ポケットモンスター対RPG   作:モッチー7

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第10話:時は巨乳男の娘に試練と成長を与えた。

1度はグートミューティヒの許を去ったアムだったが、あの時取り逃がした山賊の事を思い出し、

「先にあいつを殺すのはこの私よ。あんな糞野郎じゃない!」

とか言って再びグートミューティヒの尾行を始めた。

しかも、下半身を変化させて人間に変装してだ。

「どうやら……アイツはまだ来ていない様ね?」

一方のグートミューティヒは暢気に買い物をしていたが、ある物が売っていないので店員と揉めていた。

「あ。珍しい。あの糞女……じゃなかった糞男も人を困らせる事も有るんだ」

で、結局無いと言われたグートミューティヒが突然引き返したので、アムは慌てて物陰に隠れた。

(おっと!)

そのまま全速力で走り去るグートミューティヒを観て困惑するアム。

「……どう言う事……?」

 

グートミューティヒが辿り着いたのは、かつてスカルオクトパスに穴場を奪われた薬草狩りの青年だった。

「お前!まーたあの穴場を奪われたのか!?」

グートミューティヒとの予想外の再開に驚く青年。

「えー!?戻って来たのぉー!」

だが、慌てる青年を無視して問い詰めるグートミューティヒ。

「そんな事より!またあの穴場を奪われたのか!?」

「……何で解った?」

「どの店行ってもアンチドーテが品薄だったからね」

「あ……なるほどね」

青年は観念して薬草狩りの時に起こった出来事を語った。

「またあの蛸が?」

「ああ。しかも、そいつはアンタを探してる様だった」

「僕を?」

「その蛸に言われたんだ。『お前か?俺の仲間を殺してせっかく枯らしたカモミールやヘンルーダを元通りにしたのは』って」

グートミューティヒはスカルオクトパスの身勝手さを思い出して不満げになる。

「……どうやら、あの程度のお仕置きじゃ足りない様だね。あの蛸は」

立ち上がるグートミューティヒを観て慌てる青年。

「まさか!?行くのか!?」

「当り前です!自分がどれだけ悪い事をしているのかを解らせる必要が有ります!」

「でも、アイツはアンタが来るのを待ってるんだぞ?」

グートミューティヒは自信満々に振り返った。

「こっちだってただダラダラと旅をしていた訳ではありません。もう2度とこのような迷惑行為が出来ない様にしてやりますよ!」

 

そんな会話を立ち聞きしていたアムは、スカルオクトパスならと期待はしたが……

(スカルオクトパスならあの糞男に勝てるかもしれない……でも……)

アムはふとスカルオクトパスの自分勝手な態度に対する不満と文句が思い浮かぶ。

「誘き寄せるだと?追い払うの間違いではないのか?」

「私達が馬鹿な人間を誘き寄せ、アンタが馬鹿な人間を食う。それで良いじゃないか」

「おれの手を煩わせる気か。俺の出番が来る前に追っ払えば良いものを……たく!使えねぇなぁー」

グートミューティヒにスカルオクトパスを叩きのめして欲しいと言う願望を抱いてしまったアムは、邪念を振り払う様に慌てて首を激しく振った。

「何考えてるのよ私!?スカルオクトパスがあの糞男を叩きのめせば良いだけの話よ!それなのに……」

だが、どうしても思い出して比較するは、グートミューティヒの優しさとスカルオクトパスの自分勝手。

それがアムのグートミューティヒ討伐の意志を揺るがせる。

「……私は……」

 

