ポケットモンスター対RPG   作:モッチー7

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第24話:星空の勇者

謎の殻ことカプ・レヒレの見当違いな言葉に困惑するグートミューティヒ達。

「……何……言ってるの?」

「そうよ。だって星空に選ばれたのはマドノであって」

「そこの女装糞男じゃないわよ!」

が、カプ・レヒレはグートミューティヒの胸元を指差してこう指摘する。

「それは、星空の勇者が勇者バッチを無くしたからですか?」

その言葉にマシカルはドキッとした。

「バッチを無くす……じゃあ、マドノのあのバッチは何だ?」

カプ・レヒレはあっけらかんと答えた。

「彼が捨てたバッチを拾ったのです」

マシカルは絶叫した。

「……拾っ、たあぁーーーーー!?」

絶叫しながら混乱するマシカルを無視してカプ・レヒレが話を続ける。

「ま、あのバッチは星空の勇者に星空に選ばれた事を自覚させる為に在り、その役目を終えた時点で大切に持ち歩く必要はありません」

マシカルは、バッチを魅せびらかして自分が星空の勇者だと主張するマドノが一気に滑稽な存在に見えた。

「持ち歩く必要が無い……つまり、胸元に着けて偉そうに魅せびらかす必要も無いと?」

「そうです」

そして、マシカルはマドノを星空の勇者だと勘違いして、マドノ率いる勇者一行に居座ろうと様々な努力をしてきた自分が滑稽な存在に見えた。

「そうです……私の今まで頑張りは……一体……」

一方、アムは人間達に騙されたと思い込んでグートミューティヒに文句を垂れた。

「あんた!よくも騙してくれたわね!?」

が、身に覚えが無いグートミューティヒは慌てて釈明する。

「え!?俺は知らないよ!知ってたらマドノみたいに名乗るし―――」

「嘘おっしゃい!どうせアイツはただの影武者なんでしょ」

そして、アムはグートミューティヒの釈明を無視してどっかに行ってしまった。

「待って!」

が、カプ・レヒレはアムの心情を理解してグートミューティヒを制止する。

「今は無理です。様々な勘違いに囚われています」

その途端、グートミューティヒは激怒した。

「その勘違いを植え付けたのは……あんただろう!」

そして、モンスターボールを起動させてカプ・レヒレを攻撃しようとするが、山賊頭に化けたサイクロプスのメスと戦っていた時に聞こえた謎の声がそれを制止する。

「よせ!この者は敵ではない!本当の敵は―――」

だが、アムやマシカルとの絆を失いかけて大激怒のグートミューティヒは聞く耳持たない。

「黙れ!物陰に隠れて声しか出さない奴を誰が信じる!」

一方、この場で最も冷静な存在になってしまったカプ・レヒレは、とんでもない事を言いだした。

「なら、実際に遭って視たらどうだ?」

未だに怒りが収まらないグートミューティヒは、カプ・レヒレと謎の声がグルだと判断する。

「お前も……あの卑怯者の仲間か!」

その途端、またしても謎の霧がグートミューティヒ達を襲った。

 

グートミューティヒとマシカルが目を覚ますと、そこは神々しい礼拝堂の様な場所だった。

「ここは?」

マシカルが飛ばされた場所に疑問を持つ中、未だ激怒のグートミューティヒはカプ・レヒレを探した。

「……あの野郎……逃げやがった……」

カプ・レヒレの行方を見失うも、その代わりに謎の声がグートミューティヒに声を掛けた。

「私はここにいる」

グートミューティヒが慌てて振り向くと、そこには台座に置かれた光の玉があるだけだった。

「……何……これ?」

マシカルが理解に苦しむ中、グートミューティヒの怒りは漸く治まった。

「これは……」

そして、グートミューティヒは恐れる事無く光の玉に触れた。

「え?……大丈夫なの?」

未だ混乱中のマシカルを無視して、光の玉に触れながら考え込むグートミューティヒ。

(これは……歴代の星空の勇者の記憶……)

歴代の星空の勇者の経歴がグートミューティヒの脳裏に流れ込む。そして、その中にグートミューティヒの今日までの経歴も含まれていたが、その中にマドノの姿は無かった。

(あの殻の言う通りだった。でも、なぜ僕はマドノにあのバッチを渡した?アムの言う通りマドノを影武者にする為か?……いや、あんなポケモンが可哀想な事を僕が率先してやるか?)

