あなたはエルグランドの冒険者だ   作:朱鷺野理桜

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「難しい話は終わったかい?」

 

「皐月。今までよく黙っていられたな。少しは利口になったらしいな。ほら、お手しろ」

 

「私は犬か何かか?」

 

 一通りの話が終わって、一息ついて。

 そこで今まで静かにしていたサツキが声をかけて来た。

 あなたの赤い瞳と、サツキの黒い瞳が交差する。

 

「ムギョッ! ギョッ、ギョホホホ……!」

 

「うわ」

 

「ン、ンンン……! ンギャワイイ……! お、おお、お姉さんと、イイコトしない……? ギョホッ、ギョホホホホッ……!」

 

 笑い方が気持ち悪いが、それはそれ、これはこれ。

 あなたは黙っていれば楚々とした美女であるサツキのお誘いにたまらなくなる。

 サツキの手があなたの手に重ねられ、そっと握り締められる。

 そして、サツキがあなたを柔らかく抱擁し、耳元で囁く。

 

「なぁ……スケベしようや……」

 

「うわっ」

 

「絶対気持ちええから……」

 

「うわっ!」

 

 サツキの気持ち悪い発言にタイトがドン引きしている。

 あなたも普通にサツキの発言は気持ち悪いと思った。

 だが、あなたとイイコトがしたいと言うなら応えないわけがない。

 あなたは最高に気持ちいい一夜にしようね、とサツキを受け入れた。

 

「嘘だろ……アイドルが言っても許されないレベルのキショさだぞ……」

 

「嬢ちゃん、女ならなんでもいいのか……?」

 

 タイトとジャンゴがあなたを信じられない物を見るような目で見ている。

 しかし、サツキは顔がいいし、スタイルもいいから……!

 

「人格は考慮に値しないらしいぞ、皐月」

 

「やれやれ……タイト。私の人格が同性異性問わず、好意に値するものなわけないじゃないか?」

 

「自覚あるなら少しは改めろや」

 

 自覚あったんだ。あなたもちょっと驚く。

 この手のは大抵、あんまり自覚がないのだが。

 

「そう言うのよくないぜ、皐月」

 

 そこでジャンゴがサツキを掣肘した。

 それは非難すると言うよりも、サツキを諭そうとしているような態度だった。

 

「素の自分を出して受け入れてもらえなかったら傷付くからって、絶対に受け入れてもらえないような気持ちの悪い言動をしてわざと拒絶されるのはやめようぜ」

 

「ヌッッッ!!!!」

 

「自分の振る舞いが悪かったから拒否られたんだ、素の自分が悪いわけじゃないんだって自分をごまかしても、自分を傷付けるばっかりだぜ。しかも、その傷心を慰めるのに二次元に逃げるのもよくねぇよ」

 

「アッ、アッ……ウワ、ワァ……あ、あぁぁわぁぁ…………」

 

「たしかに、同性趣味で、しかも小児性愛趣味だからな。おまえは本当に気持ち悪いよ」

 

「もう、やめてくれ……私は……私を……殺してくれ……」

 

「でもな、その振る舞いを直していけば、きっと受け入れてくれるやつもいる!」

 

「……わたしは……塵だ。もう……生きて……わたしの……塵……」

 

「しょおー!」

 

 突然ジャンゴがサツキをぶん殴った。

 

「甘ったれたことを言うんじゃないっ!!」

 

「ジャンゴ!? お前……」

 

「塵……おまえはそう言って自分を卑しめていればいいかもしれない。でも、彼女はどうするんだよ!」

 

 そう言ってジャンゴが指し示すのはあなた。

 え? 自分? この流れで自分にバトンが来るとは思わなかった。

 

「おまえのキッッッショいアプローチを受け入れて、いい一夜にしようねとまで言ってくれた彼女を……」

 

「ジャンゴ、ジャンゴ」

 

「あ? なんだよ、タイト。必死でセリフ考えながら喋ってんだから……」

 

「皐月くたばってんよ」

 

 タイトが示す先にはぐんにゃりと伸びたサツキの姿があった。

 ジャンゴは成人男性な上に、その体躯は実に筋骨隆々なのだ。

 サツキもなかなか恵体ではあるが、やはり女性である。

 ジャンゴの拳でぶん殴られたら気絶するのも自然と言うか。

 

「め、メディーック! 皐月! 大丈夫か! しっかりしろ! しっかりせよと抱き起し!」

 

「お国のためだ、俺に構わず行け!」

 

「それじゃ行くよと別れたが~」

 

 なんか突然歌い出した。

 こいつら……バカ酔いしてるな?

