あなたはエルグランドの冒険者だ   作:朱鷺野理桜

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TS要素があります


3-004

 クラブ活動を始めたり、逆にクラブ活動に参加してみたり。

 あなたは精力的に学生として活動をしている。

 その傍ら、サーン・ランドの娼館を制覇。

 高級娼館にも顔なじみの娼婦を大量に作った。

 そして、あなたは今日、高級娼館へと遊びに来ていた。

 

「こ、ここが高級娼館……」

 

「ほ、本当に、本当にいいのか!?」

 

 今日はあなただけではなく、ツレがいる。

 あなたが連れて来たのは、学園の同級生たちだ。

 彼らは血走った眼であなたに念押しするように聞いてくる。

 

 そう、あなたが連れて来たのは、女子生徒ではない。

 あなたと同じく、新入生の男子生徒だった。

 年若い男子生徒たちに、最高の初体験をプレゼント。

 あなたはそのために高級娼館へと来ていた。

 

 あなたは遊び人であり、夜遊びには相応の持論がある。

 処女と童貞で恋人同士ですること全部。

 それは実に物語的なロマンティックさがある。

 だが、現実でそれをやるのは問題が多いもの。

 処女にとっても、童貞にとっても、なかなかに酷なものだ。

 

 童貞は熟練の娼婦に手ほどきをしてもらうべきだし。

 処女も同様に熟練の遊び人に手ほどきをしてもらうべきだ。

 やはり経験豊富な相手に導いてもらうのはどんな分野でも大事だ。

 

 その持論に従って、あなたはここに男子生徒を連れて来た。

 童貞冒険者見習いどもに、熟練のお姉様をつけてやるわけだ。

 

 安娼婦と初体験と言うのも悪くないが……。

 やはり最上級のグレードを知るというのも大切だ。

 高級娼館にいずれまた行く。そんな決意が普段の原動力にもなってくれるだろう。

 性欲は人間のもっとも根源的欲求だからこそ、人を動かす絶大な力となるのだ。

 

「あら、可愛いお客さんを2人も連れて来たの?」

 

「ふふ、冒険者学園の生徒さんね」

 

 あなたが指名した2人の娼婦が妖艶な笑みを浮かべて姿を現す。

 顔なじみの2人に金貨を握らせ、お小遣いねと断っておく。

 その上で、たくさん可愛がってあげて欲しいと頼んだ。

 娼婦の料金はすでに払っているが、娼婦に対する小遣いも大切だ。

 

「あら、こんなに?」

 

「張り切ってサービスしてあげないとね……フフ」

 

 それはもう腰砕けになるまで可愛がってやってほしい。

 って言うかもう、ここに来る以外考えられなくなるくらい骨抜きにしてあげて。

 

 あなたがそのように頼むと、高級娼婦の2人はうっそりと笑った。

 童貞どもは血走った眼で高級娼婦のことを見ている。

 彼らからは、それはもう濃厚な童貞の香りが漂っていた。

 あなたは童貞たちに、たくさん可愛がってもらうようにと伝えた。

 

真実(マジ)かよ……! 幻想(ユメ)じゃねえよな……!?」

 

 夢でもなんでもない。

 まぁ、娼婦との逢瀬は一夜の夢ではあるが。

 それは幻想ではない、たしかな現実としてある夢だ。

 

 いずれにせよ、払いはぜんぶあなた持ちだ。

 これほどお膳立てしてもらっておいて、楽しまない奴はいないだろう。

 あなたは前かがみになって歩いて行く童貞たちを見送った。

 その後、あなたは残っている娼婦全員を指名した。

 せっかく娼館に来たのだから楽しまなくては損だ。

 

 

 

 

「すご、すごかった……!」

 

「やっぱすげぇよ、高級娼館は……」

 

 翌日、朝の食堂で元童貞たち盛んに話していた。

 やはり年若い男子生徒は性に興味のあるお年頃。

 周囲の少年たちも興味津々でその話を聞いている。

 眼も血走り、あるものは鼻の根元を抑え、また大抵の者は前かがみである。

 

「嘘だろ……! 高級娼館を奢ってもらうなんて……」

 

「センパイちゃんどんだけ金持ってんだよ……!」

 

「センパイちゃん、俺にも娼婦を奢ってくれ!」

 

 自分も奢ってもらいたい童貞はあなたの下に詰めかけた。

 あなたは鷹揚に頷き、奢ってやろうではないかと宣言した。

 ただ、娼館側にも都合と言うものがある。全員で押しかけるのはダメだ。

 なので、多くても週に2人しか連れて行けない。

 

「奢ってくれんのか!?」

 

「センパイちゃん、虚偽(ウソ)じゃねえんだよな!?」

 

