ポケットモンスター対RPG   作:モッチー7

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第28話:マシカルの覚悟と成長

高等魔法を使用しようとすると詠唱時間が長くなってしまうと言う欠点を改善出来なかった故にマドノ率いる勇者一行を解雇されたマシカル。

マシカルはその事を恥じて早口言葉を練習などの努力を行って詠唱時間が長くなる欠点を改善しようとするが、結局、マドノの我慢に間に合わなかったマシカル。

グートミューティヒはその欠点を防御担当の怠慢だと庇ったが、それに甘えては何時まで経っても詠唱時間が長いと言う欠点は改善されないと感じだマシカル。

だから……

「やばい!メタルクローだ!」

マシカルはカプ・レヒレの子飼いのルカリオであるルルと一騎打ちをしていた。

ルルの更迭の爪をバックステップで躱すと、マシカルは火の初級魔法であるファイアーを放つが、ルルもまた簡単に躱してしまう。

「やっぱりね。なら!」

マシカルは今度は火の中級魔法であるポルガノンを放とうとするが、その前にルルが一足先に光弾を放った。

「防御だ!今度ははどうだんだ!」

「は!?」

だが、グートミューティヒの叫びは間に合わず、ルルのはどうだんをもろに食らってしまうマシカル。

「チッ!やはり中級以上の魔法の詠唱は時間が掛かるか……」

しかも、ルルはそこまで甘くなく、

「マシカル!今度はしんそくだ!」

気付いた時にはルルはマシカルの眼前にいた。

そして、ルルは両手を突き出して前方に波動を放った。

「はっけん……終わりだ」

マシカルは為す術無くうつ伏せに倒れた。

グートミューティヒにとっては最初から解っていた結果だった。

ウォーロックとかくとうタイプのポケモンとの相性は最悪だと。

 

ルルとの戦いで失神してしまったマシカルは、今までの事を思い出していた。

「ねえママ、綺麗でしょ?」

マシカルは早い段階から魔法の才能に目覚めていた。

それ故にマシカルが傲慢になるのも早く、喧嘩早い性格も手伝ってか早々とトラブルメーカーとなってしまうが、悪行を繰り返す盗賊や強盗を打倒すると皆から褒められる事もあってか、マシカル自身はそこまで気にする事は無かった。

「雑魚がイナゴの真似事をしたってモテないわ、よ!」

その後、王立魔法学院をたった15歳で卒業して、それが縁で星空の勇者マドノ率いる勇者一行のメンバーとして起用され、このままマドノと共に魔王討伐の手柄を得て、自分の栄光だらけの人生に更なる華を与えるものとばかり思っていた……

(せいぜい頑張りなさい。星空の勇者であるあんたが大活躍して善行を積めば、それに比例して私の名声も鰻登りになるんだから)

だが……

マドノ率いる勇者一行に対して大した猜疑心も抱かずにホイホイついて行ってしまった事が、マシカルは規格外の天稟に頼った雑魚狩りで得た偽りの栄光の代償を支払う運命を背負ってしまうのであった。

「あのぉー……このクエストを無視するんですか?」

「馬鹿かお前?俺達はまだそこまでのレベルじゃないだろ」

元々、手柄や名声を重視しサブクエストに直ぐに手を出すマシカルと、慎重派でサブクエスト攻略よりレベルアップを目的とした雑魚狩りを優先するマドノとでは、何時まで経っても性格が一致する筈が無い。

無論、マシカルはこの事を不満に思いストレスは溜まる一方だった。

更に、グートミューティヒとの遭遇によって、自分達が今まで得ていた偽りの力が只のメッキに過ぎない事実だと思い知らされる事になった。

ポケモントレーナーと言う職業柄『広く周囲に目を配り観察する』という癖が染みついてるグートミューティヒの前では、レベルアップを目的とした雑魚狩りで得た偽りの力は文字通りの一夜漬けの付け焼刃に過ぎなかった。

だが、マドノはグートミューティヒに負けた理由をマシカルが自分達の足を引っ張ったと決めつけ、戦力外通告及び追放を宣言する……

グートミューティヒ視点で視れば、ゴーストタイプのポケモンの特性を最大限に活かせる作戦が見事に決まった知恵の勝利なのだが、完全にお門違いの理由でマシカルはマドノ率いる勇者一行を解雇されたのだ……

それを不憫に思ったグートミューティヒに拾われ、マシカルがずっと気になっていた自身の欠点である『高等魔法は詠唱時間が長い』に対してその為の時間稼ぎを行う防御担当が真面目にマシカルを護らなかった事が悪いと言ってくれたが、勇者一行を解雇された事を挫折としか思っていないマシカルにとっては何の慰めにもならなかった……

そんなマシカルに駄目押しとなる一撃が待っていた……

「彼(グートミューティヒ)が捨てた(星空)バッチを(マドノが)拾ったのです」

カプ・レヒレが語った真実は、マドノ達との出逢いによって目覚めた野心を全否定する衝撃なものであった。

アムの様な裏切り行為に対する毅然とした態度をとる気力すらなかったマシカルは、星空の勇者専用装備である神具球の力で、ポケモンのメガシンカを促す『メガガントレット』とポケモンのZワザを促す『Zガントレット』を得てカプ・レヒレに勝利したグートミューティヒを観て、自分が今まで得ていた偽りの栄光が只の児戯に思え……

