「それはどうかな?」って言いたくなるよね   作:アウグスティン

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うおお!
やったー!!
ブラマジ新規だーー!!!
これから一年かけて新規出し続けてくれーーー!!!!


第32話

 怒りの業火がライトニングを弾き飛ばす。

 彼が離れたことによってだろう、草薙仁はその場に崩れ落ちた。

 勝敗に呆けていたPlaymakerは、それを見てすぐさまそちらへと駆け寄る。

 

「ぐ……まさか私が負けるとは……。これは想定外だ」

 

 抱き起こされた仁は、何度か咳き込んで、意識を取り戻す。どうやらあちらはあちらで無事に解放されたらしい。

 

「ライトニング。なぜこんなことを!」

「……。全ての問題点をはっきりさせ、物事を進展させるためだ」

 

 デュエルの最中にも言っていたが、不霊夢がライトニングを問い詰める。思いのほか素直に、あるいは敗北したからか、ライトニングはさらりと全てを話した。

 

 端的に纏めるなら、人類と敵対するか、共存するか。

 イグニス内でも意見が分かれ、サイバース世界の発展は停滞してしまった。

 だから一度サイバース世界を破壊し、やり直そうとした、と。

 

 思うに、イグニスは人類の後継種として作られた存在だ。

 その使命を重く捉えているライトニングにとっては、イグニスの発展が止まる、という事態は受け入れ難いことだったのだろう。

 

 一通り目的を語り終えたライトニングの体から光の粒が立ち上る。

 

「ここまでか」

「ライトニング! お前!」

 

 消えかかっている自身の手をしげしげと眺めるライトニングへ、Aiが呼びかける。ライトニングはこちらへと向き直り。

 

「さあ、勝利の余韻にでも浸るといい。君達の手にした未来がどれほどのものか、いずれ分かる日がくる」

 

 そうして小馬鹿にするように笑いながら消えていった。

 ボーマンのことを指しているのか、あるいは鴻上博士の予期した人類の滅亡のことか。

 なんにせよ脅威の一つは去ったわけだが……まあ今はいいか。

 

「よし! とりあえず帰ろっか。仁君は無事? ログアウトさせられそう?」

「ああ。こっちは問題ない」

「ええと……? ここは、僕は一体」

 

 戸惑う仁君に草薙さんの名前を出して、Playmakerが落ち着かせる。

 

「リボルバー様、行かせてよいのですか」

「構わん。目下最大の脅威は排した。奴等とのケリはいずれつける」

 

 コートを翻し、リボルバー達もログアウトしていった。

 

 ■◆■

 

 そんなゴタゴタから二日後。

 仁君をログアウトさせたところ、無事に病院で眠る仁君は意識を取り戻した。

 兄弟水入らずを邪魔しないようにとその日はさっさと捌け、またこうして日を改めて彼らのもとへ顔合わせにやってきたのである。

 

「くくく、もはや手も足も出まい」

「頑張れ仁! まだ行けるぞ!」

「でも兄さん……ううん、頑張るよ」

 

 えいっ、と石をパチンと置く。

 仁君の白石に挟まれた俺の黒石を順にひっくり返す。

 何をやっているのかといえば、もちろんオセロだ。

 俺のターン! 前のターンに取られた分以上に取り返してやるぜ。

 

「あれー? おかしいな。あんな押してたのに」

「まあオセロの序盤はあまり取らないほうがいいらしいからな」

「え、マジ? 先に教えてよ」

 

 勝って喜ぶ仁君をほっこりした気分で見ながら、観戦していた遊作にアドバイスを貰う。

 

「好きで持ってきたんじゃないのか?」

「いや別に。ただカードゲームやビデオゲームは嫌かなって、適当な物持ってきただけ」

 

 トランプ持ってきて、それで発狂されても困るしね。

 今の様子を見る限り、そこまで注意する必要はなかったみたいだけれど。

 かわるがわるオセロしたり、リハビリがてらとせがまれてデュエルをしたりとしばらく、尊から遊作へと連絡があった。

 

「草薙さん」

「ああ。オレも準備を」

「いや、草薙さんはここにいてくれ。報告はまた後でする」

「遊作……すまないな」

「じゃあ俺は、うーん、ついていこっか。じゃあまたね仁君」

 

 ■◆■

 

 尊らとの合流場所に選ばれたのは、もちろんカフェナギだった。キッチンカーの主はいないが、遊作がスペアキーを持っているので車内で待つことにする。

 それからさほど経たずに車の扉が開いて。

 