 あなたは今さら気付いた。

 話しながら結構飲んでいたので当然と言えば当然だった。

 

「皐月の体は虚しく冷えて、魂は故郷(くに)へと帰っていた……」

 

「皐月は死んでも、ポケットの時計はコチコチと動いているも、情けなや……」

 

 サツキのポケットから時計を取っているが、これはいいのだろうか。

 介抱と言えなくもないが、一般的には追剥行為では。

 まぁ、そんなノリでいいならあなたも好きにやらせてもらうとしよう。

 あなたはサツキを抱き起こし、ぶん殴られた右頬を確認してさらっと回復魔法をかける。

 

「傷は深いぞ! がっかりしろ!」

 

「ここは常夏の国……国名は忘れた……」

 

「あーあ、地面掘ったらダイアモンド出て来ねぇかなぁ」

 

「ダイアモンド出て来たら、ジューンに売り払って豪遊するんだがなぁ」

 

 などと言う2人にあなたはダイアモンドを渡した。

 エルグランドで採掘したもので、手癖でずっと持っていたものである。

 

「………………???」

 

 これをあげよう。なので、サツキをお持ち帰りさせていただく。

 

「ああ……うん。いいよ。それで……皐月はジャンゴが言う通り、同性愛趣味で小児性愛趣味なんだが……」

 

「こいつ勇気出して娼館行った時、めちゃくちゃ挙動不審になったのを笑われて以来、トラウマになったらしいんだよなー」

 

 なんと無作法な。娼館とは一夜の夢を買う場所だ。

 夢を売る娼婦が客に対してそんな態度とはいただけない。

 まぁ、安娼館の安娼婦などはそんなものも少なくないが……。

 

「それ以来、キショい言動するようになった上に、堂々とエロ本読み耽る変態淑女になっちまってなぁ……」

 

「心の傷が癒えるかは分からんが、まぁ、なんだ、慰めてやってくれ。すまんが、頼む」

 

 あなたは頷いて、2人にしかと承ったと答えた。

 あなたはエルグランドの超高級娼婦である。

 娼婦とは夢を売る者。客の心を満たし、癒す者だ。

 

 サツキの傷付いた心を癒し、全て受け入れよう。

 言動が改善されるかは分からないが、サツキの苦しみは減らしてあげたいものだ。

 

 

 

 

 サツキを背負って、あなたはふらふらとどこに向かうでもなく歩く。

 今日の探索はそれなりに長かったので、脱出した時間も遅かった。

 既に周囲はすっかり日が沈み、寒々とした月光が注いでいる。

 あなたの首筋に埋まったサツキの吐息がくすぐったい。

 

「…………情けない女と、お思いだろう」

 

 ふらふらと歩いていると、サツキがそう零した。

 意識はあなたが回復魔法をかけて少ししてから戻っていたのだ。

 

「娼館で笑われて、普通に声をかけただけでも笑われるのではないかと怯える姿……情けない女だと、自分でもわかってはいるんだけどね……」

 

 そのようにサツキは言う。

 あなたはそんなことはないと断言した。

 失敗を笑われるのはつらいものだ。

 特に、勇気を出してやった行いであれば、なおさらに。

 

「だけど、どうしても勇気が出ないんだ……わざとやっていると思えば、笑われても受け狙いでやったのだと自分をごまかせてしまえるから……」

 

 ならば、娼館のやり直しをしようではないか。

 あなたが娼婦として、サツキを迎え入れよう。

 そして、最高の思い出になる一晩にしよう。

 

 嫌な思い出をいい思い出で上書きしよう。

 もちろん、プレイも衣装も思うがまま。

 サツキが望む通りの娼婦として振る舞おう。

 

「……なるほど」

 

 さぁ、どんなプレイがお望みだろうか?

