NEXTジェネレーションズ Day After Tomorrow ~仮面ライダーダークドライブ~ 作:大島海峡
〈威吹鬼!〉
手にしたラッパ型の銃器に、ゲイツは自らの口に当たる部位を添え、一気にブレスを吹き送る。
音撃管・烈風より発せられた音が風に乗って空気を震わせ、先に敵に撃ち込んだ鬼石と共鳴して飛行する魔化魍たちを悶絶させる。
「お前たちを止めるのは、独りじゃない! 俺たちだッ」
〈Rising Impact!〉
その新たな時代を拓く風に乗り、一筋の閃光と化したゼロワンが、敵を縫うが如く貫いていく。
風 烈 烈風 明
光
ラ 院
イ 芸
ジ 津
ン
グインパクト
天地あまねく、風と光が掃討する。
「鳥チャン久々!」
〈Fry to the sky! Frying Falcon!〉
勢いそのままに、別のプログライズキーをベルトに読み込ませたゼロワンの背に、ピンクの隼が転送され、開かれた装甲と融合し、翼を得た。
平成を終わらせる天空の使者、仮面ライダーゼロワンフライングファルコン。
制空権を確保した宙を舞い、旋回しながらさらにオニコマギアを始めとするに蝙蝠たちを駆逐する。
〈ビースト!〉
〈シックス! ファルコ! セイバーストライク!〉
ダイスサーベルと音撃管を換装したゲイツは、同じく隼の魔力弾を飛ばしてそれを援護した。
もちろん己や臥したジョージを狙う地表のグールたちに適切かつ柔軟に剣戟で応戦していきながら。
〈ツー! バッファ! セイバーストライク!〉
指に転送したリングを別の種に転換して、
先に回した出目とは勢いも数も劣るのを見たゲイツは、そのまま剣先に乗せて飛ばす。
――足りないのなら、借りれば良い。足せば良い。
〈Blow! Authorise!〉
すでに彼らの頭上ではゼロワンが未知なる力を読んでいる。
〈Progrise! Powerful rush! Crashing Buffalo!〉
〈Crashing Impact!〉
両翼を失った代わりに、重さを得たゼロワンが勢い良く急降下、否、自由落下。
天地の敵を巻き込みながら、着陸を決めるや、牡牛と化した彼はなお突撃する。
〈ゼロノス!〉
ゲイツはビーストのリングとサーベルをゼロガッシャー・ボウガンモードに。
片手で支えて片手で狙い定め、突進しながら連射し、ゼロワンと呼応して敵を挟み撃ちにして確実にその数を減らしていく。
そしてその交差点、独り残ったモールイマジンにダブルラリアットをかまして昏倒させる。
だがその空いたスペースを埋めるかのように、平成令和を脅かした無差別の怪物たちがさらに物量で圧してくる。
何体もの怪人がゼロワンに折り重なって攻勢を畳みかける。
〈Progrise! Invading Horseshoe Crab!〉
灰色の甲殻がその重圧を押し返す。裂帛の気合いとともに、幾重もの敵の手足を浮かび上がらせた寸時に、
〈Gatling Hedgehog!〉
その装甲は、防性から攻勢へ。緑碧の棘と化して四方八方の敵を貫き、転がりながら包囲を脱する。
〈クローズ!〉
〈ビートクローザー! ヒッパレーッ、ヒッパレーッ!〉
ゲイツは、手の内に
「お、おぉぉぉっ!?」
頓狂な声をあげつつゼロワンは、地を砕き、削りながら無軌道に敵を磨り潰し、爆散させていった。
〈Critical Finishing Swing! Fighting Jackal!〉
これは堪らないと、強制的にキーを抜きつつ、新たなものへ。アヌビス神が如き神秘的な細身の形態に。
鋭利な大鎌『テリトリーサイズ』を地面に突き立てて我が身を止めて、引き抜いた刃で大味に敵を薙ぎ払う。
が、尖った耳から鋭敏に収拾される聴覚情報が、その喧噪の中の異音を拾い上げた。
〈Scouting Panda!〉
より確かな情報を集めるべく、モノクロームにチェンジ。
スカウティングパンダ。愛嬌あるフォルムだが、探知に特化したフォームである。
そしてその眼が、ゲイツの背にて透明化していた敵の存在を知覚する。
「……ゲイツ、後ろ!」
〈メテオ!〉
だが彼も、自らのマントの向こう側に在る悪しき者……ミラーモンスター・バイオグリーザの存在を察知していたらしく、ウォッチを押すとともに右の手の甲に作り出したガントレットでもって、長い舌による奇襲を難なく防ぐ。
あえて舌に腕を巻き取らせてからの、それを逆に引き込み、己が間合いへ。
ゼロ距離からの、ワンインチパンチ。
メテオギャラクシーの一撃が、鏡像の怪物の
いつの間にか、両ライダーを隔てる敵の層は、分厚い。
〈Progrise! Splashing Whale!〉
鯨の尾を打ち鳴らしての飛沫で吹き飛ばしても、まるでパイの皮を剥ぐように第二第三の陣が構えている。
「人のことを気にしてる場合か」
〈ブレイブ!〉
次いでゲイツの手に現れたのは、玩具やゲーム機めいた伝説の
それで地を掬い上げるように剣閃を飛ばせば、その冷気によって、スプラッシングホエールによって溢れた水たまりが凍結する。
〈スペクター!〉