 

マシカルは介護する為に持ち上げようとしたグートミューティヒの手を払った。

「え……」

「……は?」

グートミューティヒもアムもカプ・レヒレも、マシカルがもう起きた事に驚いた。

「……まだよ……私の手柄と名声は……まだ終わってない!」

マシカルの目に宿る闘気に怯える様に臨戦態勢をとるルル。

一方、重傷である事を証明するかの様にゆっくりと立ち上がるマシカルを心配するグートミューティヒだが、マシカルは気丈にその心配を遮る。

「本当は……あんたが星空の勇者……なんでしょ?……なら……こんな……所で……役立たず認定……を……受けてる場合じゃないのよ!」

「マシカル?」

マシカルが完全に起き上がるのを待ちきれなくなったルルがしんそくを使ってマシカルに急接近するが、

「他に防御担当がいないなら……私が防御担当に成れば良いのよ!」

マシカルは手にした杖でルルのいわくだきを防いだ。

「嘘!?」

予想外の展開に驚くグートミューティヒであったが、マシカルがグートミューティヒを驚かせる行為はこれだけではなかった。

今度はルルがバックステップするが、マシカルが呪文を詠唱しながらルルの動きに合わせ始めた。

「な!?」

「よくよく考えたら……足を止めながら呪文詠唱をするって誰が決めたのかしら!?」

そんなマシカルの覚醒に危機感を抱いたルルは、再びしんそくを使ってマシカルに近づくのだが、マシカルは待ってましたと呪文詠唱を再開した。

「わざと詠唱を遅延させたのか!?」

マシカルのウィンドをもろに受けたルルが吹っ飛ぶが、マシカルはルルに向かって走りながら呪文詠唱を行った。

「……勝つ気なのか?魔法使いがかくとうタイプのポケモンとの1対1に……」

「どうやらその様です」

ルルが慌ててメタルクローを放つが、マシカルはそれを紙一重で躱すと、悪意に満ちた微笑みを浮かべる。

「技選びを間違えた様ね……ライナロック!」

巨大な爆発がルルを包んで吹き飛ばす。

マシカルはこのままルルを追撃しようとするが、グートミューティヒの方をチラッと見ると、マシカルは足を止めてガッツポーズをした。

「私の勝ちね。もう良いでしょ?」

カプ・レヒレは失神したルルを診て、マシカルの勝利を宣言した。

「そうだな……君の勝ちだ!」

その間、グートミューティヒは驚きっぱなしであった。

「魔法使いが……本当にたった1人でルカリオに勝っちゃったよ……」

 

激戦を繰り広げていたマシカルとルルをリブローで治療していたグートミューティヒの許に、アムが申し訳なさそうにやって来た。

「あのぉー……盛り上がってるところ悪いんだけど……」

「アム!?本当に戻って来てくれたんだね!?」

それに対し、アムは困った顔をしながらバツが悪そうに話し始めた。

「あんたがマドノを星空の勇者の影武者にした事に関するあんたの謝罪を聴きたい人がいるんだけど」

「……僕が誰に謝れと?」

アムは説明した。

グートミューティヒが本当の星空の勇者であった事実の事で喧嘩別れした後、運が良いのか悪いのかマドノの両親と揉めてしまい、そこでマドノの両親の子を思う親心故の本音に触れ、彼らについグートミューティヒの正体を白状した事。

それに引き換え、魔王軍に属するモンスター達は未だに魔王の選民詐欺に騙されて人間を侮り見縊り見下している事。

だからこそ、アムはグートミューティヒが星空の勇者の事を隠していた事を腑に思わない事もあるが、それでもグートミューティヒの許に戻らなきゃいけないと判断した事を。

アムの話を聴いたマシカルが起き上がると、

「どうやら……これ以上この白魔界に居座る訳にはいかない様ね」

グートミューティヒも同意した。

「遭わせて!その、マドノの両親に!」




ルルLv49

HP:1333
EX:4590
耐性:炎、土
弱点:毒、氷
推奨レベル:32

カプ・レヒレ配下のルカリオ。
元々は星空の勇者の本分をなかなか実行しないグートミューティヒを白魔界に連行する為に動員されたが、『高等魔法の詠唱時間が長い』と言う欠点を克服したいと願うマシカルと一騎打ちをする羽目となった。

攻撃手段

いわくだき:
岩をも砕くパンチで攻撃する。相手の防御を下げる事がある。

メタルクロー:
鋼鉄のツメで相手を切り裂いて攻撃する。自分の攻撃が上がる事がある。

はどうだん:
波導の力を集中させ弾にして打ち出す。波導の高まりと溜めによって更に強力に。

はっけい:
自分の前方に波導を放つ。密着して出せば掴み攻撃になる。

しんそく:
好きな方向へ素早く突進して攻撃。突進中に進行方向を変えらえる。
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