あなたはエルグランドの冒険者だ   作:朱鷺野理桜

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 あなたは後輩ちゃんによって汚された。

 たぶん、後輩ちゃんの中ではそう言う認識になっている。

 

 後輩ちゃんは、へたくそで欲望に負けた乱暴な行為だった。

 自分の欲望を満たすために、あなたを道具として使う行為。

 こういう乱暴なのもたまにはいい。

 

 思春期特有の爆発する性欲で、朝まで求められた。

 あなたはべつにいいのだが、後輩ちゃんは大丈夫だろうか?

 ふつうにメチャメチャ眠そうである。

 

「くぁ……ねむ……でも、最高だった……先輩さぁ、あんなエロい体してて、両親に申し訳ないと思わないの?」

 

 よく分からない罵倒をされた。

 むしろ誇りたいくらいだが、あなたはとりあえず傷付いたような顔をしておいた。

 

「ふへへ……先輩、今晩もメチャクチャに犯してあげるから、カギは開けておいてね?」

 

 あなたは、昨日あんなにしたのに……などと泣きながら言う。

 実際は大歓迎で、カギを開けておくどころか、合いカギを渡すまである。

 だが、そんな熱烈歓迎をされたら後輩ちゃんも困るだろう。

 

「はぁー……最後にキスさせてよ。おら、舌出せ。ん、む……じゅる、れろ……ほら、飲め!」

 

 下品で淫靡(いんび)なキスをさせられた。まったくたまらない。

 こうまで卑しい後輩が来てくれるとは……。

 

 

 あなたはウキウキで食堂へと向かう。

 後輩ちゃんとの夜は最高だった。

 しかし、どのタイミングでネタばらしをするべきか。

 と言うか、後輩ちゃんは誰にチクるつもりなのだろう。

 

 学園長? それとも、この町の代官、ケンビアエ子爵だろうか?

 どちらに報告したところで「知ってる」くらいの反応しか帰ってこないが。

 なんなら、この町の女性に注意喚起をしてもほぼ同じである。

 1年も滞在していたのだから当然と言えばそう。

 

「おはようございます、ご主人様。なんだかごきげんですね」

 

 考えながら歩いていると、サシャと出くわした。

 あなたはサシャにあいさつを返す。

 そして、いま新入生に脅されて肉便器にされているのだとウキウキで教えた。

 

「それは楽しそうに報告することじゃないのでは……?」

 

 まぁ、ふつうはそうかもだが。

 あなたは逆転の発想としてサシャに考えさせた。

 

 もしあなたが新しい奴隷を購入したとしてだ。

 その場合、サシャは先輩となるので、いろいろな序列が上だ。

 そして、その後輩が虐められるのが大好きなマゾ犬ワンちゃんだったとしたら。

 あなたはペット同士でのいろんな交友を否定しない。むしろ推奨する。

 つまり、サシャはその後輩ペットを、ベッドの上で虐めてもいい。

 

「…………! それって、楽しそうですね」

 

 ドSケモ耳少女サシャが、うっそりと笑った。

 あなたにとっても、そんな感じの後輩ができたのだ。

 無尽蔵の性欲を持つあなたと同じく、底なしの性欲を持つ卑しい少女。

 どちらにとっても損をしない相手が出来たらば、うれしいのは当然なのだ。

 

「たくさんいじめてもいい後輩かぁ……」

 

 そんな調子でぼやくサシャ。

 あなたを相手にサドぶりを全開にするのはむずかしい。

 単純にベッドの上でも、物理的にも、あなたのほうが強い。

 あなたに媚薬を盛れば満足いく結果となるのだが……。

 

 さすがにまだ娼館に行くガッツはないらしい。

 以前、娼館の前でウロウロしてるところには出くわしたが。

 少女を相手に客引きはしないので入るタイミングがつかめなかったらしい。

 なお、サシャはあなたを見て逃げ出したので、おそらくいまだ娼館処女だ。

 