 そしてどんな衣装がお望みだろうか?

 

「こんなことを言うのは本当に申し訳ないんだけど……」

 

 申し訳ないのだが?

 

「君は、15歳くらいかな? イケ、る……うん、イケる……イケる……でも、ちょっと、う、ん……」

 

 なんとも言えない、本当に微妙な拒絶感。

 しかし、その態度の理由はわかる。

 あなたはサツキの好みからギリギリ外れているのだ。

 だが、妥協すれば十分に受け入れられるくらいの外れ具合。

 

 しかし、妥協したくない気分の時だってある。

 そんな時に無理に妥協すれば、しこりになる。

 それくらい微妙な好みの外れ具合をしている。

 

 だが、15歳と言う点について言及したのならば。

 サツキの好みの問題は、おそらくだが年齢なのだろう。

 あなたはサツキに妥協せずに好みを全力で延べよと命じた。

 恥も外聞もなく、全力で訴えるのだ。

 

 そして、そんなサツキの理想の美少女になにをして欲しいのか。

 単なる性行為だけではなく、例えば一緒にご飯食べたいとか、一緒に勉強したいとか。

 そんな両想いの少女とやりたかったこと全部を全力で述べるのだ。

 

「そうだな……私の好みとしては……うん、そう。年齢はもうちょっと若いといい。中学生は十分ストライクゾーンなんだけど、やっぱり15歳くらいとなると高校生かな? というところもあるからね……特に君は態度が落ち着いているし、物腰が大人びているから高校生側にしか見えなくてね。さすがに性格まで変えろとは言わないけど、外見的年齢をもう3~4歳ほど落として欲しいんだよ。私の好みを具体的な数字で言うと、やはり11か12くらいか……小学校6年生、あるいは中学校1年生くらいだ。やはり食べごろお年頃となるとそのくらいだと思うわけだ。子供も産める年頃だと私は信じるわけで。容姿とかその辺りに関しては文句は何ひとつないくらいぎゃんかわなのだけど、サイドテールは少し大人びて見えるので、リボンでツーサイドアップにして欲しい……あと、少女の美味しいところと言えば足なわけだ。それを美味しくデコレーションするにはやはりサイハイソックスが必須であると海軍は考える。陸軍としては海軍の提案に賛成である。そして、そう言うちょっとカッチリ気味な服装となると、学校制服を連想させるわけで。そこまで来たら全部統一して欲しいじゃないか。制服のある学校に行っている感が欲しいので、やはりミニのプリーツスカートにブラウス、スクールニットかサマーカーディガンなんかを着て学生服っぽさを演出して欲しいかな……いや、ここであえて制服が大抵ある中学校よりも、制服のある小学校と考えた方がやらしさが倍増するな……制服のある小学校って言うのは、それなり以上にハイソなところである場合が多いからね……やっぱり、高貴なお嬢様とかとイイコトしたり、お世話してもらえるって思うと歪んだ欲望が満たされてくれるよね……そうなると清楚感が欲しいので、指輪を含めてアクセサリー類は外してもらえるとありがたいかな? うん、見た目に関する好みはこれくらいか。プレイ内容は、そうだね……私が仕事で疲れて帰宅すると、そんな美少女がシンプルだけど可愛いカラーのエプロン姿で出迎えてくれて、お仕事お疲れ様、お腹空いたでしょ、たくさん食べてねと言われながら食卓に味噌汁とごはん、甘い卵焼きに肉じゃがを並べて欲しい。私が席に着いたところで、お茶を淹れてくれるんだ……私はそれを一口すすって、おいしい晩ご飯を食べる……お腹いっぱい食べ終わって一休みしたところでお仕事疲れたよおと嘆くと、お仕事お疲れ様と甘えさせてくれる……お仕事大変だけど、がんばって働いてきたのね。ものすごくえらいわ。と言って抱きしめてくれるんだ……そして私が毎日仕事を頑張っていることを褒めながらたくさん甘えさせてくれる……膝に甘えて、授乳され、ママのミルクを飲みながら愛撫されて絶頂を迎える。ママが可愛く絶頂できたねと褒めてくれて、私はそのままママをベッドに押し倒して、ママの未成熟でやらしい体に溺れるんだ……清楚で美しい体だけど、私に触れられるたびにぴくんぴくんと愛らしく、敏感に反応してくれるような可愛らしさがあって……それでママは優しくていっぱいさせてくれるし、たくさんおっぱいを吸わせてくれて、私はママに愛され、守られ、たくさん絶頂する……ママと一緒にお風呂に入って優しく体を洗われ、ママが私の背中をボディソープを塗った体でぬるぬると洗ってくれる……お風呂でもえっちして、お風呂を上がったらベッドに入って、ママに授乳されるんだ……ベッドの中で裸で抱き合い、ママのミルクでお腹いっぱいになって、幸せな心地のままママの胸で眠る……夢の中で私は赤ん坊になってママの腕に優しく抱かれてなんの心配も抱かずに眠る……これだ……! これしかない……! 私の求める最高のプレイは決まった……!」

