「お姉様、オークショニアから連絡が来ましたよ。今晩のオークションに魔法のかばんが出るそうです」
訓練と下着の仕立て。
レイン主導の馬車の手配。
冒険の準備が着々と進む。
そんなある朝、フィリアが連絡を持ってきた。
魔法のかばんは必ず買う予定のものだ。
行こう。あなたはうなずいた。
「わかりました。では、今晩はオークションですね」
そう言うフィリアに、あなたは1歩踏み寄る。
いつも会話する距離より、1歩分近い距離。
そして、今晩はデートだね、とフィリアに笑いかけた。
「は、はい。そうですね! お姉様とデート……ふふっ」
そうと決まれば町中の宿に予約を取らなくては。
夜にデートとなれば、最後はそう言う展開になってしかるべきだ。
わざわざ伯爵家まで戻ってからというのでは少々風情がない。
オークションに特筆すべきことはなにもなかった。
あなたの財産からすれば、始まる前からゲームセットである。
お目当ての魔法のかばんを軽々と落札しておしまいだ。
興味深かったのは、
魔法のかばんは発見された時に中身入りの場合がある。
まぁ、誰かの落とし物、あるいは遺品というわけだ。
そのため、中にかばんよりも遥かに価値のあるものが入っていることもある。
ギャンブル要素も相まってか、未開封のかばんは驚くほどの値段がつけられていた。
ちょっと興味が
そのため、開封済みで中身なしのかばんを購入してオークションは終わった。
「かばんだけでよかったんですか?」
帰りの馬車の中、フィリアのそんな疑問にあなたは頷く。
かばんの他、各種の武具やマジックアイテムの出品もあった。
エルグランドには存在しないマジックアイテムもあった。
水中呼吸の指輪や、魔法
また、食料が産み出せるスプーンや、エルグランドには存在しない動物の肉などの出品もあった。
強力なモンスターの肉には希少価値があるらしく、オークションの対象になるんだとか。
とは言え、自分で手に入れることができるならば、オークションで落札するのは少々
冒険の中で手に入れることに期待を込め。
あなたは魔法のかばんの落札だけに済ませた。
これに関しては、サシャに与える装備品なので問題ない。
元々、
そこまで厳密に考えてはいないのだ。
「ふふ、お姉様ったら、やんちゃな冒険者そのものですね」
そんな心情を話すと、フィリアはそう言って笑った。
あなたは、でなければ未だに冒険者なんてやっていないと笑って答えた。
馬車が予約していた宿に到着する。
コネなしで取れる宿の中では最高の宿だ。
冒険者向けでない、普通の旅行者などが利用する宿だ。
金貨十数枚もの宿泊費を払える者が普通の旅行者と言えるかはともかく。
案内されて部屋に入った際、あなたは案内のボーイに金貨を握らせた。
素敵な夜を過ごす予定なので、だれにもジャマさせないで欲しい、と告げて。
ボーイはあなたに握らされた金貨を握り締めて、笑顔で頷いた。
「わぁ……素敵なお部屋。こんなすごい宿、泊まったことないです」
フィリアの普段の生活はかなり大人しいものだ。
修道院で育った孤児だったと言うから、それも自然か。
身に着けるものは高級でも、感覚は貧民のそれなのだろう。
稼いだ金の多くは次の冒険のために注ぎ込まれるか。
育った修道院へ恩返しとして
「ふふ……なんだか、レインさんとサシャさんに黙ってこんなところに来ていると思うと、悪いことをしてる気分になっちゃいます」
もっと悪い子になってしまうのはどうだろう?
そう言って、あなたはベッドを指さした。
「もう……ベッドの中でも悪い子になっちゃいますよ?」
その時はよくしつけをして、いい子になってもらわなくては。
冗談めかしてそう告げると、フィリアも笑って答えた。
「きゃあ♪ いい子にされちゃったら、もうお姉様のお誘いに答えなくなっちゃうかも……だって、いい子は女の子同士なんて
では悪い子のままでいい。極悪人になるべきである。
さしあたって、無理やり抱かれているのに喜んでしまう悪い子になるというのはどうだろう?
「ふふっ、じゃあ、悪い子になっちゃおうかな……ね、お姉様」
存分に悪い子になってもらいたい。
あなたはそんな思いを込めて、ちょっと乱暴にフィリアをベッドに押し倒した。
初体験があんな経緯だったせいか、フィリアは少し乱暴にされるのが好きなのだ。
ただ、今晩は特別なデートなので、少し乱暴で……けれど、とびきりロマンティックに。
あなたは熱い夜のはじまりに胸をときめかせ、フィリアの服に手をかけるのだった。
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