 

 

 朝食を済ませた後は授業の時間だ。

 あくびを噛み殺しながら授業を受ける。

 後輩ちゃんと朝までコースだったので眠いのだ。

 

 昼食を食べたら、速度を上げて昼寝をしよう。

 寝返りで周辺被害を出さないよう配慮の必要はあるが。

 20倍速くらいなら問題なく寝返りが打てる。

 すると通常時間で30分が、600分相当、10時間となる。

 あなたが徹夜を苦にしないのはそう言うからくりがある。

 

 昼食を食べた後、寮に戻ってぐっすりと眠った。

 午後の授業は気分爽快で受け、やがて放課後となった。

 

 後輩ちゃんは今日も来るだろうか?

 そう思いながらウキウキで待っていると、後輩ちゃんが来た。

 

「ふわぁ……あふ……ちゃんと、カギ開けてましたねぇ。へへ、今日もメチャクチャに犯してあげますよ」

 

 やや眠そうだが欲望はギンギンのようだ。

 

「ちゃんとシャワー浴びて待ってたなんて、実は期待しちゃってたり?」

 

 もちろんバキバキに期待していた。

 なんなら朝からずっと期待していた。

 メチャクチャに犯す宣言もされていたのだ。

 どれだけ凄いことをされるのか期待は高まるばかりだ。

 

 もちろんそれは口に出さない。

 せめてものこと、3日くらいは後輩ちゃんには脅されていたい。

 ほぼすべての女子生徒があなたのお手付きなのだ。

 先輩方との交流が出来れば、あっという間に真実は露呈するだろう。

 この稀有な時間を、最大限楽しみたい……!

 

「ご期待通り、死ぬほど犯しまくってあげますよ。おらっ、寝転がって股開け!」

 

 真実が明かされれば、この高圧的な態度ともさよならだ。

 この一瞬一瞬を大事にして脅されたい。

 あなたは後輩ちゃんの求めるまま、ベッドに身を横たえた。

 

 

 

 さすがに2徹目は厳しいものがあったようだ。

 日付が変わろうかと言う頃に後輩ちゃんがダウンした。

 もともと、こうした行為は体力の消耗が激しい。

 2日も連続で朝までコースは常人には無謀なのだ。

 

 やむを得ないので、あなたは後輩ちゃんに『加速の雨』の魔法をかけた。

 『加速』は自分用の魔法だが、あなたは特別な儀式でこれの範囲化『加速の雨』を習得している。

 本来の数百倍の魔力を浪費しないといけないが、効果は絶大。

 

 後輩ちゃんを30倍速ほどに加速させる。

 『加速』の魔法には、ある一定の上限があるので30倍速が限界なのだ。

 あなたのように生命の位階を超えていると上限がなくなるのだが……。

 

 そのあたりはともかく、あなたも同程度にまで加速しておく。

 寝返りで周辺被害が出ると困るので、『セイフティテント』に連れ込んだ上でだ。

 

 そして後輩ちゃんが目覚めそうになったら、魔法を解除。

 『ステイシスバレット』で時を止めて、後輩ちゃんを外に連れ出す。

 そしてベッドの上に身を横たえさせて、目覚めを待つ。

 

「んぁ……はっ! 寝てた!? あっ、なんだ、まだ夜……」

 

 まだ真っ暗なことに安堵のため息を吐く後輩ちゃん。

 

「なんかメッチャ寝たみたいに気分爽快……先輩のおかげかなぁ? ねぇ、先輩。舐めてご奉仕してよ。ほら、早く」

 

 目覚めるや否やご奉仕の要求。

 なんてクズいのだろうか。

 あなたは喜んでご奉仕した。

 

 

 2日目も朝までコースをこなした。

 後輩ちゃんの性欲はなかなか凄まじい。

 そして3日目もまた、朝までコースをこなした。

 『セイフティテント』と『ステイシスバレット』による睡眠サポートのおかげだろう。

 4日目になってもまったく衰えることなく後輩ちゃんは脅して来る。

 まったく最高である。

 

