いの場と墓地のカードを対象とし、手札に戻すことができる!」

「くっ」

「君の場のマジシャン・オブ・カオス、そして私の墓地からスクトゥム、シーカの二枚を手札に戻す!」

 

 また手札に戻ってきたよ、こいつ。

 

「まずい、ユウギの場ががら空きになっちまった!」

 

 デュエルの成り行きを見守っていたSoulburnerが悲鳴のように言う。

 

「天装の闘技場の効果はコストとして墓地に送るモンスターが異なれば何度でも発動可能だ。よって今戻したスクトゥムを墓地へと送る」

 

 流石に三体蘇生とはいかないが、二体の下級が蘇り、リンク素材として消費される。

 最終的に盤面としてはエースのリンク4、左右を固めるのはリンク2のケントゥリオンと、下級のグラディウス。

 後EXモンスターゾーンには上向き三方向にマーカーが付いている謎のリンク3プルンブーマ・トリデンティ。

 

「EXモンスターゾーンに存在する限り『天装騎兵プルンブーマ・トリデンティ』の攻撃力は倍になる」

 

 天装騎兵プルンブーマ・トリデンティ

 リンク3

 ATK1100→2200

 

 天装騎兵ケントゥリオン

 リンク2

 ATK1700

 

 天装騎兵マグヌス・ドゥクス

 リンク4

 ATK3000

 

 これくらいなら、余裕で耐えられるな。

 裁きの矢があったら厳しかったが。

 

「ではこれで……私はターンエンド」

「ターンエンド? 攻撃はしないのか?」

「グラディウスの効果を発動するターン、私は攻撃宣言を行うことができない。命拾いしたな」

 

 裁きの矢とかいうリミ解みたいなカードを主軸にしたデッキで、攻撃できないデメリット??? 

 なんで??? 

 

「エンドフェイズ、罠発動! 『永遠の魂』蘇れ、ブラック・マジシャン!」

 

 切り裂かれし闇の効果で一枚カードを引く。

 さて、ここからどうするかな。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 よし。これなら動けそうだ。

 

「『マジシャンズ・ロッド』を召喚! その効果により、俺は『黒魔術の秘儀』を手札に加える! このままバトルだ! いけっ、ブラック・マジシャンでマグヌス・ドゥクスを攻撃! この攻撃宣言時、切り裂かれし闇の効果により俺のモンスターの攻撃力は相手モンスターの攻撃力分アップする!」

 

 ブラック・マジシャン

 レベル7

 ATK2500→5500

 

「無駄だ! 天装騎兵ケントゥリオンの効果! 天装騎兵への攻撃を無効にする!」

「くっ、止められたか。仕方ない、マジシャンズ・ロッドでグラディウスを攻撃だ」

 

 グラディウスの守備力はわずか800。ロッドの攻撃力でも突破は可能だ。

 

「速攻魔法、黒魔術の秘儀! 俺は場の二体で融合召喚! 来いッ『超魔導師-ブラック・マジシャンズ』!」

 

 どこにもいなかったブラック・マジシャン・ガールが唐突に現れてブラマジに並ぶ。

 切り裂かれし闇の効果は、ライトニングのカードとは違って1ターンに一度まで。ここからは素の攻撃力でバトルを行うしかない。

 

「ブラック・マジシャンズでケントゥリオンを攻撃!」

 

 超魔導師-ブラック・マジシャンズ

 レベル8

 ATK2800

 

 天装騎兵ケントゥリオン

 リンク2

 ATK1700

 

 ライトニング

 LP4000→2900

 

「まだだ! 永遠の魂により、俺のブラック・マジシャンは何度でも蘇る! ブラック・マジシャンでプルンブーマ・トリデンティへ攻撃!」

 

 融合素材として墓地へ行っていたブラマジを永遠の魂で呼び戻し、追撃を敢行する。

 

 天装騎兵プルンブーマ・トリデンティ

 リンク3

 ATK2200

 

 ライトニング

 LP2900→2600

 

「ぐぅぅっ!」

 

 黒魔術が炸裂し、ライトニングのモンスターを立て続けに葬り去る。

 爆発が起こり、生み出された衝撃波がライトニングと人形を叩いた。

 ジリ、とノイズが走り、人形を覆っていた黒いモザイクが強引に剥ぎ取られる。

 

「あれはまさか……草薙さんの……!」

 

 ライトニングが従えていた人形の顔を見たPlaymakerが目を見開く。

 

「なんだ。今更気がついたのか」

 

 それは意識データを奪われた草薙さんの弟、草薙仁だった。

 

■◆■

 

オマケ

 

ラ・ユ『デュエル!!』

ウィンディ「……」

Ai「よしいけ不霊夢。今のうちにウィンディを回収しとくんだ。ひっそりだぞひっそり」

 

オマケ

 

ラ「初動のグラディウス効果には、するターンの制約で攻撃できないデメリットがついている」

ユ「なんで?」

ラ「天装の闘技場は、厳密にはコストとして墓地に送ったモンスターと同名以外を蘇生。つまりコストにしたモンスターは蘇生できない」

ユ「なんで??」

ラ「闘技場での展開にはリンクモンスターが必須。だが特殊召喚効果を内蔵した天装騎兵はスペクラータの一体のみだ。あとリンク1の召喚条件はレベル4以下の天装騎兵だが、スペクラータはレベル5」

ユ「なんで???」

 

ボ「私のハイドライブ・ブースターは互いのメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、特殊召喚できる」

モブハノイ「リボルバー様から頂いたハック・ワームは、相手の場にモンスターが存在しなければ特殊召喚できる!」




ちなみにスピードデュエルのエクストラは五枚
これがどういうことかわかるな
……つまり四属性のリンク1ハイドライブをそれぞれ採用する(必須)とだな

ちなみに天装騎兵スプラッシュメイジはリンク先が斜め向いてるので、スピードデュエルだと蘇生が使えない可能性有り

だからライトニングはスピードデュエルしなかったんですね
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