とある転生者達の青春記録(ブルーアーカイブ) 作:瓶詰め蜂蜜
数時間前……。
トリニティ自治区、路地裏にて。シャウラは無表情のミフネに手渡されたペロロの着ぐるみ(ケイロンコーポレーション製)を手に持ち、忌々し気に見ていた。
「……なあ」
「既に多数決で決まったことです。……あなたに拒否権はありませんよ。残念ながら」
ズバッと言い切るミフネ。その言葉に更に表情を歪めるシャウラ。
「……私のキャラ的に似合わない気が……」
「大丈夫。アストラ学院勢はいわゆるぐだぐだ時空を採用しています。ノッブとオッキー的な感じです」
「やだよ、あんなカオスな本能寺」
「はぁーーーー」と、思いっきり大きく長く溜息を吐くと、嫌々そうにペロロの着ぐるみを着込むシャウラ。
「さて、シャウラ。……いえ、今後はペロロレンジャーと呼びましょう」
「呼ばなくて良い」
「……なら、シャウラのままでいきます。コホン、……さて、シャウラ。貴女は今から六番目のπレンジャーとしてあの戦場に参加して貰うことになります。元々の五人とは別行動の上参入しますが、入るタイミングは貴女に任します。なにせ、追加戦士の初登場シーンですから。出来うる限り格好良く、美味しい所を奪いながらの登場をお願います。それと、名乗りと動きはちゃんと頭に入れましたか?特撮の変身ヒーローを元にしているんです。きっちり名乗りもパロらないと、パロディとは言えません。そこは手を抜かないで下さい。あとそれから……」
「もう良い分かったありがとう!!」
ミフネのマシンガントークを強制的に終わらせると、着ぐるみを着てペロロになったシャウラはまだ言いたりなさそうな表情のミフネから逃げるように路地を後にした。
そして現在……。
「君は、一体……」
サオリの投げたヘイローを破壊する爆弾の爆発から自分を庇ったペロロに、先生は戸惑ったように声を掛ける。すると、
メリメリメリメリ……
「!?」
唐突にペロロの背中に亀裂が出来た。まるで羽化するセミのように。
「ふぅ~……」
そして、ペロロから脱皮して姿を現したのは、ペロロの仮面を付けた、アストラ学院の生徒だった。
「……はい?」
混乱したかのように……というか、絶賛大混乱中であろう先生は、絞り出したかのように特に意味のない言葉を吐いた。
そんな先生の眼の前で「よいしょ」と完全に這い出る生徒。地面に力なくペタリと落ちるペロロの抜け殻。
「アー……コホン ペロロレンジャー!!対熒星、シャウラ!!」
そう言って、キレッキレの動きでやけくそ気味に名乗りを上げるシャウラ。
そして、先生はその光景を見ながら、心の中でこう叫んだ。
……と。
「……また珍妙なやつに邪魔されたかっ!!」
気を取り直したのか、サオリが憎たらしそうに吐き捨てる。それに対して、自覚があったのか、「あー……まあ、ね。……なんか、ごめん」とシャウラが小声で言ったのを先生は聞き逃さなかった。
タイトルの元ネタはダイレンジャーのサブタイトル。
対熒星は火星に対抗する星から来てます。決して蛍(原神)に対抗する星ではない。