 そして、5日目。

 朝の食堂で後輩ちゃんが吊るし上げられていた。

 

「なんで! なんでぇぇぇ! 私がなにをしたって言うの!?」

 

「センパイちゃんの独占を許すな!」

 

「この卑しい雌豚(メスブタ)がよ! かわいいじゃねえか!」

 

「お貴族様だからってよぉ! 調子くれてんじゃあねえぞ!」

 

 十字架にくくりつけられている後輩ちゃん。

 後輩ちゃんは貴族の生まれらしい。

 名前はレナイア・アルカソニア・イナシル・バトリー。

 なんでまた貴族が冒険者に? とも思うのだが。

 

 この大陸はエルグランドとは違う。

 冒険者の社会的地位は低くないのだ。

 なんなら名の売れた冒険者は高い社会的地位をも得る。

 あなたがわりとあっさり売名できたのもそれに由来する。

 冒険者学園の生徒だから、と言う要素があったらしい。

 

 そのため、社会の様々な層から羨望のまなざしを浴びることがある。

 貴族であってもそれは同じらしい。

 どころか、下級貴族だと最も分かりやすい立身出世の手らしい。

 

 まぁ、後輩ちゃんは立身出世のためではないようだが。

 どうも、女漁りのために冒険者になろうとしているらしい。

 物凄いシンパシーを感じる来歴である。

 

「ああああ……すごいことしてるわね……」

 

 つるし上げられている後輩ちゃんを見て、レインがぼやく。

 なにがすごいことなのだろうか?

 

「……バトリー家って、ザルクセン家の流れを汲む超名門なのよ」

 

 ザルクセン家は、この国、マフルージャ王国の王家だ。

 つまり、高低はともかく王位継承権すら持っている。

 なるほど、名門と言うのは間違いないだろう。

 

「と言うか、記憶がたしかなら……現王のいとこじゃないかしら、彼女」

 

 なるほど、思った以上にヤバい情報が出て来た。

 まぁ、あなたは後輩ちゃんに脅されていただけなのでセーフだろう。

 逆だったら大問題だったが……。

 

「まぁ、冒険者学園にいる以上、多少のことは問題はないけども。ヒートアップすると問題よ。早いところ収めなさい」

 

 あなたはうなずき、後輩ちゃんを助けに向かった。

 あなたは人だかりに対し、静まるように告げた。

 

「センパイちゃん」

 

 あなたは後輩ちゃんを虐めることは許さないと断固として宣言した。

 もしも虐めるなら、まずは自分から虐めるようにとも。

 ベッドの中での虐めなら大歓迎だ。普通の虐めは普通に反撃する。

 

「それはずるいだろ……!」

 

「普通に反撃されたら普通に死ぬんすけど」

 

「あ、あんたほどの人がそう言うなら……」

 

 ひとまず治まってくれたようだ。

 あなたは後輩ちゃんを十字架から解放しつつ、皆に紹介した。

 あなたの後継者である後輩ちゃんであると。

 

「!?」

 

「センパイちゃんの、後継者だとぉ……!?」

 

「つまり、コウハイちゃん……ってコト!?」

 

「ちょっと待ってくれ! 何に対しての後継者なんだ!?」

 

 生徒に動揺が、教員らに緊張が走る。

 あなたは退学にはならないが、重大な問題児と認識されている。

 それの後継者となれば緊張もしようものだ。

 

 後輩ちゃんは、体力さえ保てば4日連続朝までコースを喜んでこなす。

 あなたは7日連続朝から夜までコースをこなせる。

 体力問題さえ解決できれば、後輩ちゃんもいずれこの領域に至る。

 だからこそ、後輩ちゃんはあなたの後継者なのだ。

 

「4日連続……朝まで!?」

 

「バケモンじゃんね」

 

