NEXTジェネレーションズ Day After Tomorrow ~仮面ライダーダークドライブ~ 作:大島海峡
――それから、その『二〇五五年』がどうなったかは、誰にも知るすべはない。
やはり人類は滅んでしまったのか、それとも、誤った歴史として世界線ごとに淘汰されたのか。
ただ、今少年が立つのは、紛れもなく二〇五五年だった。
まだまだ多くの問題を抱えつつも、それでも、いやだからこそ人が前を向いて進み続ける時代。なおも人がその文明と技術を保っている世界。
そこで生きてきた彼の頭上を、風に乗せられて一切れの赤い布が流れて来た。
なんとなしに惹かれて、少年はそれに手を伸ばした。
すっかり年月を経て擦り切れてはいたものの、かろうじてネクタイだと分かった。
それに触れた時――彼が生きた二つの時間軸が、繋がった。
絶望を経ての、今この希望に繋がったことを、思い出した。
一気に、感情が押し寄せてきた。
もちろんそれは、胸が二つに引き裂かれんばかりの、激しい痛みさえ伴うものだった。
だが同時に、多幸感と達成感もそこには確かにあったのだ。
その時、背後から一人の男が歩み寄ってきた。揃って買い物に行くために、元よりここで待ち合わせをしていた。
彼はその子の様子にしばし面食らったようだったが、すぐにその表情と、手にしたネクタイとを合わせ見て、全てを察したようだった。
彼に似た目元を緩ませ、
――待った?
口を動かす。
彼に、笑みと涙が同時にこぼれたその顔で、少年は顧みた。
「信じてたよ……父さん」
少年は、
――今度は、今度こそ、二人で並んで、同じ時、同じ道を生きる。
~~~
あとがき
疲れた(第一声)
しかしながら、ようやく五年以上越しに放置していた宿題を片づけることができました。
実のところ、当時のエイプリルフール記事の時点で大筋のストーリーは決まっていました。
が、実際に作品と起こそうという間にも新しい仮面ライダーは生まれ続け、それに関連してドライブほか過去のライダーの設定の掘り下げも続いたり、既存のライダーがなんか〇んだり復活したりして、その都度更新が必要になりました。書く以上にそっちの設定集めの方が大変でした。
いや、本当に仮面ライダーWEBには頭が上がりません。あと、東映FCが独占配信を無料限定公開してくれたのも割とでかい。
それでもピストルが出た以上は撃たれなきゃいけないし、本編でライドウォッチを出して思わせぶりなことを言わせた以上はそれは起動されるべき。それが作劇のせめてもの義務というもの。
……などという自己満足がために始めた作品はありましたが、自分でも驚くほどの多くの反響、評価をいただくことになり、そのおかげで今回も最後まで書き切ることができました。
番外作品に対して畏れ多いことではありますが、感謝申し上げます。
さて、次回作ですが、ドライブ×リバイスオマージュの仮面ライダーというリクエストを頂戴しているので、まずはそれから手掛けようかと思います。差し当たっては、世界観が分かる2~3話ほどの短編で。
その他ご要望等ありましたら、またあらためてお申し付けくださいませ。
あらためまして、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
それではまた、何処かでお会いできる日を楽しみにしております。