グートミューティヒは早速スカルオクトパスの手下のゴブリンに遭遇する。

「カカレッ!」

「タッタ1人デ馬鹿メ!」

「身包ミ剥イデヤレ!」

グートミューティヒは頭を掻いた。

「これがデジャブか?」

結局、アムの予想通りゴブリン如きじゃグートミューティヒには勝てなかった。

「ナ!?何ダ!?」

「何デコイツラハ俺達ヲ襲ウ!?」

「コイツラ、魔王様ノ配下ノモンスタージャナイノカヨ!?」

「これがデジャブか?」

「駄目だこりゃー」

で、圧倒的な実力差によって殺意を失ったゴブリン達であったが、

「いいぜ。逃げな」

「エ?逃ゲル?」

ゴブリンは予想外の言葉に困惑する。

「俺達ヲ……殺サナイノカ?」

「そんな事をしなくても……もう決着は着いた。これ以上は既に戦いじゃない」

だが、疑り深いゴブリン達は直ぐには逃げなかった。

「嘘ダ!本当ハ俺達ヲ後ロカラグッサッテヤルンダロォー!」

グートミューティヒは困りながら頭を掻いた。

「疑り深いねぇ……君、猜疑心に殺されるタイプ?」

蔭で観ていたアムはゴブリンに同情した。

「ま、あんなに強い奴に無防備な背中を見せたくない気持ち……解るわ」

だが、グートミューティヒの更なる言葉にゴブリンの恐怖心は更に高まった。

「でも、僕がこのままスカルオクトパスの所に辿り着いたら、君らの命の保証は無いよ?」

「ハ?」

「何デ?」

「それどころか、僕と一緒にスカルオクトパスの許に戻ったら、君達は間違いなくスカルオクトパスに殺されるよ」

「エッ!?」

グートミューティヒの脅し文句を陰で聞いていたアムは、『スカルオクトパスにグートミューティヒを斃させる』と言う思惑が更に揺らぐ。

(言われてみれば……アイツはツノクジラと違って、私達ダークマーメイドの常套戦法に寛容じゃなかった……寧ろ……)

「だから、今回の敗北が奴にバレる前に……逃げな」

この言葉を契機に、ゴブリン達は一目散に逃げた。物陰に隠れたアムには目もくれずに。

「……本当に逃がした!?」

アムの迷いは更に深まる一方だった……

 

「そこの小娘、何故貴様がここにいる?……あの役立たず共がぁー!」

スカルオクトパスの自分勝手な言い分に呆れるグートミューティヒ。

「相変わらずな自分勝手だな?もし、さっき遭ったゴブリンと一緒だったら、そのゴブリンはどうなる?」

「かあぁー!」

グートミューティヒに向かって吐き捨てた岩が、スカルオクトパスの答えだった。

「結局……今回もその程度か!?」

グートミューティヒがモンスターボールからフカマル、ブビィ、ポワルンを出した。

「ポワルン!にほんばれだ!」

ポワルンが祈ると、日差しがどんどん強くなっていく。

「ブビィ!ほのおのうずだ!」

激しく渦を巻く炎の中に閉じ込められるスカルオクトパス。

「ぐおぉーーーーー!」

スカルオクトパスがもがき苦しむ中、グートミューティヒがダメ押しの攻撃をフカマルに命じた。

「フカマル!すなじごくだ!」

激しく吹き荒れる砂嵐がスカルオクトパスを苦しめる。

「ぐがあぁーーーーー!」

 

グートミューティヒ達は様々な戦いを経て強くなった。

かつては火の粉程度の炎しか吐けなかったブビィは、ほのおのうずを放てる程逞しく成長した。

始めてスカルオクトパスと戦った時はすなかけしか出来なかったフカマルも、今ではすなじごくを使いこなしている。

そして、ポワルンは待望の天候操作技を身に着けて他のポケモンをサポート出来る様になった。

人助けの為にボスモンスターを倒し続けた事は、グートミューティヒを強くしており決して無駄ではなかった。

最早、スカルオクトパスはグートミューティヒの敵ではなかったのだ。

 