「おまえ4日連続朝までいける?」

 

「無理。1日朝までコースでもキツイわ」

 

「そもそも朝までなんかやったら腫れあがるわ」

 

「センパイちゃんの7日間ぶっ通しが異次元過ぎてちょっと」

 

「す、すごい師弟だ……」

 

 生徒らも納得いったらしい。

 そして、後輩ちゃんはあなたを愕然と見上げている。

 

「あ、の……先輩?」

 

 なんだろうか。

 

「ちょっとお聞きしてもいいですか」

 

 もちろん構わない。

 

「……私をつるし上げていた生徒たちって……もしかして、先輩の……」

 

 あなたのお手付きだ。

 と言うか、この食堂にいる人間すべてがそうだ。

 

「すべてとなると、教員もそうなるんですけど」

 

 教員もそうだ。ひとりの例外もない。

 中央壇上でのんきに食事をしている学園長もだ。

 

「学園長も!? えっ、えっ? じゃ、じゃあ……バラすもクソもなくないですか!?」

 

 学園内部では無意味だろう。町でもたぶん無意味だ。

 人口が万単位の町なので、さすがにすべてお手付きではないが。

 それでもかなりの数に上るのだ。実質、全員が知っている。

 すると、国王にバラされるとちょっと恥ずかしいかなくらいである。

 

「陛下にチクる勇気はさすがにないんですけど。なんで、大人しく脅されてたんですか!」

 

 あなたは真剣な顔で後輩ちゃんに言った。

 この道を歩んでいると、やがては自分が頂点に立ってしまいがちだ。

 そうした時、自分の上に立って屈服させようとしてくる相手……。

 その存在がとても眩しく感じられ、なによりもうれしく感じる。

 

 後輩ちゃんは、拙い技量ながらもそうしてあなたに挑んだ。

 その心意義が何よりもうれしく、あと普通になかなかないシチュなので興奮した。気持ちよかった。

 

「なるほど! メイドたちを食べ散らかすのもいいけど、娼婦のお姉様に虐めてもらうのも楽しいですよね!」

 

 そう言うことだ。後輩ちゃんもなかなか分かっているらしい。

 なにより、学園の新入生が相手だったので新鮮な気分だったのもある。

 その新鮮さはやがてうすれるが、入学したての今だからこそ最高潮に新鮮なのだ。

 

「うちの領地の女とは全員ヤッちゃったから、たまに王都で娼館に行くのが楽しみみたいな……そう言う感じですよね?」

 

 そう言う感じだ。

 あなたは深く頷いた。

 

「領地の女……全員? 比喩だよな?」

 

「ふつうは比喩なんだけど……これは……」

 

「マジなんじゃねえのって気がするんだけど」

 

「最初は冗談かと思ったけど、これマジでセンパイちゃんの後継者臭ぇな……」

 

 周囲の生徒らが唖然としている。

 教員らは頭を抱えている。

 みんながひとまず静まってくれたようでなにより。

 あなたは朝食に戻ろうと促した。

 

「う、うーん……わかった……」

 

「まぁ、おなかも空いてたし……」

 

「センパイちゃんに、コウハイちゃんか……震えて来た……」

 

「なんで2年連続でこんな化け物が……」

 

 ぼやきながら朝食に戻って行く生徒たち。

 あなたは後輩ちゃんに、朝食を食べようと促した。

 

「あ、はい」

 

 そして、後輩ちゃんの肩を力強く掴んだ。

 

「うっ」

 

 今晩部屋に来たら、たくさん虐めてあげる。

 そう告げると、後輩ちゃんは妖美に微笑んだ。

 

「私の4日分に匹敵するくらい、めちゃくちゃに虐めてくださいね……」

 

 まったく、すばらしい後輩が出来てしまった。

 あなたはたまらない展開に思わずニヤけてしまう。

 春暖の風に、初夏の香りが混じり始める頃。

 学園対抗演習を目前に控えた日のことだった。

 

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