スルラの町を出て、次の目的地へ。
名前のわからない町。どこぞの商会の馬車の護衛で向かった町だ。
そこで私とサシャはレインと初めて出会った。
まぁ、さすがに旅程まで再現はしないので。
飛行能力を用いてさっさと旅路は踏破してしまう。
目的地の町。ここではモモロウたちと出会った。
モモロウとトモと出会って、それからモモロウの紹介でアトリと。
「あの頃から相思相愛のラブラブゲイカップルだったよね。これからも末永く幸せでいて欲しいな」
私は男の子同士の恋愛推奨派だからね。
まぁ、男同士の絡み合いをコンテンツとして消費するような不躾な真似はしないけど。
私だって、女同士の絡み合いをコンテンツとして消費されたくないもの。
されて嫌なことはしない。人として当然のことだよね。
「そして、この町で私はレインに依頼されて、フィリアたち『銀牙』と戦った……」
あれを戦いと言えるかどうかはちょーっと微妙な気はするけども。
まぁ、戦いは戦いだ。とんでもなく一方的だっただけで。
戦いの後は、フィリアに無体を働いてお愉しみをした。
いやぁ、あれはすごかった。本格的な禁欲こそしていなかったけど。
なんせサシャ1人しかいなかったわけで、欲求不満だった。
そこに来てなにしてもいい女の子が来たんだもの……昂るよね。
私はそれはもうひどい無体を働いた。
その末にフィリアは運よく生き残った。
「…………ザイン神に怒られたりしないよね?」
当時のフィリアは腕利きとは言え、単なるいち修道女だった。
これを襲ってなにをしたところで、ザイン神の怒りを買う心配はまずなかった。
しかし、今はザイン神のレリックの正当な所有者でもある。
これを襲って殺しなんかしたら、間違いなく神の怒りを買うだろう。
現在の地位を元に、過去の行いを遡及して罪に問うのは無法だと思うけれど。
神様にそんな理屈が通じるようなら人は苦労してないんだよね……。
「ひと段落ついたら神罰を下す予定とかだったりしないよね……」
なんて口に出して、神様ならあり得るな……と言う予想が脳を過ぎる。
うう、いやだ……あんまり考えたくない……。
「え、えーと、それで……帰って、休んで……それからモモロウと再会して、アトリを紹介してもらったんだよね」
この大陸に来てはじめての積極的なお姉さん。
アトリは綺麗だし、積極的だし、なによりふつうに上手いし。
ベッドにお誘いされるとうれしくてたまらなくなる。
向こうの方から積極的に迫ってくれるのはもちろんのこと。
私のベッドのテクを知ってもなお攻め側に回りたいと思ってくれること。
あんまりにも上手すぎて、主義を曲げても鳴かされたい人が結構いるんだ。
アトリはそう言う意味で、とても希有な夜の友人だ。
「いいよね……アトリ……貴族のお嬢様っぽさあって……それでいて、冒険者らしい荒っぽさもありつつも、決して野卑じゃないところとかさ……」
アトリの外見はもう完全に貴種のお嬢様だ。
立ち居振る舞いに匂い立つような気品とかはないんだけど。
黙って座ってると、ハッ……となるような美しさがある。
逆に言うと、口を開けた瞬間に全てが台無しになるんだけど。
けど、そこから飛び出して来る言葉が慣れた感じのものなんだよね。
見た目は完全に貴族のお嬢様なのに、どこか同じ感覚を共有できる相手。
そんなの親近感を感じてうれしくなっちゃうのも当然だよね……。
なにより、腰がググッと細いのに胸なんか意外と大きくて……。
細くてしなやかな指で撫でられると、これがもうたまらんというか……。
腰使いが艶やかでエグいし、舌使いもヘビのようにしつこくてすごいし……。
「くぅ、最高……」
何度思い返してもアトリとの初の逢瀬はよかった。
おたがいに探り合うようにしてベッドに入って。
それでいてお互いにそう言う行為には慣れているので、打てば響くように答え合わせは済んでいって。
そうなったら、あとはもうおたがいに快楽を貪り尽くすだけで……。
「それでいて、さらに『ハンターズ』はまだまだメンバーいるんだもんね。『ハンターズ』はサービス満点なのがウリ……!」
この大陸における私の夜を彩ってくれた最高の友人たち。
その出会いと逢瀬はこの町からはじまったのだ。懐かしい……。
「そして、次は王都……そう言えば、この町で馬を買ったんだったねー」
いまも王都の屋敷で飼っているけど。あんまり使うことはない。