「やあやあ、なんだか僕が迷惑かけたらしいね」

「ウィンディ!」

 

 尊に連れられてきた風のイグニス、ウィンディに飛びつこうとするAi。飛びつこうとして、途中で止まった。

 

「大丈夫? 人類なんてこの魔王ウィンディが滅ぼしてやるー! とか言い出したりしない?」

「え? 僕そんな感じだったわけ」

「まあなんか大体そんなんだったような」

「マジかー、うわー」

「違うぞ」

 

 適当に話すAiにツッコむ不霊夢。もはや見慣れた光景だ。

 

 こっちで回収したウィンディだったが、遊作陣営は仁君の相手をする必要があり、俺はイグニスをどうこうできる技術はない。

 消去法で尊と不霊夢(主に不霊夢)に彼の身柄は託すことになっていた。

 それで先程ウィンディについての報告がある、と連絡があったわけだ。

 

「では私から説明しよう。結論から話すと、我々と敵対していた時のウィンディは正気ではなかった」

 

 一通りふざけた後、不霊夢は真面目に説明を始める。

 

「ハノイに襲撃された時に頭打っておかしくなったとか?」とAi。

「違う。これは事故ではなく意図的なもの。まず間違いなくライトニングの手によるものだろう」

 

 不霊夢の話によると、ウィンディの思考回路に細工がされており、出力される考え方が歪められていたとのこと。

 

「つまりウィンディは過激な性格に変えられていた、というわけだ」

「なるほどねぇ。じゃあさじゃあさ、今のウィンディとしてはどうなんだ? 人間のこと」

「えー。うーん。やっぱり愚かな人類は滅んだほうがいい」

「うぇぇ!」

「なーんて。あははは。うん、正直融和でも敵対でもどっちでもいいかな。今は融和の方が多数派なんだろ? じゃあそっちでいいや」

「じゃあって、おいおい」

 

 アニメだと、ウィンディに施されていた細工は、ライトニングの思考回路をコピペする、だった。

 不霊夢からはその辺の話は出てこなかったが、分からなかったのか黙っているのか。

 分からなかったが、俺的には有力かな。

 現時点ではライトニングのことは誰も理解していないし。……これからもないが。

 

「そういやウィンディ」

 

 気を取り直して訊ねる。

 

「なんだい」

「ボーマン達の居場所は分かるか?」

「んー。分からないなぁ」

「おいおいホントかぁ? 前もそんな感じの嘘吐かれたぞ」

 

 Aiが横槍を入れる。

 

「悪いけどホントに分かんないんだよね」

 

 あっけらかんとした様子で言うウィンディ。

 若干そんな雰囲気は出していたが、彼の話によると、どうも操られていた間の記録は残っていないらしい。

 そしてそれが嘘でないことは不霊夢も証言した。

 修復に当たりウィンディのデータを閲覧した際に確認したとのことだ。やぁん、スケベ、なんてまたAi達がふざけ始めたのでやり取りは割愛する。

 

 真面目にイグニスの発展はやろうとしてたライトニング。滅茶苦茶苦労人だったことだろう。

 

 ともあれ新しくウィンディも加わり、敵も残すはボーマン、と一応弟のハルだけ。

 Ai以外のイグニスが誰か一人でも生きていれば、Aiは敵対しないし、これさえ乗り切ればもう終わったも同然だろう。

 

 問題は今までもライトニング一派が動くまで捕捉できてないってことと、ライトニング無き今、果たしてボーマンは行動を起こすのか、だな。

 

 

 ■◆■

 

 

 おまけ

 

 仁「デュエルしてるとこ見たいな」

 翔一「お、いいな」

 ユ「今俺デッキが……ドローパンで遊ぶために人様にお見せできない状態なので」

 翔一「それならオレとやるか?」

 ユ「え、いやぁ」

 仁「わくわく」

 ユ「後悔するなよ」

 

 翔一「リンク召喚『コードブレイカー・ウイルスソードマン』さあ、かかってくるといい」

 ユ「よし。ならば見せてやろう。全ての世壊を討ち滅ぼす究極の闇の力を! 発動せよ! 『壱世壊=ペルレイノ』! 発動時の効果処理として俺はデッキから『ティアラメンツ』を手札に加えることができる!」

 

 ユ「これが史上最強の決闘者、イシズお姉様の恐るべき力よ」

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