「それはどうかな?」って言いたくなるよね 作:アウグスティン
『皆様、大変長らくお待たせいたしました! 激闘を勝ち抜き、この舞台へとたどり着いたのはこの二人の決闘者! 栄光を手にするのはただ一人! 決勝戦の開幕です!!』
用意された決勝用の特設ワールド。
豪奢に飾り付けられた階段を登り、舞台へと上がる。
サムズアップは前回やったので、今回はなぜか肩から離れない不思議な学生服をマントのように、バサリとはためかせ、かっこよくポーズを決める。
当然のようにBGMは既に流し始めている。いつぞやDSODの再現動画を作った時のやつだ。
「待っていたぜPlaymaker。やはりこの防衛戦の相手はお前になったか」
「防衛戦?」
「俺。俺。前回優勝者」
と、自分を指さす。
「そうだったのか。おめでとう」
「ありがとう。おせーよ、1年前だわ」
不思議なことに、アナウンスの中でも一回も言及されなかったが、デュエリストランキングとかいう人気投票ではない、大会成績では前年一位は俺なのである。
「まあいいか。よし、ふぅ。行くぜ!」
『デュエル!!』
ユウギ(仮)
LP4000
VS
Playmaker
LP4000
おっと。俺の先攻か。
しばらく見ない間にみんなマジで強くなってたからな。
手加減は無用、もちろん本気で行くぜ。
「俺のターン! 手札から『幻惑の見習い魔術師』を特殊召喚」
『おぉーっと、このモンスターは、幻想魔族モンスター? サイバース族に続く新たなる種族か?』
「いいや、幻想魔族はむしろ古の種族。はるかデュエルモンスターズの黎明期に存在し、めんどくさいからと魔法使い族に統一されてしまった種族さ。そして効果発動、デッキから『コーンフィールドコアトル』を手札に加え、そのままこいつを捨てて効果発動。今度は『ミラーソードナイト』を手札に加える」
で、こっからはこのテーマのいつもの動き。
ソードナイトを召喚し、自身を生贄に捧げて、バフォメットを特殊召喚。
バフォメットの効果で、ガゼルと合成獣融合をサーチする。
「ガゼルとバフォメットで融合召喚! 『有翼幻獣キマイラ』召喚! よし!!」
幻獣王キマイラ(有翼幻獣キマイラ)
レベル6 ATK2100
融合召喚したキマイラの効果を予約し、バフォメット効果でソードナイトを蘇生、ガゼル効果で幻惑の魔術師をサーチする。
「墓地の『合成獣融合』は有翼幻獣キマイラが存在する時、手札に戻すことができる! 再び発動! 有翼幻獣キマイラと幻惑の魔術師で融合召喚! 『有翼幻獣キマイラ』召喚! よし!!」
「どいつもこいつも同じ名前になるなよ、ややこしいだろーが」
めんどくさそーにAiがこぼす。
幻獣魔王バフォメット(有翼幻獣キマイラ)
レベル6 ATK2400
「有翼幻獣キマイラは融合召喚時に、デッキからキマイラ種族のモンスターを墓地に送ることができる」
バフォメットの効果で、デッキからモンスターカードを墓地に送る。
「お馴染み『切り裂かれし闇』を発動し、そしてこのエンドフェイズ。既に発動していた有翼幻獣キマイラの効果により、お前の手札を一枚墓地に送る!」
「何!?」
「キマイラインパクト奪取!」
「だっせぇ」
先攻展開としてはまずまずといったところだろう。
「改めてこれで俺はターンエンド」
「やりたい放題やってくれやがってよー。いけるかPlaymaker」
「ああ。いくぞ、オレのターン!」
「おっと。悪いがもう少し俺の決闘に付き合ってもらうぜ。墓地の幻獣王キマイラを除外して効果発動!」
この有翼幻獣キマイラは、墓地から除外することで獣か悪魔か幻想魔族を蘇生できる。
「蘇れ『デーモンの根源』! そして『デーモンの召喚』を召喚!」
デーモンの根源
デーモンの召喚
レベル7(6) ATK2500
コアトルとミラーソードナイトがそれぞれ妨害効果を持っていて、根源も無効効果がある。
妨害は三つ……ハンデス込みなら四つか。
切り裂かれし闇で一枚ドローして、さあ、越えてみせろPlaymaker!