たまに自分でもブラッシングをしてやったりはするんだけども。
それ以上になにかをすることがあるかというと、まぁ、ない。
あの時とは違って、街道沿いを飛行して移動していく。
時々、街道を歩いている者とすれ違ってちょっと驚かれたりもする。
空を飛んで移動する魔法使いと言うのも、割と珍しいからね。
飛行魔法が持続する程度の距離なら、馬に乗った方が速いからね……。
私が使えば『飛行』の魔法も1か月近くは持続するけども。
これは私が壮絶なまでに無法な魔法行使能力を持ってるだけで。
たとえばレインなら30分保つかどうかというくらいだし。
サシャなら、それこそ10分くらいしか保たないだろう。
「なにか便利な移動手段とかあればいいのにね」
この大陸にも存在する石炭。そして、それを用いた蒸気機関。
それによって駆動する機関車と言うものは存在するけれど。
さすがにあれをひとつひとつの町に張り巡らせるのは無理がある。
いや、将来的には不可能ではないと思いたいところだけど。
現状の人類社会でそれはちょっと無謀だ。
それを可能とするだけの、社会全体の力がない。
エルグランドならともかく、こちらでは無理だ。
そして、エルグランドでなら可能だろうけど。
エルグランドは無法者が多過ぎて線路が存続できない。
根拠は私。機関車が脱線するところが観たいって理由だけで壊すと思う。
「日本で乗った自動車とか便利だったな~。いずれまた行きたいものだけど……」
まぁ、考えてることは、いろいろとあるんだけどね。
あの時代にいけなくなる……つまり、カル=ロスが生まれた直後くらいの時代にしかいけない。
それは逆を言うと、出会った『アルバトロス』チームの親世代が20歳ほど若い……!
私はおばあちゃんでも余裕でイケるけど。
やっぱり若い方がいろいろと楽しめるからね。
そう言う意味ではそっちの方が楽しめそうだ。
特にアスマイーフの親であるラルカとシャロン。
彼女たちの間にはぜひとも挟まりたいものだね……。
なにより、克己と睦美の間にあったすれ違いとか。
優花と鮮香の間にあったすれ違いとかも解消してあげたい。
そしてママ友として仲を深め、その流れでベッドインしたい。
「むふふ、未来に希望が持てるな~」
なんて私が笑っている間に王都が見えて来た。
馬で移動した時は数日がかりだったけれど。
私の飛行はかなりスピードが出るので、数時間で移動可能なのだ。
王都に入ると、今日は祭りかと思いたくなるほどの人混み。
私は王都の人混みをすり抜け、時々出会うスリの腕をへし折りながら歩く。
スリの性別差とか年代差は割とまちまちなのだけど。
今日出会ったスリは全員が男だった。年代は少年から中年まで様々だったけど。
私は女の子のスリに出会ったら更生できるように尽力している。
彼女らに職を与えてやり、未来と安息を保証してやろうとしている。
女は肉体的に弱者だ。落ちるところまで行ったとき、きつい肉体労働で再起とはいかない。
そんな労働に身をやつしたら、再起する前にあらかた死んじゃうからね……。
だから私が彼女たちを救う。
誰かが救わないなら私が救うまでのこと。
私にはそれができるだけの財力と地位がある。
救ってあげようだなんてことは思っていない。
彼女たちが救われて欲しい。
誰からも救われず、愛されず死んでいくなんて。
そんなのはあまりにも哀れじゃないか。
そんなの嫌に決まっている。だから私が救う。
ただ……ちょっと……こう……。
彼女たちが救われて、それから後に……。
たとえばこんなシチュエーションがありうる。
私に恩を感じ、私にできる恩返しがあれば……と言い出したとする。
私はもちろん彼女たちに金銭的なお礼を求めたりはしない。
しかし、元スリの彼女たちは「それでは気が済まない」と言い出す。
ならばと私はベッドを示し、何を求めているかわかるね? と言う。
元スリの彼女は頬を赤らめ、一瞬の逡巡の後に「変態女」と罵りながらベッドに入る。
私はにんまりと笑って「今夜は眠れないね」と囁きながら共にベッドに入る。
スリ救済にはそんな体験が可能な未来が存在しているのだ。
「今日はスリの女の子いなかったな。困窮してる女の子がいなくてよかった」
私が片っ端から救済しまくっているスリの女の子たち。
新しい子が現れて欲しいなんてことは思わないけれど。
こう……なんと言うかだ……お礼をしてくれる娘が現れないかなと……!