その疑問は、グートミューティヒ自身の赤ん坊の時の記憶を思い出した時に解けた。

「そうか……俺は捨て子で、その時にマドノにバッチを奪われたのか……」

グートミューティヒの言葉にマシカルがまた驚いた。

「奪われたあぁーーーーー!?星空の勇者の証であるあのバッチをおぉーーーーー!?」

マドノ率いる勇者一行のメンバーだった頃の自分を散々否定されて愕然とするマシカル。

「騙された……あらゆる意味で……色々な者に……」

そして、自分を騙し続けた……もとい!魔王軍と戦い続ける人類を騙し続けたマドノへの怒りが沸いた。

「あの野郎……とんでもない詐欺師だぞ!打ち首獄門レベルで!」

一方、自分自身を含めた歴代の星空の勇者の経歴を視たグートミューティヒは、光の玉に声を掛けた。

「お前、持ち主に合わせてその姿を変えるらしいな?」

「そうだ。だが、お前がなかなか来なかったので、正直焦ったぞ」

「そりゃどうも。待たせて悪かったね」

「で、どの様な武器が欲しい?私はどんな武器にでも成れるぞ」

だが、グートミューティヒはそれを否定する。

「いや、僕が欲しいのは武器じゃない」

「何?」

グートミューティヒは真剣な顔で自分の主張を口にする。

「ポケモンとの共存だ!だから、僕は少しでもポケモンの役に立ちたい!ポケモンと人間の懸け橋になりたい!僕が作るはポケモンと人間が共生出来る世界!」

グートミューティヒの宣言に、マシカルはアムの勘違いを呪った。

「アム……あんた馬鹿だよ。あんなモンスターの戯言に騙されて、かつての仲間の心根を疑って、本当に大切な物を失って」

 

光の玉が鎮座する神殿から出たグートミューティヒとマシカルの前にカプ・レヒレが現れた。

「ようやく手に入れた様ですね?神具球を」

グートミューティヒの両腕の手甲を視てカプ・レヒレは満足気に頷き、グートミューティヒもまた頷いた。

「ならは……その力をどこまで使いこなせる様になったか……試させて貰う」

カプ・レヒレの突然の言葉に驚くマシカル。

「え?どう言う意味?」

「つまり、戦いです。漸く神具球に辿り着いた若き星空の勇者よ、この私と戦い、神具球の力を理解しなさい!」




カプ・レヒレLv49

HP:7875
EX:4590
耐性:炎、水、氷
弱点:雷、毒
推奨レベル:32

白魔界の四大守護神の1体。水を操り深い霧の奥に棲んでいるとちがみポケモン。
グートミューティヒが星空の勇者の役目の1つである神具球入手を遅々として進めない事に苛立ち、グートミューティヒ達を白魔界に誘導して真相を語った。
その後、神具球を手に入れたグートミューティヒの力を試すべく戦いを挑んだ。
因みに、勇者マドノの予想推奨レベルは62。

攻撃手段

黒い霧:
周囲に黒い霧を発生させて対象者の能力変化を元に戻す。

白い霧:
周囲に白い霧を発生させて自身の能力低下を防ぐ。

ムーンフォース:
上空に呼び出した月の光を集め、ミルク色のエネルギー弾や頭上からのビームとして放つ。

水鉄砲:
水弾を勢いよく発射する。

濁流:
濁った水流を発射して攻撃する。対象者の命中率を下げる事がある。

殻に籠る:
殻に潜りこんで身を守り、自分の防御を上げる。

ガーディアン・デ・アローラ:
地割れから金色の首無し巨人が現れ、殻を閉じたカプ・レヒレが巨人の首として合体。その状態で歩行する。一定時間を経過すると元の大きさに戻る。
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