とある転生者達の青春記録(ブルーアーカイブ) 作:瓶詰め蜂蜜
青春の序章
目を覚ますと見渡す限りの荒野。空を見上げても灰色の雲に覆われ、今が朝か夜かも分からない。
視界の端に写った自分の髪を指で一摘みしてみる。銀色だ。転生前は黒く、こうやって見る事も出来ないほど短髪だったのに。
(本当に転生したんだ)
しかし、転生したは良い物の、どうしたら良いのか、目的も無いまま歩き始める。……前にふと、自分の中に不思議な繋がりが有るのを見つけた。
不思議に思ってそれに意識を傾けると、前世で言う掲示板のような物が脳裏に浮かんだ。
1:名無しの転生者
はい
2:名無しの転生者
はいじゃないが?
3:名無しの転生者
また転生者か
取り敢えず一言コメントすると、直ぐに反応が帰ってきた。顔も誰かも分からないが、一人じゃないというのは結構救いになるらしい。知らず知らずのうちに口元が綻ぶ。
5:名無しの転生者
取り敢えず、イッチはコテハンよろ
コテハン……か。何が良いのだろうか。何かヒントになるような物はないかと辺りを見渡すと、足元に割れた鏡の破片らしき物が有った。その中に写った、私の頭上に浮かぶものを見て、私のコテハンが決まった。
星の天使
この掲示板で出会った彼らとの付き合いが、これから始まる私の長い長い旅路の指針となるとは、私はまだ気付いていなかった。
例えるのなら、私の、私達の長い長い物語の一頁目。青春の序章……なのだろう。
青春の記録の前日譚 ー獅子座の場合ー
物が乱雑に散らかった部屋。その中で一人の少女が床に胡座をかきながら、機械をいじっていた。
「あー……駄目だな。これじゃ、すぐに破壊されちまう」
ボリボリと雑に頭を掻きながら嘆息する少女の名前は館神レイネ。転生者の一人で、アストラ学院においては上から数えたほうが早いほどの実力者だ。毎回学年試験総合1位の成績を誇る秀才。理工学技術部という部活の部長で、アストラ学院一の技術者兼開発者という肩書を持っている。
そして現在彼女は、
「……ったく、警備用のロボットを増やして欲しいだなんてよぉ。ミレニアムに頼むと金が多く掛かるから費用削減の為に任せたーって、人任せ過ぎんだろ」
と、転生者仲間であるモロハから頼まれた警備ロボットの制作に取り組んでいた。
「あの魚も魚だ。『予算が足りないのでー』って一言で済ませやがって。研究開発には多額の費用がかかるんだっつうの」
グチグチ言いながらも、結局レイネは安価な資材を使い、量産しやすく、性能も往来のものと遜色無い警備ロボを作り上げるのだった。
因みに一体のコストは諸々かかって25万。普通の産業用ロボットが一台100万からだと考えると、恐るべきである。