そう思ってしまうのも、やむなし……か!
なんてことを思いながら歩き続け。
救済すべき女の子はひとりも現れなかった。
スリの男の腕は5本くらい折った。
「ただいま~」
王都の屋敷に入ると、すぐさまメイドたちが駆け寄ってくる。
「おかえりなさいませ、ご主人様!」
「お風呂になさいますか? 食事になさいますか? それとも……」
「わ・た・し?」
あいかわらずうちのパーラーメイドは面白いなぁ。
おさそいは最高にうれしいのだけど、今はできない事情がある。
私は泣く泣く彼女たちのお誘いを断ることにする。
「今日はマーサに用事があってね……また今度ね」
『アルメガ』をブチ殺してしまえば、彼女たちと夜の仲良しコースも問題ない。
全部が終わったら、メイドたちを順繰りに食べていく最高の贅沢をしよう。そうしよう。
もちろん娼館にもいこう。1か月くらい帰らないくらいの勢いで娼館にいこう。
「メイド長ですか……お部屋にいると思いますが……」
「お誘いを受けていただけないなんて、寂しい……」
「ご主人様、私の身体に飽きてしまったのですか……?」
なんて言いながら、その豊満な乳房を持ち上げるパーラーメイド。
「うおっ、おおおおお……!」
私の目線は思わず釘付けになる。
やめてくれ、その柔らかくて重そうなやつは私に効く。
私は狂おしい熱に身をよじり、わき腹と肩を掻きむしる。
こんなおいしそうなもの見せられて我慢しろだなんて気が狂う……!
私は自分に『アイスボルト』を叩き込んだ。
マイナス100億度の超冷凍光線が私を瞬間冷凍する。
防具の耐性は切ったので、もちろんメチャクチャ痛い。
しかし、私の生命力を削り切るほどではない。
ただ、寒さによって生存本能すら刺激される状態になっただけ。
さすがにここまでくると性欲も消え失せる。
「はぁ、はぁ……! うう、今は、今だけはダメなんだ……! 本当ならこのままお部屋に行って、みんなで仲良ししたい……! もちろん若返りの薬もあげる……!」
「あ、はい」
「やっぱりわかりますか」
「あからさま過ぎましたかね」
「でも、見返りありきで迫ってくれると、それはそれで楽しいかな! 打算ありきでやるセックスって、勝負事の雰囲気が出て来てなんかエッチだよね! なにより見返りを与える以上は、存分に楽しむ権利が発生するような気がするしネ!」
「やっぱうちのご主人様って無敵よね」
「どんなシチュエーションでも興奮するものね」
「しかし、なんでまた禁欲なんてなさってるのですか?」
「それは色んな理由があるんだけど……すべては世界平和のため……人類の未来のためなんだ……!」
「なんかすごい壮大な理由で禁欲してる……!」
「私たちとベッドインするのを我慢すると救われる世界ってなに……?」
「その程度で救われる世界なら滅んだ方がいいまであるわね」
なんてぼやきを入れるメイドたち。
でも本当に私の禁欲で救われる世界があるらしい。
ふつうに意味はわからないけど、なんかそう言うものらしいので。
「でも、私1人が犠牲になってみんなを救えるなら、私は喜んで犠牲になろう!」
そう宣言すると、メイドたちが呆れた眼で見て来た。
「たかがメイドとヤるのを我慢する程度で、よくそこまで高尚そうな雰囲気出せますね」
「ご主人様って名女優ですよね。まぁ、そこらの女優より美人ですし」
「女優と言うとパトロンとセックスするのが仕事までありますが、ご主人様は女パトロンを逆に食ってそう」
酷評された。私は悲しくなった。
「ううん、酷評されて悲しいような嬉しいような……いや、ともかく、マーサのところに行ってくるね」
「はい。上着は……」
「ああ、よろしく」
私は羽織っていたマントをメイドに預ける。
そして、屋敷の中へと入って、メイド長たるマーサの下へと向かった。
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