 

 促したらものすごい勢いで欲望が垂れ流された。

 ちょっと促しただけでここまで全開になれるのも凄い。

 プレイ内容に関しては、まぁ割とよくいるよね、と言ったところか。

 

 ややプレイ内容にバリエーションはあるものの。

 母に甘えていた頃の自分に戻りたいとか。

 娼婦に母のように甘えたいという者は割とよくいる。

 もちろん、あなたはそのプレイにも十分応えられる。

 

 ここまで開けっ広げに教えてもらえるならありがたい。

 あなたはその欲望にはおおよそ対応可能だった。

 ミソスープと卵焼きも作れる。ケイに教えてもらった。

 さすがに夢を見る云々はどうにもできないけど。

 

「まぁ、夢はね……だが、さすがに年齢はどうにもならないだろう?」

 

 あなたはサツキを降ろし、『ポケット』から若返りの薬を取り出した。

 そして、それを一気に2本呷った。瞬間、あなたの体が小さく縮んだ。

 

「!?!?!?!?」

 

 ざっくりとだが、サツキのお望み通りの年齢になったろう。

 これでもまだ文句があるだろうか?

 

「ない……ぜんぜん……ぜんぜんない。いや、最高……え、やば、かっわぁ……」

 

 サツキが手で口元を抑えて悶える。

 あなたの可愛らしさに参ってしまったらしい。

 では、行くとしよう。いいところがある。

 

「いいところ?」

 

 あなたはサツキの手を取り、有無を言わさず『引き上げ』で転移した。

 空間の歪む感触の後、あなたたちが姿を現したのは暮れなずむ夕日に燃える町。

 やはり、あの前哨基地とマフルージャ王国ではやや時差があるようだ。

 前哨基地の方が2~3時間ほどだが時間が進んでいる。

 

 ここはソーラスの町、そこにある別宅だ。

 ここはそれなりの手入れはされているが、誰も住んでいない。

 つまり、サツキとどんなに倒錯的なプレイをしても、誰にも見られる心配はない。

 

「な、なるほど……」

 

 寝る前に、ファッションショーに付き合ってもらえるだろうか?

 サツキの望む通りのファッションに身を包まなくては。

 

「はぁー……ん、はぁー……夢じゃ、ないんだよな……ずびっ……こんな可愛い美幼女が、全肯定甘やかしックスさせてくれるんだよな……はぁー……ぐしゅ……」

 

 サツキは滔々と涙を流していた。

 感極まった、と言った様子だった。

 

「最高の思い出にしよう。この際、プライドは抜きだ……ママに着て欲しい服があるんだ」

 

 サツキは恥も外聞も投げ捨てる気持ちになったようだ。

 そうだ、それでいい。欲望を解放するのに理性とか恥なんて捨てなくてはいけない。

 全力で欲しいものを全力で願うのだ。

 あなたが与えよう。その心の隙間を埋める愛を。

 

 楽しい夜にしようね。

 そうサツキに語り掛けながら、あなたは家の鍵を開ける。

 

「楽しい夜にしようね……ママ」

 

 今夜は眠れないな!

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