とある転生者達の青春記録(ブルーアーカイブ)   作:瓶詰め蜂蜜

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ArchiveⅩⅢ ペロロよ、永遠に

「あー……。そう言えばそのロボって名前は『自爆機能付き暴走ロボットドラゴン君』。そりゃあ、自爆機能も付いてるわな」

 

 ロボットを押さえつけている少女が呆れたように呟いた言葉に

、私達は思い出した。「あ、確かに」と。

 そして、私達は慌てて外に向かおうと出口へと走り出す。が、勢い良くシャッターが落ち、閉ざされてしまった。

 

「クックックックッ……どうせ捕まるのだったら死なば諸共、貴様らを巻き添えにし、派手に散ってやろうではないか!!」

 

 下敷きになっているロボットが叫び、笑う。

 打開策は無いかとあたりを見渡す。モモイ達は慌てふためき、ワカモは「はて、どうしましょう」と言ったふうに首を傾げている。ヒフミはペロロの縫い包みへと祈りを捧げて、ミフネはボンヤリと宙を見ている。アキラは余裕のある笑みを浮かべて居る。

 

「……って、自由すぎない!?君達!!」

 

 思わず声の限りツッコんだ。すると、ガツンッ!!ガツンッ!!とシャッターを叩く音が響き、少しずつ凹んでいく。その様を私達が呆然と見つめていると、遂に、シャッターを打ち破ってそれが姿を表した。

 どこを見つめているのか分からぬ瞳。力無くだらんと垂れた舌。黄色い鶏冠が風に揺れ、体と翼が白く輝く。

 そう、彼の名は……

 

「「「「「「ペロロ!?」」」」」様!?」

 

 モモフレンズのキャラクター、ペロロだった。

 ドラゴン君へとゆったり歩くペロロは、私と視線を合わせると、グッとその翼でサムズアップし、ドラゴン君を抱えると、勢いよく外に飛び出した。

 呆然としていた私達はハッとすると、慌てて後を追って外に出る。外に出てペロロの姿を探すが何処にも居ない。すると、

 

「みんな!!あそこ!!」

 

 と空を指差しモモイが叫んだ。モモイが指差した方向に目を向けると、そこにはドラゴン君を抱えて空へと跳んだペロロの姿が有った。そして、

 

ドッガァァァァァァァッン!!!!!

 

 爆炎の中に姿を消した。

 その姿を呆然と見上げる私達。風に吹かれて何かが私達の足元へパサリと落ちた。それを震える手でヒフミが拾い上げた。それは焼け焦げた黄色い布だった。

 

「ペ……ペロロ様ぁぁぁぁぁっ!!!

 

 黄色い布を握り締め、膝をついて泣き叫ぶヒフミ。アリスやモモイ、ユズ、ミドリも涙ぐんでペロロの勇姿を脳裏に刻みつけたのだった。

 

 

 

 

 

 その後の顛末を話すと、オークションを企てた奴等はOMFに全員捉えられ、後にヴァルキューレへと移送されるらしい。ネル達C&Cは確保目的だった『自爆機能付き暴走ロボットドラゴン君』が爆発四散してしまった為、不本意な形ながらも任務は達成したということになった。それに引き換え、アル達便利屋68は雇い主が捕まってしまった為、依頼失敗。報酬も無くなってしまった様だった。アキラとワカモはそれぞれ指名手配犯ではあるので、お礼を言う暇もなく、直ぐ様姿を消していた。ミフネたちアストラ学院側も、今回は二人を見逃してくれるらしい。

 モモフレンズのイベントは中止にならなかった為、私はゲーム開発部を加えた6人でイベントを回っていた。あのペロロの勇姿を見て、アリス達もモモフレンズに興味が湧いたらしく、ヒフミに色々と聞いて回っていた。

 私はそんな微笑ましい光景を見守りつつ、無事に騒動が済んだことに笑みを溢したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:ミフネ

 

 アストラ学院本校敷地、学院特区統治会館会長室。モモフレイベントも終盤に迫り、夜空をモモフレンズのキャラクターを模した花火が彩っている中、薄暗い部屋で一人ミフネは絵を眺めていた。

 

「なに絵を見て黄昏れてるんだ?会長」

「……ああ、シャウラですか。お疲れさまでした」

 

 ガチャリと扉を開けて部屋へと入ってきたシャウラに、ミフネは視線を向けずに労いの言葉を投げかける。

 シャウラはドカリとソファに腰を下ろすとアロマシガレットを取り出し咥え、火を付ける。

 

「ふぅー……。ったく、ペロロの格好をして爆弾処理しろなんて、無茶ぶりが過ぎるぜ?会長」

「この部屋は禁煙ですよ。……まあ、貴女は途中迄は敵側についていたのですから、顔バレはマズイでしょう?」

「硬いこと言うなよ。それはそうだけどさぁ」

 

 「ふぅー」とまた煙を吐くシャウラを、ミフネは呆れた目で見つめる。その視線が居心地悪かったのか、「分かったよ」と言って、携帯灰皿へ押し付け、火を消した。

 

「……それより、その絵は何なんだ?」

 

 吸い殻を灰皿の中に捨て、懐に仕舞うと、シャウラは興味深そうにミフネの持っていた絵へと視線を向ける。

 

「ああ、これですか。これはですね……」

 

 ミフネは愛おしそうに、そして懐かしそうに絵が収まった額縁を撫でる。

 

「昔、可愛い妹分が描いてくれた絵ですよ」




『黎明の少女』
 かつて、アストラ学院に所属していた啄木たくぼくツグミと呼ばれる生徒が描いた絵画。彼女は数多くの風景画を描き、現在でも高く評価されている芸術界隈では偉人と称されている。
 この絵は彼女が大切な誰かを思って描いたと言われており、荒野の中心で佇む少女の姿が哀愁を感じさせる。
 この絵のモデルとなったであろう人物は不明である。
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