とある転生者達の青春記録(ブルーアーカイブ) 作:瓶詰め蜂蜜
ミレニアムで2年に一度の祭り、晄輪大祭が遂に開催された。……が、晄輪大祭にはアストラ学院の星華証保持者は協定により種目に出場できなくなってしまっている為、各々は観戦を楽しんだり、出店を回ったり、屋台を営業したりと自由に過ごしていた。
そして、屋台が立ち並ぶ通りの一角、そこでは特設のステージが建てられ、二人の少女がライブを行っていた。
「『Twinkle Stars〜♪』………皆〜☆レスポンスありがと〜う☆」
「ま、まだまだLiveは続くので、ちゃ、ちゃーんと……付いて来て下さいっ」
「次の曲は〜♡」
「「『君の瞳はブラックホール』」」
盛り上がる観客席。そこにはキヴォトス市民の動物やロボット、そして様々な制服に身を包んだ生徒たちが居た。しかし、彼ら彼女らはお揃いの法被を纏っていた。
「いやー……相変わらずの人気っぷりだなこりゃあ」
特設ライブ会場から少し離れたところで、レイネはボソリと呟いた。と、そこへ、
「あれ?レイネ?」
「ん?ああ、先生か。どうした?」
「見回りの途中でね。それより、あの人だかりは?」
例のライブ会場に視線を向け、先生はレイネに質問した。レイネは「あー……」と唸り、言葉を纏めてから口を開いた。
「今、あそこで晄輪大祭特別ライブってのをやっててな。んで、ライブを行っているのはアストラ学院の2年生にしてキヴォトスで大人気のアイドル姉妹、カナデとシラベだ」
「カナデとシラベって……ええっ!?あの!?」
「おおう……。先生も知ってたのか」
先生の驚きように少し引いたようにレイネが問いかける。先生はその質問に激しく首を振って肯定した。
「知ってるに決まってるよ!!オーラ騎士ドンバインのエンディングテーマやスマホゲーム、クラブ・ふわりんの主題歌を歌っているんだよ!!……まさか、ライブが今ここで行われていたなんて……」
ガックリと肩を落として意気消沈している先生を呆れた目で見つめながら、レイネは声を掛けた。
「あー……先生?気を落とすなって。今からでも見れ……ドォォォォンッ!!!……ろって、何だぁ!?」
言葉の途中に唐突に響いた爆音に、レイネは思わず目を白黒させる。辺りをキョロキョロと見回すと、ヘルメット団が何やら喧嘩を始めていた。
「あー……言い争いがヒートアップでもしたか?……先生、どうする?」
「勿論止めるよ」
「やっぱそうなるよな。……手、貸そうか?」
愛銃の『レグルス』を見せつつ問い掛けるレイネに、答えようと口を開いた時、大きな声が響いた。
「あーっ!!ヘルメット団ー!!」
「わ、私達のライブを……邪魔しないでくだひゃい!!」
「……噛んでるよ、シラベ」
「あ、あうううう!!」
気が削がれたのか、ジト目でシラベを見るカナデ。恥ずかしさのあまりしゃがみ込むシラベに「全くこの子は」と言いつつカナデはシラベの腕を引っ張って立ち上がらせると、レイネを見た。
「おーい、そこで突っ立って見てないで、手伝ってよー」
「はいはい。ちゃんと報酬はもらうぞ」
「ちょっと何言ってるかわかんない☆」
「何で分かんねぇんだよ」
親しそうにレイネと話すカナデ。そして、レイネの横に居た先生に気づいたのか、シラベの手を引いてステージを降りタタッと軽やかに駆け寄る。
「貴方がシャーレの先生……ですよねっ☆私は姉のカナデでこっちが……」
「し、シラベです。……あっ、妹です。初めまして……」
「まあ、詳しい挨拶やお話なんかは、彼奴等を倒してからにしましょうっ☆」
「うん。そうだね」
カナデは嗜虐的な笑みを浮かべ、シラベは少しオドオドしつつ、レイネは不敵そうにそれぞれの得物を構えた。