もう一方の手の内に呼んだ長銃、ガンガンハンドを支えもなく持ち上げ、引き金を絞る。氷上にて足下を覚束なくさせた雑魚らを精密に撃ち抜いていく。
「だったら、コレかっ」
〈Hurricane! Authorise!〉
その意を汲んだゼロワンは、ペンギンのプログライズキーを読み込ませた。
〈Spinning Cyclone! Storming Penguin!〉
ペンギンのライダモデルと一体化し、腹這いになって氷上を滑り出したゼロワンが、嵐を率いて共に敵陣を穿つ。
〈Dynamiting Lion!〉
追い越すと同時に我が身を転換、再変換。
〈Dynamiting Impact!〉
百獣の王の腕力と剛爪をストッパーにして、地を抉りつつ留まる。刻んだ軌道から火柱が吹きあがり、追撃を仕掛けようとする敵を焼き払う。
〈ガタック!〉
後方の憂いを断ったゲイツは、双剣ガタックカリバーで前方の敵をいなす。
刃を通さぬドラゴンゾディアーツに対しては、
〈Trapping Spider!〉
再プログライズと共に紫に塗り替わったゼロワンの装甲、その間隙から射出された電磁ワイヤー『カラミティテリトリー』が、絡め取った。
〈Exciting Stag!〉
そして自らもオレンジのクワガタとなって、飛び上がって角を模したブレードで斬りかかる。
ゲイツもまた、刃を組み合わせて鋏と成し、ゾディアーツに組み付く。
二人のライダー、二対のシザースがそれを抱えあげて、上下から、徐々に加圧していく。その鋼鉄のボディが四散、爆発。
〈ギャレン!〉
ゲイツの力はクワガタから、クワガタへ。ただしその得物は銃器に。
だがギャレンラウザーを手にしたままに、
〈Exciting Kaban Shoot!〉
逆にゼロワンがそれを転送したアタッシュアローでもってでもってそれを援護する。
つがえて飛ばしたオレンジの矢は、鎌刃となって後方の敵を切り裂く。
余計な敵を自らの方に引きつけた後、ウェポンを擲ち、代わりとなるプログライズキーをセットする。
〈荒い、強い、硬い! Amazing Hercules!〉
甲虫の、その語源となった力の化身に等しき怪力でその突撃を防ぎ、むしろ押し返す。
〈Amazing Impact!〉
ベルトのサイドを押し込めば、その一本角が拡張して剣が如く研ぎ澄まされる。
頭を振り下ろせばそれだけで、魔の軍勢の動きを封じて一挙両断。大技ゆえの隙、間を詰めてきた相手に対しては、アタッシュカリバーをもってこれを
〈Electric! Progrise key confirmed. Ready to utilize〉
そして刃を展開させると同時に左右の敵を斬り伏せ、キリンのプログライズキーをセットする。
〈バレット・ファイア〉
その裏手でゲイツもまた、ラウザーに溜めたエネルギーを使ってラウズカードの再現を読み取らせて引き金を絞る。
〈Sparking Kaban Strash!〉
火球が射線上のジャマトらを足止めし、雷光を帯びた剣閃が、左右に敵を裂いていく。
だが、ここまで攻め立ててもなお、敵の数は尽きない。ただ生あるものを滅す。それのみで動く意志なき怪物たちに、戦意喪失など望むべくもない。
――それでも。
たとえどれほどに空が裂け、赤黒く染まろうとも、
「俺は……諦めるわけにはいかない!」
手の内にある青く懐かしいプログライズキー。
〈Bullet!〉
軋むほどに握り固めて、ビームエクイッパーに読み取らせてロックを解除。
「夢に向かって翔んだ、人やヒューマギアたちのためにもッ!」
オーソライズ。そう叫んで飛び上がり、キーを装填。
衛星から呼び出された青き狼のモデルを殴りつけて手ずから分解し、我が身に宿す。
〈Shooting Wolf!〉
そして狼の俊足で敵を掻い潜り、ゲイツの背に己がそれを預ける。半円ずつを互いに受け持ちながら、腕に重火器アタッシュショットガンを抱え込んだ。
〈Burning Falcon's ability! Full Charge!〉
そして紅蓮で囲われたプログライズキーを、その中へと装填した。
「そうだ……俺も、自分の夢を信じて、人々を救うッ!」
たとえその夢は別の場所、別の先にあろうとも、あるいは時や世界を隔てようとも。
ゲイツもまたその想いに同調し、持ち替えたジカンザックスに、自身の最強のライドウォッチをセットする。
〈Burning Kaban Buster!〉
〈マジェスティ! ザックリカッティング!〉
集約された斧鉞の一閃が、おびただしき平成二号の近接武装を象りながら――
対極では業火まとう朱の比翼が――
今度こそ、一帯の敵を吹き飛ばし、殲滅した。
「ふうっ、ひとまずはどうにかなったかな」
意味があるのかは知れず、マスクの上から汗をぬぐう所作をしていたゼロワンだったが、その背の山で、大きな爆発音が聴こえて来た。
反射的にその方角を顧みた彼らだったが、同じ予感を抱いていた。
良くも悪くも、決着の時は確実に近づいている。
何の作品だっけ、これ(二度目)