「勃ってくる……! 俺たちの性的欲求(せいよく)が勃ってくる……!」

 

 信じ難い申し出に疑心暗鬼になるのもわかる。

 だが、もちろんあなたはウソを言わない。

 高級娼婦を奢って欲しいものにはご馳走する。

 まぁ、2度も3度もと言うわけにはいかないので、1度限りだが。

 

 このサーン・ランドでも名の知れた娼館に連れて行ってあげよう。

 高級娼館は何件かあるので、その高級娼館のどれでもいい。

 そして、お気に召した娼婦を指名するといいだろう。

 

 また、希望者は多数いることが予想される。

 今回は新入生に奢ったが、次からは在校生を主体に選ぶ。

 つまり、卒業するまでには高級娼婦を奢ってやろうというわけだ。

 

「センパイちゃん、俺たちはなにをすればいい?」

 

「ドラゴンと戦えばいいのか?」

 

「家伝の剣だが、センパイちゃんが欲しいなら……」

 

 性欲に塗れた、しかし、透き通った眼で童貞どもはそんな提案をして来た。

 あなたは笑ってその申し出を断った。

 べつにそんなものはいらない。ドラゴンと戦うならあなた1人で戦う。

 むしろ、あなたは妖艶に笑って、彼らに提案した。

 この地の高級娼婦の味を知ったなら、次は別の地の娼婦を。

 そう、エルグランドの最高級娼婦の味を知ってみてはどうかと告げた。

 

「エルグランドの……最高級娼婦……」

 

「エルグランドってどこだ?」

 

「センパイちゃんの故郷だよ。別大陸らしいぞ。すげー遠いって」

 

「へぇ……え? それって、まさか……?」

 

 もちろん、あなたのことだ。

 あなたは一晩の指名に数十万、あるいは数百万の金貨が飛び交う超高級娼婦だ。

 貴族でも滅多に指名できないし、指名できてもあなたに拒否する権利がある。

 あなたはそれほどの、超が頭につくほどの高級娼婦なのだ。

 まぁ、権利があろうがなかろうが実力で拒否っていたわけだが。

 ともあれ、言ってみればあなたはエルグランドにおける最高の女である。

 

「ウソだろ、センパイちゃんと……!?」

 

「あっぁ、で、出ちまった……出ちまったよォ……」

 

「高級娼婦奢ってもらえる上に、同じ学園の生徒と……!?」

 

 みんなが喜ぶとあなたもうれしい。

 ひとまず、昨日高級娼婦を奢った2人は今晩あなたの部屋に来るようにと伝えた。

 

「嘘だろ……2日連続でだなんて……」

 

「センパイちゃんは、女神だ……!」

 

 来週に高級娼館に連れて行く生徒に関しては、殴り合いでも何でもして決めてほしい。

 と言っても、3年生、あるいは留年生から選ぶことになるので、それ以下の学年の生徒は参加資格はないが。

 そう告げると、食堂は騒然とした。そして瞬く間に乱闘が始まった。

 いいぞもっとやれとあなたは声援を送った。

 なお、教師陣にしっちゃかめっちゃかに怒られた。

 

 

 

 そうして夜。

 あなたの部屋には1人の男子生徒がやって来ていた。

 2人同時はちょっと、とのことで。

 雌雄(しゆう)を決するべく争いを繰り広げたらしい。

 その末に1人があなたの部屋に来たわけだ。

 

「これが女の子の部屋……造りは俺たちと同じなのに、この甘い香りは一体……!?」

 

 女の部屋に入ったのは初めてなのだろうか?

 あなたなど毎日のように入ってるというのに。

 

「それ自分の部屋もカウントするんだ……」

 

 自分の部屋ではなく他人の部屋である。

 

「毎日!? ま、毎日……! やっぱすげぇよ、センパイちゃんは……」

 

 なにやら戦慄しているが、あなたはそれを無視して自分の用件を押し通す。

 あなたはその男子生徒に対し、とりあえずワンドを渡した。

 

「えっと……これは?」

 

 それは『ミラクルウィッシュ』のワンドである。

 振ると、願いを叶えてくれる。

 そのワンドで性転換を願えば性転換ができる。

 つまり、女の快感を知ることが出来る。

 あなたは男相手には寝ない。

 性転換はあなたと寝るためには必須である。

 

「えっ」

 

 まぁ、嫌だというならワンドは返してもらう。

 さらには、部屋からも帰ってもらう。

 ひとつ言えることは、男の快感もすごいが、女の快感もすごいということだ。

 そしてあなたは女相手ならば超熟練者。夢のような時間を約束する。

 

「やります」

 

