NEXTジェネレーションズ Day After Tomorrow ~仮面ライダーダークドライブ~ 作:大島海峡
無尽蔵に沸き続ける敵が、ゲイツとジュウガを囲む。
もはや序列も棲み分けも関係ない、混戦となっていた。
望む望まざるとに関わらず、その包囲の円の中心で、両ライダーは背を預け合うかたちになる。
「で、これはいつまで続ければ良いのかな」
そう問うジョージに、
「少なくとも、この世界の方向が定まるまで。泊英志とシンジの戦いにケリがつくまでだ」
と、ゲイツはシンプルに答えを返す。
なるほど、と一つ頷いた
「残り時間は少ないが、精一杯足掻かせてもらうよ。ゲイツ、チームアップだ!」
「知るか。俺は俺で勝手にやるだけだ」
「結構! ではその露払いはさせてくれ」
そう言うや、ジョージはその手にスタンプを握り、
〈ライオン!〉
バックルの左サイドへ押印した。と同時にゲイツの背に迫る未確認生物へと向かって飛んだ。
〈アブゾーブ・クウガ〉
〈ライオン・マイティアタック!〉
そしてその胸板に、キックを叩きつける。
刻まれる獅子の烙印。そこを基点に流し込まれるエネルギーが敵の内部にて膨れ上がり、爆発した。
〈G3!〉
その華ある活躍の裏で、ゲイツは自らの手の内に精製した無骨な小銃、
それでもなお止まぬ攻勢に対して放棄して、
〈トリケラ!〉
〈アブゾーブ・アギト……トリケラ・グランドアタック!〉
返す刀ならぬ、返すキックでもって。
今度は地面に浮かび上がらせた紋様を足裏に吸収し、飛び上がって反対側の敵へと蹴り穿つ。
着地の瞬間には、すでに別のスタンプを押し込んでいた。
〈コモドドラゴン! アブゾーブ・龍騎〉
ジュウガの腕にはその力を物質化した武装、コモドドラゴニックヒートが展開される。
鈍く光るその口に、火焔が渦巻く。
「チィッ、なんだってコモドドラゴンなんかに龍騎の力が宿ってる?」
〈ナイト〉
その準備が整う合間に、ぼやくゲイツはレイピア型のカードリーダー、ダークバイザーにカードをセットする。
〈ナスティベント〉
高層ビルの窓の反射より抜け出た蝙蝠のミラーモンスター、ダークウイングの口から発せられた超音波が、彼らを襲う第二波の足を止める。
〈コモドドラゴン・ファイナル・アタック!〉
そして逆にその停滞に乗じた咆哮とともにコモドドラゴンの力が放たれる。業火が、敵のことごとくを焼き尽くす。
〈アブゾーブ・ダブル! イーグル・マキシマム・アタック!〉
その残火を巻き込んだ風が、渦を巻いて敵を成すすべなく宙に浮き上がらせる。
〈アクセル!〉
〈エンジン! マキシマムドライブ!〉
その竜巻ごとに、ゲイツはエンジンブレードで敵を両断するとともに、膝に負担のかからないような曲げ方をしつつ地を滑る。
背に組み付いてきた大柄なクズヤミーを
〈バース!〉
そして左手の内に転送したバースバスターをゼロ距離で連射。確実に足下の敵を粉砕するとともに、射撃の反動を利用して転がりつつ、
〈バロン!〉
〈マッハ!〉
バナスピアーで次いで迫る直近の敵の足を払い、ゼンリンシューターの水平撃ちにてさらなる敵を一掃。
〈ゲイツ!〉
そしてその連撃の締めに慣れ親しんだ己自身の複合武器、ジカンザックスを手に。
〈アブゾーブ・ジオウ〉
ふたたびジュウガと背を合わせるかたちとなったゲイツだったが、互いを横目に顧みつつ、跳びかかる。
互いの死角より攻めかかって来た怪人たちをあるいは『ゆみ』で撃墜し、あるいは『おの』でねじ伏せる。
〈ブラキオ! ブレーク・アタック!〉
ジョージもまた、周辺の時空を捻じ曲げるほどの重力を帯びた拳でもって、相手を叩き伏せていく。
だがしかし、そのジョージがにわかに、膝をついた。
「おい、どうした?」
思えば次第に技の出が遅れていった。が、ダメージを受けた様子もないし、疲弊するほどの継戦時間でもなかっただろう。
「ここらが限界、か……」
「どういうことだ?」
独りごちるように呟いたジョージだったが、その影がノイズとともにぶれ始める。
あるいはそれはアナザーライダーやタイムジャッカーによる時間干渉現象にも似ているが、もっと現実向きに則しているようにも見える。
「いやはや、ドライバーの方の時間制限の問題はとうに解消しているんだが……問題は中身、つまり私の方でね。この世界まで精神を飛ばしてきたんだが、それも限界にきたようだ。まぁ本来は数時間程度のものを無理を押して来たからね」
「おいっ、お前の面倒まで一人で見るつもりはないぞ!」
そう悪態をつくゲイツに、
「じゃあ、選手交代だ」
とジョージの声は笑い、その手より一枚の
「これで私も昔は色々とあってね……そこから得た教訓やテクノロジーもあるわけだ」
次の瞬間、ジュウガの身体から何かゴーストめいたものが抜け出ると同時に、変身は解除されてジョージは倒れ伏した。
「――なるほど」
自らの指に挟まれたカード全体のデザイン、描かれた者、そしてアルファベットで表記されたその名を見下し、すぐさまその意図を理解し、そして決断し、実行した。
〈ディエンド〉
自らの胸部のウォッチを押すと同時に、逆の手に精製したライトブルーの大型銃、ネオディエンドライバーでもって、二人に迫る敵を釣瓶撃ち。
〈KAMENRIDE〉
その読み取り部分を開き、受け取ったカードを弾として装填する。
〈ZERO-ONE!〉
銃口よりはじき出されたのは、幾重にも交錯するプリズム。
やがてそれは互いの間隔を狭めて重なり合い、一人の男の実体を形作る……否、召喚する。
本来彼がいるはずの、はるか宇宙の果てより。
「――なるほどね。やっぱとんでもないなぁ。俺の時代の後輩は」
その異常事態にも関わらず、持ち前の器量でそれを呑んだ男は、その手に掴み取る。
〈Zero-one Driver!〉
自らを仮面ライダーであり、社長たらしめるそのバックルを。
〈Jump!〉
未来への開けるその鍵を。
〈Authorize!〉
コマンドキーをバックルに読み取らせると、彼がいた衛星から降り注ぐ光からバッタ型のライダモデルが転送。コンクリートの地面や壁を踏み砕き、敵を牽制しながら跳ね回る。
「変身!」
展開されると共に右側面へと挿入する。
〈Progrize! 飛ーび上がライズ! Rising Hopper!〉
光となって分解したバッタは、主を守護するアーマーとしてリデザインされる。
シンプルかつ屈強な造形。黒いボディの上に黄色い装甲、赤い瞳。
それが、
「来たか――」
仮面ライダーゼロワン。
新たなる時代の幕を開けた男だった。
もう何の作品だよ、コレ?