あなたはエルグランドの冒険者だ   作:朱鷺野理桜

64 / 614
1-064

 しばらくレインと話し合った。

 この地の迷宮の特徴などを聞いていると、フィリアが起き出して来た。

 4人が揃ったので、あなたはこれから本格的に訓練をすることを2人に話した。

 レインに関しては、あなたのペットではないので本人の努力次第だろう。

 

「本格的な訓練、ですか。今までは違ったんですか?」

 

 サシャに施していたのは単なる基礎訓練だ。

 本格的な訓練となれば、冒険者としての訓練だろう。

 今まで施していたのは単なる戦闘訓練だったのだから。

 迷宮探索が行えるくらいの戦闘力は得たのので本格的に訓練をするのだ。

 

「まぁ、そう言われればたしかにそうですね」

 

「でも、冒険者としての本格的な訓練って、なにを?」

 

 まず、迷宮内における地図の描き方。

 野営、風雨を避ける術、長距離移動など。

 周囲の警戒、気配の察知、罠の探知と言った感知技術。

 物品の採取技術、発見した宝箱の開錠、罠の解除技術。

 場合によって道を切り開くための壁の掘削などなど……。

 

「え……凄い多岐に渡ってやるんですね……」

 

「普通、そう言うのはそれぞれ専門を決めてやるものだと思うわよ」

 

 しかし、エルグランドでは違う。

 あなたはいま述べた技能のすべてを会得している

 もちろんすぐに完璧にこなせとは言わない。

 だが、習得はしてもらうし、訓練もこなしてもらう。

 身を守るための方法は会得してもらわないと困る。

 なによりも命あっての物種なのだから。

 

「わかりました。がんばります」

 

「はい。自分の身を守るためですもんね」

 

 2人が頷いてくれたので、あなたはとりあえずと袋を2人に差し出した。

 あまり大きくない、手の平に納まるくらいの袋である。

 

「えと、これは?」

 

 おこづかい。あなたはシンプルにそう答えた。

 私的使用のためのお金なので、自由に使ってよい。

 これからは自由な時間が増えるので必要だろう。

 ただし、サシャは自分の買い戻しに使ってはいけない。

 

「あ、はい。それはもちろん」

 

「ねぇ、その場合、サシャの収入ってどうなるのよ? あなたが給与を払うわけじゃないんでしょ? 奴隷らしく無給?」

 

 冒険で得た成果はそのままサシャのものだ。

 先日の護衛の報酬もそのままサシャに与えているし。

 

「それだと、割とあっさり自分を買い戻せたりするんじゃないかしら」

 

 金貨500枚を得るのにどれだけかかるか知らないが。

 まぁ、サシャは衣食住を自分で賄う必要がない。

 冒険の報酬は全額手元に残るので、割と早く買い戻せるかも。

 

「そうなの。サシャ、がんばってね」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 まぁ、逆に言うと、サシャの報酬は仕事をするか次第でもある。

 あなたが冒険は休みと言ったら収入はゼロになるのだ。

 

 期間ごとに定額の給与支給は分かりやすいが、調整が効かない。

 なら、額は制御できずともタイミングを調整できた方が都合がいい。

 

 自分を買い戻せる額を溜める前にサシャを完全に堕とさなくては。

 あなた無しでは生きていけないようにしなくてはならない。

 あなたはそんなことを内心で思いながら、悪い笑みを綺麗に隠し通した。

 

「あの、でも、ご主人様」

 

 なんだろうか。

 

「その、私が奴隷じゃなくなっても、えと、冒険者の仲間として、一緒に冒険したり……そう言うのは、許してもらえますか?」

 

 もちろんだ。

 あなたは女の子に誘われたらどんな危険な迷宮でも挑む。

 それで両手の指では足らないくらい爆散しているし。

 だから普通にいっしょに冒険に行こうというお誘いを断るわけがない。

 

「なら、よかったです」

 

 安心したようにサシャが笑う。

 そうなった場合、堕とし切れずに解放奴隷になられても。

 サシャを堕とす機会がまだまだ巡ってくると言うこと。

 あなたにとってもサシャにとっても最高の結果と言えるだろう。

 

「ところで、訓練ってもう始めるの? うちだと都合が悪いんじゃない?」

 

 あと3日は休養期間なのでやらない。

 それは冒険の準備期間に含むべきものだろう。

 休む時はキッチリ休むべきなのだ。

 

 そのため、あなたの生活習慣に関してはこう分けられる。

 

 すなわち休養期間。準備期間、冒険期間。

 

 このうち休養期間は完全に休養のためなので、長くても1週間やそこらである。

 準備期間では迷宮に挑むための期間なので、1か月や2か月、長ければ年単位で取る。

 冒険期間は挑む場所次第なので変動するが、長くても1か月程度だろう。

 ちなみに以前軽い訓練期間を取ったが、あれは分類で言うと準備期間に入る。準備期間にも細かい区分けがあるのだ。

 

「そう。分かったわ。じゃあ、あと3日はおやすみね」

 

 まぁ、今夜はもちろん眠れないわけだが。

 あなたはテーブルの下でサシャのふとももに手を這わせた。

 サシャが一瞬ぴくりと反応し、その体を震わせる。

 だが、フィリアとレインの目があることから努めてそれを隠した。

 

 あなたは丹念にサシャの太ももを撫でる。すべすべで最高。

 そんな愛撫をしているとはおくびにも出さず、あなたは真面目な顔で切り出す。

 3日後の朝から冒険に向けての準備を始めようという提案だ。

 各々がその提案に頷くと、あなたはサシャを連れて部屋へと戻った。

 

「あ、あの、ご主人様……その、ほんとに……?」

 

 冒険の準備期間にヤリ納めはする。

 だが、それはそれとして、いま、サシャと、愉しみたい。

 

 2日ならがんばれるよね?

 3日もイケちゃったりするんじゃない?

 そんなことを囁きながら、あなたはサシャを部屋へと連れ込む。

 

「ひぅ……わ、私、おかしくなっちゃうかも……」

 

 おかしくなってしまってもいい。

 ちゃんとペットとして責任を持って可愛がる。

 将来を悲観する必要はない。

 あなたの下に居る限りはすべて安泰(あんたい)だ。

 

「は、い……その……ご主人様……」

 

 上目遣いであなたをうかがうように、それでいて、媚びるような愛らしい目つきで、サシャは言う。

 

「い、いっぱい……かわいがって、ください……」

 

 あなたの理性は蒸発した。

 

文字数はどの程度が好ましいですか?

  • 2000文字前後
  • 3000文字前後
  • 4000文字前後
  • 5000文字前後
  • 6000文字前後
  • 7000文字前後
  • 8000文字前後
  • 9000文字前後
  • 1万字前後
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。