 男子生徒は鼻血を垂らしながらワンドを振り、女子生徒になった。

 

 

 

 

 

「すっ、すごっ、すごかった……凄すぎるよ、センパイちゃん……」

 

 元男子生徒の女子生徒はそんなことを言って感動している。

 あなたのテクニックのすべてを使って存分に蕩けさせたのだ。

 そんな感想が出て来るのは当然のことである。

 なにより、元男であるから、女の快感などまったく知らない。

 そんな初心な少女を完堕ちさせるなど、あなたにとっては容易いことだ。

 

 あなたはベッドに横たわって昨晩の余韻に浸っている女子生徒にそっと囁いた。

 女の子のままなら、今晩もたくさん可愛がってあげるよ、と。

 

「こ、今晩も……」

 

 まぁ、男に戻ります、と言ってもワンドの利用料金を要求するが。

 女になるために『ミラクルウィッシュ』のワンドを使いたいというなら、あなたは喜んで提供する。

 しかし、女から男になるために使いたいというなら、あなたは全力で拒否する。

 

 とは言え、あなたがやったことであるから絶対に拒否とは言わない。

 しかし、『ミラクルウィッシュ』のワンドは貴重品だ。おいそれとは渡せない。

 それもあなたの希望にそぐわないどころか、明確に反する目的だ。

 料金を要求するのは当然と言える。

 

 この大陸では手に入らないものだから、エルグランド基準の料金になる。

 まぁ、最低でも金貨10万枚くらいはもらわなくてはならないだろう。

 それまでは女のままでぜひとも頑張ってほしいものである。

 

「そ、それじゃあ、このままで……」

 

 快楽堕ちした元男子生徒の女子生徒は、そのままでいることを決めたようだ。

 やはり、性欲と言うのは人間の原動力として最適と言えるだろう。

 今までの人生のほとんどを擲ってしまうような選択すらも、手に取ってしまうのだから。

 

「その……センパイちゃん、ほんとに……今晩も……?」

 

 もちろんいい。

 まぁ、もう1人の男子生徒がぜひとも今日と言うならそちらが先約になるが。

 

「それは、仕方ないか……俺が先に来ちゃったから……それに、あいつもこうなるの?」

 

 当然ながらそうなる。

 男子生徒が2人減って、女子生徒が2人増える。

 あなたにとって最高の結果と言えるだろう。

 あなたは元男子生徒に対し、今晩のことを言いふらしてもいいと伝えた。

 元男として、女の快感の凄まじさと言うものを存分に言いふらして欲しい。

 

 娼婦を奢ってもらったら、女にされた上に手籠めにされるというよりも。

 娼婦を奢ってもらえる上、普通なら知ることの出来ない女の快感を知れる。

 そんな話の流れになってもらった方が、あなたにとって最大に得が得られる。

 

「こんなすごいこと、他のやつに話さないわけないじゃん……センパイちゃん、ほんとに凄かった……」

 

 あなたにしてみても、この学園の女子生徒は全部食べてしまったので最高だった。

 女子生徒がもういないなら、男子生徒を女子生徒にしてしまえばいい。

 じつに単純な発想と言えるだろう。

 

 男子生徒は高級娼婦と最高の初体験が出来る。

 その上、あなたに女として最高の初体験をしてもらえる。

 あなたも得だが、男子生徒にとっても得。

 これは誰も損をしない最高の取引である。

 

 しかも、女子生徒が増えるので男子寮の維持費もきっと減ることだろう。

 いずれ男子生徒はこの学園からいなくなる。

 女子寮だけを維持すればよくなるわけだ。

 三方が得をする。この名采配にはあなたをして自画自賛したくなる。

 

「なるほど、さては天才だな?」

 

 そうまで褒められると少々気恥ずかしかった。

 あなたはひとまず、そろそろ朝食の時間なので食堂に行くことを提案した。

 

「あ、もうそんな時間か……えっと、服ってどうしよう」

 

 あなたは既に準備しておいた下着類のほか、女子用制服を渡した。

 女子制服の予備はたくさん用意してある。

 これは入学当初から考えていた計画なのだ。

 すでに男子生徒分の女子制服は用意済みである。

 

「この制服ってもしかして」

 

 当然だが、未使用品だ。

 だが、もしもそうしたいというなら……。

 あなたの使用済みの制服を渡してもいい。

 

「……センパイちゃんの制服が欲しいな」

 

 あなたは快く自分用の制服を元男子生徒へと渡した。

 予備はたくさん用意してあるからなんら問題ない。

 

「ありがとう、センパイちゃん。その……また、たくさん可愛がってね……?」

 

 あなたはその願いに対し、そっと口づけをすることで応えた。

 

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