「まったく。ほんとにやりたい放題だなぁ」
「だが越えてみせる。永続魔法『サイバネット・コーデック』発動!」
「サイバネット・コーデック?」
あれはイグニス達が力を合わせて作ったカードのはず。
「『ファイアウォール・ディフェンサー』を召喚。現れろ。未来を導くサーキット! 場のディフェンサーと手札の『コード・ラジエーター』でリンク召喚、リンク2『コード・トーカー』」
「あー」
「コーデック、ディフェンサー、そしてラジエーターの効果を発動!」
「速かったな。墓地のコーンフィールドコアトルを除外して、ラジエーターの効果を無効」
止められてもどっちみち変わらないラジエーターを最後に組まれて、残り二つの効果、サーチとリクルートが通る。
コーデックでマイクロ・コーダーをサーチし、ディフェンサーでファイアウォール・ガーディアンが特殊召喚される。
おっと、これは。
「リンク召喚! 『サイバース・ウィキッド』」
素材になったガーディアンが蘇生して、ウィキッドの効果が起動する。
このデッキとは闘ってもう長いからな。
どうせ展開効果を止めても止まらないから、しばらく放っておこう。
「『セキュリティ・ドラゴン』の効果発動!」
「甘いぜ! ミラーソードナイトを除外し、その効果は無効にする!」
こういう盤面干渉が豊富だからな。こっちに妨害当てにいかないと、4000くらいすぐ削られてしまう。
それからウィキッドとマイクロ・コーダーでエンコード・トーカー。
「『バックアップ@イグニスター』を特殊召喚!」
「なに! バックアップ@イグニスターだと!」
知らない@イグニスターだ。
あ、チューナーだこいつ。ウィキッドでサーチしてたのこれか。
今度はこいつがサイバース・ウィザードの@イグニスターをサーチして、ウィザードは墓地のモンスターとセットで特殊召喚。
ええ、なにこのカード強。
「紫電一閃! 未知なる力が飛竜乗雲となる! シンクロ召喚! 降臨せよ! 『サイバース・クアンタム・ドラゴン』」
ここでクアンタムか。やっぱカッコいいよなこいつ。
で、最後に余ってた奴らでFWDがリンク召喚される。
「『ファイアウォール・ドラゴン』の効果! エマージェンシー・エスケープ!」
「させないぜ! デーモンの根源の効果! 俺の場にデーモンの召喚がいるなら、モンスター効果の発動を無効にし、破壊できる! 消えろファイアウォール・ドラゴン!」
「墓地のディフェンサーを除外することで、ファイアウォールリンクモンスターは破壊されない! バトルだ! クアンタム・ドラゴンで幻惑の見習い魔術師を攻撃! この瞬間、クアンタム・ドラゴンの効果発動! 相手モンスターを手札に戻し、もう一度攻撃できる! ドライブバックショット!」
このターンだけで三回目のバウンス効果なんだが。
さすがにもう無効妨害は無いので、幻惑ちゃんは手札に戻される。
「続けてクアンタム・ドラゴンでデーモンの召喚を攻撃!」
「忘れたか! 俺の場には既に切り裂かれし闇のカードがある! デーモンの召喚の攻撃力は、お前のモンスターの攻撃力分アップする!」
デーモンの召喚
レベル6 ATK2500→5000
「だがここでオレはエンコード・トーカーの効果を発動!」
「……なんだっけ?」
「自身より攻撃力の高いモンスターとバトルする時、クアンタムはこの戦闘では破壊されず、ダメージも受けない!」
デーモンに突撃しに来ていたクアンタムが途中で止まる。
「なに? これになんの意味が……」
「そしてバトルした相手モンスターの攻撃力分、エンコード・トーカーの攻撃力をアップする! いけ! エンコード・トーカーでデーモンの召喚を攻撃! ファイナルエンコード!」
エンコード・トーカー
リンク3 ATK2300→7300
ユウギ(仮)
LP4000→1700
「ぐわぁぁあ!」
「ファイアウォール・ドラゴンでバフォメットを攻撃! テンペスト・アタック!」
ファイアウォール・ドラゴン
リンク4 ATK2500
ユウギ(仮)
LP1700→1600
「くっ、やるな」
しっかり先攻制圧しようとしたのに。
「これでオレはターンエンドだ」
「おっと待ちな。有翼幻獣キマイラはやられても後続を残すモンスター。当然バフォメットも後続を残してくれる。有翼幻獣キマイラ召喚!」
「しつけーよ、そいつらもー!」
墓地のバフォメットは除外することで、除外されている他のモンスターを帰還できる。
これで幻獣王キマイラを呼び戻す。
Playmakerの場にはエンコード、FWD、クアンタム。
俺の場にはデーモンの根源と有翼幻獣。
「俺のターン! ドロー!」
■◆■
オマケ
ユ「ふ、初動にもなる幻惑の見習い魔術師を手札に戻すとはな。プレイミスだぜ、Playmaker!」
プ「どうせもう入ってないだろ」(慧眼の魔術師)
ユ「……これがリンクセンスか」
みんなしてどうして切り裂かれし闇をダメステでパワーアップして超えようとするんだ!
普通に破壊しなよ!