「グ……ぐおぉーあぁーーーーー!」

グートミューティヒとの圧倒的な実力差を思い知ったスカルオクトパスが慌てて逃げるが、そこに不満げなアムが立ち塞がっていた。

「……あむ?……」

予想外の展開に困惑するグートミューティヒ。

一方のスカルオクトパスはアムを盾にするかの様にアムにすれ違おうとするが、その直前に感電してしまい逃げ足が停まる。

「がぐ!?何!?」

「アム……お前まさか……」

アムは不満げな状態のまま、スカルオクトパスに質問した。

「ねぇ、あの糞男をアンタの眼前に連行したゴブリンをアンタが殺したそうだけど、それって本当?」

グートミューティヒはアムの質問がどんな結果を生むのかを悟り、慌てて口を挟んだ。

「やめろアム!どの道そいつはほのおのうずとすなじごくになぶり殺される!アムが手を出す必要は無い!」

だが、アムはスカルオクトパスへの質問を辞めない。

「答えなさい。あの糞男をアンタの眼前に連行したゴブリンはどうなるの?」

「考え直せアム!アムがそいつにトドメを刺せば、アムは魔王軍での居場所を失うぞ!」

だが、グートミューティヒの懇願も虚しく、スカルオクトパスは必死にアムに命令するだけであり、アムはそれを消極的な肯定と判断してしまった。

「やあぁーーーーーめえぇーーーーーろおぉーーーーー!」

「……消えろ!」

アムは、グートミューティヒの制止を振り切って無重力化したスカルオクトパスを天空に投げ捨てた。

「何故だあぁーーーーー!?」

「アム……なんて事を……」

そして……アムに投げ捨てられたスカルオクトパスは地上に戻る事無く星となった。

 

怒りに任せてスカルオクトパスを倒してしまったアムを心配するグートミューティヒ。

「……本当に……これで良かったのか?」

「何がよ?」

「決まってるだろ……アイツをやっつけたのがお前だなんて……」

「だってムカついたんだよ」

今のアムは気に入らないスカルオクトパスを倒してスッキリしているが、考えてみればアムの今後が怖いのだ。

「……お前……魔王軍を裏切った事になるんだぞ?」

グートミューティヒの言い分の意味が解らず首を傾げるアム。

「何で私が魔王軍を裏切った事になるのよ!」

グートミューティヒは軽く混乱した。

「いや、何でって……アイツは毒を武器にするモンスターだろ?」

「そうよ。で?」

「毒を武器にするモンスターにとって解毒剤であるアンチドーテの生産量は死活問題」

「だから何よ?……あれ?」

やっと事の大きさに気付き始めて少しずつ蒼褪めるアム。

「で!あの大蛸はアンチドーテの材料を大量に入手できるこの穴場を占拠した。それを君は―――」

ここでアムが逆ギレする。

「今更そんな事言われても、もう遅いわよ!」

呆れるグートミューティヒ。

「だから君は慌ててるんじゃないか」

グートミューティヒの正論に対して何も言えないアム。

「そ……それは……そうだけど……」

頭を抱えるグートミューティヒ。

「……やっぱり……感情のみで判断するのはリスクが大きいな?」

 

で、困り果てたアムが出した答えは、

「で……何時まで付いて来る気だよ?」

「あんたの隙を見つけるまでよ。精々気を緩めない事ね」

結局、アムはいつも通りグートミューティヒに付き纏うのであった。

「このツンデレめぇ……」




スカルオクトパスLv9

HP:700
EX:50
耐性:毒
弱点:雷
推奨レベル:3

人間の頭蓋骨の姿の大蛸。口から岩や毒液を吐いて攻撃してくる。
冷酷で自分勝手な性格で、敵に脅迫された部下を容赦なく殺害したりアンチドーテ制作を邪魔する為に薬草採取を妨害したりする。
因みに、勇者マドノの予想推奨レベルは7。

攻撃手段

触腕:
腕を振り下ろす攻撃。

締め上げ:
触腕で締め上げる攻撃。

岩:
正面に岩を吐き出して攻撃する。

毒液:
緑色の毒液を山なりの軌道で飛ばす。地面に落ちても水溜りとなってしばらく残り続ける。
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